名も無き幽霊の話
みなさん、幽霊って、信じますか?
まあ信じようが信じまいが、あたしはここにいるんですがね。
あたしが死んだのは…もう50年は前になりますか。
ちょっとした事故でね、46年の生涯を終えてしまったってわけですよ。
まーあたしのことなんかどうでもいいじゃありませんか。
とにかく幽霊はね、存在するんですよ。
あたしがここにいるのがその証拠です、ええ。
…おっと、そんなことを言ってるあいだにこんな時間ですか。
いやいや、歳をとるとひとり言が多くなっていけませんね、ええ。
さあさ、今日はお帰りなさい。
皆さんのご家族が心配しますよ。
「はーい」
「おじさん、今日のお話も楽しかったよー」
「またあしたねー!」
はい、さようなら。また明日。気をつけて帰るんですよー。
…さてと。皆さんへのお話に戻りますか。
まあその前に説明を入れておきますと、あたしの姿は子供たちや一部の人には見えるんですよ。ええ。
ある日いつものようにこのベンチに座っていると、子供が話しかけてきたんです。
その子供が話し相手になってくれましてね。久しぶりに人と話しましたよ。
そしたらね、翌日その子供が何人かでやってきたんですよ。「おじさん、お話きかせて!」ってね。
嬉しかったなぁ…、っと、いや失礼しました。続けましょう。
まあ年寄りですから、思い出話には事欠かない。子供たちもその話が楽しかったらしく、毎日きてくれたんです。
中にはあたしのことを親御さんに話した子もいましたねぇ…
親御さんにはあたしの姿が見えないものですから、可哀想にその子、病院に連れてかれてしまったんですよ…。
…また話がそれましたね、いやはや申し訳ない。
とにかくそうやって今現在も子供たち相手に話しているわけですがね。
最近、昔話をしてやった子が、このベンチまで来ましてね。
こう呟いたんですよ。
「あのおじさん…いつの間にかいなくなってる…。久しぶりに、話聞きたかったのに…」
思わず、あたしはここにいるって言ってしまいましたよ。聞こえないのにねぇ…。
あの子は元気にしてますかね…
…ん?ああ、もうそんな時間ですか。
いやはや、「見えるもの、聞こえるものだけが全てではない」と言おうとしただけなのに、とんだ長話になりましたね。
申し訳ありませんねぇ…
それにしても、今日は皆さんに会えて本当に良かった。
実に楽しかったですよ……おや?
おやおや、随分遅いお迎えですねぇ。
どうやら今の話で、あたしの未練は無くなったようですね。
それでは、皆さんさようなら。
………え?怖くないかですって?
ああ、まあ人は予想も理解もつかないものを怖がるものですからね。
勿論怖いですよ。でも少し楽しみでもあります。
何故って、それは勿論…
「何が起こるかわからない」なんて、これ以上面白いことはないでしょう?
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結局俺は何がしたかったんだ?
いや、衝動的に書いてみたんですが、終わってみると何だこれ、みたいな。
ジャンルとしては何だろ、これ。
笑いは特に無かったですね。