書評データベース(2000年度7〜10月分)

 

【あ行】

<本紹介>
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【ジャンル】競馬本
【著書名】 愛しの競走馬たち --お笑いおウマ文学--
【著者名】 別冊宝島編集部 編
【出版社】 宝島社文庫
【初 刊】 2000年4月8日
【金 額】 657円+税
【カバー文】相撲記事に寄り切られ、野球記事に完封されている競馬記事を救うべく
      熱血馬券オヤジが考えた「理想のスポーツ新聞」、横山義と横山雄の
      “兄弟じゃない”横山対決など競馬界のしょーもないけど気になる対決、
      マチカネイトハン、ツルマルニセドンなど珍名馬の陰に隠された馬名の
      命名学……。競馬にまつわる爆笑必至の珍エピソードを全網羅した『競
      馬“お笑い”文学集』待望の第2弾、遂に完成!
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 図書館から借りた文庫ですが、本書は競馬にまつわる面白いエピソードばかりを取
り上げたもの。別冊宝島で出ていた時に読んだ内容多かったですが、珍エピソードか
ら競馬業界に人間絵図など競馬の面白ネタが多いです。ただし結構マニアックネタも
あるため、競馬を知らない人は楽しめない部分もありますが、知っている人には爆笑
ページが幾つも用意されています。

<本紹介>
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【ジャンル】競馬本
【著書名】 馬は知っていたか
【著者名】 木村幸治
【出版社】 祥伝社黄金文庫
【初 刊】 2000年4月20日
【金 額】 562円+税
【カバー文】乳母に育てられたスペシャルウィークの恩返し、エルコンドルパサーと
      “2番目の男”の壮絶な戦い、君は誰のために走ったのか……ナリタブ
      ライアン。……レースだけではわからない、馬と人間の秘めたドラマに
      迫る。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 昨日に引き続いて競馬に関るを本を読みましたが、こちらは競走馬・騎手・調教師・
競馬評論家について、馬と人間とのドラマをノンフィクションで紹介しているもの。
その本書では、乳母に育てられ獲得賞金世界一となったスペシャルウィーク、凱旋門
賞に挑戦したエルコンドルパサーと蛯名騎手、種牡馬2年で突然死を迎えたナリタブ
ライアン、口約束だけで牧場を切り開きレガシーワールドを送り出した生産者、天才
騎手・福永洋一の息子の祐一はなぜ騎手を志したのか、藤沢厩舎の馬はなぜ走るのか、
テンポイントの騎手・鹿戸明の人生、競馬評論家・大川慶次郎の生涯……と、8つの
ドラマが書かれています。これらはいずれも人と馬との信頼関係が書かれていますが、
カバー文にもあるように、レースだけではわからないドラマが数多く書かれていまし
た。

<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 オルファクトグラム
【著者名】 井上夢人
【出版社】 毎日新聞社
【初 刊】 2000年1月30日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】ぼく片桐稔は、ある日、姉の家で何者かに頭を殴られ、一ヶ月間意識不
      明に陥る。目覚めたぼくは、姉があの日殺されたと知らされ、そして、
      鼻から「匂い」を失ったかわりに、とてつもない嗅覚を宿すことになっ
      た。姉を殺したヤツは同じ手口で次々と人妻を手にかけていき、ぼくは
      ……。斬新な発想で独自の世界を築き続けてきた著者が、満を持して放
      つ、新たな衝撃作。
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
 井上夢人の作品は久々に読みましたが、待望の作品は見事に期待に応えてくれる内
容でした。姉を殺した殺人半によって頭を殴られ、一ヶ月間意識を失った青年の片桐
稔。その稔が病院で目覚めた時、自分の鼻が匂いを失ったかわりに、犬以上の嗅覚を
手に入れたことを気付いた。そして稔はその嗅覚で、姉を殺して次々と同じ手口で殺
人を繰り広げていく殺人鬼を探すため、そして同じ頃行方不明になったバンドのメン
バーを探すために、テレビ局と警察の協力の元に犯人を追い詰めるのだが……。
 物語では、単に特殊な能力を持った主人公の活躍を描いているものではなく、その
能力を持つきっかけになる双子の兄の死や、その能力を世間に明かしてまで、テレビ
局の番組に協力する姿や、殺人鬼の犯行状況を細かく描いており、展開に幅広さを持
たせてくれています。そして何より主人公の悲哀が胸を打ち、ラストの感動も心に残
ります。井上夢人らしさが全面に出ているサスペンスで、これはお勧めの作品です!

<本紹介>
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【ジャンル】生活
【著書名】 安全な化粧品選び 危ない化粧品選び
【著者名】 西岡 一
【出版社】 講談社
【初 刊】 2000年5月22日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】もっともっときれいになるために化粧品は欠かせない! でも、化粧
      品は科学物質のかたまり。毎日使ってもほんとうにだいじょうぶ?
      思いもかけないスキントラブルをあらかじめ避けるためには、化粧品
      をどう選ぶかがポイント。成分全面表示時代のいま、安全を化粧品を
      選ぶのも、危ない化粧品を選ぶのもあなた次第。21世紀の「きれい」
      のために正しい化粧品選びのためのお役立ち本!
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 これは仕事柄、図書館から借りて読みましたが、タイトル通りに安全な化粧品と
危ない化粧品の見分け方などが書かれています。化粧品の基礎知識から始まり、自
然化粧品について、化粧品の成分ガイドなど、使い側にわかりやすい内容になって
おり、仕事上関係のあるシャンプーやヘアカラーについては大変勉強になりました。
特に毎日化粧品を使う女性にとっては、自分が使っている化粧品が肌に危ないもの
であるかどうかの判断が成分ガイドでわかりますし、読んでおいて損のない内容と
もいえます。

<本紹介>
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【ジャンル】連作ミステリー
【著書名】 嘘をもうひとつだけ
【著者名】 東野圭吾
【出版社】 講談社
【初 刊】 2000年4月10日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】バレエ団の事務員が自宅マンションのバルコニーから転落、死亡した。
      事件は自殺で処理の方向に向かっている。だが、同じマンションに住
      む元プリマ・バレリーナのもとに1人の刑事がやってきた。彼女に殺
      人動機はなく、疑わしい点はなにもないはずだ。ところが……。嘘に
      しばられ嘘にからめとられていく人間の悲哀を描く、新しい形のミス
      テリー!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は5つの短編が収録されている連作ミステリーで、いずれも事件の背後には
嘘があり、その難事件を30代の加賀刑事が推理し解決していく物語。表題作でも
ある「嘘をもうひとつだけ」はカバー文であらすじが書かれていますが、殺人事件
の背後にある真相を加賀刑事が突き止めていく過程は読み応えもあり、それぞれの
短編での加賀刑事の活躍は派手さはないものの、印象にも残る作品でした。できれ
ばこの加賀刑事が推理する作品をシリーズ化してもらいたいです。

<本紹介>
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【ジャンル】インターネット
【著書名】 インターネット事件簿
【著者名】 別冊宝島編集部編
【出版社】 宝島社文庫
【初 刊】 2000年7月8日
【金 額】 600円+税
【カバー文】いまや、日常生活の必要ツールたるインターネット。匿名性の宣伝ゆ
      えか、さまざまな事件が発生している。ネットによる「殺人依頼」や
      「レイプ共謀」、特定個人の中傷、住所・電話番号の暴露、わいせつ
      画像の送信、ネットならではの詐欺まで、使い方しだいでネットを介
      した「犯罪」は簡単におこりうる。ネット上で今、なにが起こり、こ
      の先、どこへ向かうのかを探る、インターネット最前線レポート!
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
 本書は、東芝告発事件から殺人依頼などインターネットで火がついたお騒がせ事
件を取り上げレポートしたもの。ネット上での噂話から、個人情報や合法ドラック
販売についてなど、幅広い事件が書かれてはいるものの、その事件についてのその
後については全く書かれておらず、事件の表面をおさらいした程度で、読む前はも
っと深く追求しているレポートが書かれていると思っていただけに、期待を裏切ら
れる内容ではありました。ただ、社会的事件に反応して作成された「地下ゲーム博
覧会」などマニアックな部分では面白かった内容もありました。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 男
【著者名】 柳 美里
【出版社】 メディアファクトリー
【初 刊】 2000年2月18日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】わたしの経験からいうと、性欲とキスしたいと思う気持ちはまったく
      べつのものだ。柳美里・初の性小説。
【満足度】 ★★
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 本書は女性作家が編集者に依頼され、性小説を書こうとし、過去の男性のからだ
のパーツを思い出しながら、男との関係を描いており、性小説と著者の私小説が交
差している作品。「ダ・ヴィンチ」連載中にも読んでいたものの、単行本として読
んでみようと図書館から借りて読んだのですが、衝撃告白の私小説ともいえるかも
しれないものの、あまり印象には残らない小説でした。

<本紹介>
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【ジャンル】ビジネス
【著書名】 e−コマーズ超入門
【著者名】 佐藤高史
【出版社】 山下出版
【初 刊】 2000年6月15日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】インターネットビジネスの基本が90分でスッキリわかる! ビジネ
      スの立ち上げに必要な基本知識から儲けの仕組みのつくり方まで……
      いますぐ役立つ情報満載!
【満足度】 ★★☆
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 本書はe−コマーズの定義から始まり、IT革命の本質や専門店を紹介したり、
e−コマーズの成功例や今後のe−コマーズについてを優しく書かれているもの。
図やサイトの表紙が載っているのでわかりやすく、字も大きく、あまり専門用語も
使われていないので、インターネットをやっていない人にも理解しやすい内容とい
えます。ただどうせならサイトの表紙などはカラーで紹介してほしかったです。

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 おいしい読書
【著者名】 柴門ふみ
【出版社】 早川書房
【初 刊】 1998年11月30日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】この一冊が手もとにあれば、あなたもノッパな読書通! ミステリ、
      文学、ノンフィクション、エッセイなどの話題作を縦横無尽に語った、
      著者初の読書エッセイ集。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は著者がミステリマガジンで連載した読書コラムと、文庫開設をしたものを
まとめた読書エッセイ。国内外の様々なジャンルの31冊を紹介しており、活字中
毒者としての著者の姿を見ることができます。単に読書紹介しているだけではなく、
日常の出来事などと作品を照らし合わせていたりするため、気軽に読むことができ
ました。

<本紹介>
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【ジャンル】インターネット
【著書名】 EメールおたすけBOOK
【出版社】 日本実業出版社
【初 刊】 2000年3月30日
【金 額】 1200円+税
【満足度】 ★★☆
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 図書館にあったのでつい借りて読んだのですが、本書はEメールについてのマニ
ュアル本。送信と受信の基本操作、ステップアップ応用術、ハイパー活用術、おす
すめメールソフト、設定手順とよく使われる用語と大きく5つに分かれて、カラー
図入りで初心者には非常に解りやすい一冊です。OE中心ですが、ポスペや他のメ
ールソフトについても書かれており、操作手順を忘れてしまった時などは重宝しそ
うですが、あくまでも初心者向きだけに読まなくてもいい一冊ともいえるでしょう
ね。

<本紹介>
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【ジャンル】競馬本
【著書名】 「あの馬は今?」ガイド --2000-2001--
【出版社】 流星社
【初 刊】 2000年6月26日
【金 額】 1500円+税
【満足度】 ★★★
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 本書は主に競走馬として活躍し、引退後種牡馬になった馬がどこにいるのかを書
いたガイドブック。北海道の地域別で紹介し、その馬の現在の様子や取材過程、ど
こに繋用されているかなどを地図入りで紹介されています。また、見学の際の注意
点や宿泊施設、お墓参りスポットもあり、馬に会いに来る本州からの観光客には役
立つ本でしょう。

<本紹介>
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【ジャンル】暗黒小説
【著書名】 暗夜
【著者名】 志水辰夫
【出版社】 マガジンハウス
【初 刊】 2000年3月23日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】女か、金か、復讐か! 弟の仇を討つのが目的ではなかった。真相を
      知りたいと切望したわけでもない。事件の背後から漂ってくる退廃と
      悪徳の臭いにひきよせられたのだ。修羅場でしか生きられない男の不
      毛の挑戦がはじまる。志水辰夫新境地の暗黒小説。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 4年間の刑務所暮らしから解放された榊原だったが、出所後待ち受けていたのは
自分の会社を任せていた弟の死だった。その弟が無くなる前に母親に渡していたの
は中国の骨董品の唐三彩で、どうもこの唐三彩を巡って弟は殺されたと感じた榊原
は、生前の弟の周辺を洗い、中国へと渡り、弟の死の謎へと迫っていくが、一緒に
中国へ渡った友人が殺され、気付かぬ内に自分も事件に巻き込まれていった……。
 物語は、数千万の値が付く一つの骨董を巡り、中国の組織と対峙する主人公が描
かれています。物語としては中国を舞台にスケールの大きな作品にはなっているの
ですが、暗黒小説と書かれていたため、つい馳星周の作品と読み比べてしまったの
ですが、馳星周に比べると、迫力に欠けており、どこか中途半端に感じられる部分
もありました。志水辰夫で極上のハードボイルドを期待していたのですが、作品と
してはテンポも良く読みごたえはあったものの、多少物足りなさも感じてしまいま
した。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 愛人
【著者名】 藤沢 周
【出版社】 集英社
【初 刊】 2000年6月30日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】性への耽溺と痛切な愛の渇望に切り裂かれた不惑の男と24歳の女の
      日常と狂気。現代文学の旗手が<性>に挑む! 衝撃の小説。芥川賞
      受賞作『ブエノスアイレス午前零時』以来、著者会心の力作長編。
【満足度】 ★☆
End------------------------------------------------
 物語は、中堅作家の主人公が新人女性記者との刹那的な愛欲を繰り返し、幼い一
人息子を溺愛しながらも妻との生活が崩れていく物語。カバー文で面白そうだと思
い、図書館から借りて読んだのですが、最後に狂気が描かれているものの、性に挑
んだ作品と書かれている割には、インパクトも少なく、どうせならもっと男女の心
理を掘り下げてほしかったです。期待した割にはその期待をアッサリ裏切られた作
品でした。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 オキナワガール
【著者名】 大鶴義丹
【出版社】 集英社
【初 刊】 2000年7月10日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】基地移転で揺れる沖縄の町、オーディションに賭けた少女の劇的な青
      春の物語。異才・大鶴義丹が放つ、新境地の感動作。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 芸能学校で厳しいレッスンに耐える瑠璃子にデビューのチャンスが巡ってきた。
学費免除で、将来東京で華やかにデビューする可能性に賭ける瑠璃子を中心に、瑠
璃子と付き合うアメリカ人と東京から転校してきた恋人、そして沖縄基地問題を描
いた物語。ラストは衝撃的な結末となっていましたが、デビューを目指す主人公の
一夏の物語となっています。この他にも「座礁」という作品が収録されているので
すが、どちらも主人公の一夏の体験をテーマとし、その主人公の背負っているもの
を中編小説としてまとめています。

<本紹介>
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【ジャンル】競馬小説
【著書名】 蒼い天馬
【著者名】 赤木駿介
【出版社】 集英社文庫
【初 刊】 1990年10月25日
【金 額】 480円+税(\100)
【カバー文】皐月賞から日本ダービー、菊花賞と三大レースを勝ち抜いた天才的名
      馬・ジェミニは、さらに有馬記念と春の天皇賞を目ざしている。その
      オーナーで政財界の大立者・東雲次兵衛に異常な敵意を抱く大道大岳
      は、知をめぐらして打倒ジェミニを図る……。競馬の楽しさを満喫で
      きる長編。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 東雲次兵衛は政財界の大立者であり、「競馬は創造である」という信念のもとで
馬主として、名種牡馬カストールを獲得し、その子供であるジェミニという名馬を
得た。一方、次兵衛に対して異常な敵意をもつ大道大岳は、怪しげな商売で裏街道
を歩む馬主で、カストールを極秘に殺害させ、次兵衛の馬であるジェミニにも対抗
する。そのジェミニは皐月賞から日本ダービー、菊花賞と4歳の3冠レースを制し、
年末の有馬記念と春の天皇賞、宝塚記念と勝ち、出走した11レースを全勝する史
上最強馬。そのジェミニの活躍に嫉妬して、卑劣な手を使ってまで妨害する大道は、
海外の大レースである凱旋門賞を目指すジェミニ陣営にダメージを与えるため、厩
務員を篭絡しようとしたり、次兵衛の孫娘を誘拐するなど悪辣な行為を続けてくる
のだが……。
 本書は古本屋の100円コーナーで見つけて、暇潰しにと買った文庫でしたが、
期待以上の面白さがありました。表紙には「競馬入門小説」と書かれていましたが、
入門という意味合いもあるかもしれませんが、ギャンブル性ではなく、勝負の世界
と競馬に携わる人達についてを中心に書いており、競馬の魅力を堪能させてくれる
小説といえます。物語は凱旋門賞に向かう場面で終わっていて、そのレース結果が
読めないのは少々残念ではありましたが、競馬を題材に、人間の欲や嫉妬がよく描
かれていた作品でした。

【か行】

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 風のように・贅を尽くす
【著者名】 渡辺淳一
【出版社】 講談社
【初 刊】 2000年5月2日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】人の絶えた所で、池面にうつる月を観る! 表題作はじめ、歌う院長、
      「どよよん」とした感じ・名前負け・ロマンの残党・文学館のオープン・
      御息所か夕顔か・値切りの効用等。作者の率直な心の独白が鮮明に伝わ
      る名エッセイ!
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 渡辺淳一のエッセイは本当に久しぶりに読みました。図書館の新刊コーナーにあっ
たので何気なく借りて読んだのですが、本書は「週刊現代」での連載をまとめたもの
で、医学の話から日常のことまでと幅広くエッセイとしています。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 感情教育
【著者名】 中山可穂
【出版社】 講談社
【初 刊】 2000年2月5日
【金 額】 1900円+税
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は、女性同士の恋愛を題材としている作品で、その主人公の女性2人の出生と
育った複雑な家庭環境を背景とし、2人が出会うまでのプロセス、そして出会ってか
らの感情、家庭崩壊、感情の破壊から再び甦るまでを丹念に描いています。複雑な要
素が幾つも絡んでいる物語であるだけに、説明は難しいですが、女性同士の恋愛とは
いえ、主人公の環境や精神にポイントが当てられています。著者の作品は初めて読み
ましたが、どちらかというと会話文が少なく読みにくいところも少々ありましたが、
作品としては主人公の特徴をよく描いている作品でした。

<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 風はねじれて --探偵稼業--
【著者名】 山本甲士
【出版社】 中央公論新社(C・NOVELS)
【初 刊】 2000年4月25日
【金 額】 857円+税
【カバー文】北九州市の門司港で探偵業を営む御倉学に、県内有数の学校法人の理事
      長から依頼があった。理事でもある娘の運転する車が、ホストを乗せホ
      テルから出てきたところ、若者をはねてしまったというのだ。教育関係
      者にとって命とりになりかねないスキャンダルを葬り去るために、その
      若者……<当たり屋>の弱みをつかんでくれという。同じ頃、北九州市
      に本社を置く食品会社へ脅迫文が送られ、カップ麺に毒物が混入される
      という事件が世間を震撼させていた。御倉は<当たり屋>の部屋から、
      脅迫文の下書きを発見し、調査は思わぬ方向へと進んでいく……!? 新
      星が放つ傑作書き下ろしサスペンス!
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 昨日に引き続いて図書館から借りたノヘルズを読みましたが、こちらもシリーズ化
されているものの最新作。あらすじはカバー文で書かれていますが、北九州を舞台に
探偵をしている主人公が思わぬ脅迫事件に巻き込まれていく展開となっています。当
たり屋と食品会社への脅迫事件との関連など見せ場は多いのですが、その場面の表現
をもう少し大胆に迫力ある場面にすることができれば良かったですし、テーマとして
は非常に良かったものの大きな事件を描いた割には迫力感に欠ける作品になっていた
ことが残念に思います。

<本紹介>
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【ジャンル】手記
【著書名】 ゴミにまみれて
【著者名】 坂本信一
【出版社】 ちくま文庫
【初 刊】 2000年5月10日
【金 額】 640円+税
【カバー文】身近かなことでも、つい忘れがちなゴミ。ゴミ置場な出してからのこと
      は、なかなか想像がおよばない……。ときに市民社会の蔑視を浴びなが
      らも、毎日、収集車に乗って働く作業員が真っ正面からゴミと向き合う
      ことで感じた怒り、悲しみ、喜び……。日本のゴミ問題の実体を現場作
      業員の視点から、生き生きと描き出す。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 著者は関東にある自治体で清掃作業の現場労働者として、ゴミ収集に従事しており、
その著者が職場に入り、清掃作業員の日常を赤裸々に書いたもの。ゴミ収集の現場の
実状から、著者が感じた思いが全面に書かれていますが、民間委託の問題やゴミ問題
の実体など、多くを考えさせられる内容の手記でもありました。

<本紹介>
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【ジャンル】生活
【著書名】 ここが変わった「新食品表示」ハンドブック
【著者名】 垣田達哉
【出版社】 講談社
【初 刊】 2000年5月22日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】賢い消費者は成分表示をチェックする! 2000年4月、新JAS
      法が施行された。これで、スーパーなどに買物に行って、商品の前で、
      選択に迷わずにすむのだろうか。「低農薬栽培」「生カキ・加熱用」
      「塩分ひかえめ」「ノンシュガー」「天然だし」という表示。果たし
      て、身体にやさしいのはどれなのか。販売者側とメーカーのネーミン
      グの巧みさに、消費者は惑わされていた。新法で示されている表示の
      ポイントを商品分野別にアドバイス。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は今年新しく施行された「新JAS法」の商品表示のポイントから、食品産
業の実体、紛らわしい表示のカラクレとその見抜き方までを分野別に紹介。生鮮食
品(野菜・水産物・畜産物)、加工食品について細かく書かれている他、コラムとし
て食品まめ知識も書かれています。なお、著者は流通関連会社で、添加物表示など
の企画開発を担当しているため、特に紛らわしい表示のカラクリについては、買物
の際に役立つことが多く紹介されています。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】生活
【著書名】 ご近所づきあいトラブル解決マニュアル
【著者名】 串田誠一
【出版社】 明日香出版社
【初 刊】 2000年3月31日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】合法的で円満に! 子供・ペットから金銭・身辺トラブルまで対処法
      を満載! だれにも聞けなかったご近所とのつきあい方を教えます。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書では、近所付き合いをしていく上で、どこまでの付き合いだったら許される
のか、どこを越えると許されなくなるのか、あるいはトラブルになった時に最適な
対処の仕方は何なのかなど、今後の付き合いも考えてのトラブル対処法について書
かれています。例えば、子供が学校でいじめにあっている、近所の方の訪問販売を
断る方法、ゴミを分別しないで出す人に対して、家賃の値上げ請求……などなど。
数多くの例をQ&Aとして書かれているため非常に読みやすく、実際にありそうな
近所とのトラブル例も多く載っているため参考になる部分が多かったです。著者は
弁護士ですから、法律的な問題としての対処法を示してくれています。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】エッセイ
【著書名】 結婚願望
【著者名】 山本文緒
【出版社】 三笠書房
【初 刊】 2000年5月30日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】「どんなに蓋をしても、こま気持ちはいつも私の心の底にある……」
      もう半分の人生を考え始めたあなたに贈る『恋愛中毒』の著者、待望
      の書き下ろしエッセイ!
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は子供の頃から結婚願望が強かったという著者が、小説よりもストレートな
形で結婚についての考えを書いたもの。二十代の結婚願望、三十代の結婚願望、残
りの人生についてが書かれていますが、本書は男女共共感できる部分が多いように
思いますし、改めて「結婚とは何か」を考えさせられるエッセイでした。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】エッセイ
【著書名】 小悩みさん
【著者名】 小林光恵
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2000年5月10日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】背が小さい、毛深い、親の呼び方、腹の音、髪型、食事のマナーetc.
      あなたも自分の「小悩み」を告白したくなる、笑えて共感!の書き下
      ろしエッセイ。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 タイトルにもなっている「小悩み」とは著者曰く、深刻でもなく、ささいで、他
人にとっては極めてバカバカしくとるにたらない内容で、どうでもいい悩みのこと
を言うようで、特徴としては人に悟られたくなく、自意識過剰な時期に多く出現し、
人との関係性を確認することができるとのこと。そして本書では著者の「小悩み」
として19のエッセイが紹介されています。カバー文に書かれている小悩みの他に
も、タクシー、挨拶、息遣い、ニキビ……など、読んでいても思わず笑ってしまう
軽いタッチのノリで書かれており、面白いエッセイでした。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ユーモアミステリー
【著書名】 監督刑事
【著者名】 小林信也
【出版社】 東京書籍
【初 刊】 2000年6月8日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】Gの監督が誘拐された。監督刑事登場! 事件も試合もまかせた!
      東京Gの監督が誘拐された! 犯人捜査とチーム優勝を請け負えるの
      は監督刑事しかいない! 思わず納得のユーモア・スポーツ・ミステ
      リー。ハデツネ、ガケフ、ミスターも大活躍!
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 物語は帝京ドームを本拠地とする東京ジーニアスのワックス監督を誘拐したとい
う脅迫電話が入ったことから始まります。緊急会議には表には公表できないためオ
ナーのハデツネを始めする首脳陣と、かつてジーニアスの球団アルバイトをしたこ
とがあるだけで署長命令を受けてここに来たドジでミスも多い45歳の月並刑事が
会議に参加していた。その会議の席でオーナーのハデツネが、監督が誘拐されて危
険が去っていないため、安全を確保するという名目で月並が監督に指名された。当
初はコーチ陣に采配を任せようとしたものの、犯人からの要求で月並が采配を奮う
ことに。偶然出た派手なパフォーマンス、選手任せの試合運び、通訳で補佐をする
甲賀のアドバイスなどで最下位だったジーニアスが連勝を続けることとなり、一躍
変装してゲームに出ている佐倉監督こと月並だったが、犯人からの要求でチームの
勢いの無くなってきているジーニアスを優勝せよとの脅迫メールが届いた。最終戦
となった大阪ジャガーズとの一戦は勝った方が優勝する試合。名将と呼ばれる峰山
監督のPC采配が勝つのか、それとも素人監督である監督刑事のジーニアスか?
 帯にユーモア・スポーツ・ミステリーとありますが、ミステリー色は強くないも
のの、ユーモアスポーツ小説としては存分に楽しませてくれました。登場人物の選
手達はすぐにモデルとなった選手が想像でき、例えばチヨハラ、ギドラマツキ、モ
テキ、タルちゃんなど。そして主人公の月並が敬愛するミスターや解説者のガケフ
やエガオなども、実際の解説の特徴をよく掴んでいて、登場人物全てにユーモアが
感じられます。ラストで犯人が明らかになりますが、その犯人探しよりもチームと
しての試合の様子が面白く、野球好きでなくとも楽しめる作品となっています。

<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 きみは誤解している
【著者名】 佐藤正午
【出版社】 岩波書店
【初 刊】 2000年5月18日
【金 額】 1700円+税
【紹介文】 「自分のことを僕って呼ぶ人間がギャンブラーになんかなれるわけな
      いって、あたしは言ったのよ」……勤勉な駅員だった青年は死に臨む
      父の人生に何を見たのか。競輪場に切ない人生の一瞬がきらめく。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は6つの小説が収録された短編集で、全ての作品で競輪が描かれています。
その競輪を舞台として、出会いと別れを描いている短編ですが、競輪の車券を買う
登場人物の人間性が作品それぞれに良く出ていて中々面白い作品でした。表題作の
「きみは誤解している」は、JRに勤める主人公の趣味は競輪。婚約者とのデート
の最中にも車券を買いに行こうとする主人公だが、競輪を教えてくれた父親が癌で
亡くなり、その父が本に挟めていた車券を確かめると500円の車券が20万とな
り、その20万を元手にして父の残してくれた車券を増やそうとするのだが、逆に
婚約者は離れていくことになる物語。ギャンブルをする人間としない人間の心理、
そして競輪によっての出会いと別れを短編として巧く表現している短編集です。

<本紹介>
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【ジャンル】読書エッセイ
【著書名】 恋もいいけど本も好き
【著者名】 岸本葉子
【出版社】 講談社
【初 刊】 2000年6月15日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】本の中で、さまざまな人に会った。昔の人、今の人、癖のあるやつ、
      変わり者。しょうもないやつ、懲りないやつ、頑張り屋、生きること
      を楽しんでいる人、死に際しあっぱれな人。むろん男も女もいた。実
      生活では「男出入り」の少ない私も、本を通してなら、いろいろな人
      を知っているのではと、ひそかに思っている。この本は、そうした出
      会いの場となった本をめぐる読書エッセイである。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書では実に多くの本が紹介されています。1冊の本を一つのエッセイにしてい
るというよりも、エッセイの中に幾つもの本が紹介されていて、その紹介されてい
る読書についても主人公や紹介されている「人」との出会いを書いたものです。書
評とは違い、作品というよりも人についてを取り上げているというのは珍しいです
が、新鮮に読むこともできました。巻末に紹介されている本の一覧が書かれていま
すが、その数の多さには圧倒されます。

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 曇りのち晴れ --こちらパソコン専科こころの診察室--
【著者名】 大平 健
【出版社】 日経BP社
【初 刊】 2000年7月1日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】パソコン音痴も、テクノストレスも、こころの名医、ドクター大平が
      ゼーンブ治します。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、精神科医の著者が「日経PC21」に連載しているエッセイを3年分ま
とめたもの。パソコンについて細かく書かれているエッセイではありませんが、回
を追うごとに内容が変化していっており、パソコンの変化もエッセイを読んでいる
とわかります。マニュアル本とは違い、パソコンについてだけではなく精神科医と
しての心の問題についてなども触れられています。

<本紹介>
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【ジャンル】ハードロマン
【著書名】 心優しき野獣
【著者名】 小川竜生
【出版社】 実業之日本社
【初 刊】 2000年5月25日
【金 額】 800円+税
【カバー文】広告代理店の総務部に勤める秀和義彦は、29歳にしてリストラされ
      そうなダメサラリーマン。唯一の楽しみはインターネットのメール交
      換。最近はネット上で知り合った女子高生「ネコ」からのメールを待
      ちわびる毎日を過ごしていたのだが……。「タスケテ」というメッセ
      ージを残して連絡を断った「ネコ」を探して、義彦は大阪の町をさま
      よう。書き下ろしハード・ロマン。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 主人公は大阪の広告代理店の総務部に勤め、リストラされそうなサラリーマン。
上司からもお荷物と見られ、姥捨山と呼ばれる四国への転勤を言い渡された。その
頃、ネットでメール交換をしている女子高生のネコから急にメールが届かなくなり、
数日後に「タスケテ」という携帯電話からのメールが届いた。転勤を断わって会社
を辞めた主人公は、ネコを探し始めるのだが、辿り付いたところは暴力団をバック
に控える売春組織だった……。
 物語はうだつの上がらない主人公が、会社を辞めてメール相手を探し出そうとす
る物語ですが、この主人公は実は大手総合商社の跡取り息子で、学生時代は小林寺
拳法の学生チャンピオン。最初に描かれるダメサラリーマンとのギャップが激しす
ぎるのが気にはなりましたが、正義感だけで立ち向かう姿は中々痛快でした。著者
の作品はある程度読んでいますが、この作品は今までの作品とは多少異質とは思い
ましたが、後半は一気にハードボイルドタッチになり、楽しめる作品となっていま
した。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 希望の国のエクソダス
【著者名】 村上 龍
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2000年7月20日
【金 額】 1571円+税
【カバー文】2002年秋、80万人の中学生が学校を捨てた! 経済の大停滞が
      続く日本で彼らはネットビジネスを開始、円圏を巡るアジア通貨危機
      では、情報戦略を駆使して意外な結末をもたらす。その後、全世界の
      注目の中で、彼らのエクソダス(脱出)が始まった……。壮大な規模
      で現代日本の絶望と希望を描く最新長編。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 2001年秋、一斉の不登校を始めた中学生がネットビジネスを展開。そしてそ
のネットビジネスが世界経済にも大きく影響することになるという物語。近未来小
説として描かれ、日本の経済が破綻し失業者や自殺者が増え、不登校児が増えると
いうのは分かるのですが、その不登校児がネット上で結束し、ネットビジネスを開
始し、そのネットビジネスが大成功し、やがては北海道に独立した街を形成し、独
自の通貨を発行するという設定には大きな無理があるでしょう。そのため単なる近
未来小説として楽しむことができず、展開も現実からあまりにもかけ離れ過ぎてい
るのが欠点といえるでしょう。ただ、作品のテーマの着眼点としては面白いですし、
最近の村上龍の作品としては読者に読ませる要素を数多く含んでいる作品といえる
でしょう。

<本紹介>
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【ジャンル】コラム
【著書名】 これからどうなる21 --予測・主張・夢--
【著者名】 岩波書店編集部編
【出版社】 岩波書店
【初 刊】 2000年1月20日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】パソコン、携帯電話、プロ野球から、がん征圧、首都移転、拳法、核
      まで、各界の第一人者241人による21世紀への大胆な展望!
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 本書は21世紀の予測や展望を、それぞれの領域の専門家や第一人者に述べてい
ただき、単なる予想に限らず、主張や願望も含んでいることを前提としたもので、
これからどうなるか、またどうすべきかという問題定義にもなっています。身近な
問題から、世界的な問題と幅広く取り上げています。なお本書は筆者をあいうえお
順にまとめていましたが、テーマ別にした方が読みやすいように思いました。

<本紹介>
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【ジャンル】サイコ・サスペンス
【著書名】 来なけりゃいいのに
【著者名】 乃南アサ
【出版社】 祥伝社文庫
【初 刊】 2000年6月20日
【金 額】 543円+税
【カバー文】「仕事は半人前のくせに、口ばっかり達者になって」……ベテランO
      Lの多恵子は鬱々としていた。OA化に伴い仕事が減少、若いOLた
      ちに疎んじられる日々である。が、そんな彼女を部長の一言が変えた。
      「彼女らを指導してやってくれ」俄然、発憤した彼女は活気を取り戻
      すが……。OL、保母、美容師……働く女たちの哀歓を描く傑作サイ
      コ・サスペンス!
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は7つの短編が収録されているサスペンス集。その7つの作品の主人公は全
て働く女性達で、その主人公がごく当たり前だと思っていたことが当たり前ではな
いのではないかという疑念を抱き、それがやがて深い穴へ落ちていき狂気に繋がる
物語となっています。表題作「来なけりゃいいのに」は、主人公の同僚の様子がお
かしいことが噂に上がり、多重人格者ではないかという噂を同僚としていた主人公
は、その同僚が職場を辞める時に思い切って話し掛けようとするのだが、実はその
主人公自身が多重人格者であったという物語。他にも何気ない一言から、恐怖を感
じる主人公の物語など、短編ながらに背中がゾクゾクする狂気が描かれ、乃南アサ
らしいサイコ・サスペンス集でした。

【さ行】

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 好きだけど嫌い
【著者名】 乃南アサ
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2000年4月10日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】女の人生の選択は幸福になるための賭なのだ。鋭くも温かい人間観察眼
      が光る、直木賞作家の初エッセイ集。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 本書は女性誌に連載されていたエッセイをまとめたもので、著者の初エッセイ集。
そういえば乃南アサのエッセイは読んだことがなかったなと図書館から借りて読みま
したが、女性向きの話が多かったのと、エッセイならばもう少し区切ってほしかった
(原稿の関係があったでしょうが)ように思いました。ただ内容としては、様々な人間
観察の部分が多かっただけに、今後のエッセイも読んでみたいとは思いました。

<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 サラブレッド・ビジネス --ラムタラと日本競馬--
【著者名】 江面弘也
【出版社】 文春新書
【初 刊】 2000年2月20日
【金 額】 680円+税
【カバー文】金と暇にあかせた貴族たちの究極の遊びとしてイギリスで誕生した近代
      競馬が、一攫千金も夢ではないビジネスへと変貌するのに時間はかから
      なかった。どうすれば富と名誉をもたらしてくれる「走る」馬をつくり
      だせるのか。競馬よりもなおギャンブル性の高いサラブレッド・ビジネ
      スと、それに取り憑かれた人びとの物語。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は単なる競馬について書かれた本ではなく、ラムタラという名馬の輸入を軸と
して、サラブレッド・ビジネスとしての競馬が持つ側面を書いた本です。奇跡の名馬
と呼ばれたラムタラが日本に輸入されることになった経緯、サラブレッド・ビジネス
の成立、そして日本の競馬とサラブレッド・ビジネスの現状がまとめられていますが、
このラムタラを輸入したのは北海道静内町の生産者グループ。僕の地元でもあり、書
かれている生産者は知っている人でもあるため、非常に興味深く読みましたが、その
ラムタラが日本に輸入される経緯についてや、ビジネスとしての競馬は現在の競馬産
業についてを解りやすく説明しています。

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 すべての女は痩せすぎである --真説・美人論--
【著者名】 姫野カオルコ
【出版社】 大和出版
【初 刊】 2000年4月10日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】美人への道、教えます。ジャージはダイエット効果抜群! 「素肌美人」
      を目指してはいけない。美人とは中身のない女のことである。男はすべ
      てマザコンである、と知る。モテるためには、磨きすぎると損をする。
      ……「そんなバカな」と思ったあなた、あとは本書で自習しましょう。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は様々な雑誌での女性についてを書いたエッセイをまとめたもの。あまり姫野
カオルコらしさは感じなかったのは残念ですが、ジャージはダイエット効果抜群とい
う持論は面白かったですし、決して堅苦しくない内容は読みやすいエッセイでした。
また、女性が読むと納得できる部分は多いかもしれません。

<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 サイレント・ナイト
【著者名】 高野裕美子
【出版社】 光文社
【初 刊】 2000年3月30日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】ジャンボ機は炎上し、想いは遂げられたのだろうか。夜の闇よりも濃く
      深い、この慟哭を聞け……。第3回日本ミステリー文学大賞新人賞。サ
      スペンスあふれる意欲的デビュー作。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 次々に起こる脅迫事件、そしてジャンボ機の爆破。その事件の裏に秘められた犯人
の癒されない過去の悲しみをサスペンスとして描いているのが本書。あらすじを書い
ていくとネタバレになる部分があるため、ここでは書きませんが、犯人がなぜ事件を
起こしたか、そして犯人と脅迫する人物との過去の悲しみを緊迫感ある作品に仕上げ
ています。犯人や過去が明かされるまでは、ジャンボ機炎上事件を中心に書かれてい
て、真相が明らかになるにつれての登場人物の思いをそれぞれに細かく描いていたと
ころは大いに評価できますし、物語の幅も広く楽しませてくれるサスペンスではあり
ました。ただし、ジャンボ機爆破の描写や、物語で起こる事件の描写がアッサリと描
かれていて、この部分をもう少し細かく描いてくれると更に展開の幅も広がったと思
えるだけに、この点が残念でもありました。

<本紹介>
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【ジャンル】連作ハードボイルド
【著書名】 修羅の向う側 --志田司郎探偵事務所--
【著者名】 生島治郎
【出版社】 徳間書店(TOKUMA NOVELS)
【初 刊】 1999年12月31日
【金 額】 800円+税
【カバー文】警視庁捜査四課の花丸警部が、一人の男を伴って私の事務所を訪ねてき
      た。島正一と名のる三十代半ばの男は、暴力団今田組の幹部。組長の今
      田明を警察に売り、組員につけ狙われているので、その身辺保護を頼み
      たいというのだ。しかも島は、今田から預かった五億円をダイヤにかえ
      て隠し持っているので、簡単には手出しできないともいえ。病院に用が
      あるという島につきそって私も同行することになったが、苦悩を秘めた
      島の目的とは……。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は7つの物語が収録されている連作ハードボイルド。主人公・志田司郎は元警
視庁捜査四課の刑事で、今は探偵事務所を開いており、本書はその探偵としての依頼
の仕事が書かれています。物語としてはそれなりに楽しめましたが、主人公の存在感
が今一つ感じられず、もう少し主人公の魅力を付け加えれば、より面白味のあるハー
ドボイルドになったことでしょう。ただ、それぞれの作品は短編ではあるものの、い
ずれも読ませる内容になっていて、作品全体としてはそれなりの読み応え感はありま
した。

<本紹介>
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【ジャンル】短編集
【著書名】 蕎麦屋の恋
【著者名】 姫野カオルコ
【出版社】 イースト・プレス
【初 刊】 2000年2月25日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】秋原健一、製薬会社課長、43歳。波多野妙子、調理師専門学校講師、
      30歳。二人は京浜急行の中で出会い、蕎麦屋でせいろを食べ、ホテル
      でただTVを見る……。(「蕎麦屋の恋」) 姫野カオルコが描く、6つ
      の「非・恋愛小説」。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 本書は6つの物語が収録されている短編集。いずれも男女が物語の主人公ではある
のだが、恋愛小説ではなく、日常ふと起こってしまった出来事を面白く描いた物語で
す。表題作の「蕎麦屋の恋」はカバー文にも書かれていますが、フトしたことから京
浜急行の中で出会った2人が、お互いに前からの知り合いのように感じることを、色
々な展開を交えて描いているもの。この表題作は読んでいても面白く感じるところが
ありましたが、他の作品は印象が薄いというか、特別目にひくような作品とはいえな
かったのが残念です。ただ姫野カオルコの作品としては、真面目に取り組んだ作品と
いうか、独特の感じがしない短編集でした。

<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 占有屋 --バッタ屋啓輔--
【著者名】 伊野上裕伸
【出版社】 中央公論新社(C・NOVELS)
【初 刊】 2000年4月25日
【金 額】 857円+税
【カバー文】「楽にできる金儲けはねぇ。火中の栗を拾ってこその俺たちだ」……楽
      なかわりにケチな商売なんぞ面白くないと、啓輔たちは占有者つきの競
      売物件に手をだした。いかに安く立ち退かせるか。自分たちの手腕次第
      で、億単位の儲けがでるか大損するか、一か八かの大博打だ。ところが
      落札したマンションに居座っていたゴロツキたちには、怪しげなコンサ
      ルタントを名乗る滑稽な知恵袋がついていた。執行妨害の法の網を巧み
      に潜り抜けて繰り広げられる恫喝。音を上げて言いなりに立ち退き料を
      払えば、投入資金の利息も払えず破産するしかない。占有屋対バッタ屋
      の意地と面子を懸けた大勝負が始まる!
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 内容はカバー文で紹介されているので省略しますが、サブタイトルにもなっている
「バッタ屋啓輔」というのはシリーズ化されているもので、本書はその最新作。この
シリーズを読んでいないので、主人公のグループの繋がりも今一つわからず、シリー
ズを通して読んでいれば、もっと面白く感じた作品だったでしょう。以前に紹介した
著者の「モラル・ハザード」という作品が良かっただけに、本書も読む前はかなり期
待していたのですが、物語としての占有屋対バッタ屋の攻防は面白かったものの、特
に強調できるところは少ないように思いました。

<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 葬列
【著者名】 小川勝己
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2000年5月10日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】不幸のどん底で喘ぐ中年主婦・明日美としのぶ。気の弱い半端なヤクザ・
      史郎。そして、リアルに生きられない孤独な女・渚。運命に見放された
      この4人の物語が、かつてない戦慄と驚愕の世界にあなたを巻き込む!
      超一級品のクライム・アクション!! 本年度横溝正史賞正賞受賞作。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 障害者の夫を養うためラブホテルで賢明に働く明日美、マルチ商法にハマり一攫千
金を狙うしのぶ、気の弱いヤクザ者の史郎、過去のトラウマから現実を感じることの
できない渚。この4人が明日美を中心として、かつてマルチ商法を一緒にやったしの
ぶ、銀行強盗の場面に出くわしたことで知り合った渚、勤め先のラブホテルに組の仕
事のおしぼりを配達していた史郎が知り合った。史郎が鉄砲玉を失敗し、同じ頃明日
美達3人が現金強奪をしようと計画した時と重なり、組に追われ娘を殺された史郎、
そして更なる大金を狙う3人が組み、ヤクザへ全面戦争を仕掛けにいった……。
 ヤクザ世界、ラブホテル、マルチ商法と裏の世界を巧みに描き、スピード感も溢れ、
楽しめる展開でした。しかし平凡な主婦が殺人を犯すという設定は『OUT』を真似
たものと言われても仕方ないだろうし、3人の素人女性がヤクザに戦争を仕掛ける話
などは強引すぎる部分も多かったです。ただしラストシーンでは更なる迫力が待ち受
けており、細かな部分でのマイナス材料はあるものの、全体的にサスペンスとしての
面白さは抜けていました。

<本紹介>
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【ジャンル】生活
【著書名】 シンプル収納の大原則
【著者名】 本多弘美
【出版社】 永岡書店
【初 刊】 2000年5月10日
【金 額】 1200円+税
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書はタイトルそのままに収納について書かれているもので、収納の基本、収納プ
ランを構成していて、本を読みながら収納を実践していく仕組みになっています。こ
の他にも収納テクニックやすっきり見えるインテリア術もあり、収納についても場所
やモノ別にカラーで紹介されているので、とても読みやすくなっています。

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 死ぬという大切な仕事 --妻・三浦綾子と過ごした40年--
【著者名】 三浦光世
【出版社】 光文社
【初 刊】 2000年5月30日
【金 額】 1300円+税
【紹介文】 綾子の生涯における最たる悲劇、誤解されている介護の在り方、綾子
      が果たせなかった仕事……。作家・三浦綾子を妻に、共に歩んだ夫が
      語る来たるべき彼方への希望。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 亡くなった作家・三浦綾子の夫である著者が書き下ろしで書いたのが本書。三浦
綾子の最期、死に対する恐怖、難病との出会い、夫婦での信仰や互いの思いやりな
ど、聖書を通しての言葉が書かれています。特に三浦綾子の闘病生活や最期につい
ては、改めて強い夫婦愛を感じましたし、死についてを考えされられる一冊でもあ
りました。

<本紹介>
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【ジャンル】対談集
【著書名】 最前線
【著者名】 村上 龍
【出版社】 ラインブックス
【初 刊】 1999年12月5日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】学校、家庭、企業……さまざまな共同体が崩壊しているいま、教育、
      文化、経済など、各分野の最前線に立つ12人の目に映る「現場」の
      姿とは……。宮崎学(『突破者』)金子達仁(『28年目のハーフタイ
      ム』)河上亮一(『学校崩壊』)ほか、それぞれのフィールドで活躍す
      る第一人者を迎えた対談集。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書はカバー文にも書いてあるように、各分野の最前線に立つ12人と著者との
対談集。その最前線の場所ですが、戦場だったり、アジアの街だったり、サッカー
スタジアムだったり、学級崩壊が進む学校だったりするわけですが、改めてこの対
談集を読んで、一般的な認識と現実のズレが大きくなっているように思いました。
この対談集に登場する人々は今も現実と向かい合って、各フィールドで活躍してお
り、その人々のレポートも読んでみたいと思える人が多かったです。

<本紹介>
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【ジャンル】連作ミステリー
【著書名】 続 垂里冴子のお見合いと推理
【著者名】 山口雅也
【出版社】 講談社
【初 刊】 2000年5月30日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】女探偵ランキング、堂々2位に輝いた名探偵、垂里冴子の初めての事
      件簿。縁談が持ち込まれる度に、事件が発生するという奇妙な星の下
      に生まれた薄幸の名探偵が4件の「見合い」と事件に挑戦。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 お見合いの度に事件に巻き込まれ、抜群の推理能力を発揮しながらも婚期を逃し
続ける名探偵・垂里冴子のシリーズ第2作。今回は生命科学研究所のスタッフや、
温泉旅館の跡取り息子など、4つのお見合いに挑むのだが、またしても事件が発生
して……。
 前作のノベルズ版も読んで、この単行本も図書館から借りて読みましたが、名探
偵の垂里冴子の推理は今回も実に冴えています。また、前作同様に垂里家一族の掛
け合いも楽しく、独特のキャラクターで作品を面白くしており、次作もぜひ読みた
くなる作品でした。今年の7月にドラマ化もされたようで、そのドラマは見ません
でしたが、主人公の垂里冴子を誰が演じたのか知っている人がいましたら、ぜひ教
えて下さい。

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリー
【著書名】 殉霊
【著者名】 谺 健二
【出版社】 講談社
【初 刊】 2000年4月10日
【金 額】 2300円+税
【カバー文】1903年、一高生・藤村操、華厳の滝に投身。同地が自殺の名所と
      なる。1933年、三原山火口猟奇自殺事件。5000人以上の死の
      連鎖が起きる。1986年、歌手・岡田有希子、事務所屋上から投身。
      後追い自殺者、50人以上。そして1994年、一人のアイドル歌手
      が不可解な死を遂げた……。「自殺」のメカニズムを通じて孤独な魂
      の救済を試みる、渾身の書き下ろし問題作!
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 人気アイドル歌手が奇怪なバラバラ死体となって発見された。そして次々と彼女
の後を追う若者達が求めるものは何なのか?
 著者の作品ではデビュー作で鮎川哲也賞を受賞した『未明の悪夢』も読みました
が、本書は上下段500ページという大作で、正直読むのに疲れた作品でした。若
者の自殺についてを作品ではミステリーとして巧く描かれているとは思いましたし、
実際にあったX−JAPANのhideの死なども物語で組み込まれていたりと、
読み応えこそあるのですが、幅を広げ過ぎているというか、読み疲れを感じた一冊
でした。

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリー
【著書名】 SAKURA --六方面喪失課--
【著者名】 山田正紀
【出版社】 徳間書店(TOKUMA NOVELS)
【初 刊】 2000年1月31日
【金 額】 800円+税
【カバー文】警視庁六方面管区……綾瀬署にある失踪課の面々は、どうしようもな
      いクズばかり。ひねくれ者や役立たず、警察のお荷物のような男達に、
      ついたあだ名は失踪課ならぬ「喪失課」。そんな彼らが偶然に出会っ
      た小さな事件の数々は、じつは大きな陰謀につながっていたのだ。あ
      る夜、突然町が消滅!? 裏で暗躍する謎の男『SAKURA』の目的
      は、いったい何なのか。国中がバブルで浮かれていた1990年日本
      の、ほんとは起こっていたかもしれない物語。山田正紀が描く、洒落
      たスタイルのネオ・エンタテインメント。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 警視庁六方面に賊する綾瀬署には「失踪課」という部署があるのだが、要は警察
内の問題児をここに集め、機会を見て課員は全員警察組織の外に放り出そうという
狙いだった。そんな喪失課には、放置自転車ごと自転車駐車場職員が失踪する事件
や、ブルセラショップから大量に下着が盗まれた事件など、他の部署では扱わない
事件ばかりが廻されてきていた。ただ、それらの犯罪の影に町が丸ごと消えるとい
うとんでもない事件が起きた!
 ミステリーというよりも喜劇といった方が相応しいかもしれませんが、ミステリ
ーの型を破った面白い作品でした。物語の主人公の失踪課の面々も、アニメオタク
から博打マニア、怠け者に女好きなど特徴のある登場人物ばかり。そして町が突然
消えてしまうというストーリーには驚きました。内容的には、物語でも大事な存在
といえるSAKURAという男についての描写が少なかったり、ラストがあっさり
しすぎていた点など欠点が多く見られましたが、ストーリーとしての面白さは欠点
をカバーしていましたし、登場人物であるはみだし刑事達の活躍は楽しみながら読
むことができました。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ミステリー
【著書名】 死者の微笑
【著者名】 尾崎諒馬
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2000年1月25日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】一世を風靡していた老作家の目黒秀明は、登場人物が次々に惨殺され
      る自分の小説のことで孫娘が友達からいじめられていたのを知り心を
      痛め、十数年前に絶筆した。だが、医師から癌だと宣告を受けたいま、
      いまだに醒めない小説への情熱が甦り、目黒は再び愛用の万年筆を執
      る。病院を出てホスピスに移り、執筆に専念するも、次第に目黒は万
      年筆さえ握れなくなり、小説を書き上げることなくこの世を去ってし
      まった。だが……。原稿が届けられていた出版社の編集部には、何故
      か全国各地から目黒の死後も彼の筆跡の原稿が送られ続け、物語は完
      成する。生前、目黒は幽体離脱ができると話してはいたが、魂の状態
      で原稿を書き続け、全国各地から原稿をポストに投函していたのか?
      同じ病院に入院していた鹿野信吾と名探偵の尾崎凌駕が事件の真相に
      迫るが、そこには意外な真相が! 渾身の880枚!
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 カバー文書くだけで疲れました。(笑) あらすじの大半は、そのカバー文で書か
れているので省略しますが、読後の感想としては「評価は分かれるんだろうなァ」
と最初に思いました。確かに非常に凝りに凝ったミステリーであるものの、個人的
にはそれが凝り過ぎて、事件の真相も驚かされますが、凝り過ぎていたため驚きを
あまり感じず、少々読むのに疲れたというのは欠点かな?とも思いますが、ミステ
リー好きによっては、期待に応えてくれる本格的なミステリーであるだけに、他の
人の評価というのがちょっと気になります。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】日記エッセイ
【著書名】 そして私は一人になった
【著者名】 山本文緒
【出版社】 幻冬舎文庫
【初 刊】 2000年8月25日
【金 額】 495円+税
【カバー文】あれほど結婚したかったのに、離婚してしまった。そして32歳にし
      て、初めての一人暮らし。幸せを感じていた時も、心のどこかでずっ
      と望んでいた、一人きりの日々。その一年を地道に綴った日記エッセ
      イ。文庫版にあたって、最新書き下ろし日記「四年後の私」と、秘蔵
      おもしろエッセイ「インド紀行〜ナマステ・クミコ」をあわせて収録。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は1996年の1月から12月までの著者の日記。特別変わることのない日
常生活の一端が見れますが、平凡といえそうなその日常を垣間見るのが何とも面白
い。おそらく独身女性の大半がこのエッセイを読むと共感できるように思いますが、
作家としての仕事ぶりや引っ越しの様子なども書かれています。ファンであるだけ
に、なおさら日記で著者の日常の様子を読むことができたのは嬉しいです。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】連作小説
【著書名】 ストロボ
【著者名】 真保裕一
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2000年4月20日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】キャリアも積んだ。名声も得た。だが、俺に何が残されたというのか
      ……。過ぎ去った時、遠い出会い、苦い別れ。女流写真家と暗室で愛
      を交わした40代、先輩を陵駕しつつも、若手の台頭に焦りを抱いた
      30代、病床の少女を撮って飛躍した20代、そして学生時代を卒業
      した、あの日。時間のフィルムを巻き戻し、人生の光と影をあぶりだ
      す名編。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は5つの物語が収録されている連作小説。最初に主人公の50代が描かれ、
最後に20代が描かれるという普通の小説とは逆の年代が描かれているのですが、
ページを読み進むうちに効果的な描き方だと実感はしました。ただ真保裕一の作品
ですから、読む前から期待していたのですが、特にインパクトの強い作品でもなく、
一写真家の主人公の人生を描く作品だけに、読後も印象はあまり残らなかったのが
残念でしたが、作品としては淡々としている割には読みやすかったです。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】警察小説
【著書名】 ショカツ
【著者名】 佐竹一彦
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2000年4月10日
【金 額】 1400円+税
【紹介文】 住宅街でおきたボウガン殺傷事件。幼女に向けられた矢の意味するも
      のは……。「刑事課別室」にいる5人の刑事たちの執念。元・警視庁
      警部補が描いたリアル・ポリス・ストーリーの傑作! 4月スタート、
      フジテレビ系大型刑事ドラマ「ショカツ」原作本!
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 テレビドラマの原作本ですが、そのドラマは全く見ていなかったのですが、住宅
街でおきたボウガン殺傷事件をベテラン刑事と見習い刑事とでコツコツと事件を調
べていき、事件の真相を突き止める物語。その真相解明までの地道な捜査の様子が
丹念に描かれています。著者の警察小説の中でも地味な作品だけに、テレビドラマ
がどんな風だったか見てみたくもありますが、派手さはないものの警察小説として
は良かったです。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】エッセイ
【著書名】 寿司屋のかみさん、エッセイストになる
【著者名】 佐川芳枝
【出版社】 中央公論新社
【初 刊】 2000年5月7日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】「いつかは自分の本を出したい!」 街の小さな寿司屋のかみさんが、
      店の仕事、子育てに追われながら、投稿からスタートし、ついに長年
      の夢を実現させるまでを綴る。元気と感動がいっぱいの奮戦エッセイ。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 著者は都内の寿司屋のおかみさんでエッセイストとしても幾つか本を出していま
す。この人のエッセイは読んだことがなく、図書館でタイトルにひかれ借りて読ん
だわけですが、店の仕事を手伝い、子育てをしながらその合間に投稿からスタート
し、一冊のエッセイを出版するまでの体験をエッセイとしてまとめています。仕事
の合間のお昼の僅かな時間を使って投稿を続け、その投稿で賞を受賞し、審査員か
ら出版を勧められ、再び仕事の合間に原稿を書く様子を細かく紹介し、そのエッセ
イでも書いた寿司屋での出来事や自分の体験についても書かれています。読み終わ
った後は無性にお寿司が食べたくなりましたし、著者夫婦に励まされる内容でもあ
りました。どのようにしてエッセイを出すことができたかについても興味がありま
したが、寿司屋の裏側というか、寿司にまつわる話も面白かったですし、著者の他
のエッセイも読みたくなりました。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】連作ミステリー
【著書名】 しのびよる月
【著者名】 逢坂 剛
【出版社】 集英社
【初 刊】 1997年11月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】御茶ノ水署の迷走コンビ、斉木斉と梢田威。追う、走る、ずっこける!?
      元小学校の同級生。今や生活安全課の上司と部下のふたりが事件解決
      に乗り出す! スラップスティック・ミステリー。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 引き続き逢坂剛を読みましたが、こちらは6つの物語が収録されている連作ミス
テリー。主人公は元小学校の同級生で、小学校で秀才だった斉木が上司で、全校一
の悪ガキで、斉木を小学校の時はいじめていた梢田が部下の2人のコンビ。正義感
のある梢田だが、上司である斉木に試験前日に飲みに誘われたり、仕事の邪魔をさ
れたりと、天敵となっているが、相性が悪いと思えるこの2人が、数々の事件を解
決していく姿は中々痛快でした。

<本紹介>
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【ジャンル】短編集
【著書名】 サイケ
【著者名】 姫野カオルコ
【出版社】 集英社
【初 刊】 2000年6月30日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】フェティシズムに耽り、性同一性障害にうろたえ、快感と疚しさにさ
      いなまれた日々……。オレンジに爆発する70年前後を舞台に、あの
      姫野カオルコが描くヰタセクスアリス!
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 本書は70年代を舞台に描かれた短編集で、6つの作品が収録されています。大
阪万博を舞台に子供達の姿を描いた「オー、モウレツ!」、男の子が社会人になり
結婚するまでのプロセスを描いた「半径3kmの人生」など、70年代の教育や時
代背景を個人史的に表現しています。ユーモアまじりの作品でもあるのですが、登
場人物に特徴というか魅力がそれほど感じず、ちょうど僕が小学校時代のことが多
く書かれていて、作品と時代背景が一致するものの、懐かしさもあまり感じられま
せんでした。

【た行】

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 虜
【著者名】 藤田宜永
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2000年4月20日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】わずか数ミリの視界。逃亡者は恐怖にかられて覗き、快楽に呻いた……。
      棺のような密室に7日間。男女は窯変した!
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 物語は元銀行支店長で会社の金を横領して逃亡を続けている主人公が、かつて隠れ
家のようにしていた別荘に辿りつくが、そこは妻が住んでいた。その妻が見知らぬ女
となって別の男と付き合っていた。逃げ場の無くなった主人公は、妻に期限付きで匿
ってもらったのだが、隠れていた場所からは数ミリの視界があり、そして7日間をそ
の視界で過ごすことになるが、妻と男との姿を始めとして、訪ねてくる刑事の姿など、
主人公にとっては恐怖を過ごすと共にやがてそれが快楽に変わっていくことに。そし
て7日間の愛憎が描かれています。
 帯には密室サスペンスとは書いてありましたが、サスペンスというよりも主人公の
逃亡先での出来事が書かれているだけで、最後も呆気ない終わりを迎えます。どうも
このところハードボイルドから離れてしまっている藤田宜永ですが、そのハードボイ
ルド作品が好きだっただけに、この作品もやや期待ハズレに終わりました。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ミステリー
【著書名】 タイム
【著者名】 深谷忠記
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2000年3月25日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】かつて自分が犯した罪に苦しみ、半ば世捨て人のようにしてきたゴース
      トライターの松尾、松尾の同級生で『罪と罰』の主人公、ラスコーリニ
      コフを髣髴させる、あくなき上昇志向に燃えるエゴイストの桐原、さら
      にそこにふたりの同級生も絡み、彼らが隠し続けてきた23年前の事件
      が浮かび上がってくる……。飛びきりの謎と倫理と逆転! これぞ深谷
      ミステリーの最高傑作。堂々の書き下ろし1050枚。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 物語は、23年前にひとりの予備校生が幼女悪戯により、無実の罪を着せられて留
置場で自殺し、その恋人も自殺した過去の事件が、ある殺人事件をきっかけに浮かび
上がることに。その23年前の事件に関ったのは、この時の罪に苦しみ続けるゴース
トライターの松尾、政治家で将来総理大臣を狙う桐原、医師の舘岡、稼業のスーパー
の後を継ぐも倒産し行方不明となった須ノ崎。しかし須ノ崎が何者かに殺害されたこ
とにより、桐原が警察にマークされ、過去を封印していた残り3人が再び23年前の
事件と対峙することに。そしてラストで登場人物の倫理と真相の逆転があり、最後の
最後まで息を付かせぬ展開になっています。ミステリーのしての醍醐味も充分で非常
に面白いミステリーを堪能できました。

<本紹介>
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【ジャンル】手記
【著書名】 妻はストーカーに殺された
【著者名】 藤田 博
【出版社】 WAVE出版
【初 刊】 2000年5月1日
【金 額】 1400円+税
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 平成9年10月に福岡県で包丁所持の大学生が民家に押し入り、住民を殺害する事
件がありましたが、犯人は逮捕されるも心身喪失との判定で不起訴とされました。著
者はこの事件で妻を殺され、犯人からは犯行以前から無言電話などの嫌がらせを受け
ており、事件そのもの、そしてマスコミからの取材暴力、犯人への割り切れない思い
が書かれています。この手記には幾つもの問題点も提起されており、取材と称して強
引に土足で入り込み被害者の感情など関係なしのマスコミ取材、ストーカーの被害に
合っているにも関らず対応してくれず最悪の事態を呼び寄せた警察、様々な被害に際
して何の対応もしてくれない加害者の両親、そして殺人が起きているにも関らず不起
訴となったことなど、同じような事件が繰り返されて起きていることからも、被害者
側から書かれたレポートとして問題提議になってほしくも思いました。

<本紹介>
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【ジャンル】ハードボイルド
【著書名】 東京黒社会 洗脳
【著者名】 南 英男
【出版社】 徳間書店(TOKUMA NOVELS)
【初 刊】 2000年5月31日
【金 額】 800円+税
【カバー文】雑居ビルの屋上から男が落ちてきた。銀座2丁目の現場を通りかかった
      鰐沢賢は警察庁長官直属の特別広域捜査班「隼」のキャップだ。表向き
      は、桜田物産という会社の代表取締役ということになっているが、桜田
      物産自体が地下に秘密射撃訓練場と武器庫をもつ7階建てのビルに入っ
      ている。男の身元は、大手商社、丸菱商事水産部第二課課長の小堀隆で
      あることが判明した。目立つ外傷もなく、司法解剖で薬物中毒とわかる。
      それも覚醒剤の過剰摂取だ。鰐沢の捜査が始まる。事件は思わぬ自己開
      発セミナーへと捜査陣を導く。背後に潜む洗脳の恐怖と潜入捜査を描き
      きる警察ハードボイルド!
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 あらすじはカバー文で詳しく書かれていますが、ビルの屋場から男が落ちてきた現
場を通りかかった警察庁覆面捜査官・鰐沢が捜査を始めるのだが、自己啓発セミナー
での洗脳に裏に秘められた薬物汚染の実体を掴むために、潜入捜査を行う鰐沢も凍り
付くような恐怖を受けながらも闘う姿が描かれています。この「東京黒社会」という
のはシリーズ化されていて、前作は読んで面白かったので本書も図書館から借りて読
みましたが、秘密部隊といえる「隼」のメンバーの活躍はシリーズを通して楽しむこ
とができます。

<本紹介>
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【ジャンル】パソコン
【著書名】 デジタル画像超入門
【著者名】 和田茂夫
【出版社】 日本実業出版社
【初 刊】 2000年5月20日
【金 額】 1300円+税
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は題名でわかるように、デジタル画像についてわかりやすく紹介されている本
です。大きく7章に分かれていて、デジタルだからこそできること、デジタル画像の
基礎知識、加工や調整法、整理術に至るまで、初心者にもわかりやすい内容となって
います。写真による説明が全面白黒になっていたのは残念でしたが、特に加工の仕方
などは参考になりましたし、ソフトもペイントショッププロを使っての説明だったの
で、これ以外のソフトを使っている人にとっては本書の使い方そのままに使えるもの
かどうかはわかりませんが、使用方法や調整法といった部分では読んで良かった内容
です。

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリー
【著書名】 DZ
【著者名】 小笠原慧
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2000年5月10日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】ヴェトナム難民船より救出された妊婦から生まれた二卵性双生児
      (DZ)の兄弟が背負う宿命を、ハリウッド映画のような壮大なストー
      リーで描き上げたヒューマン・ミステリ。本年度横溝正史賞正賞受賞
      作。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 ペンシルバニア州で起きた謎の夫婦殺害事件。現場から姿を消したまま、事件は
迷宮入りとなった。一方、医師の卵である志度涼子はアメリカに留学中の恋人、石
橋直洋を殺人事件で失い、失意のまま重度心身障害児施設「愛育園」への赴任を決
める。2つの事件の交わる場所とはいったいどこか……。
 物語はヴェトナム戦争での枯葉剤散布から発展していきます。著者は精神科医で、
分子生物学をメインテーマにして非常にスケールの大きな作品ともいえることがで
きます。作品としては専門知識が多かったため読みにくい部分はあったものの、横
溝正史賞に相応しい作品です。ただ同時受賞して以前に読んでいる小川勝己の『葬
列』の方がエンターティメント性があり、個人的には『葬列』の方が面白かったで
す。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】エッセイ
【著書名】 だって、買っちゃったんだもん! --借金女王のビンボー日記II--
【著者名】 中村うさぎ
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2000年1月31日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】毎度毎度、性懲りもなく無駄遣いしては、借金を重ねる女・中村うさ
      ぎ。豪華海外旅行に行ってみたり、ブランドの受注会に突っ走ったり、
      不動産購入熱に冒されたり……。気づけば、むじんくんの前に立って
      いる。常に経済危機状態! 果たして、財政破綻は免れられるのか?
      切れ味抜群、一読必笑エッセイ集!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 以前に著者の『パリのトイレでシルブプレ〜』を笑いながら読みましたが、本書
も大爆笑のエッセイ。財布の中に98円しかなく、サラ金に初体験。借金が常にあ
るのにブランド品の受注会で次々に注文。そして頭金もないのにマンション購入?。
豪華海外旅行。……と、その無謀さぶりが笑いを誘います。無駄遣いぶりは借金女
王と呼ばれるに相応しく、今後も著者のエッセイ(特に借金しての買物)には大注目
です。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】競馬ノンフィクション
【著書名】 血と知と地 --馬・吉田善哉・社台--
【著者名】 吉川 良
【出版社】 ミデアム出版社
【初 刊】 1999年2月16日
【金 額】 2000円+税
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は日本の競馬界において最大ともいえる社台グループの創始者でもある吉田
善哉の生涯をノンフィクションとして書いたもの。戦争と競馬、そして農地解放、
社台ファームの出発から、現在まで社台ファームを支えた種牡馬達、ダービー制覇
……などを含め、72年の生涯を、交流のあった著者がまとめたものです。「週刊
ファンファーレ」での2年分の連載をまとめた本書ですが、約500ページの分厚
い内容ではありましたが、最初から最後まで一気に読むことができ、生涯競走馬一
筋の吉田善哉氏が現在の日本の競馬体系に大きく携わっているだけに、競馬ファン
としても読み応えのあるノンフィクションでした。なお本書はミズノスポーツライ
ター賞優秀賞とJRA賞馬事文化賞を受賞している作品です。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】インターネット
【著書名】 注目度No.1のホームページの作り方
【著者名】 C&R研究所
【出版社】 ナツメ社
【初 刊】 2000年6月13日
【金 額】 2400円+税
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 こちらも図書館から借りた本ですが、本書はHP作成でのウラ技テクニックを紹
介したもの。リンク文字を変化させる方法、文字を揺らす方法、2枚の画像を重ね
て表示する方法、プルダウンメニューの作成なとなど、多くの演出方法が全ページ
カラー図解で書かれています。何か役立つことはないかな?と思って借りましたが、
特に自分のHPではやってみたいと思えることはなかったですが、HP作成の一つ
の方法としては勉強になりました。

<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 逃走夫人
【著者名】 高田竜史
【出版社】 祥伝社(NON NOVEL)
【初 刊】 2000年2月20日
【金 額】 800円+税
【カバー文】<肉体の歓喜が女の目覚めなのか?> 財閥・豊原家の娘・綾は、や
      はり財閥の麻生家に嫁いだ。後継者を生むべき宿命を背負わされなが
      ら子宝に恵まれず、綾は桜井医師に悩みを打ち明けるうち、二人は男
      と女の関係になった。初めて知る性の悦楽と愛欲の日々。そして夫は
      姿を消し死体となって発見された。犯人捜査に全力を挙げる警察。殺
      到するマスコミ。やがて起こる第二の殺人……。美しい女体が呼ぶ犯
      罪とは!? 実話に材を採った新人の異色第二弾!
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書はサスペンスと官能小説を合わせた作品。あらすじはカバー文に書かれてい
ますが、財閥を舞台に夫は殺され、妻は産婦人科医と不倫を重ねるのだが、妻の不
倫相手も殺害される。物語自体は面白く読むことができましたが、事件の真相はそ
れほどの意外性もなく、また最後があまりにも安易にしすぎている点が大きな欠点
でもありましたが、上流階級の女性が官能の誘惑に落ちていく姿とサスペンスとを
マッチさせていたところはエンターテインメイン性があり、面白い作品になってい
ました。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】短編ハードボイルド
【著書名】 古惑仔(チンピラ)
【著者名】 馳 星周
【出版社】 徳間書店
【初 刊】 2000年7月31日
【金 額】 1600円+税
【紹介文】 映画俳優のようにスタイリッシュなチンピラを真似る香港人・周家健。
      黒社会のボスから日本人やくざの娘のガイドを命じられた彼の運命と
      は? 表題作をはじめ6編のノワールを収録する短編集。欲望に人生
      を狂わせた人間たちの姿は哀しく絶望的だ。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 紹介文でも書かれているように、本書は6編の作品が収録された短編集。買おう
か買わないかを迷っていた本でしたが、図書館で見つけて結局借りて読みました。
ここに収録されている作品はいずれも欲望で人生を狂わせてしまう男達が描かれて
おり、舞台も新宿や香港と馳星周らしく、迫力とスピード感のある作品ではあるの
ですが、どうも短編というせいか物語も長編として描いてほしい作品ばかりが目立
ち、長編とは違い暗黒的な部分とでもいいましょうか、ドロドロしたところが少な
くて、短編としての欠点も目に付きました。ただし作品はそれぞれに個性的ですし、
読後も満足感のある短編集でした。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ルポルタージュ
【著書名】 東電OL殺人事件
【著者名】 佐野眞一
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2000年5月10日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】彼女の手帳には、想像を絶する堕落の日々が記されていた……。エリ
      ートOLは、なぜ娼婦として殺されたのか? 逮捕されたネパール人
      は真犯人なのか? 全ての現場・関係者・公判への克明な取材から明
      るみに出た真実とは……。被害者の底無き心の闇と、警察捜査の信じ
      難い虚妄を強烈に照射。現代日本の腐蝕を浮き彫りにする事件ノンフ
      ィクションの金字塔!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、東電OL殺人事件の衝撃の事件発生から、劇的といえる無罪判決まで、
全真相を書いた壮絶なルポルタージュ。殺害されたエリートOLの堕落の謎、父が
亡くなった後に患った拒食症、お金への異常な執着、売春に対するこだわりなど、
決してニュースでは知らされることのなかった事件の真相な迫るノンフィクション
です。なぜエリートOLは殺害されたのか、そして犯人は誰なのかはわからないま
まですが、著者の丹念な取材によって事件への足跡を少しずつ辿っています。約4
50ページと分厚い一冊ではありましたが、人間像を徹底追求した内容には引き込
まれていきました。

【な行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】サスペンス
【著書名】 日本動乱
【著者名】 桑原譲太郎
【出版社】 角川春樹事務所(HARUKI NOVELS)
【初 刊】 2000年6月8日
【金 額】 895円+税
【カバー文】伝説のテロリスト<ゴースト>はついに日本に上陸し、大都会へと潜
      りこんだ。日本SATを頂点とした大捜査陣が連日のローラー作戦を
      展開しつつあるとき、テロリスト軍団は想像を絶する革命的テロリズ
      ムを撃ち放つ。列島を二分して激突する男たち。その壮絶な生きざま
      が、そして死が、新たなロマンを香りたたせる。新生桑原譲太郎の力
      量がフルパワーで発揮された『我が標的は日本』の続編が、さらなる
      衝撃と興奮をともなって登場。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
 あらすじはカバー文で書かれているので省略しますが、冒頭からいきなりテロリ
ストとの対決場面で始まり、迫力こそある展開ではあるのですが、ここに登場する
日本SATやテロリスト軍団についての紹介が少なく、おそらく前作という『我が
標的は日本』には書かれているのかもしれませんが、その前作を読まないで本書を
読んだので、面白さも半減されていたのでしょう。詰らないとまでは言わないもの
の、作品のスケールの大きさを感じなかったのは残念です。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】短編集
【著書名】 野山課長の空白
【著者名】 中場利一
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2000年7月10日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】中年サラリーマンの狂気、ヤクザ見習いの憂鬱、ヒットマンの後悔、
      性悪女の純情……。人情ピカレスクの最高傑作!
【満足度】 ★
End------------------------------------------------
 本書は8つの作品が収録されている短編集。カバー文を見て面白そうだと図書館
から借りた本ですが、読み手によっては面白く感じるでしょうが、読み始めからつ
まらなさを感じましたし、登場人物はそれぞれ特徴があるものの、その特徴の良さ
が作品で活かされておらず、ハチャメチャすぎがかえって大きなマイナス要素にな
っていて、焚書です。


【は行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】コラム
【著書名】 半眼訥訥
【著者名】 高村 薫
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2000年1月30日
【金 額】 1381円+税
【カバー文】こんなことを考えて暮らしてきた。1993〜1999著者初の雑文集。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は著者が新聞や雑誌に書いたコラムをまとめたもので、最後には大阪での講演
を筆記したものも載っています。日常的なことも書かれていますが、社会的なコラム
が多く、情報社会についての考えが多く見られました。また「仕事の風景」として、
駅員や植木職人などのルポもあったり、「家のつぶやき」として、景観から家の中の
家電製品に至るまで取り上げたりと、それぞれの章で内容も大きく違っていますが、
著者の考えがよく伝わってくるコラムでした。でも高村薫はやはり長編小説で本領発
揮しますね。

<本紹介>
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【ジャンル】コラム
【著書名】 不愉快な物言い
【著者名】 大月隆寛/みうらじゅん
【出版社】 毎日新聞社
【初 刊】 1999年3月30日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】気に入らねえな、その物言い! ほれ、うっかり口にしたその言葉、そ
      の物言いが命取り。お手軽脳天気な世間が垂れ流す耳タコのフレーズを
      絶妙コンビが活字とイラストでいたぶり倒す!
【満足度】 ★☆
End------------------------------------------------
 本書は関西情報誌で連載されていたものをまとめたもの。一年後にはもう使われな
くなっているような時々の言葉を物言いしたものですが、真面目な内容もある反面、
無理にこじつけたようなところが多く、軽い内容で読みやすいものの、面白さは殆ど
感じられませんでした。もう少し違う内容を期待していたんですけどね……。

<本紹介>
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【ジャンル】パソコン本
【著書名】 ホームページで毎日の生活を24倍愉しむ
【著者名】 吉田桂子
【出版社】 明日香出版社
【初 刊】 2000年2月29日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】社長も奥さんもインターネットで人生が変わる。仕事に、趣味に、アフ
      ターファイブに、貯蓄に、話のネタに。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
 本書はホームページで、様々なジャンル別にサイトを紹介しているもの。ただ、そ
の紹介されているサイトも少なく、全面カラーページであることと、パソコンを使い
ながら読みやすいようにバインダー式になっていることは良かったものの、内容とし
ては物足りなさを感じます。カラーページでの紹介なので、ホームページの見出しが
どのようなものかはハッキリとわかるので便利に感じる人は多いでしょうが、もっと
多くのホームページを紹介している本があるだけに、紹介サイトが少ないというのは
大きなマイナス点でしょう。

<本紹介>
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【ジャンル】パソコン本
【著書名】 パソコンを10倍楽しむ ソフト(得)ガイド
【著者名】 高嶺一男
【出版社】 JMAM(日本能率協会マネジメントセンター)
【初 刊】 1997年1月10日
【金 額】 1262円+税
【カバー文】パソコンは「ソフト無ければ、ただの箱」とよくいわれます。最近は、
      あらかじめ利用頻度の高そうなソフトがインストールされていますが、
      それだけで充分というわけではありません。自分の好みにあったソフト
      を購入してインストールする事で、より便利に、より楽しく、パソコン
      をパワーアップさせることができます。本書は、そのためにパソコン用
      ソフトの情報をたっぷりとつめこんだ、初心者の方向けのガイドブック
      です。
【満足度】 ★☆
End------------------------------------------------
 これはカバー文を読んで図書館から借りた本ですが、初刊を見るとわかるように、
内容としては完全に古いソフトガイドでした。3年半でパソコンソフト事情がどう変
わったかはわかりますが、実際にはもう使われていないようなソフトも紹介されてい
ますし、あまり役立たないガイドでした。特にこういった本は初刊を確かめてから読
むべきですね。

<本紹介>
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【ジャンル】インターネット
【著書名】 プロバイダーの選び方 --大手26社徹底分析と最新データ--
【著者名】 山崎潤一郎/亀田武嗣
【出版社】 KKベストセラーズ
【初 刊】 1999年4月5日
【金 額】 952円+税
【カバー文】プロバイダーにナンバーワンはありません。あるのは、使用状況やライ
      フスタイルにマッチした、あなた自身の「ベストプロバイダー」だけ。
      氾濫する情報に惑わされず、プロバイダーを正しく選択するノウハウを
      伝授します。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書はタイトルとサブタイトルを読むとわかるように、大手プロバイダー26社に
ついてを徹底分析している本。僕もインターネットを始める時は、プロバイダー選び
について色々な雑誌を読んでみましたが、パソコン雑誌でのプロバイダー特集といっ
てもほんの一部しか紹介されていなかったり、細かな内容までは書かれていませんで
した。特にインターネット初心者にとっては、プロバイダー選びも頭を悩ませる部分
かもしれませんが、本書は大手26社それぞれの違いや、細かな内容や料金、更に各
社に著者からのアンケートを送っていて、その回答から各社の業績や会員数なども載
っています。特に各社の比較がハッキリとわかりますし、巻末には1ヶ月で10時間
使用するケースなど、各社の料金比較も書かれているため、その比較がわかりやすく
載っています。これからインターネットを始めようとしている人から、プロバイダー
の変更を考えている人まで読んでおいて損のない内容になっています。

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 馬鹿な男ほど愛おしい
【著者名】 田口ランディ
【出版社】 晶文社
【初 刊】 2000年6月10日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】恋と人生とアルコール三昧、疾風怒涛の20〜30代を経て、いまよ
      うやく冷静にふりかえる自らの恋愛体験。モテる男・モテる女のヒミ
      ツ、恋するモードに切り替わるコツ、20年の時を超えて届いたせつ
      ない想い、ふたまた恋愛詐欺説、愛とセックスと子供の微妙な関係、
      私はなぜエロばあさんになりたいか、などなど、男と女のあやうくせ
      つないお話の数々。読者数5万人を超えるコラムマガジンをインター
      ネットで配信中の著者が、恋と仕事と友情と家庭の間でゆれるすべて
      の女性に捧げる恋愛エッセイ。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
 本書は、MYCOM PCWEBなどに発表したコラムをもとに加筆し構成した
もの。著者のエッセイというのは初めて読みましたが、下ネタは面白かったですが、
特に印象に残るという内容ではなく、気軽に読めて面白いところもあるものの、全
体的には何を書きたかったんだろう?と思ってしまうエッセイでした。ただ独自の
カラーがあり、読み慣れると面白く感じるように思いますし、ちょっと今後の作品
も読んでみたいとは思いました。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 風転
【著者名】 花村萬月
【出版社】 集英社
【初 刊】 2000年6月10日
【金 額】 2600円+税
【カバー文】ヒカル、18歳。大学受験に失敗し、やり場のない鬱屈に日常は支配
      されている。親に内緒で初めて幻想加速器を手に入れた。黄色いオー
      トバイ、CB400SF。ある日、有名作家である父の盗作事件が発
      覚。やがて鬱屈が臨界点を超えてしまう……。そしてヒカルは旅立っ
      た。一匹狼のヤクザ鉄男とともに愛車に跨がり、風に吹かれて転がっ
      て。……剥き出しの魂たちよ、何処を目指す!? 新しきモラルの楽園
      か、明日なき倫理の煉獄か。芥川賞作家の集大成、怒涛の2000枚!
      20世紀最後の問題大作、ついに刊行!!
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 大学受験に失敗し、鬱屈した日々を過ごすヒカル。代貸とその愛人、さらには組
長を殺害し、新宿の地下に潜伏する一匹狼のヤクザ・鉄男。やがて二人は運命的な
出会いを果たす。どうしようもない鬱屈を爆発せざるをえないヒカルは、盗作事件
が発覚し、酒浸りとなった父親を自宅で殺害し、警察とヤクザから追われる鉄男と
共にバイクで北へと向かった……。
 上下段で約700ページの本書でしたが、一気に読むことができました。第一部
と第二部とに分かれ、その本書は「小説すばる」での連載から足掛け7年で出版さ
れた大作。バイクと暴力と性……という、花村萬月の初期作品の特徴が第一部で表
現され、第二部では現在の作品の主流ともいえる倫理感が描かれています。複雑な
背景がそれぞれの登場人物にあり、それが物語の幅を広げているのですが、性描写
は花村萬月らしくもあるのですが、後半部分はそれが多くなりすぎていたのと、も
う少し登場人物の心理を細かく描いてほしく、これらがやや欠点に思いましたが、
ラストシーンもスピード感のある迫力で、分厚さを感じさせない作品ではありまし
た。

<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 はめられた街
【著者名】 南 英男
【出版社】 祥伝社(NON NOVEL)
【初 刊】 2000年6月10日
【金 額】 800円+税
【カバー文】失業者・葉山猛は、新宿で出会った風俗嬢・樹里に心が癒されるのを
      感じた。勤務先の倒産、妻からの離婚請求と、行き場を失っていた彼
      にとって、樹里の笑顔と極上の肉体はまさにオアシスだった。樹里は
      言った。<悪徳宗教団体の隠し財産を奪って!> 信者だった彼女の
      母親が大金を騙し取られたのだという。葉山は決意した。人生逆転の
      勝負だ。周到な準備の末、教祖の愛人宅を襲撃する葉山。だがそこに
      は思いもかけぬ罠が待っていた……。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 勤務先が倒産し仕方なく白タク業を続ける主人公が、妻との離婚やかつての部下
が強盗を働き、誤認逮捕されるなど散々な日が続き、そんな中で偶然出会った風俗
嬢から悪徳宗教団体の隠し財産を奪うことを持ち掛けられ実行。そして成功し大金
を手に入れるのだが、仲間の裏切りや現金強奪を狙う思わぬ存在などから狙われる
ことに……。
 読み始めはそれなりの面白く、展開の流れも良く、主人公が段々と大胆になって
いく姿も面白かったのですが、後半で綺麗にまとめられ過ぎていたのと、ラストが
呆気なく終わってしまったのが非常に残念な作品でもありました。特に中盤までは
中々スリリングだっただけに、後半の大事なところがアッサリしすぎていたのは大
きな欠点でもありますが、その中盤までは非常に面白かっただけに評価としては上
記のようにしました。

<本紹介>
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【ジャンル】連作ハードボイルド
【著書名】 ハート・オブ・スティール
【著者名】 芦原すなお
【出版社】 小学館
【初 刊】 2000年7月10日
【金 額】 1500円+税
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 笹野里子は探偵事務所を構える私立探偵。私立探偵だった夫は2年前にクラブの
ホステスと載っていた車が熱海の崖からダイブして死亡した。警察は事故だと結論
をだしたが、里子は真相を自分なりに調べていた。その亡くなった夫の後を継ぐ形
で保母の仕事を辞めて私立探偵となった里子に次々に殺人事件が絡んだ調査依頼が
舞い込んでくる。
 探偵になるためにジムに通い身体を鍛え、夫が残した拳銃を武器に、命をかけて
捜査をする主人公を始め、同じ探偵仲間や警察官など脇役も存在感があり、展開を
より面白く引き立たせています。主人公が簡単に拳銃を発砲し、殺人者を殺してし
まうのは展開の流れから仕方ないと思う反面、欠点になっているとは思いますが、
41歳の女性である主人公が男勝りに私立探偵として活躍する設定は見応えあるハ
ードボイルドになっていました。

<本紹介>
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【ジャンル】ハードボイルド
【著書名】 禿鷹の夜
【著者名】 逢坂 剛
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2000年5月10日
【金 額】 1524円+税
【カバー文】悪党は地獄に堕ちろ! 史上最悪の刑事がやってきた。禿富鷹秋……
      通称禿鷹。警視庁神宮署の放し飼い。信じるものは拳とカネ。南米マ
      フィアも渋谷のヤクザも奴の餌食。
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
 警視庁神宮署の刑事・禿富鷹秋ことハゲタカは、南米マフィアから狙われる渋谷
の暴力団の組長を助け、金を受け取るなど、その非道ぶりには限界もなかった。誰
もが敵にしたくない刑事であり、信じているものは自分と金だけ。そして南米マフ
ィアにも怖れないハゲタカだったが、恋人を殺され、徹底的に南米マフィアのミラ
グロを追い込むが、ミラグロに金で雇われた日本人も徹底的に痛めつけ、あげくに
殺してしまう程。そして暴力団も組長の娘がミラグロに殺され、ハゲタカと共にミ
ラグロを追うことに……。
 こんな主人公は見たこともない程、狂暴性のある主人公・ハゲタカ。しかしどこ
か哀愁があり、非道であるものの魅力たっぷりのこの主人公の存在感は抜群。南米
マフィアと日本のヤクザに全く怯むことなく、そして誰も信じることなく、徹底的
に相手をいたぶる場面も迫力満点のハードボイルドです。その主人公のハゲタカは
謎に包まれている部分もあるものの、それが逆に存在を浮き立たせていて、南米マ
フィアのミラグロとの対決シーンは緊張の連続で、久々にハードボイルドを存分に
味わうことができました。ラストの描かれ方からシリーズ化されるかもしれません
が、このハゲタカのその後はぜひ読みたいですし、シリーズ化を切望させる作品で
した。ハードボイルドファンなら、絶対のお勧めです!

<本紹介>
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【ジャンル】手記
【著書名】 ベンチャーわれ倒産す --昔、大臣賞。今、自己破産--
【著者名】 板倉雄一郎
【出版社】 小学館文庫
【初 刊】 1999年10月1日
【金 額】 495円+税(\100)
【カバー文】六本木のディスコで華々しく新規事業の発表会を行い、インターネッ
      トビジネスの先駆者として注目を浴びた、そのわずか1年10か月後。
      30代の若き起業家は、クリスマスイブの日に裁判所で破産宣告を受
      ける……。本書は、若干20歳で社長業に就き、ベンチャー企業の経
      営者として通算大臣賞受賞まで登り詰めた著者の、体験告白ノンフィ
      クション。挑戦、苦闘、カネと女、名誉、凋落、そして残された数十
      億円の負債。すべては砂上の楼閣だったのか。大倒産時代にあって、
      一人称で語られたこの成功と失敗の記録はまさに値千金。分析と反省
      を加えた、新作。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 こちらは古本屋の100円コーナーで見つけた文庫。この著者が以前にテレヒ番
組で取り上げられていたのを見たこともあったため読んでみましたが、ベンチャー
企業家として華々しくデビューし、世界からも注目を浴びた著者の短期間での成功
と挫折を一人称で語られています。金融機関の融資引き揚げについて、もっと細か
く書いてほしかったですが、インターネットビジネスの怖さはまざまざと見せられ、
単に成功例を書いているノンフィクションとは違い、妙に現実味を感じるノンフィ
クションでした。


【ま行】

<本紹介>
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【ジャンル】ギャンブル小説
【著書名】 麻雀放蕩記
【著者名】 黒川博行
【出版社】 双葉文庫
【初 刊】 2000年6月20日
【金 額】 476円+税
【カバー文】この短編集には、ありとあらゆる種類のバクチが登場する。この一冊に
      いったいいくらの元手がかかっているかを考えるとソラ恐ろしい。麻雀
      の牌譜などを読むと身体がむずむずして実際に麻雀を打ちたくなったり
      するものだが、この短編集は牌譜より危険だ。麻雀だけでなく、カジノ
      にも行きたくなるしサイコロを振りたくもなる。……危険な本である。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
 本書は7つの物語からなる、連作ギャンブル小説。作家の主人公・黒田がカジノ、
麻雀、ホンビキ、パチンコ、バカラと次々にギャンブルの誘いがあり、それに乗って
いくものの、負けを重ねる物語。麻雀でのサインの出し方など面白い部分もありまし
たが、黒川博行らしさのハードボイルドタッチを期待していたものの、ハードボイル
ドらしさもなく、どちらかというと期待ハズレでした。それでも、麻雀場面などでは
緊迫した場面も巧く表現されていましたし、ギャンブル好きには面白く感じるかもし
れません。

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 み・つ・う・ら --恥をかいても凹んでたまるか!--
【著者名】 光浦靖子
【出版社】 光文社
【初 刊】 2000年4月25日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】初めて本を出します。私の電話はあまり鳴りません。女の子らしく、
      菜が出んわ、オシャベリをしたいのに。そんな欲求を本にぶつけてみ
      ました。自分が自分が、の、自己主張の強い、良いお話ばかりになり
      ました。トイレで読むのにもってこいの本です。うんこのお供に、ト
      イレで読んでいただけたら、これ幸いです。
【満足度】 ★☆
End------------------------------------------------
 最近バラエティ番組などで見ることの多いタレントである著者の初エッセイ。エ
ッセイというよりも、グチを活字にこぼしているという印象を受けましたし、それ
なりの面白さを期待していたものの、内容も笑える話が少なく、タレント本として
はイマイチのエッセイです。もう少し番組でも面白い話などを盛り込んでくれると
良かったのですが、自分中心の話ばかりで詰まらなかったです。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】エッセイ
【著書名】 もう消費すら快楽じゃない彼女へ
【著者名】 田口ランディ
【出版社】 晶文社
【初 刊】 1999年12月25日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】池袋路上通り魔事件、TOSHIの洗脳事件、酒鬼薔薇聖斗事件、林
      真須美事件、野村沙知代問題、オウムなど、代愛課を騒がせたさまざ
      まな事件/社会現象を通して、あやうく微妙なバランスの上に成り立
      つ日常生活の、その裏にひそむ静かなドラマを浮かび上がらせる、刹
      那の時代のリアルストーリー。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 以前に読んだ著者の「馬鹿な男ほど愛おしい」は軽いタッチのエッセイで、それ
ほど面白いとも感じませんでしたが、本書は一転して真面目に事件や社会現象につ
いての著者なりに感じたことを書いたエッセイ。その事件の裏側にあったのではな
いかと思われるドラマを浮かび上がらせ、数多くの事件や社会問題について自分な
りにも考えさせられる内容でした。最近は正統派のエッセイが少なくなっているよ
うにも思えるだけに、こういったエッセイを引き続き著者には書いてほしいです。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】短編ホラー
【著書名】 耳すます部屋
【著者名】 折原 一
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2000年2月15日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】わたしのあの子に何をしたの? 執拗な電話が女を追いつめる。叙述
      ミステリの名手、10年の軌跡、10の短編。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は著者が10年間に書き貯めた10の短編ホラーが収録されている作品集。
表題作「耳すます部屋」は、軽い気持ちで発した一言のため、自分の子供と同じ学
年で同じ団地内に住む子供を預かることになった久恵だったが、その子供は問題児
で次々に自分の家の物が無くなり、やがて自分の結婚指輪もなくなることに。そし
て子供に問いただした久恵は恐怖を引き起こすことになっていく。作品はいずれも
学生が登場し、その子供達の狂気が描かれています。思わずゾクゾクと背中が寒く
なる物語ばかりで、短編とはいえ物語にグングンと引き込まれていきましたし、折
原一らしさが存分に出ている短編集です。

【や行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】暗黒小説
【著書名】 雪月夜
【著者名】 馳 星周
【出版社】 双葉社
【初 刊】 2000年10月5日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】炸裂する暗黒小説問題作! 欺く、殴る、犯す、殺す……街が狂気に
      染まる! いまもっとも熱い作家が硬質な筆致で描く血と暴力の文学。
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
 幸司は子供の頃、露助船頭の息子といじめられ、上京して右翼団体に所属した。
その右翼団体で一緒だった同郷のヤクザの息子の裕司と敬二とは、幸司が実家であ
る根室に帰ってきてからは全く会っていなかったし、何より20数年にわたり憎み
あっていた裕司とだけは会いたくはなかった。しかし、根室でロシア人相手に電化
製品販売をしていた幸司は吹雪の根室の街中で裕司を見つけた。その裕司の根室に
来た目的は、裕司を裏切り所属する組の金2億円を奪って逃亡した敬二を見つける
こと。その裕司に脅され敬二探しに加わった幸二は、次第に裕司への憎しみに翻弄
されるも、その大金を奪うことを考える。この敬二探しだが、他にも地元のヤクザ、
市会議員、ロシア人をも巻き込み、誰もが大金を狙って互いに欺き、殺し合い、根
室の街が狂気と化していった……。
 新宿・渋谷と都内を舞台としていた馳星周が次に舞台としたのは、極寒の雪降る
町・北海道根室市。この地を舞台に、大金を狙うそれぞれの思惑と根室とロシアの
関係、登場人物の過去が互いに交差して、極上の暗黒小説に仕上がっています。主
人公である幸司と憎み合う裕司との関係、そしてこの2人の間にいた敬二と一緒に
逃亡を続ける密入国のロシア女性・ナターシャとの奇縁が、更なる狂気に拍車をか
けていく。更に金の匂いに誘われ、権力を武器にしたヤクザ・市会議員・新聞記者
らまでもが敬二探しに加わり、酷寒の地の雪が血で赤く染まっていく。根室の特徴
を見事なまでに作品に活かし、今までの「不夜城」や「漂流町」といった都会を舞
台とする暗黒小説とは一味違う作品で、登場人物の欲望を見事なまでにハードボイ
ルドで表現しています。まさに馳星周らしく、そして新境地を開いたともいえる作
品で、今年の年間1位最有力。これは買って損のないお勧め作品です!

 

【ら・わ行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ミステリー
【著書名】 緑雨の回
【著者名】 樋口京輔
【出版社】 中央公論新社
【初 刊】 2000年5月10日
【金 額】 2000円+税
【カバー文】失踪の痕跡は埋蔵金の眠る巨大ダムの底へとつながっていた。曼陀羅が
      解き明かす境界へ女は一歩踏み出した。横溝正史賞作家、初の書き下ろ
      し長編ミステリー。
【満足度】 ★☆
End------------------------------------------------
 佐々成政の埋蔵金に取りつかれ、かつての職場であった巨大ダムの近くで行方不明
となった岡沢稔。妻の千賀子は残された日記と萬陀羅の絵を手掛かりに、忌まわしい
記憶の残る山へ行く決意をするが……。
 横溝正史賞を受賞した「フラッシュ・オーバー」は印象に残る作品だったので、本
書も期待して読み始めたものの、期待を裏切られる作品でした。山岳ミステリーであ
り、埋蔵金と萬陀羅をミステリーとしているところは面白いとは感じましたが、特に
凝ったミステリーではなく、読みながらのワクワクするような感覚も得られませんで
したし、ラストもアッサリしすぎていて物足りなさだけが残りました。次作には期待
したいですが、デビュー作が良かっただけに本書は残念な内容でした。

 

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