書評データベース(2001年度10,11月分)
【あ行】
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 異端の夏
【著者名】 藤田宜永
【出版社】 講談社
【初 刊】 2001年3月22日
【金 額】 2200円+税
【カバー文】夏の盛りの別荘地で忽然と消えた12歳の少年。うろたえる家族や妻
に手を挙げる画廊経営者に古傷を抉られた辰巳刑事は、少年の母・室
谷康子に次第に惹かれていった。そして、捜査線上に現れた"疑惑の人
々"は、室谷画廊に何らかの関係のある者ばかりだった。刑事は夏を駆
け抜け、恋に身を焦がす。佐久、軽井沢、東京、少年の消えた夏が迷
走する。過去の秘密、疑心暗鬼、謎と愛に翻弄される人々の行方。長
編恋愛サスペンス。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
長野県西軽井沢の別荘から12歳の少年が姿を消した。最初に少年の母親から事
情を聞いた刑事の辰巳は捜査を開始するが、途中までの足取りまではつかめたもの
の、その後の捜査は進展せず、やがてその一家から公開捜査をしてほしいとの要請
で、公開捜査とするが、それまで身代金の要求も無かったのが、公開捜査後に犯人
らしき人物から身代金の要求を受けた。東京都内での受け渡しに指名された母親と
同乗した辰巳だったが、意外な盲点といえる場所で犯人に身代金を取られるが、子
供の姿は依然として見つからない。そして捜査を続けていく中で、走査線上に現れ
たのは誘拐された子供の室谷一家と関わりある者ばかりで、複雑な過去が絡んでい
ることがわかった。その捜査の一方で、自らの過去を思い起こすこととなった辰巳
は、少年の母親に気持ちがどんどんと惹かれていく。そしてやがて意外な場所で少
年の遺体が発見され、犯人の憎悪、そして過去の意外な真実に明らかにされていく。
物語はサスペンスではあるものの、刑事と誘拐された母親との恋愛も描かれ、展
開には複雑な背景が絡み合ってはいるものの、それが巧くまとめられた作品。事件
背景、登場人物の過去、辰巳刑事と少年の母親のそれぞれに抱えているもの、事件
に大きく関わる室谷家の隠された秘密……が、一本に線に繋がり、サスペンスとし
て展開も幅を広げている。その物語で事件捜査と共に進展していく、辰巳刑事と少
年の母親との関係がラストで明らかになるが、この描写が多少物足りなかったのと、
ラストの続きが読んでみたいとも思ったが、全体を通すと読みごたえのあるサスペ
ンスとなっています。
<本紹介>
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【ジャンル】連作ミステリー
【著書名】 墜ちていく僕たち
【著者名】 森 博嗣
【出版社】 集英社
【初 刊】 2001年6月30日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】インスタント・ラーメンを食べたら、男が女に、女が男に! 高橋和
子、34歳。車に残された免許証から判明。が、死んでいたのは別人
だった! 日常、常識が崩れていく、詩的私的なファンタジック連作
集。
【満足度】 ★☆
End------------------------------------------------
本書は5つの物語が収録されている連作ミステリー。インスタントラーメンを食
べた男女がそれぞれに違う異性になり、日常や常識が、ちょっとしたことで崩れて
いく様子をユーモラスに描いた作品となっています。物語としては読みやすいもの
の、インスタントラーメンを食べたことで違う異性になるのというのはあまりにも
非現実的で、その非現実差が作品の持ち味となっているのでしょうが、森博嗣の細
かなトリックの描かれたミステリーを期待していただけに、期待ハズレの内容でし
た。
<本紹介>
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【ジャンル】ルポルタージュ
【著書名】 怪しいお仕事!
【著者名】 北尾トロ
【出版社】 新潮OH!文庫
【初 刊】 2001年7月10日
【金 額】 562円+税
【カバー文】裏口入学、お寺の売買、競馬の予想、野球賭博、ゴーストライター…。
怪しい仕事師たちの、あっけに取られる見事な手口と、スリルに満ち
たその生活に迫る。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
世の中には得体の知れない怪しい仕事というのは、意外にある。本書はノンフィ
クションライターでもあり、最近ではネット古書店の経営も手がける北尾トロが、
その怪しい仕事をしている人々に取材し、その手口と生活ぶりに迫ったもの。悪徳
興信所、競馬予想会社、カギ師、野球賭博師、お寺売買のコーディネーター、ポー
カー賭博師、ヌード撮影の仕掛人……など、調べようにも調べられないその実態が
明らかになっており、裏社会の一端を読むことができます。取材は勿論のこと、北
尾トロ自らが挑戦している寝室覗き屋など読みごたえたっぷりのルポルタージュで
す。
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 黄金の島
【著者名】 真保裕一
【出版社】 講談社
【初 刊】 2001年5月25日
【金 額】 2000円+税
【カバー文】自由と、豊かな暮らしにあこがれるベトナムの若いシクロ乗りたちの
前に、組織に追いつめられた日本人ヤクザ・タチバナが現れた。波濤
の先にあるのは、禍いか希望か? 夢を追って命を賭けるか、愛を求
めて身を捨てるか! 2年ぶりの長編、圧倒的迫力のアジアン・ノワ
ール巨編、ついに刊行。
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
元船員のヤクザ・坂口修司は、組の兄貴分の罠で対立組織との抗争に巻き込まれ
、命を狙われる身となり、日本を追われベトナムへとたどり着いた。そこで黄金の
国・日本へ渡ることを夢見るシクロ乗りの若者と出会った。町を牛耳る顔役や悪徳
警官らと対立しながらも夢の実現のために生きていく彼らの姿に感心する反面、あ
まりにもその夢が現実離れしていることに修司は苛立ちを覚えていった。だが、ベ
トナムでも狙われる立場となり、自らの望郷の念も重なった修司は、ベトナムの若
者数名と共に密航し、日本に戻ることを決意するが、追っ手はすぐそこに迫る。果
たして修司とベトナムの若者達は無事に日本へ辿り着けるのか? そして日本では
何が待ち受けるのか?
真保裕一の2年ぶりの長編として期待しながら読み進めていきましたが、上下段
で約550ページの分厚さだったものの、その厚さが内容の濃さに繋がっています。
物語での登場人物は日本人、ベトナム人共に多いですが、修司の組の対立組織の構
図、修司が想いを寄せ連絡を取り合う幹部の愛人・奈津、ベトナムでの立場……と、
複雑ながらも構成の巧さが光ります。またベトナムの若者達が、ひたすら日本に行
くことだけを夢見て、懸命に働き行動する姿はせつないながらも胸を打ちます。ラ
ストは想像以上の展開が待ち受けますが、その意外性が修司とベトナムの若者との
心の絆をしっかりと描いています。発展途上国ベトナムを舞台に日本の現実が浮き
彫りにもされていますが、冒険海洋小説としてもスケールの大きさだけではなく、
展開の奥深さを感じられる作品でした。
<本紹介>
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【ジャンル】連作小説
【著書名】 eの悲劇
【著者名】 幸田真音
【出版社】 講談社
【初 刊】 2001年5月15日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】『日本国債』につぐ衝撃作。傑作キャラクター連作! インテリジェ
ントビルの深夜のヒーロー、2人のガードマン。経済情報とびかう現
代日本にひそむ、人間の闘いと哀しみ。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
前作『日本国債』で、国債の危うさと秒刻みの勝負を挑むトレーダーの緊迫感
を描いた著者が、eビジネスとe社会に翻弄される人たちを描写したのが本書。主
人公の篠山孝男は50代半ばの元金融マン。信託銀行から「抱えきれないほどの野
望を抱いて」アメリカ系証券会社に転職し、チーフ・トレーダーとして活躍した過
去を持つが、当時の部下のミスに責任を感じ辞職。その主人公が再就職先に選んだ
のは警備会社。皮肉にもガードマンとして大手金融企業の警備をすることになった
主人公が遭遇するできごとが短編にまとめられ、4話連作の形となっている。ネッ
ト起業家として脚光を浴びながらも子飼いの社員に手酷い仕打ちをされて自殺未遂
に追い込まれる40代男、女優を辞めて米国系経済専門通信社のアナウンサーにな
った20代の女性、カードキーのパスワード入力すらおぼつかない機械オンチの元
アパレルメーカー部長、2000年問題対応のために大晦日に金庫の点検をする金
融マン。ITと呼ばれる情報技術革命は彼等の、そして我々の人生に否応なく影響
を及ぼし、その断片をサスペンス仕立てしています。連作である本書の準主人公は
自衛隊あがりの藤木達也。ガードマンからデイ・トレーダーへの転身をはかる20
代の達也は、篠山とは逆の道筋で「e」の世界に飛び込むが、この続きはぜひとも
読んでみたい。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 愛は午後
【著者名】 上野 歩
【出版社】 文芸社
【初 刊】 2001年6月20日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】悲劇の女流詩人・林りんの遺した子として、ともに生きてきたかがり
と悟。妻の死後、ぬけがらのようになった父の傍ら、姉弟である2人
は許されぬ愛を育んでいく…。美しくも悲しい、秘めた世界を描いた
禁断の恋愛小説。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
物語は実の姉と弟の許されない恋愛を描いた作品。両親は共に詩人であるものの、
父親の不倫により自殺した母、そして父親の不倫相手も自殺をし、悟の姉のかがり
は幼少時に何者かにさらわれ、その間の2日間の記憶も無くなっている。その複雑
な家庭環境の中で、悟は姉であるかがりを愛していく。悲しい愛の物語が描かれ、
姉弟の性のタブーを超えて表現しています。ただ、展開としては主人公の悟の大学
生活やバイト先での出来事も盛り込まれているものの、その関わりが曖昧かつ中途
半端に描かれており、バイトを辞めることについても特別な描写がなく、一時期ポ
ルノ作家となる悟だが、その経緯も省略されている部分が多く、作品のテーマとし
ては衝撃的かつ斬新さがあるものの、そのテーマを活かしきれていない面が目立ち
ました。
<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 いらない --公共事業にレッドカード--
【著者名】 天野礼子
【出版社】 集英社
【初 刊】 2001年7月10日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】財政破綻を引き起こし、20世紀というたった100年で、美しく快
適だった日本列島を見るも無残な風景に変えてしまった公共事業。全
国の公共事業を厳しくチェックし植林や雨水の有効利用など自然再生
のためのアイデアを紹介。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
公共事業の見直しが叫ばれるこの頃ですが、本書はその公共事業で“いらない”
といえる巨大公共事業についてを取り上げたもの。具体的な名前を挙げ、諫早湾干
拓、長良川河口堰、下諏訪ダム、神戸空港など、事業費だけではなく官僚政治の内
幕などにも触れています。確かに必要な公共事業も勿論ある。しかし本書で取り上
げられている公共事業は必要ないものだろうし、事業費(税金)の額を見れば見るだ
け、絶対に中止してほしいものばかり。帯びには「小泉改革は、この本の何パーセ
ントを実現できるのか」という田中長野県知事の言葉が載っていますが、正にこの
本に書かれていることの実現が国民の多くに求められていることだろうし、ぜひと
も実現に向けてほしいです。地元でなければニュースぐらいでしか知ることのでき
ない巨大公共事業の内容ですが、読めば読むだけ腹立たしくも思いますし、多くの
人に読んでほしい本でもあります。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 インコは戻ってきたか
【著者名】 篠田節子
【出版社】 集英社
【初 刊】 2001年6月30日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】地中海の真珠、キプロス島を取材で訪れた編集者・響子とカメラマン・
桧山。銃声、停戦ライン、軟禁……。激動の歴史の名残を留めるこの
地で、生死をかけた愛と冒険の嵐に巻き込まれる。壮大なロマン。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
女性誌編集長の響子は、リゾート特集の取材で地中海の島を訪れ、現地で報道カ
メラマンの檜山と行動を共にする。民族紛争問題に対し理解の浅い響子は、檜山と
現地での体験で、複雑で激動の現実を教えられる。家庭を持つ2人だが、この取材
で互いに惹かれあうものの、現地でのテロという非常事態に巻き込まれ軟禁され、
危険な状態ほと追いこまれる……。
本書は東地中海のキプロスを舞台とし、女の側から書かれた冒険小説。僅か6日
間の物語なのだが、それぞれに人生を賭けた哀切の恋が描かれます。最初は切ない
不倫の物語なのかと思いましたが、その国での内戦の歴史に直面する2人が民族紛
争に巻き込まれ、一気に緊張感が高まっていきます。家庭と企業を背負い、多くの
悩みを抱える主人公が、この体験でどのに変わっていくか。そしてフリーカメラマ
ンが危険区域を旅しながら何を撮りたかったのかは、ラストで明らかにされますが、
そのラストはとても印象的でした。
<本紹介>
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【ジャンル】実用書
【著書名】 大人のためのパソコン超便利ワザ!活用ワザ!
【著者名】 椿 浩和
【出版社】 PHP研究所
【初 刊】 2001年6月20日
【金 額】 857円+税
【カバー文】本書は、パソコンをもっと便利に使うための"ちょっとしたコツ"を多
数紹介する解説書です。誰でも知っているような便利技もありますし、
パソコンを使いこなしていると思っている人でも気づかないような裏
ワザもあります。単なるワザの表面的な紹介だけでなく、基本的な事
項から書き起こすようにしています。Windowsの最新バージョン
「Windows Me」を搭載したパソコンの使い方を中心に解説し、一部以
前のバージョンについても触れました。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は新書サイズのパソコン実用書。カバー文でも書かれているように、便利に
使いこなす便利技を紹介。パソコン画面や図解や写真入りでわかりやすい説明がな
され、特にパソコン初心者にとってはパソコンの側に追いておくと便利な一冊でし
ょう。また、デジカメなどの組み合わせでの楽しむ方法や、音楽やビデオ編集など
についてもわかりやすく説明しており、あっさりと読めるものの中々内容の詰まっ
たパソコン本といえます。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 オレンジ・アンド・タール
【著者名】 藤沢 周
【出版社】 朝日新聞社
【初 刊】 2000年5月1日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】自閉、妄想、刺傷……友人の自殺をきっかけに歪みはじめた高校生た
ちのリアリティ。朝日新聞夕刊の連載小説、待望の単行本化。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
物語は高校生のリアリティを描いた作品で、高校の屋上から漫才コンビT・I・
Mの真似をして「命!」と声を上げながら、体を手すりの上でひねり宙を飛んで自
殺した友人キョウ。その自殺がきっかけで高校生達の歪んでいく日常が物語として
描かれています。
物語の冒頭での自殺場面は中々衝撃的ではありましたが、その後に続く展開が中
弛みしており、高校生の妄想や刺傷事件へと繋がっていくのですが、高校生の微妙
な心理を作品では現しているのだろうが、どうもその描写が読み手としてはあまり
伝わってきておらず、結末もアッサリしすぎていたのは残念でした。
<本紹介>
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【ジャンル】手記
【著書名】 愛されない愛せない私
【著者名】 二本松泰子
【出版社】 飛鳥新社
【初 刊】 2001年6月21日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】16歳で初体験、短大を卒業し、親のコネで就職。私はどこにでもい
る普通の女だったと語る著者が、20代の時に陥った「アルコール・
セックス依存症」……。依存症から脱出するために、35年間の心の
闇を綴った手記。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は、少女時代の性の目覚めに始まり、酒に溺れセックスに依存していく20
代、そしてやがて地獄のような日々から解放されていく30代半ばまでに至る軌跡
を赤裸々に綴った、著者の告白手記。アルコール+セックス依存症という告白の内
容ですが、依存するに至る経緯も含め、非常に衝撃的な内容です。当時のこととし
て「セックスもせず酒も飲まずにいる私には、不安と自分への憎しみの感情以外何
もないのだから」と書いてありましたが、本当の理由を探すために自分の過去を振
り返り、その心の闇が赤裸々に告白されています。著者の家庭環境などの問題も含
め、依存症に至る要因や理由はわかるような気がしますが、その環境を抜け出せな
かった著者自身の問題もあろうかと思います。ただ自分をありのままに書いている
姿には好感の持てた手記です。
【か行】
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 カリスマ(上・下巻)
【著者名】 新堂冬樹
【出版社】 徳間書店
【初 刊】 2001年3月31日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】人間はなぜ、そこまで信じることが、堕ちることができるのか?「欲
望の世界」を完膚無きまでに描いた、妥協無き「堕落の物語」。ここ
には現代の真実がある。あなたはこの「洗脳」から逃れられるか。
(上巻)
人間はなぜ、カリスマとなることができるのか?新興宗教とその最高
幹部、そして魅入られたように入信する女性。その夫をめぐり究極の
人間ドラマが展開される。これ以上ない程リアルに描かれる洗脳・プ
ロパガンダ・覚醒……。(下巻)
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
上巻では、宗教団体「神の郷」の実態とそこに引き込まれていく人々の様子が克
明につづられていき、下巻では宗教にのめり込んだ母親が「神の郷」で洗脳される
ところから始まる。宗教団体「神の郷」が成長する様、教祖である神郷宝仙、その
側近、そして旅行代理店勤めのうだつのあがらない男・城山信康とその美しい妻・
麗子。母親である麗子が宗教にのめり込むがために、家庭でも学校でも孤立してい
く子供……と、登場人物それぞれに背負うものがあり、麗子が「神の郷」で洗脳さ
れていき、「神の郷」の動向、そして神郷、麗子、城山の関係が急激に変化して…
…と、上巻から下巻に向かうにつれて物語は急展開していき、ジェットコースター
さながらの展開を見せる。そして物語で描かれている世界は、金と性に対する貪欲
さ。この描き方が巧妙で、人間の弱さ、愚かさ、そして怖さが全編を通じて強烈に
伝わってきます。ただ人間ドラマとしては絶妙ともいえる作品ですが、欠点として
性にこだわりすぎている場面が多く見られ、この点がややウンザリするのが残念。
衝撃のラストの意外性や登場人物の人格破壊、生々しい洗脳過程……と見所もタッ
プリある、実にインパクトの強い作品ではあるが、その分欠点が目に付く作品とも
いえます。
<本紹介>
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【ジャンル】雑学
【著書名】 こんなこと、誰に聞いたらいいの?
【著者名】 セシル・アダムス
【出版社】 ハヤカワ文庫
【初 刊】 2001年5月30日
【金 額】 760円+税
【カバー文】スーツのベストの一番下のボタンってなぜ留めないの? でもこんな
こと、疑問に思っても調べようもないし、と放っておいたあなた。あ
るいは長い旅行を控え、ふと貞操帯の使い方が知りたくなった夫のあ
なた。本書は皆さんのためのものです。博覧強記のセシル・アダムズ
にかかれば、森羅万象・故事来歴、深遠な科学からエッチな豆知識ま
で、わからないことはありません!……雑学Q&A本の最終兵器第1
弾、満を持して登場。
【満足度】 ★☆
End------------------------------------------------
本書は雑学をQ&A式にして書いているもので、様々な質問に答える形となって
います。ただしサブタイトルに「日常生活を笑わすQ&A大全」と書かれています
が、アメリカンジョークが満載で、質問する方も答える方も笑える内容になってい
るので、それを面白いと思う人もいるでしょうが、個人的には読んでいて、真面目
な質問や答えになっていないところは逆に面白さを半減しているようにも思いまし
た。
<本紹介>
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【ジャンル】競馬
【著書名】 競馬人間学
【著者名】 岩川 隆
【出版社】 文春文庫
【初 刊】 1987年5月10日
【金 額】 400円+税
【カバー文】緑の芝を疾駆する駿馬の上で原色の勝負服が舞う華やかなレース。そ
の競馬を陰で支える「裏方」に焦点を合せ、調教師、厩務員、騎手な
ど、ひたすらに馬を愛する人たちの生態を浮き彫りにして、馬にのめ
り込む彼らの心情を、みずからも馬を愛してやまない作家が独特の視
点で描いた、異色の"ウマキチ"列伝。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
本書は競馬に関わっている人達を題材としたノンフィクション。内容としては非
常に古く、当時のレースのことも出ていますが知らないものが多く、内容としては
特別な良さを感じませんでしたが、驚いたのは縁戚がここに登場していたこと。読
んでいて仁岸の名前が出てきた時は驚きましたが、知らなかった血縁関係の歴史の
一端を思わぬ形で読むことができ、個人的には驚きと感動がありました。ただし全
体的な内容は古すぎて、余程の競馬ファン以外には決してお勧めできないノンフィ
クションです。
<本紹介>
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【ジャンル】競馬
【著書名】 極道の恩返し
【著者名】 安部譲二
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 1987年5月30日
【金 額】 1000円+税
【カバー文】私と競馬との関係はヤクザ志願よりも1年早い中学1年生の時に始ま
ります。その私に言わせれば競馬はスポーツであるものですかバクチ
でございます。中央競馬会はベラボウなテラ銭を取ってるのにお客の
扱いが悪すぎます。馬主を体験し、月収1200万のノミ屋を経営し、
日本一の予想屋だった私が必勝馬券術の極意をお教えします。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
貰った本で、内容的にも古いものでしたが、安部譲二が実際にノミ屋で稼いでい
たことや競馬サークルについてを書いているもの。月収が当時で1200万円あっ
たというノミ屋をしていた時の客筋やノミ屋のノウハウ、逮捕されるきっかけ、発
想の転換で競馬を見ることなど、競馬についてが中心に書かれていますが、ノミ屋
についての知られざる一面は面白く読むことができます。でもカバー文にも書いて
る必勝馬券術というのはありませんでしたし、もう少し極道当時の話を入れてほし
かったです。
<本紹介>
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【ジャンル】生活
【著書名】 介護保険 不幸のカラクリ
【著者名】 門野晴子
【出版社】 講談社+α新書
【初 刊】 2001年4月20日
【金 額】 700円+税
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、64歳の著者と84歳の母親の介護家庭に介護保険は何をもたらしたか
を中心に、利用者側からの1年を振り返ったもの。10年以上寝たきりの母親がい
る著者は介護保険が発足した当初はその介護保険内容に期待したが、不親切で冷た
い認定で要介護1の認定、役所がタラシ回しする実情、施設に入れない老人の移動
先……など、介護保険が老人と家族を不幸にするシステムだということがよくわか
りました。
介護保険といっても、正直家族で介護する人でなければ詳しい実情はまだまだわ
からない今日ですが、税金を取りたいがための制度だというのがよくわかりました
し、制度を役人が更に悪くしていること、ドイツの介護保険と日本の介護保険との
あまりにも違いすぎる実情と、とにかく本書で書かれていることは知られざる介護
保険の本当の姿といえるでしょう。介護保険について書かれている本は多いでしょ
うが、利用者側からの意見が書かれたものは、まだまだ少ないだけに、本書は将来
必ず自分の身に降りかかってくるであろう介護保険についてのありのままの姿を偽
りなく紹介している衝撃のノンフィクションです。
<本紹介>
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【ジャンル】競馬本
【著書名】 勝ち馬は笑う
【著者名】 鈴木由希子
【出版社】 吉備人出版
【初 刊】 2001年7月11日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】転職して足を踏み入れた競馬の世界は男の社会。競馬に人生を賭けよ
うとするなら、まずは敵を知ること。数ある競馬必勝法とは違い、真
っ正面からサラブレッドと向き合い、切り開いていった私の競馬の世
界。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
著者は競馬専門誌「競馬エイト」で女性トラックマンとして活躍中。その著者が、
臨床検査技師から競馬専門誌へと転職するまでから、記憶に残る名馬や強い馬の見
分け方など専門分野についても書いています。女性として初めて競馬社会に入った
当時のことなども含め、知られざる競馬社会についてや、馬体の見分け方など、競
馬ファンが興味深く読むことのできる内容であるのは勿論のこと、女性がまだ足を
踏み入れていなかった男性社会の職場での出来事など、女性にとっても面白く読む
ことができるでしょう。
<本紹介>
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【ジャンル】連作小説
【著書名】 奇蹟のようなこと
【著者名】 藤沢 周
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2000年9月10日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】剃り込みとアイパーで決めて、田圃の畦道をクラシックギターを抱え
て歩く高校生ゲン。見えない何かにからめ取られるのを恐れて、もが
き続けていた彼が知る、父の死、そして一人の女……。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
物語は新潟を舞台に17歳の高校生ゲンが、父の死を経験し、激しい欲望にもが
き続ける姿を描いた連作小説。ゲンが抱える悩みや葛藤、卒業直前の父の死、そし
て童貞喪失……が描かれるのですが、青春小説ではあるものの、主人公の心の重さ
や日常の物語が、つい自分の高校生時代はどうだっただろうかと思い起こさせてく
れました。前半は淡々とした流れでしたが、後半訪れる父の死からラストまで、高
校生として揺れ動く主人公の心が伝わってきましたし、物語が頭の中で映像として
浮かぶような感じで、懐かしさも感じさせる作品です。
<本紹介>
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【ジャンル】科学
【著書名】 空想科学映画読本
【著者名】 柳田理科雄
【出版社】 扶桑社
【初 刊】 2001年7月20日
【金 額】 1143円+税
【カバー文】アニメや特撮ドラマを科学的に研究し、大ベストセラーとなった『空
想科学読本』シリーズの著者・柳田理科雄が、こんどは映画の世界に
挑戦! 『インデペンデンス・デイ』の巨大円盤は、いかなる原理で
浮かんでいるのか? 『ディープ・インパクト』の彗星衝突を避ける
には、どうすればよかったのか? 007=ジェームズ・ボンドが隠
し持つ秘密兵器の真の威力は? 『タイタニック』が世界中の感動を
呼んだ理由とは?……などなど、SF大作から感動ドラマまで、新旧
とりまぜ話題の映画を科学的に鑑賞してみたら、誰もが想像もしなか
った恐るべき事実が次々と明らかになった! ハリウッドを震撼させ
る10年に一度の問題作、いよいよ公開!!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
空想科学読本シリーズの映画版である本書ですが、シリーズの中でも相変わらず
の面白さ満載です。様々なヒット作の洋画も科学的に検証するとどうなっていたか
というのは、映画を殆ど見ているだけに、より映画自体が楽しめます。「タイタニ
ック」が科学的な映画だったこと、「アルマゲドン」で巨大小惑星をギリギリまで
発見できないNASAの科学力、「ET」と暮すと食費がいくらかかるか、「ジェ
ラシックパーク」が開業するのは何世紀になるかも科学的に分析し、想像力と科学
との違いを面白く取り上げています。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】?
【著書名】 ごはん --『突撃!隣の晩ごはん』はあなたに幸福をもたらす!--
【著者名】 ヨネスケ
【出版社】 講談社
【初 刊】 2001年7月23日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】「晩ごはんのヨネスケ」が綴る全エピソード。日本テレビ系ワイドシ
ョーの超人気コーナー「突撃!隣の晩ごはん」を16年間続けてきた
ヨネスケが、日本全国津々浦々の食卓風景を、ウラ話を含めて全部公
開。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
先ごろ終了した日本テレビ系列の朝番組『ルックルックこんにちは』の人気コー
ナーがこの『突撃!隣の晩ごはん』でありましたが、16年間続けてきたヨネスケ
が、番組で紹介できなかった裏話や全国各地の食卓風景を本書にて紹介しています。
冒頭、自分には父親がいなかったという告白から始まりますが、人気コーナーを支
えたヨネスケの人柄、そして番組に協力してくれた家庭との温かいエピソードなど、
「突撃!隣の晩ごはん」が人気だった要因が文章からも伝わってきます。そしてヨ
ネスケが自分の家に突撃したことや、コーナーの苦労話も交え、16年間のコーナ
ーとしての歴史がしっかりと語られています。
【さ行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】サスペンス
【著書名】 13階段
【著者名】 高野和明
【出版社】 講談社
【初 刊】 2001年8月6日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】本年度江戸川乱歩賞受賞作! 選考委員が満場一致で選出! 無実の
死刑囚を救い出せ。期限は3ヵ月、報酬は1000万円。喧嘩で人を
殺し仮釈放中の青年と、犯罪者の矯正に絶望した刑務官。彼らに持ち
かけられた仕事は、記憶を失った死刑囚の冤罪を晴らすことだった。
最大級の衝撃を放つデッド・リミット型サスペンス!
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
喧嘩で人を殺し傷害致死で服役して2年、仮釈放となった27歳の三上純一のも
とに、服役していた刑務所の刑務官・南郷正二が訪ねてきた。10年前に起きた強
盗殺人の死刑囚・樹原亮の冤罪を晴らす仕事を手伝わないかというのだ。期限は3
ヶ月で成功報酬は1000万円。多額の賠償金にあえぐ両親を助けるために、三上
はその仕事を引き受ける。そして事件直後の記憶を失っていた樹原が思い出した
「階段を登った」という唯一の記憶をもとに調査が始まるが、調査は難航すると共
に意外な展開へと向かう……。
すでにHALさんが紹介し、高い評価を与えていましたが、近年の江戸川乱歩賞
受賞作は作品としてはそれなりに面白い作品が多かったものの、この『13階段』
が面白さ、そして衝撃作としても1番でしょう。宣伝文句でもある「選考委員が満
場一致」というのも肯かされます。その本書ですが、最初から最後まで目が離せな
い展開が続くのは勿論ですが、読み始める前は死刑囚の冤罪を晴らすための報酬が
受け取れるかどうかがポイントなのだと思っていましたが、執行日が間近に迫る死
刑囚の冤罪を晴らすというサスペンスは勿論のこと、日本の「死刑制度」という社
会的テーマが背景にあるミステリーでもあり、司法制度についても改めて考えさせ
られるテーマにもなっています。また、ネタバレになるので紹介できませんが、誰
が多額の報酬を払ってまで死刑囚の冤罪についてを依頼したのか、そしてその真相
について最後に判明しますが、この真相も実に複雑な背景が絡んでおり、登場人物
の過去の重さが物語を更に面白く、深みのある作品にしています。今年読んだ中で
も上位にランクできるだけ良質のサスペンスであり、絶対のお勧め作です!
<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 裁かれる家族 --断たれた絆を法廷でみつめて--
【著者名】 佐木隆三
【出版社】 東京書籍
【初 刊】 2001年7月15日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】少年や女性による凶悪犯罪が多発し、問題の根は家庭や親子関係にい
きつく。夫殺し・子殺し、保険金殺人事件、佐賀バスジャック事件、
豊川・主婦刺殺事件などを通して現代の社会と人間、特に家族との関
係を鋭く抉る。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は、オウム裁判、バスジャック事件、少女監禁事件などを取り上げ、凶悪犯
罪とその家族の関係についてを取り上げたもの。事件については数多くの書物が出
版されてはいるものの、犯罪者の崩壊する人格とその家族を取り上げたものは少な
いだけに、佐木隆三の視点と共な興味深く読みました。加害者の家族への取材が少
なかったこともあるでしょうが、その加害者の家族に対するコメントが少なかった
のが、正直残念ではありましたが、事件後の加害者の家族の対応ぶりなどは知られ
ざる面もありましたし、改めて家族というものを考えさせられました。
<本紹介>
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【ジャンル】SF
【著書名】 斎藤家の核弾頭
【著者名】 篠田節子
【出版社】 朝日新聞社
【初 刊】 1997年4月1日
【金 額】 1600円+税(\100)
【カバー文】われわれは、日本に宣戦布告する!! そもそも「特A級市民」という
エリート中のエリートだった私が、なぜ政府より、理不尽な転居命令
を受け続けなければならないんだ! もうこうなったら……。ついに
爆発してしまった斎藤総一郎、心の叫び。2075年、「国家主義カ
ースト制度」により、高度に管理された、ニッポン。住民たちと核爆
弾を作りあげ、祖国と対決する斎藤家の明日は、何処に。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
物語の舞台は西暦2075年。日本は未曾有の大地震を経て超管理国家となって
いることから始まります。特A級市民のエリートである裁判官の斎藤総一郎は、裁
判官のコンピュータ化により早々と職を解かれてしまい、転居命令により引越先ま
で管理されているのだが、その引越先が核汚染されているところであると知り、斎
藤は一家の長として国に戦いを挑むことに……。
篠田節子の作品としては異例ともいえるSFサバイバル作品ですが、読み終わっ
てから「バトル・ロワイヤル」にどことなく似ている作品と気づきました。「バト
ル・ロワイヤル」のような激しい戦闘場面は少ないですし、こちらは中学生ではな
く大人達の戦いですが、殺しあいこそさせられないものの、島の中で国家によって
理不尽にも殺されるサバイバルストーリーで、客観的な事実は中学生の場合よりさ
らに悲劇的でリアルになっています。また物語での政府の対応は手が込んでいて、
それに対する住民の対応も非常に高度ですが、「バトル・ロワイヤル」とハッキリ
違うのは、残虐さがなく、こちらはどちらかというと喜劇になっている点で、背景
は似ているものの作品の質は全く違い、つい笑ってしまう場面も多いです。それで
も核弾頭を自ら作り出す場面などは中々緊迫感もあり、斎藤家の家族の奮闘ぶりも
面白かったです。
<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 水晶婚
【著者名】 玉岡かおる
【出版社】 講談社
【初 刊】 2001年5月25日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】結婚に、仕事に、そして満たされない夢に揺れる9人の女たちの物語。
37歳、女。このままでいいのだろうか。それとも、望めば別の道が
開けるのだろうか。One or the Other.どちらも選びかねて、時は過
ぎる。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
本書は9つの物語で、それぞれに違った女性達9人の物語。結婚、離婚、仕事、
不倫など、それぞれが女性だからこそ迷い、満たされない想いを抱き、人生の岐路
で揺れ動く想いを描いています。主人公は30〜40代で、主婦やキャリアウーマ
ンとそれぞれに立場は違うものの、抱えている現実の悩みと密かな夢が描かれます。
実際登場人物と同じぐらいの年代の女性も同じような想いを抱いている人は多いよ
うに感じますし、等身大の女性とその背景を玉岡かおるらしいドラマにしています。
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 睡魔
【著者名】 梁石日
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2001年4月10日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】人はなぜマルチ商法にだまされるのか? 金に目がくらんだ男女を狂
わせる完璧なシステムと巧妙なマインドコントロール。名作『血と骨』
から3年。自らの体験をもとに人間の欲望の本質を暴く驚天動地の衝
撃作。
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
趙奉三は事業に失敗して大阪を後にし、東京でタクシー運転手をするが、乗客を
乗せて追突され、瀕死の重傷を負って以来、失業が続いていた。その間、自らの体
験を小説とし2冊の著書を出版するも、今では金に困る毎日だった。そんな時、大
阪時代の悪友である李南玉が同じく大阪を後にして上京し、競馬のノミ屋を2人で
始めるが、あえなくパンク。それでも極貧から脱出したい趙奉三は、再び李南玉か
ら健康マット商法に誘われ、疑念を抱きながらも友人達と研修会に参加するが、い
つしかその商法にのめり込むことに……。
物語はマルチ商法を背景に、なぜマルチ商法にだまされるか、マルチ商法のシス
テムと研修会でのマインドコントロール方法、そして金に目が眩み欲望の赴くまま
に行動する姿を見事なまでに描き、その恐さと欲望の本質を暴いています。自分だ
けは大丈夫と思っていた主人公が深みにハマる姿、金に目が眩むが、完璧なシステ
ムと思っていた安心感から愛欲にも溺れ、借金が増えていく。そしてある出来事を
きっかけに、主人公はマルチ商法の組織から金を奪うことを考えるが、クライマッ
クスでは金によって更に苦しむ主人公の姿が……。梁石日の作品では「血と骨」も
重みと迫力のある作品でしたが、この「睡魔」も人間の欲望をマルチ商法を舞台と
して、実に重みのあるボリュームたっぷりの作品になっています。しかしマルチの
研修会の様子は、おそらく物語で描かれているような熱気と興奮があるのだろう。
そのエネルギーの凄さを感じたことは作品の熱さともいえるでしょう。文句なしの
名作で、しばらくは読後の興奮も冷めません!
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 邪魔
【著者名】 奥田英朗
【出版社】 講談社
【初 刊】 2001年4月1日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】始まりは、小さな放火事件にすぎなかった。似たような人々が肩を寄
せ合って暮らす都下の町。手に入れたささやかな幸福を守るためなら、
どんなことだってやる―現実逃避の執念が暴走するクライム・ノベル
の傑作、ここに誕生。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
心に空虚感を抱える刑事、平凡な生活にしがみつく主婦、オヤジ狩りを繰り返す
不良高校生。都下で起きた小さな放火事件が、3人の運命を狂わせる。刑事・九野
薫。妻と子供を交通事故で亡くし、不眠症のため常に薬を携帯している。同僚刑事
の風紀違反を立件するため尾行中。主婦・及川恭子。郊外に住宅を購入し、ローン
返済のため近くのスーパーでパートして働く。子供2人。夫は住宅がある郊外の支
店勤務で経理課長。高校生・渡辺祐輔。遊び仲間2人は退学し、日ごろおやじ狩り、
カツ上げは当たり前。この3人がささやかな幸福を守るために暴走。そして彼らの
運命は?
恭子の夫、茂則が第一発見者となった放火事件を中心に三者三様、茂則を含めれ
ば四者四様の犯罪が始める。日常生活の犯罪とは言えないささいなことが事件の発
端となる。そのささいなことが増殖を続け、最後にはどうしょうもないアリ地獄に
陥っていく。それぞれの立場である警察の内部事情や主婦の立場など実にリアルに
描かれ、日常に潜む落とし穴にハマる過程は目が離せない。ラストが緊迫していた
ものの、その結末がそれまでの流れからしては呆気なかったのが何とも残念でした
が、テンポ良い展開で一気に読まされました。
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 千里眼 洗脳試験
【著者名】 松岡圭祐
【出版社】 小学館
【初 刊】 2001年4月20日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】「千里眼」岬美由紀と「催眠」嵯峨敏也が挑む友里佐知子との"最終
決戦"。社会派サイコ・サスペンスと冒険小説の醍醐味を掛けあわせ、
エンターテインメント文学に新たな金字塔を打ちたてた超ベストセラ
ー・シリーズ、読者の圧倒的支持に応えて贈る最新作。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
「千里眼」シリーズは前作「運命の暗示」で完結したかに思われたが、この第4
作「洗脳試験」は1123枚という、今までで最大の長編となっています。その本
書はシリーズ第4弾であるばかりでなく、きちんとこのシリーズの世界観やキャラ
クターを紹介しなおしているため、今までこのシリーズの作品に馴染みのなかった
人にも楽しめるように描かれています。「千里眼」のヒロイン岬美由紀、「催眠」
のヒーロー嵯峨敏也をはじめとする個性豊かな面々が今回も勢ぞろいする。しかも、
前作で死んだかに思われた宿敵・友里佐知子が現れ、最後の対決が物語のメインと
もいえるでしょう。前作では少々現実離れが目立ったストーリーも、今回はリアリ
ティが重視されていて、カウンセラーの知的な活躍と迫力ある対決場面とがうまく
ミックスされています。洗脳セミナーから少年犯罪、幼児虐待まであらゆる現代の
病巣が巧みにプロットのなかに織り交ぜられ、いかに解決するかに焦点が絞られて
いる。そして終盤で明らかになる、あまりにも意外な友里の正体、そしてそこに描
かれる人類普遍のテーマなど、シリーズの中でも奥深い展開となっています。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 さだめ
【著者名】 藤沢 周
【出版社】 河出書房新社
【初 刊】 2000年9月18日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】正気を保て。狂気を保て。『ブエノスアイレス午前零時』から2年、
芥川賞作家がふたたび送る感動作。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書はAV業界を舞台に描かれる、男と女の物語。AVのスカウトマン寺崎は声
をかけられたと電話してきた斎藤ユウコという女性と会うこととなり、AVへの出
演も決まる。しかし撮影初日になってもユウコは現場に現れず、自宅に迎えに行っ
た寺崎は家庭環境の異様さを知ることに。ユウコのAVはヒットし、撮影が続くこ
ととなるが、寺崎とユウコに意外な「さだめ」が待ち受ける……。
物語はAV業界を舞台に、中々面白い展開で進んでいき、寺崎とユウコのそれぞ
れ抱えているものをAV業界を媒体にして現しています。人間ドラマとしては面白
い作品ではありましたが、ラストが呆気ない幕切れになっていたのと、どうせなら
AV撮影現場での主人公達の心の葛藤がもう少し細かく描かれていれば、更に物語
の幅が広がったと思えるだけに、読後はやや残念にも思いましたが、展開としては
中々に見応えある作品となっていました。
<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 新聞・テレビはどこまで病んでいるか
【著者名】 稲垣 武
【出版社】 小学館文庫
【初 刊】 2001年10月10日
【金 額】 476円+税
【カバー文】「靖国」「教科書」「人権」「森降ろし」「小泉改革」……。「正義」
を振りかざした報道にあなたは踊らされていないか。元朝日新聞記者
が日本の空気を操作する新聞・テレビ報道を徹底検証し、そのタブー
に鋭く迫る。自社に都合のいいニュースのみ繰り返し報道する「世論
操作」、善悪二元論から抜け出せぬ「ワンパターン思想」と「偽善性」、
自らを棚にあげ他者を攻撃する「特権意識」、何でも自主規制の「事
なかれ主義」と「横並び主義」等、大新聞・テレビにはびこる病理の
数々を解明する。その意見は本当にあなたの意見ですか?
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
タイトルと帯びの「日本の“空気”を操作するメディアの病理」という言葉にひ
かれて買った書き下ろし文庫ですが、メディア・マスコミの現状問題を鋭く追及し
ている斬新なノンフィクションでした。著者は元朝日新聞記者で、その朝日新聞批
判が多かったですが、マスコミ批評は日本では数少ないだけに、価値ある一冊とも
いえるでしょう。教科書問題や靖国参拝問題も、多くのメディアは中国・韓国の非
難を受け入れ、それに同調する報道ばかりでしたし、本書で書かれている内容も
「横並び主義」と「事なかれ主義」がどれだけ多いかというのも改めて気づかされ
ました。例えば、新聞休刊日などをとっても、これは完全な横並び主義でしょうし、
各紙同時に価格の値上げをするというのも一種の談合でしょうが、これを問題にす
るメディアもいなかったというのも問題でしょう。確かにメディア報道でのタブー
などもあるでしょうが、そのタブーについても本書は鋭く問題を浮き彫りにしてお
り、報道に惑わされず、自分自身でしっかりと様々な事件や問題を見据えなければ
ならない大切さも痛感しました。
<本紹介>
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【ジャンル】対談集
【著書名】 人生張ってます --無類な女たちと語る--
【著者名】 中村うさぎ
【出版社】 小学館文庫
【初 刊】 2001年9月1日
【金 額】 552円+税
【カバー文】自らも「ブランド買い物道」という無類の道を生きる中村うさぎが、
今もっとも語り合いたい「無類な女」5人とガチンコ対談。赤裸々に
語られるその激しい生き方に、うさぎも思わずヒートアップ! 対談
相手は、岩井志麻子、西原理恵子、斎藤綾子、花井愛子、マツコ・デ
ラックス、いずれも個性豊かなオンナたち。デブを語り、金を語り、
性を語り、バクチを語り尽くしてそれぞれの人生にぎりぎりまで迫る、
オフレコなし、危険で痛快な語り降ろし対談集。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
自らも認めるケタ違いの無駄遣い人間・中村うさぎが5人衆と対談している本書
は、その対談相手で興味を持って読みましたが、予想以上に面白い対談がここでは
語られています。自己破産で借金取りの恐怖話も語る少女小説家・花井愛子、デブ
男に目がなくストーカーと結婚したことがあるホラー作家・岩井志麻子、130キ
ロの女装者・マツコ・デラックス、税金は絶対払わないと言いきる西原理恵子、自
らもチンコを付けたいと語る斎藤綾子と、とにかく全てをさらけ出しての対談は読
み手としても圧倒されるばかり。面白さと迫力と恐怖が入り混じったこの対談集は
痛快で、男女問わずのお勧め対談集です。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 THE MASK CLUB
【著者名】 村上 龍
【出版社】 メディアファクトリー
【初 刊】 2001年7月13日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】恋人を追って侵入したマンションの一室で殺された主人公の男。犯
人は? 殺しの理由は? 7人の女性たちの再生をかけた物語。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
恋人ミキが所持する「MASK CLUB」と書かれた奇妙なカードに興味を抱
いた「わたし」は、彼女が通うマンションに忍び込み、何者かに背中を刺され殺さ
れる。自分を殺した犯人を探るべく、ときにヤモリの臓器を透かして、あるいは微
小な羽虫の背中の上から、密室の中で仮面をつけSMに興じる7人の女たちを死者
となって見つめ続ける「わたし」。眼球から脳の神経細胞をたどり、他者の記憶を
探るなど、想像力と生物学の知識とを縦横に駆使した死者の描写や倒錯した世界へ
と引きずり込まれ、女たちのトラウマが告白される後半部分をよりリアルに感じ取
ることができます。SMをモチーフとした村上作品はこれまでも幾つか出されてい
ますが、本書は主人公で死者であり、ラストの意外性もこれまでにない作品に仕上
がっています。ただ評価は分かれるように思いますが、殺人の動機など幾つか描き
足りない部分があったのは残念です。
<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 ススキノハードボイルドナイト
【著者名】 東 直己
【出版社】 寿朗社
【初 刊】 2001年4月18日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】説教男に3P女、寸借サギにオカマにオナベ、女傑、ウンチク、怪談
話……。5年にわたる道新連載のコラムが遂に1冊に! 東直己のス
ーパー酔虎伝!! 第54回日本推理作家協会賞受賞後第一作。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
札幌に生まれ育ち、現在も札幌に生活し、発表する作品の多くは札幌、しかもス
スキノを舞台とするハードボイルド作家である著者が、北海道新聞に5年間連載し
ていたエッセイを集めたもの。中には、フォトジャーナリストの林直光さんによる
撮り下ろしススキノ写真もあります。「ススキノがお好きなんですね」といわれる
のは「空気がお好きなんですね」といわれることとほぼ等しい、という文章と「二
日酔いとはどういうものか知らない」「酔う、というのは、どういう状態なのか知
らない」という林さんの写真。この2人が見て感じた「ススキノ」がこの本の中に
沢山入っています。ススキノの夜の話題が殆どで、そのためカバー文でも書かれて
いるように様々な出来事やエピソードが満載。酒飲みコラムとして、また何度も通
ったススキノでも知らない隠れた名店が多くあることを改めて実感したのは勿論の
こと、久しぶりにススキノで酒を飲みたくさせられたエッセイでもあります。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 シーズザディ
【著者名】 鈴木光司
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2001年4月10日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】16年前、5人の男女を乗せたヨットが南太平洋フィジー沖で遭難し
た。愛したがゆえに傷つき、見えざるものの手によって翻弄された男
と女。ヨットという閉ざされた空間で一体何が起きたのか……。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
主人公の船越達哉は、中年ヨットマン。妻からあっさり離婚されながらも、その
離婚を期に憧れのヨットで生活している。そんな彼にふたつの知らせが届く。ひと
つは、昔の恋人、升野月子から。船越に知らせずに生み育てた船越の娘が妊娠した
まま、家出をしたという。もうひとつは、友人である岡崎の娘・裕子から。16年
前に船越らが挑戦した太平洋横断のさなかに、沈没して行方知れずになったクルー
ザーが見つかったという。ようやく見つけ出した娘の陽子はけっきょく死産してし
まい、心に傷を負う。達哉は陽子を再生させようと、船乗りとして鍛えていく。そ
して、彼自身を呪縛してきた16年前の事故の真実を突き止めるべく、沈没したヨ
ットのある場所を彼女とともに目指すのである。心身ともに手負いの親子ふたり、
お互いにその傷を舐めあうことなく、自分自身を取り戻そうと懸命にヨットを操る
……。
物語は血の繋がりを通しての主人公の再生が描かれる冒険小説。16年前の悲劇、
そしてその悲劇を再び見つめ直す機会と、新たに知った真実。それらを乗り越え、
親子の友情とヨットを舞台とした人間模様が巧みに描かれています。ただ気になっ
たのは、主人公の背景は細かく描かれているものの、登場人物である友人である岡
崎や昔の恋人だった月子についての描写が若干不鮮明で、岡崎と娘・裕子の関係や、
月子の今の家庭での姿が曖昧なように感じ、展開として良かっただけに、ややこれ
らの気になるところがあったのは残念ですが、ラストの清々しさは印象に残りまし
た。
【た行】
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 閉じたる男の抱く花は
【著者名】 図子 慧
【出版社】 講談社
【初 刊】 2001年4月25日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】傷つき、悔やみ、混乱し、わたしは毎晩泣いている。会いたい……。
殺人犯かもしれない男への焼けつくような執着。華道の家元後継者か
ら注がれるやさしいだけの愛。23歳の女のひらかれゆく性を描きき
った渾身の書下ろしサスペンス。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本荘折紗は大学の卒業式の夜、酔って見知らぬ男性に寄りかかる友達を連れ戻そ
うとするが、そのタキと名乗る男に拳銃で脅かされ、横浜まで荷物を受け取りに行
かされた。その日の夜、パーティーのあった新宿のホテルで発砲事件があり、その
犯人ではないかと折沙は想像するが、その横浜の受け取り先で彼女が出会ったのは、
華道の家元後継者だった。そして折紗はタキによって強引に犯されるのだが、なぜ
かタキを忘れられなくなった折沙は、タキを探すために華道の家元後継者である佐
宗の元を訪ねていく。それが、ある事件へと繋がるきっかけとなっていった……。
物語は、主人公である折沙が大学の卒業式の夜に関わったタキに対する執着、そ
してタキに関わったことで知り合った華道の家元後継者の佐宗との関係、そして自
分のトラウマが、物語の背景に描かれていますが、家元を巡る争いがサスペンスと
して描かれ、新宿発砲事件の真相を含め、衝撃的なラストが待ち受けます。その争
いとは別に、主人公が女性として性に溺れる姿が描かれ、登場人物の複雑な家庭環
境なども含め、読みごたえあるサスペンスとして仕上がっています。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 騙し人
【著者名】 落合信彦
【出版社】 集英社
【初 刊】 2001年5月21日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】救国の詐欺師たち。2005年。某国のミサイルが日本を狙う。平和
ボケの低能政治家に代わって、国を救うために秘策を練る、天才詐欺
師四人。その武器はおそるべき知能のみ! 鋭い風刺に抱腹絶倒!
新世紀に放つ、痛快無比の近未来ピカレスク。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
本書は4人の詐欺師が日本を救うという物語。落合信彦の作品は久しぶりに読み
ましたが、本書では軽さばかりが目立ち、今までの落合作品のような硬派さが感じ
られず、作品としては正直物足りない。展開は流れが良く読みやすかったものの、
途中でその展開が全て読めてしまったのと、物語で描かれる首相の姿が風刺とはい
え、あまりに軽薄すぎたのは却って作品の質を軽くしすぎてしまっているように感
じました。
<本紹介>
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【ジャンル】短編集
【著書名】 天狗の落し文
【著者名】 筒井康隆
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2001年7月30日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】抱腹絶倒のショートショートから脳天直撃の言語遊戯まで、余りにも
ヒラメキが降ってくるので、獲れ立てのままで公開しました! 純文
学、エンターテインメント、SF……全356編+α、文学史上初の
使用権フリー短編集。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
帯びに「全作、盗用自由!」と書かれていて、何事かと思いましたが、読んでみ
て納得させられました。本書は356編からなる短編集のショートショート。しか
し、短い作品ではあるものの筒井康隆らしいブラックジョークが満載されており、
正に筒井康隆の独壇場といえる短編集。直感のひらめきを文章としているのでしょ
うが、読んでいても新鮮ですし、何より僅かな時間でも読み進めていけるのが良い。
文豪・筒井康隆はまだまだ健在です。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】手記
【著書名】 トルシエ革命
【著者名】 フィリップ・トルシエ/田村修一
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2001年6月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】涙のシドニー五輪、歓喜のアジア杯優勝、アウェイに散った欧州遠征。
花も嵐も乗り越えて、世界を目指した二年半。代表全ての疑問に答え
る待望の独占手記。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
サッカー日本代表監督であるフィリップ・トルシエ。本書はそのトルシエ監督の
独占手記。読み始める前は、自画自賛や強烈な協会・マスコミ批判が展開されてい
るかと思いきや、意外に淡々と日本代表との日々を振り返る内容で、「サッカーの
進歩はピッチの上よりも外に多くある」そして日本サッカーの進歩のために一切妥
協しないという彼の哲学にはひたすらう頷かさせられる。マスコミに振り回された
ことによる批判もあるものの、今の代表を作り上げたのは間違い無くトルシエ監督
であるだろうし、日本サッカー史の歴史に残る指導者でもあるでしょう。ただ内容
としては、試合については細かく語られていたものの、選手個人個人にもっと触れ
てほしかったです。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】エッセイ
【著書名】 ドラマティックなひと波乱
【著者名】 林真理子
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2001年3月30日
【金 額】 1190円+税
【カバー文】ガングロ、お受験殺人、雅子妃ご懐妊報道から、自らのインターネッ
ト・料理教室への挑戦まで、「ドラマティックに生きる」林真理子の
エッセイ集。『週刊文春』連載をまとめる。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
本書は「週刊文春」連載の最新エッセイで、インターネットやお料理教室など、
林真理子の挑戦が書かれています。ガングロ、お受験殺人、雅子妃ご懐妊報道など
に腹を立てつつ、社会的なニュースと個人的なニュースを取り交ぜて綴る愉快なエ
ッセイです。林真理子のエッセイは相変わらず読みやすかったですが、単行本化の
欠点とでもいおうか、連載時に読んでいればタイムリーな話題だったものが、単行
本として読むとその話題が古く感じます。それでも暇つぶしには最適でしょうし、
その後のパソコン挑戦がどうなったかは気になるところです。
<本紹介>
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【ジャンル】暗黒小説
【著書名】 ダーク・ムーン
【著者名】 馳 星周
【出版社】 小学館
【初 刊】 2001年11月10日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】今もっとも闇が熱い街、ヴァンクーヴァー……。地に堕ちた男たち。
宿命の三重奏。これぞ魂の暗黒大作。
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
舞台はカナダのヴァンクーヴァー。中国・広東出身で黒社会と通じて金を稼ぐ悪
徳警官の呉達龍、その呉達龍を捜査する州連邦捜査局のエリート刑事のハロルド加
藤、そして香港からボスの娘の捜索のためやってきた元刑事の富永脩。この3人の
男達は、それぞれに別のものを追っていくうちに、3人の運命が交錯し、闇の世界
へと引きずりこまれていく。それぞれのボスと父親、ヴァンクーヴァーでの歴史的
な過去、そしてヘロインをめぐっての中国系マフィアの抗争と、登場人物それぞれ
の思惑を抱えて物語は佳境へと進んでいく……。
年末も近くなって、遂に馳星周の大作が登場。久々の長編小説は舞台を国内では
なくカナダのヴァンクーバーとし、更にスケールの大きな暗黒小説でもありました。
約600ページという分厚さを全く感じさせず、読み始めから一気に物語に引き込
まれ、展開の小気味良いスピード感、迫力ある抗争劇は見事な出来で、今年度の最
高傑作といっても過言ではないでしょう。特に主人公ともいえる3人の男達の思惑
がよく描かれており、呉は広東にいる子供をカナダへと移住させるために金を必要
とし、ハロルド加藤は好きでもない政治家の娘と結婚し出世を手に入れようとし、
富永は日本ではヤクザに追われ香港ではボスに追われと、存在感もあり、暗黒を抱
え、それぞれに奈落の底へと落ちていく。馳星周の新たな世界が本書によって切り
開かれたともいえますし、小説での1週間の出来事が重く深い物語で、魅力たっぷ
りの大作です!
<本紹介>
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【ジャンル】ミステリー
【著書名】 中空(ちゅうくう)
【著者名】 鳥飼否宇
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2001年5月30日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】繰り返される悲劇、閉鎖された空間、どんでん返し。荘子の思想に従
い人々が暮らす竹林の村で起こる奇怪な事件の「謎」と「解決」が、
伝統的な探偵小説の文法に則って語られる。第21回横溝正史ミステ
リ大賞優秀賞受賞作。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
主人公の植物写真家と自然観察家は、数十年に一度の開花時期を迎えた竹の花を
見に、大隈半島にある竹茂という村を訪れた。そこは7家族のみが住む竹に覆われ
た集落で、村人は皆、中国の思想家「荘子」の精神を守って暮らしている。この平
穏な村で、小動物の惨殺事件が続発し、ついには村人の首なし死体が発見された。
犯人は誰か、そしてその目的は……。閉ざされた空間で、来訪者である2人が難事
件に挑む。
本書は横溝正史ミステリ大賞優秀賞受賞作ですが、閉鎖的な村社会で起きる殺人
事件という舞台設定は、いかにも横溝正史らしい設定であり、その難事件について
も本格ミステリとしてしっかりと描かれている点は評価できるでしょう。ただ、
「荘子」の思想が物語で必要だったとは思えなかったのと、ラストの仕掛けが今一
つだったのが欠点に思いましたし、もう少し主人公の存在感もハッキリと描いてほ
しかったです。
【な行】
<本紹介>
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【ジャンル】ホラー
【著書名】 夏の滴
【著者名】 桐生祐狩
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2001年6月30日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】鬼畜でグロテスク、邪悪でインモラル。こんな世界を描いて、これほ
どみずみずしく切ない小説があっただろうか? 第8回日本ホラー小
説大賞受賞作。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
夏休み中の小学4年生の真介とその友人達。町おこしイベントの失敗が、彼らの
生活にも暗い影を落としていた。そんな折、女子生徒・八重垣はクラスで植物占い
なるものを流行らせるのだが、一人また一人と生徒達は姿を消していく……。
本書は子供達の背後で蠢く大人達の歪んだ欲望を描いた作品。日本ホラー大賞受
賞作とのことですが、子供の世界が描かれているだけにホラーとしてのゾクゾク感
はあまり感じられず、ラストは中々衝撃的でしたが、前半からそのラストまでが中
だるみの展開でもあったため、ホラーとしての面白みはあまり感じませんでした。
<本紹介>
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【ジャンル】ミステリー
【著書名】 涙の川
【著者名】 菅野奈津
【出版社】 光文社
【初 刊】 2001年3月30日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】都会の公園で中年男性と五歳の少女が野球帽を被った男に刺され重傷。
恨みか、通り魔か?……今はいつ自分がこんな事件に巻きこまれても
不思議ではない時代。死んだ少女の父は銀行を辞めてビラを配り、若
い母は心を閉ざす。犯人を追う刑事は失踪した自分の妻をも捜してい
る。事件によって傷つき、壊れ、再生する人と愛。人間が生きていく
上で背負わなければならない悲しみが、自らのこととして共感と感動
を呼び、胸に迫ってくる。第4回日本ミステリー文学大賞新人賞佳作
受賞。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は第4回日本ミステリー文学大賞新人賞佳作とのことで興味深く読みました
が、幼い娘が刺殺されるという、堅実な暮らしを営む銀行員一家を突然襲う悲劇が
描かれます。警察捜査と銀行を辞めて犯人探しをする主人公が同時進行で描かれて
いますが、事件によって傷つ、家庭が壊れていくが、事件解決と共に再生しようと
する夫婦の姿が最後まで描かれます。ミステリーとしては、事件設定は良かったも
のの、主人公が銀行を辞めることとなるいきさつや背景はもう少し深く掘り下げて
ほしかったですし、主人公の妻が抱える隠された過去などを細かく描写してほしか
ったですし、事件に関わる人物の背景関係ももう少し明らかにしてほしかったです
が、家族の崩壊と再生をテーマに、ミステリーとしては印象に残る作品でした。
<本紹介>
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【ジャンル】ミステリー
【著書名】 長い腕
【著者名】 川崎草志
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2001年5月25日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】東京近郊のゲーム制作会社で起った転落死亡事故と、四国の田舎町で
発生した女子中学生による猟銃射殺事件。一見無関係に思えた二つの
事件には、驚くべき共通点が隠されていた……。第21回横溝正史ミ
ステリ大賞受賞作。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は第21回横溝正史ミステリ大賞受賞作。ゲーム製作会社に勤務する主人公
は音楽と読書、そして孤独を愛する女性。現在の仕事に大きな不満はないが、同じ
場所に居続けることを好まず、会社を辞めしばらく故郷・愛媛県の小さな町に帰省
しようとしていた。ところが同僚の変死事件と、故郷の町で起きた女子中学生によ
る殺人事件とに共通のキーワード「ケイジロウ」を発見し、調査を始めることに…
…。
著者は現在ゲーム製作会社に勤務する現役のサラリーマンで、本書の主人公も同
業者であり、作品中にもゲーム業界の過酷な労働環境やゲーム開発の裏話が織り込
まれている。また「ネットストーキング」「盗聴」「無差別暴力」など現代の恐怖
を象徴する事件も作中には多発するのだが、それぞれに理にかなった解決策が提示
されているおり、単なるミステリーとしてだけではなく、現代社会の問題点を浮き
彫りにもしています。ただ残念に思えたのは、主人公は冷静かつ大胆に行動する女
性であるが、もう少し主人公として魅力ある存在として出せなかったのが残念だっ
たのと、ラストにもう一捻りがほしかったです。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 ニッポニアニッポン
【著者名】 阿部和重
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2001年8月30日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】俺の人生に大逆転劇を起こす!ネットで武装し、暗い部屋を飛び出た
引きこもり少年は、いかにしてニッポンに叛逆したのか? 国家の象
徴トキをめぐる革命計画「ニッポニア・ニッポン問題の最終解決」と
は何か? 研ぎ澄まされた知的企みと白熱する物語のスリルに充ちた
画期的長篇作品。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
鴇谷春生は自分の姓に「鴇」が使われていることから、以前からトキに関心があ
ったが、中国からヤンヤンとヨウヨウを迎えての保護増殖計画を知り違和感を覚え
る。中国産トキの血を受けたニッポニアニッポンって変ではないかと思う春生は、
インターネットで情報を集め、周到な計画を立て、トキの純血と名誉を守るため武
器を持ち、佐渡の保護センターに侵入するのだが……。
物語は“ニッポニアニッポン”を逃がすという途方もない犯罪計画をブラックユ
ーモアとして描いた作品。考えると確かに中国産のトキにより繁殖させているニッ
ポニアニッポンの存在はおかしなことだが、それを逆手に取ってブラックユーモア
としているのは、その着眼点には感服させられます。引きこもり少年の主人公が、
ニッポンに対して起こす行動、そして革命的な計画はテーマの重さを感じさせぬ笑
いを交えた画期的な作品となっています。
【は行】
<本紹介>
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【ジャンル】パチンコ
【著書名】 パチプロけもの道
【著者名】 田山幸憲
【出版社】 幻冬舎アウトロー文庫
【初 刊】 2000年2月25日
【金 額】 533円+税(\250)
【カバー文】幻の『パチプロ告白記』『続・パチプロ告白記』が一冊になって帰っ
てきた! 『パチンコ必勝ガイド』誌上で「パチプロ日記」を連続中
のパチンコ界のカリスマ・田山幸憲が、東大を中退してパチプロにな
った理由、パチプロであることへの葛藤、勝ち続けるための秘策など
を全て告白。軍艦マーチとともに繰り広げられる、泣き笑いのチンジ
ャラ物語。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
東大中退のパチプロである著者のパチンコエッセイということで、何だか面白そ
うだったので読んでみたのですが、東大を中退してパチプロになった理由やパチプ
ロとしての葛藤は面白かったものの、カバーに書いていた勝ちつづける秘策という
のは見当たらなかったですし、どのような台をどう攻略してきたのかなどが紹介さ
れておらず、物足りなさは全体的に感じました。自分自身パチンコは殆どやらない
ので、その面白さをエッセイの中で書いてほしかったですし、もっとパチプロとし
ての日常生活なども交えてほしかったです。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 ホタル
【著者名】 竹山 洋
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2001年6月12日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】「二人で一つの命じゃろうが。」 生き残った元・特攻隊員・山岡秀
治。朝鮮半島出身の特攻で死んだ金山少尉の許嫁だった、山岡の妻・
知子。戦争、友情、愛情……。幾つもの傷を心に負った一組の夫婦が
辿った半世紀にもおよぶ愛と悲しみ。映画「ホタル」を小説化。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は高倉健主演の映画「ホタル」の小説化。戦争で生き残った特攻隊員・山岡
と戦争で亡くなった少尉の許婚・知子は心に互いに傷と深い過去を背負ったまま夫
婦となる。その知子が死亡し、山岡が夫婦の半世紀を回想し、愛と戦争による深い
悲しみを描いた物語。映画では回想シーンはハッキリと出るのだろうが、小説とし
ては想像しかできないが、小説よりもおそらく映像の方が、主人公の悲しみを感じ
取ることができるだろうが、映画を見ているような印象は作品を読んでいても感じ
ました。戦争の悲劇や悲惨さを語るよりも、その心の深い傷は物語を読む方が言葉
はなくとも感じられるのかもしれません。
<本紹介>
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【ジャンル】書評
【著書名】 ぼくが読んだ面白い本・ダメな本
そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術
【著者名】 立花 隆
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2001年4月20日
【金 額】 1714円+税
【カバー文】ふだん書評では扱われない面白本300冊を紹介し、ダメな本は徹底
的に批判する。立花隆の知的好奇心、知的ノウハウを凝縮した一冊。
1995年11月〜2001年2月の読書日記を中心に構成。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
以前に著者の『ぼくはこんな本を読んできた』を読んでいますが、本書はその続
編ともいえ、週刊文春に掲載された書評をまとめたもの。その紹介されている本で
すが、他の書評家が絶対取り上げないような稀覯本も多く、主にノンフィクション
作品中心ですが、書評だけで中身がわかった気にされられ、その上読んでみたくな
るという意味で書評のお手本ともいえ、世の中にはこんな本があるのだと思い知ら
される意味で著者と関心領域が同じ読者にとっては必読本にもなるでしょう。30
0冊の紹介だけではなく、巻末に収録されている、「『「捨てる!」技術』を一刀
両断する」は中々価値ある内容です。
<本紹介>
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【ジャンル】短編競馬小説
【著書名】 ホース紳士奮戦す
【著者名】 石川喬司
【出版社】 徳間文庫
【初 刊】 1987年12月15日
【金 額】 380円+税
【カバー文】競馬に必勝法はあるか……。あまたの"競馬必勝法"をほとんどすべて
実践した結果、ぼくは自信をもって「ない」と断言できる。だが、あ
る日、謎の少女と出会ってから、その自信もすっかりぐらついてしま
った。彼女はレースを選ぶこともなく、一点買いで次々と馬券を的中
させるのだ。その秘密は「ルーツ必勝法」にあるというのだ…(「三四
郎池の少女」)。競馬への熱い想いとロマンを描く傑作集。
【満足度】 ☆
End------------------------------------------------
本書も貰った文庫ですが、こちらは13作品が収録されている短編競馬小説集。
競馬を題材にミステリありSFありと、それぞれに違った内容の作品でしたが、ど
の作品も競馬の良さが伝わってきませんし、中途半端な印象しか受けない作品ばか
り。同じ内容でも、もう少しドラマ仕立てとなるような内容であれば、違う印象を
受けたのでしょうが、とにかく良さを全く感じることができなかっただけに残念で
す。
<本紹介>
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【ジャンル】歴史
【著書名】 爆笑問題の日本史原論 偉人編
【著者名】 爆笑問題
【出版社】 メディアワークス
【初 刊】 2001年8月10日
【金 額】 1000円+税
【カバー文】人間はいつの時代も不完全で、時に幼稚で、時に残虐で、時に滑稽な
行為をする。歴史とはそんな人間が紡いできたのだ…。古代から現代
まで、各時代の中心的人物から切り込む日本の歴史。『ダ・ヴィンチ』
連載の単行本化第2弾。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
カバー文にも書かれているように、本書は「ダ・ヴィンチ」連載の単行本化。日
本史について書かれた前作から、今回は偉人に焦点を絞り、源義経、空海、千利休、
聖徳太子、紫式部、坂本竜馬についてが書かれているが、爆笑問題の太田は偉人を
素材にして、ちっともためにならない歴史の再構築を試みているが、可笑しけりゃ
良い、という姿勢に終始貫かれており、それが却って気持ちが良い。日本史を分か
りやすく説明しているという点では高く評価できるでしょうが、どうせならもう少
し詳しくそれぞれの偉人について触れてほしかったです。
<本紹介>
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【ジャンル】自伝
【著書名】 PLATONIC SEX
【著者名】 飯島 愛
【出版社】 小学館文庫
【初 刊】 2001年9月1日
【金 額】 476円+税
【カバー文】父との対立、家出、援助交際、整形、アダルト・ビデオ出演、中絶…
…。飯島愛が28歳の誕生日に出版した自伝的エッセイ。危うい少女
が彷徨った魂の軌跡が克明に綴られている。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
単行本が出された時も話題となったタレント飯島愛の自伝ですが、早くも文庫化
されたので買って読んでみました。内容については、ワイドショーなどで散々取り
上げていたので大まかなことはわかっていたものの、今まで語ることのなかった壮
絶な過去をストレートに表現しているため、内容は過激でした。しかし、思春期時
代の紆余曲折を経て家族との絆を取り戻すまでが丹念に書かれ、単なるタレント本
になっていないところは読みごたえがありました。ただ、過激な過去は目立つもの
の収録されている日記にはそれほどのインパクトを感じませんでしたし、もう少し
自らの過去の過ちを読者に伝えるような書き方をしてほしかったとは思います。
<本紹介>
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【ジャンル】ドキュメント
【著書名】 ホームレス入門 --上野の森の紳士録--
【著者名】 風樹 茂
【出版社】 山と渓谷社
【初 刊】 2001年6月20日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】海外援助の仕事に従事していた筆者はリストラされ、ある日三歳の息
子と上野公園を訪れた。そして、そこで見たホームレスの暮らしとは
……。壮絶なレポートが、今あなたの魂を揺さぶる。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
ODA援助、NGOプロジェクトに関わっていた著者が、花見に息子を上野公園
を訪れホームレスの老人と出会った。元船員や社長といった、これまでの日本経済
を支えてきた多くのホームレス達。そして現代社会から役立たず扱いされる彼らと
生活を共にしたルポライターの感動のドキュメント。
実際にホームレスとして生活していないので、その生活の詳しい内容までは書か
れていませんが、ホームレスを取り巻く環境、炊き出しと争議団の正体、ホームレ
スの闘いなど現実問題が多く取り上げられ、巻末に書かれているホームレス技術・
政策提言は考えさせられる内容でもありました。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】レポート
【著書名】 僕らが働く理由、働かない理由、働けない理由
【著者名】 稲泉 連
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2001年8月10日
【金 額】 1429円+税
【カバー文】引きこもりも、フリーターも、不登校も、大企業に就職しても、経済
的に成功しても、僕らは迷い、立ち止まる…。「社会」を前に立ちす
くむ同年代の若者たちの呟き、叫びに耳を傾けた、清新なレポート。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
著者は高校一年の夏に中退し、大検を経て大学に合格するまでを描いた「僕の高
校中退マニュアル」を出していて、その「僕の高校中退マニュアル」でも現代の若
者の抱えているものを自らの体験をもとにして現していましたが、本書は社会に立
ちすくむ同年代の若者の声に耳を傾けたレポートで、社会とは何か、働くとは何か
を、引きこもりや不登校から働く人へと転向した8人の実体験を描いています。著
者自身も含め、ここに登場する8人はそれぞれに事情があり、悩みや葛藤は人間ド
ラマとしてもしっかりと描かれています。改めて自分にとっての、社会とは何だろ
う、働くことは嫌なのか?を考えさせられましたし、自分の体験を交えている著者
の自分自身への問いかけにも印象に残りました。
【ま行】
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 模倣犯(上・下巻)
【著者名】 宮部みゆき
【出版社】 小学館
【初 刊】 2001年4月20日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】公園のゴミ箱から発見された女性の右腕。それは「人間狩り」という
快楽に憑かれた犯人からの宣戦布告だった。比類なき知能犯の狂気に
立ち向かう第一発見者の少年と孫娘を殺された老人、二人を待ち受け
る運命とは?(上巻)
炎上しながら谷底へ落ちていく一台の車。事故死した男の自宅には、
数々の「殺人の記録」が。事件を操る真犯人の正体は……? あまり
に切ない結末、魂を抉る驚愕と感動の長篇ミステリー。(下巻)
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
とにかく時間を忘れて一気に読まされました。殺人事件の被害者と加害者の家族
の苦悩の問題、誰もが加害者になる潜在的可能性があるゆえに軽んじられがちな加
害者の罪の問題、人間の肥大した自尊心や虚栄心が引き起こす猟奇的殺人、これら
現代社会の身近で難しいテーマに正面から取り組み、登場人物が傍で息づいている
ようなリアリティーを持っています。各巻約700ページというボリュームを読み
始めると同時に忘れさせる程の魅力が物語にはありましたし、発売当時話題となっ
たことも肯ける程の読みごたえがありました。
ただし物語としては、犯人の殺害までの心理描写がやや不足していた点、登場人
物が多く一部の人達の存在感が活かされていなかったこと、主犯の真の目的などが
気になるところが多く欠点もありましたが、犯罪小説としては読ませるものがあり
ましたし、読む価値もあった1冊です。被害者の苦悩、犯人の狂気は正に大作とし
て描かれており、ページの厚さの分、重さとテーマの遍在を感じさせてくれました
し、それが欠点を大きくカバーしていました。お勧めです!
<本紹介>
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【ジャンル】生活
【著書名】 マイラインどーすりゃ委員会
【著者名】 水澤 潤
【出版社】 自由国民社
【初 刊】 2001年8月15日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】家庭に、オフィスに一冊。マイライン時代のバイブル。通信費(電話・
FAX・携帯・インターネット)を激安にする“目からウロコの大ワ
ザ・驚異の裏ワザ”大公開!!
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
タイトルからもわかるように、本書はマイラインについての情報が詰めこまれた
一冊。マイラインの説明から始まり、電話会社各社のサービス比較、全国主要都市
からの距離区分地図、国際電話のマイライン選びなど、マイラインの情報は勿論の
こと、電話代節約の裏ワザ、公衆電話激安利用術など通信費をできるだけ安くさせ
るコツや情報も多く載っています。イラストや表が多いため、中身は読みやすく、
今後マイラインの検討をしている人にとっては参考にもなるでしょう。ただ通信費
が激安になる裏ワザというのは、一般的に知られているものが殆どで、個人的には
目新しい内容と思えませんでしたし、マイラインについても色々と調べて登録も済
ませているだけに、あまりお得感はありませんでした。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 みんな家族
【著者名】 清水義範
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2000年6月30日
【金 額】 1762円+税
【カバー文】文学に憧れる青年は父の死により大所帯を養う身に。太平洋戦争、混
乱から高度成長期と、激動の昭和をたくましく生きた家族の物語。
「昭和」という時代の庶民の笑いと涙を描く大河小説。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は昭和天皇崩御を期に、昭和を生きた家族の物語が描かれる作品。おそらく
登場人物は著者の家族で、物語は登場人物の結婚で終わっておりますが、これは清
水義範の結婚がモデルであるだろうし、清水家の昭和の歴史を笑いと涙で綴ってい
ます。小説として描かれる昭和も正に激動の時代であり、太平洋戦争や高度成長期
の時代背景もしっかりと描かれています。人に歴史ありというか、物語での登場人
物の家族像は印象に残ったのは勿論のこと、懐かしさも覚えました。
【や行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 吉田善哉 倖せなる巨人
【著者名】 木村幸治
【出版社】 徳間書店
【初 刊】 2001年8月31日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】日本の競馬界にあまたの名馬を輩出し続ける社台ファーム。この牧場
を一代で築き上げた巨人・吉田善哉の夢を実現させた強烈な人生と、
それを支えた妻と息子たちの姿を描く。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
日本の競馬界で最大ともいえる生産牧場・社台ファーム。近年でも相次いでダー
ビー馬を輩出しており、GI馬のみならず、海外でもその名を知られる社台ファー
ムですが、本書はその社台ファームを一代で築き上げた吉田善哉の生涯を描いたノ
ンフィクション。北海道開拓から始まる吉田家五代、そして夢を実現させるための
邁進と、家族の支えを日本競馬界の歴史と共に紹介しています。著者は競馬ノンフ
ィクションも多く手がけており、以前にも社台ファームについて書いたノンフィク
ションがありましたが、本書はその中心人物である吉田善哉の生涯を中心に、実に
魅力ある人物像としても書いています。日本ダービー制覇までの長い道程、社台フ
ァームが日本一になるまでの経緯がじっくりと書かれ、競馬ファン以外にも吉田善
哉の生涯は魅了されることでしょう。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 藪の中で… ポルノグラフィ
【著者名】 藤沢 周
【出版社】 徳間書店
【初 刊】 2001年6月30日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】フェアウエイを外れた薮の中、人妻の放つにおいが、男の妄想を加速
させる。芥川賞作家が挑む、初の官能長篇。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
薬品会社のプロパーである山根は得意先の院長夫婦を連れ、接待ゴルフに出かけ
た。そこで院長の若妻である翔子に刺激された山根は、性的な妄想を始め、翔子も
それに応えるように言葉で駆け引きをしていく。そしてコースが進むにつれて、現
実と妄想が交じり合い、ついには妄想を現実にしていくこととなるが……。
藤沢周にしては珍しい官能的な作品ですが、純文学のエッセンスを入れながら官
能世界を巧く表現しています。またゴルフコースでのそれぞれの特徴と展開を結び
付けており、登場人物は僅かに男2人と女1人だけだが、それぞれの思惑や駆け引
き、妄想のいやらしさを表現し、新鮮な作品となっています。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】エッセイ
【著書名】 容姿の時代
【著者名】 酒井順子
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2001年8月10日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】もうどのような分野においても、「とはいえやっぱり外見がいいに越
したことはないやねぇ」という認識は、確実に存在しているのです。
そんな時代の中での、「容姿」をめぐって迷走する視線を捉えたエッ
セイ集。
【満足度】 ★☆
End------------------------------------------------
本書は容姿についてのエッセイ集。容姿が良いことは普通の人より得をしている
のではないか……という疑問から、OL、ユニクロ、ヤンキー、スーツ、制服など
の「着衣編」と、脱衣場、下着、化粧、整形、女性誌などの「脱衣編」に分けられ、
著者の視線の迷走ぶりが書かれています。女性から見た女性の容姿とはどういった
ものだろうと思い、読んだエッセイですが、暇つぶしにはなったものの、改めて感
じたのは容姿のこだわりって結局何なのか?ということ。まとまっているようで、
まとまっていないエッセイとでもいいましょうか、面白みも感じない内容でした。
【ら行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】手記
【著書名】 りんごの木の下であなたを産もうと決めた
【著者名】 重信房子
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2001年4月23日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】英雄か、テロリストか? 日本赤軍・最高幹部の母から、わが娘へ。
重信房子が警視庁留置場で書き続けた法務局宛ての上申書を単行本化。
アラブでの闘いと生活、出産・育児などを赤裸々に綴る。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は重信房子本人が、娘メイの国籍取得のために出生届を提出した2000年
12月26日から、法務局戸籍係が警視庁に真実出生の有無を確認するための接見
に赴いた2001年3月1日までの間、警視庁留置場で書き続けた法務局宛の上申
書。重信房子が生まれた家庭環境、学生運動に参加し没頭していく様、そしてアラ
ブでの闘いと生活が書かれていますが、赤軍事件についてやパレスチナ解放人民戦
線のことなど闘争内容をもっと詳しく書いてほしかったです。かつて赤軍派につい
て調べたことがありましたが、重信房子には有る意味歴史の幕を下ろす役目がある
はずだと思っているし、そのためにも過去をしっかりと書いてほしかったとは思い
ますが、上申書ということもあり、細かな心情などはあまり触れられていなかった
のは残念です。
<本紹介>
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【ジャンル】ホラー
【著書名】 R−0 Amour(リアル・ゼロ アムール)
【著者名】 柴田よしき
【出版社】 祥伝社文庫
【初 刊】 2001年9月10日
【金 額】 580円+税
【カバー文】愛のないセックスに溺れる女を嘲笑するのは、もう一人の自分。我を
忘れたそのとき、新たなる殺戮が始まる……都内で起きた三件のバラ
バラ殺人。密室での凶行の被害者はいずれも男。。デリバリーの風俗
譲が関与していると見られ、仲間うちで「狼女」と噂される女が……。
さらに頻発する、大いなる「悪意」のもたらす厄災とは? 新展開の
三部作、恐怖の第一弾!
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
物語で描かれるのはホテルの一室で起きるバラバラ殺人。連作で描かれ、被害者
と加害者の殺人の様子も描かれていますが、物語は以前に出されている「ゆび」
「0ゼロ」という作品からの流れがあり、こちらの2作品を読んでいないので、若
干展開の流れで分かりにくいところもありましたが、加害者は鏡などに映るカウン
トダウンにより、無意識のうちに殺人を犯していきます。この殺人の元であるカウ
ントダウンの正体などが前作を読んでいないので分かりませんが、風俗譲が次々に
殺人を犯し、それぞれの心の奥底にある思いも含め、ホラーとして描いています。
【わ行】
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 湾岸リベンジャー
【著者名】 戸梶圭太
【出版社】 祥伝社
【初 刊】 2001年7月25日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】「済ませませんよ、このままでは」交通事故で愛妻を殺られた男、孫
を失った資産家の標的は、走り屋。ポップで、ラウドで、クレイジー!
ダーティー戸梶、怒涛のノワール開幕!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
ある日、高速道路での交通事故で妻を失った野島が、同じ事故で孫を失った老人・
美濃部から事故の原因は「走り屋」であるとの驚愕の報告を受けた。元ラリードラ
イバーでもある野島は、宝石会社社長でもある美濃部から走り屋への復讐のため、
野島が走り屋となり、犯人を見つけるためへと動き始めるが……。
物語は実にスピード感溢れる展開で、登場する車については随所に写真入りとな
っているなど、細かな配慮もされている。走り屋による事故で妻を亡くした主人公
の野島と、同じ事故で孫を亡くした資産家の美濃部が「走り屋」をターゲットに大
掛かりな計画で、犯人を追い詰めていくのだが、その展開も中盤から一気にヒート
アップし、後半は走り屋への復讐が、テロ計画にまで発展しと、予想もしない展開
が待ち受ける。先の展開が予想できず、次はどうなっていくのかと読みながらワク
ワクさせられた作品で、高速道路でのスピード溢れる描写など、迫力ある臨場感が
文章からも伝わってきます。
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