皐の管理

1.花後の手入れ

(1)整枝剪定(株立ち仕立ての場合)

@花観賞後
花を長く付けておくと樹が弱ります。
しおれる花弁が増えたら観賞をあきらめ、
全ての花柄を元から取り除きます。
A花柄摘み後
大きな樹は最初に大まかに新芽を切りつめた後整枝剪定し、
仕上げの剪定をします。
B整枝剪定後
仕上げ剪定は「二芽・二葉」を基本にサッパリと切りつめます。
剪定後は玉肥(礼肥)を置き終了。

(2)植え替え(模様木仕立ての場合)

@花観賞後
開花後の哀れな姿
A植え替え前の鉢
植え替えの目安は灌水後の
排水の状況で判断します。
水の浸透が悪ければ根詰まりをしているため、植え替えが必要です。
B根詰まりの状態
用土の周囲に根が詰まっている状態。
植え替え前には剪定整枝を終わらせ(葉からの水分蒸散による傷み軽減)ておきます。
C前処理1
作業を早めるため根の上部を切り落とす。
苔も綺麗に落としていきます。
D前処理2
同じく側部を切り落とす。
掻き道具は大きい釘でも使いやすいです。
E前処理3
根をさばくためくさび形に
切れ込みを入れる。
F根さばき
小道具を使って根をさばいていきます。
株元の古い土も可能な限り落とします。
(これを残し続けると樹勢が悪くなります)
G植え込み
大・中・小粒の鹿沼土を下から順番に詰め竹箸を加工したものを使って根の間にまんべんなくすき込む。根はアルミ針金(1〜2本)で鉢に固定。粉末状の用土の粕は水でしっかり流す。
H植え替え終了
これで2〜3年は植え替えしなくても持ちます。

(3)植え替え後の管理
   樹の状態を見て必要であれば活力剤を使用。植え替え後は日陰に置いて2回/日散水。約4週間後に薄い
   液肥を与え、次第に日光に当てて慣らす。5週後には日当たりの良い場所に置き発酵油粕等の固形肥料で
   肥培管理を開始。

2.増やし方
  サツキは発根しやすい樹種ですから、親木と全く同じ性質を持った苗木を一度に数多く作るときには挿し木を行います。また、枝変わりのように、突然変異で珍しい品種ができたときなどにも行われます。

ポ イ ン ト 図 解・参考写真
(1)挿し木の 時期  挿し木の時期は、新芽が充実した6〜7月にかけて行います。この時期は気温も上がり、湿度も高いために挿し木には最も良いときです。
2)挿し穂の 選び方 @親木の選び方
 
親木は生育が良く、病気や虫の被害がない健康な新芽を選びます。
A挿し穂をとるときの注意
 
サツキは同じ木でも、枝によって花柄及び色に変化が現れる品種が多いです。挿し穂をとるときは、花容を知りあらかじめ開花期に目印を付けておくようにします。
 
咲き分け(注参照)をする花では白花の芽から赤系の花は出ますが、赤花の芽から白の花は出ません。右図@Aの新芽は挿し芽に向いていますが、Bの新芽はいくら待ってもBと同じ色しか咲かないため挿し芽には使いません。これは剪定作業でも同じで、赤等の色が濃い芽は伸ばしていく芽として残すのには適していません。
 
つまり咲き分けをする花は、挿す芽及び残す芽の選び方によって一本の木にいろいろな色の花を咲かせることができます。

 (注)咲き分け:品種によって白系統の花から、時折しぼり柄を含めた赤又はピンクの色合いの花を咲かす芽が出ます。これによって一本のサツキで異なった色が配色された花を見ることができます。
(3)挿し穂の準備  挿し穂は今年出た新芽の元をつまんで、下へ引き裂くようにするとうまく挿し芽がとれます。とった挿し穂は基部が乾かないように水に浸し、先端部から数枚の葉を残して他の葉は全部とり、挿し穂後の過剰な水分蒸散を防ぐようにします。芽挿しまでの水に浸す時間は一昼夜程度で、発根が心配なときはこの水に発根剤を溶いて行います
(4)挿し床と 用土  挿し床は挿し芽が少ないときは素焼き鉢を用いますが、多いときは浅い発泡スチロールの箱を利用すると便利です。
 用土は下から鹿沼土のゴロ土、次ぎに水苔、上に小粒鹿沼土を、箱の上辺の縁よりやや下目位まで入れます。また、水苔を省くこともあります。
【挿し芽苗】
 挿し芽本数が少ない場合は素焼き鉢が手軽で管理しやすいです。
(5)挿し方  竹串等の棒を使って用土に穴をあけ、丁寧に挿し穂を挿し、ぐらつかないように挿し穴を指先で押さえておきます。深さは穂の先端が水苔に接する位まで挿し
、挿し穂が短いときはやや斜めに挿すと挿し穂が固定します。間隔は1p位の密植の方が互いに、風が吹いても互いに助け合って結果がよいようです。挿し終わったら静かにたっぷり灌水し、品種名のラベルを立てておきます。
(6)挿し木後の管理  置き場所は家陰の軒下等のような日陰に入れ、風雨にさらされないように気を付けます。1日に2〜3回灌水し、30日程度経って発根すれば灌水はややひかえて用土の表面が乾いたら水をやる程度にします。
 60日程経てば発根数も増え完全に活着します。移植は気温がやや下がった9月初旬に行います。
(7)活着苗の移植 @移植箱
 
移植箱は(3)に記述した挿し床と同じものを使います。
A用土
 
ミジンと大粒を除いた鹿沼土と水苔を6:4程度に混ぜた用土を使います。
B植え方
 箱底はゴロ土を敷き、その上に用土を5p程度の厚さに入れます。挿し芽苗は10p間隔で並べ、根を広げるようにして植えた苗を用土で押さえて落ち着かせます。植え終わったら細かいジョウロでたっぷり灌水します。
C移植後の管理
 
植え替え後2〜3週間までは半日陰で1日2〜3回の灌水をします。30日程経って日当たりの良いところへ移し、またこの頃に活着して新芽が伸びてきたら肥料を施します。肥料は最初は液肥を使い、併せて油粕を株間にパラパラと施します。10月までに2〜3回施肥して肥培管理すると立派な苗に育ちます。
(8)仮植、定 植、仕立て  仮植はビニールポットでも箱でも良いですが鉢上げの前段として育成します。仮植先は箱の方が大きくて苗の生育も良く安全です。右の写真はポットに仮植をしました。これだとすぐに知り合いに譲ることができます。
 植木鉢に定植し活着したら仕立て開始です。

【仮植苗
】             鉢上げ、仕立て開始】
  これは2年目の春に仮植     可哀想ではありますが、
したものを11月写したもの    早くも主幹は曲げられて
です。                  仕立て開始です。    
(9)盆栽の樹型と作り方  元来サツキはどこが芯木かわからないように叢生(そうせい)しています。それに対して幹模様を作り枝張りを作ることは、サツキ本来の性質から見れば無理があります。それを幹や枝に針金を掛けて模様を付けたりしています。したがって、サツキ盆栽は自然にはない自然樹型ということになるでしょう。
 樹型には@直幹A模様木B斜幹C双幹D懸崖E株立ちF根連なりG根上りH石付き等の仕立てがあります。右図は模様木の仕立て例ですが、盆栽の
基本は幹の上部に行くほど小さく曲がり、枝はその曲がりの背(外側)に付くように仕立てると力強さが感じられます。