| B 中古車屋というもの |
| 自分が車を買う目的で、中古車屋を覗いたのは初めてだった。10数年前に、友人がゴルフを買うのに付き合ったことはあったのだけれど、ほとんど記憶に残っていない。 奥のほうに100系が一台置いてあったので、覗いていたら、人の良さそうなセールスマンが近寄ってくる。「まずは、中でお茶でも」と、正攻法で攻められる。話だけでも聞いてみようかと、お店の中へ。 イベント期間らしく、芋煮と珈琲が出され、話をする。 「ハチマルは、人気車種なので、早く決めた方が良い。」「なかなか良い出物は無い。」と、まくし立ててくる。 中古車購入に関する知識の無い僕は、諸費用等について説明を受ける。 中古車は、新車と違って取得税は無く、消費税が課税される。思ったよりも諸費用は掛からないのだと知った。 ハチマルには3種類のナンバーが存在する。 1ナンバーの貨物車(5人乗り2列シート。荷室スペースが広くなる反面、2列目シートのリクライニングが効かない。1年車検) 3ナンバーのワゴン車(3列シートのワゴンタイプ。3列目シートの存在が邪魔である。2年車検) 8ナンバーの改造車(キャンピング仕様により、改造車扱いで、2年車検で、3ナンバーよりも税金が安いという、1ナンバーと3ナンバーの良い所取りのようなメリットがある。) このハチマルのナンバーは1ナンバー登録車、自家用普通貨物車という事になる。そう、1年車検車なのである。こういった場合の車検費用や維持費についても一通りの説明を受ける。今のパジェロと維持費は均せば変わらないなと判断した。(毎年車検の分車検費用は上がるが、自動車税が3ナンバーよりも安いのである) しかし、後で保険の変更手続きの時に知ったのだが、家族限定割引や年齢制限割引は、貨物自動車の場合、適用されなくなる。これは、予想外の痛手であった。 「ふむふむ、維持費ベースでは心配が無い」と判断した。ランクル=大きい車=なんでも金の掛かる車の図式は、勘違いだったようであると、頭の中が懐柔してしまったわけである。 続いて、試乗。この辺に来ると、営業マンも締めたものと思ったであろう。細君と3人で車に乗りこむ。最初は僕が引っ張った。やはり、デカイ。これでは、細君が運転できないのではないかと不安になり、細君に運転させてみる。不安になりながらも、細い交差点を曲る。運転は、何とかなりそうだ。 3人きりの車の密室の中で、僕は半分脅し口調で営業マンに切り出した。「どれくらい、安くなるん?」 営業マンは、一瞬顔を曇らせた。「戻って相談します。」この時点で、形勢は僕の方にグッと引き寄せられたわけである。 店に戻ると、営業マンは奥に引っ込み、しばらくして店長と登場した。そう、一営業マンに値引きの決済権限など無いのは当たり前なのである。「新品のアルミとスタッドレスを付けるので、契約してくれ」が、回答であった。「値段にしたら16万円程度の値引きです」と、僕を押す。 彼等は、今日までキャンペーンを張っていて、目標がクリアできずに困っているようで、なんとか契約に取りつけたいという焦りが顔からにじみ出ていた。 正直、約1割に近い値引きは想定していなかった。せいぜい5%位を呈示されて、そこから何処まで値引きできるかが、勝負なのだろうと考えていた。先方からの呈示には心が動いた。 そして、駄目押しで、万単位まで切捨ての呈示価格。 ここで、僕は1歩引いた。 「軽い気持ちで見に来たので、今決めろと言われても困る。難しい。」 |
| C | そして契約 |
|
|