1. questura /permesso di soggiorno 編 1

イタリアに来てから約1年半が経過。
そろそろ
permesso di soggiorno(滞在許可証)の更新について考えなければならない時期がきた。何故なら、私が今持ってる学生用の滞在許可証が切れるのは、あと2ヶ月後。
仕事も始め、Partita.IVA(いわゆる税金です)を開いて税金を納めるようになり、ちなみにいつまでいるかも分からないのに、明細を見ると何としっかり年金まで引かれている。。。
ということで、いよいよ労働用滞在許可証取得へ向けて乗り出した。
まず必要なのは情報集め。といっても、ここリボルノという場所柄、知り合いの日本人が取ったという話は耳にしない。身近でアドバイスしてくれる人もおらず、全く0からの出発。

まずは会社の契約書を持って、questuraへ行く。
窓口の男性係官に、
「ペルメッソをstudio(学生)からlavoro(労働)に変更したいんだけど。」
「だめだめ、そういうことはできないの。日本帰って大使館に聞きな。」
と、門前払い。
イタリア大使館が今ほとんど労働ビザなど発行しない事くらいは知っている。
発行するとしても、半年以上待たされるといったような噂を聞く状態だ。
仕事を初めてばかりの状態で、数ヶ月間という長い期間の帰国が許されるワケが無い。
さて、困った。書き換えは確か可能だと聞いた。州によって違うとは言うが、
果してここリボルノは無理なのか?
だとしたら、合法で働くには?? 他に手は無いのか?
頭を悩ます日々が続く。どこに行っても、誰に聞いても、
「それはquesturaの管轄だから、questuraに聞きに行くしかない。」
と言う。

と数日後、同じ状態で日本に帰国を余儀なくされたモデナ在住の友人から、1本の電話。
「今すぐufficio del lavoro(労働局。各地方に存在する)へ走れ。毎年posto(いわゆる政府によって決められる、外国人労働者の受け入れ枠)に制限があって、急がないと無くなる。」
何だか良く分からないまま、言われたままにufficio del lavoroへと走る。
しかしufficio del lavoroがどこにあるかも分からない私。
とりあえずcomune(市役所)の辺りまで行き、警備員らしき人に聞いてみることに。
「えっとねー、前はこの近くにあったんだけどねえ、確か移転したんだよ。」
と、無線で同僚に確認。親切に行き方を教えてくれる。

ところが辿りついたのは、ufficio di collocamento、いわば「職業安定所」。
そこの人に教えてもらって後で知ったが、ufficio del lavoroはなんとquesturaの目と鼻の先だった・・・。

 

 

2. questura /permesso di soggiorno 編 2

そしてたどり着いたufficio del lavoro

労働用滞在許可証についての情報が欲しい、というと、それについて詳しいというdottoressa(と呼ばれていた。先生、ってな感じです)を紹介してもらった。
この方は非常に親切で、親身になって相談に乗ってくれた。
で、このdottoressa曰く、

subordinato(従業員)のpostoは埋まっちゃったけど、autonomo(フリーランス)はまだ空きがあるわよ。」

とのお言葉。

これはありがたい!!!

なぜなら私の契約内容はまさにこのautonomoだったからだ。

 

して、早速このautonomo用滞在許可証ゲット

 

 

3. questura /permesso di soggiorno 編 3

Qには誰かイタリア人を連れて聞きに行った方が、色々情報をくれる、という先述のモデナの友人の言葉を頼りに、職場の上司を無理矢理引っ張り出して連れて来させる。
が、結果は同じ。というか、その上司はただ私の隣でただ、「つっ立って」いるだけ。
構わず私は警官と喧嘩をおっ始める。

警:「言っただろうが、日本帰って大使館に聞けって。」
私:「いや、ここで出きるはずだ。これはアンタ達がやることだ!法的にもできる事になってる!dottoressaも書き換えはQだと言ったんだー!」
警:「そんならdottoressaに、うちに電話するよう言え!とにかくあんたの場合はできないの!ちょっとケースが違うんだ。(と、わけわからないことをひたすら述べるが、いずれも何故ダメなのか理由が明確でない。)だからnon si puo'!(無理!)」
私:「si puo'!(できるっちゅうねん!)」
警:「no!」
私:「si!」

最終的にその警官は窓口から出てきて、隣で黙って見ていた上司に説得を始める。
そして上司はおもむろに私に言った。
「警官がダメだって言ってるよ。だからダメなんだよ。」
オマエが説得されてどうする!!

 

 

 

4. questura /permesso di soggiorno 編 4

その上司を連れて行ってタダ1つだけ役に立ったのは、非常に有益な情報を与えてくれた事。
それは、とあるpiazzaに、外国人専用の相談窓口がある、ということ。
きっと何かの助けになるだろうから、言ってみるといい、という。
実は彼の奥様もたまたまextracomunitaria(欧州共同体に属さない外国人)で、そういった情報は一般の地元民よりも詳しいらしい。
ある意味、「藁をもすがる」思いでそこへ赴いてみる。
しかしそこはとんでもない場所であった。

小さな事務所には、明らかに外国人と思われる係りの人が座っている。
あまり期待もしないままに、私はその人に今まで起こった事をくまなく説明。
まず始めに気付いたのは、同じ外国人なので問題の意図を非常に容易につかんでくれる事。
何を言いたいのか、何が問題点なのか、をすぐに把握してくれるのだ。
そして分厚いペルメッソ関係の法律の書類を引っ張り出し、何が必要でどこの管轄が何をしなければならないのか、明確に答えを出してくれる。
恐らく同じ質問を何度となく受けてきたのだろう。
まさにこういった問題に対してのエキスパートだった。
例のufficio del lavorodottoressaのことも良く知っていて、私の為に彼女が何をしなければならないか、直接指示を出してくれ、私には用意しなければならない書類を1つ残らずチェックしてくれた。
まず、dottoressaは私に「postoを与える」という手紙を書いてサインをし、私に渡さなければならない。そしてその後、その手紙と残りの書類を持って再度Qに申請しに行く、という経緯なのだそうだ。この手紙さえあれば、Qは有無を言わずに書き換えを実行しなければならない。
dottoressa
もそのことに関してはあまり詳しくなかったらしく、その係官に言われるままに手紙を書いてくれ、それでもQがダメというなら一緒に付いて来てもらう、という約束をして私は次の準備に取り掛かることにした。

 

 

 

5. questura /permesso di soggiorno 編 5

とにかく必要な書類は山のようにある。8月の猛暑の中、しかもほとんどの事務所がバカンスに入るという最悪の状況下で、私はこの書類集めの為に奔走した。
幸いだったのは、「ペルメッソ取得に専念しろ。」との上司の温かいお言葉。
仕事は過酷を極め、ほぼ丸1日家にいない状態が続き、炎天下(180年ぶりに記録更新という猛暑)で体も衰弱しきっていた私を見るに見かねての言葉だった。
というのも、仕事は一刻も早く辞めたかったが、ペルメッソ取得の為どうしても会社の契約書が必要という理由で、辞められない状況が続いていた。
そこで、ありがたくも仕事は事実上7月いっぱいで打ち切り、契約は尚継続、一段楽したら連絡を取る、という思ってもみないやや特殊な形で、契約書を思う存分活用させていただいた。

全ての書類が整ったのは約3週間後。税理士やら弁護士やら、合間に相談しに行った人の数は枚挙に暇が無い。
そういった自分の努力はもとより、多くの人の協力を経て、いよいよQに再度向かう日がきた。
警官と喧嘩をしたのが若干トラウマで、Qへ行くのは非常に気が重い。
とりあえずイタリア人の友人を連れて申請へ。
まず一番有効だと思われるufficio del lavoroの手紙を一番上に置き、無言で全ての書類を提出。(なぜなら余計な事を言わなくても、その手紙に必要な事は全て書いてある。)
案の定その手紙に目を通した係官は、何も言わずにそれを手にして後ろへまわる。
そして上司と相談した後、また窓口に帰って私に言った。

Manca l'ente previdenziale.

れんて・・・
言っている事がわからない。耳覚えの無い名前のその書類。
目を丸くしていると、一緒に来てくれた友人が説明してくれた。
「税金だよ。とりあえずcamera di commercio(商業会議所)にでも行って聞いてみよう。」
まだ大学生で、社会経験のない彼にとってもあまりピンと来ないらしい。
とりあえず2人でcamera di commercioへ向かう。
しかし、はて、そんなものが必要だとは誰も言っていなかったが・・・?

 

 

 

6. questura /permesso di soggiorno 編 6

すぐさま向かったcamera di commercio
l'ente previdenziale
についてはどこへ聞きに行けば良いか。
l'ente previdenziale ああ、INPS(=全国社会保障保健公社ね。」
INPS!!そういってくれれば一発でわかったのに!
なんとも不親切なQ。外国人だと思って、わざとわからないように難しい言葉を使ったとしか思えん・・・と、ひねくれた考えに走らざるを得ない私。
幸いINPSの事務所もすぐ近くなので、今度はそこへ走る。

「あのー、ペルメッソ書き換えの為に、INPS登録が必要らしいんですけど。。。」
すると、そこの係官は言う。
「その前にはcamera di commercioでの登録が必要よ。」

なんと。。。

そこでまたしても、camera di commercioへ戻る。
今度はそこの係官。
「あなた、ペルメッソ、まだstudioじゃないの!lavoroの人にしか登録はできないわよ。」

なぬ〜〜〜!!!

本末転倒。書き換えする為に必要、って言われたのに、書き換えしないと登録できないとは。

もう気が動転している私は
「Qがそう言ったの!!とにかくそれが無きゃ、私はペルメッソが貰えないの!!」
とわめく。
「そんなこといっても無理なものは無理よ。lavoroのペルメッソ貰ってからいらっしゃい。Qも時々バカなこと言うから困っちゃうわねえ。。。」

憤怒の如く怒りながら、Qに戻る。
順番待ちをしていた人もいたようだが、もうそんなこた知ったこっちゃない。
すぐさま窓口に飛びかかる。

 

 

 

7. questura /permesso di soggiorno 完結編 

camera di commercioの係官に言われた事を、今朝の同じ担当官に全くそのまんま伝える。
(「Qもアホね〜」と言った事も全て。)
またしても後ろへまわる係官。何やらまた上司とうだうだ相談している様子。(もう、どう追い返そうかと話してるようにしか思えない。)その間約30分(!!)、窓口でひたすら待たされる。
順番待ちしてた人にとっちゃ、割り込みされたわけだからさらにいい迷惑だが、申し訳無いがもうそんなことは目に入らない。
上司との相談が終わったらしく、ようやく窓口に戻ってきたが、そこで口にした書類の名。。。
なんと言い終えるまでに40秒くらいかかりそうな恐ろしいほど長い名前。
実際その担当官も覚えられなかったらしく、紙にメモしたその名を読み上げていた。
「上司がこれが必要だって言ってるから、それを伝えてるだけよ。」
と、しかも責任逃れまでしようとする。
私の周りで、皆が私を見て首を横に振っている。明らかに必要無い物なのだ。(というか、存在すらしないとも思われる)
呆れと怒りが私を同時に襲い、体がワナワナ震える。
Qではしっかり「ペルメッソ(lavoro)取得に必要な書類」と題してリストまで配布しており、もちろん私はもうそれを何百回と見て、弁護士等と何度もチェックしている。つまりそこに書いていないものは本来「足りない」と言うべきで無い書類なのだ。
そう、足りない物は何一つとしてない、完璧なまでに揃え挙げられた書類。
文句のつけようの無いこの行為に、それでもまだ重箱の角をつつくように、いちゃもんを付け続けるQ。そこまでしてペルメッソを交付したくない彼等の意図が、もう私にはわからない。
私はキレた。

「アンタ達が自分たちで書いたこのリストには、そんなこと書いてないでしょーが、見てみろー!!(と、指を指す) これ以上一体何が足りないっちゅうの、私はもう何度も弁護士と相談もしたのだー!!」

周りの視線も気になったが、やはり知ったこっちゃない。
怒鳴って怒鳴ってようやく、

 

marca da bollo(収入印紙)。はい、fototessere(証明写真)。」

 

と、提出書類を1つずつ差し出すよう指示し始めた。
結局何やかや言ってた割には、持ってきた書類は一部しか見ず(保健などは全く眼中になかったらしい)、投げ捨てるように半券を渡し、

「携帯の番号を教えて。まだ何か(!)足りないみたいだから、何かあったら電話するから。」
と、最後の最後まで言いがかりをつけてた魔女のような女係官。
要するに、自分たちが犯した過ち(?というか違法行為?)を認めたくなかっただけなのは明らかで、その後連絡が無かったのは、大方の予想通り。(そこまで面倒な事するわけない)

 

なんとも長い申請の日の朝の出来事でした。

 

 

8. お天気おじさん

友人に、やたら気象情報に詳しい人がいる。

仕事中に(こらこら)まめにインターネットで天気もチェックしているのもあるが、何よりもともと持ってる知識と長年の感で、ほぼ天気を言い当てる、大変便利な存在。つまり、風の向きや湿度、高気圧・低気圧の流れなんかで判断するのだ。

外出時は傘を持っていった方がいいか、洗濯物は干しても大丈夫か、朝そのおじさんに聞いておけばまず安心。

旅行先の天気もどんな場所だって、

「あの辺は緯度が○度で、標高が約○メートルだから…今の時期はこのくらいの気温で…服装はだいたい…」

ちなみに彼は3日先の天気まで把握しているので、週末の天気予想図など、

テレビのmeteo(天気予報)で確認するよりよほど信憑性がある。


ちなみにイタリアの天気予報だが、確実性は言わずもがな、まったくもって日本以下である。何を基準にして情報を提供してるんだが、チャンネルや番組によって予報が異なったりする。
週間予報など、途中明らかに予測の変更があっても、あくまで変えない。間違いは認めたくないのか、ただめんどくさいだけなのか。(恐らく後者)

 

 

      

9. metropolitana

とは、地下鉄のこと。

以前当時付き合っていた人とマドリッドへ旅行をした。

マドリッド。と言えば、リボルネーゼにとっちゃ大都会。

いや、地下鉄を多くてミラノの4本しか持たないイタリア人全員にとってかも知れないが??

というのは、このマドリッドの地下鉄の多さにまず、連れが驚いた。
縦横無尽にはりめぐらされた地下鉄網(と言っても、東京に比べちゃ大した事無いが)に興奮し、目的地を決めてはそこまで何線でどうやって乗り換えて、と事前に学習(?)することに興奮を覚えたらしい。

電車の中はもちろん、ホテルの中でも外でもいつでもどこでも地下鉄の地図を広げては眺め、そして時間が過ぎてゆく。。。

東京生まれの東京育ちの私にゃ、地下鉄なんて何がおもしろいのか、乗り換えの何がエキサイティングなのか、さっぱり理解できない。

 

その行為は何と旅行が終わった後も続き、彼の勤める会社からメールが一本、

Anche stasera non vedo lora di vedere la mappa di metro !

(今夜も地下鉄の地図眺めるのが待ち遠しいよ!)

・・・・仕事しろ、仕事。

 

 

10. Ben tornati

「お帰りなさい」の意。

上述したマドリッド旅行も無事(?)終わり、最寄のピサ空港に到着。
すると到着ゲートに待っていたのは・・・・

 

Ben tornati !!!

(おかえんなさ〜〜〜〜〜い!!!)

 

と満面の笑みで雁首揃えて手を振る2人、何を隠そう、連れの両親。

チチハハそろって迎えに来ちゃうほど、遠くに旅行したわけでもないのだが??(しかもたったの45日)、と、戸惑う私は日本人??

楽しい楽しい旅行から帰ってきた2人の顔をひと目でも早く見たい、という熱い熱い親心でした。

 

でも連れ、40歳近いんだけど??

 

 

 

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