書評データベース(2002年度1月分)

 

■2002年1月に掲示板にて紹介された本■

1/4 「値段が語る、僕たちの昭和史」    高橋孝輝       主婦の友社
    「千円贅沢」                中野 翠        講談社 
1/5 「老いぼれ刑事」              生島治郎       実業之日本社
1/7 「NAKATA」  ステーファノ・ボルドリーニ/片野道朗=訳 朝日新聞社
1/8 「闇からの声」               黒岩重吾       文藝春秋
1/9 「愛の領分」                 藤田宜永        文藝春秋
1/10 「銀座24の物語」             椎名誠ほか      文藝春秋
1/11 「夏の最後の薔薇」            連城三紀彦      文藝春秋
1/12 「途中下車」                 高橋文樹       幻冬舎
1/14 「クローズアップ現代vol.3」                     NHK出版
    「日本一周ローカル線温泉宿」      嵐山光三郎     講談社現代新書
1/15 「えなりです どうも!」          えなりかずき     TBS東京放送
    「花咲くばか娘」              わかぎゑふ      大和出版
1/16 「エール」                  鈴木光司       徳間書店
1/17 「そこが変だよ自衛隊!」        大宮ひろ志      光人社
    「泣く大人」                 江國香織       世界文化社
1/18 「ため息の時間」              唯川 恵       新潮社
1/19 「誰が私を殺したの」           朝倉喬司        恒文社
1/21 「マリッジ」                  森村誠一       角川書店
1/22 「隣人」                   永井するみ      双葉社
1/23 「銀杏坂」                  松尾由美       光文社
1/24 「競馬の血統学」              吉沢譲治       NHKライブラリー
1/25 「快適!マイナスイオン生活のすすめ」 菅原明子      PHP研究所
1/26 「セカンド・ライン」              重松 清      朝日新聞社
1/28 「オトナも子供も大嫌い」          群ようこ       筑摩書房
1/29 「悪いうさぎ」                若竹七海       文藝春秋
1/30 「十歳の戦慄」               宇佐美游       講談社
1/31 「千のプライド」              桐生典子        集英社

【あ行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】連作警察小説
【著書名】 老いぼれ刑事
【著者名】 生島治郎
【出版社】 実業之日本社
【初 刊】 2001年8月25日
【金 額】 800円+税
【カバー文】定年間近の天野大作警部補は、東京郊外の花田駅西口にある警察署に
      勤務。所轄の一画にはコリアン・タウンがあり、不法滞在者、暴力団
      など闇の気配が濃い。大作は新しい相棒・韓国人三世の金森部長刑事
      とその闇に立ち向かう。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 定年間近の天野警部補は、東京郊外の警察署に勤務しており、そこは小さな飲食
店が多く、その中心にはコリアン・タウンと呼ばれる韓国人が住む一画があった。
不法滞在者が多数おり、暴力団もこの町を食いものにすべく集まってきていた。そ
してベテラン刑事である大作に、格闘技抜群の韓国人三世の金森三郎部長刑事が新
たな相棒となり、2人は闇の部分と対決していく……。
 物語は8つの連作小説が収録されており、主人公でもあるベテラン刑事の天野と
韓国人三世の金森刑事のコンビの活躍が描かれています。ハードボイルドタッチの
警察小説ですが、生島治郎の作品としてはハードボイルド色がやや薄く、金森刑事
の格闘場面がもう少し描かれていた方がより迫力も増しただろうし、天野刑事のベ
テランとしての存在ももう少し前面に出した方が良かったでしょう。連作警察小説
としては読みやすかったですが、やや迫力不足に感じたのは、展開が良かっただけ
に少々残念でした。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 愛の領分
【著者名】 藤田宜永
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2001年5月30日
【金 額】 1714円+税
【カバー文】不倫でもないのに秘密の匂いがする。愛を信じられない男と女。それ
      でも出会ってしまった彼らの運命。すべてをかなぐり捨てた四人がゆ
      きつく果ては……。待望の恋愛長篇。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 読み始める前は直木賞受賞作ということから、かなり期待して読み始めたのだが、
正直直木賞を受賞したのが不思議に感じました。最近の藤田宜永の作品の特徴とで
もいいましょうか、物語は中年の男女の恋愛を描いたものですが、確かに物語とし
てはそれなりに読ませる部分がありましたし、登場人物それぞれの過去と現在の愛
情模様を巧く表現しているものの、最近の直木賞作品と比べるとレベル的に大きく
下がってしまうと感じてしまいました。物語に登場する男女4人の愛情模様は過去
も現在も複雑ながらも、日常の変化や惹かれ合う男と女の姿を描いているものの、
ラストもすっきりせず、藤田宜永の恋愛ものの作品としても、それほど高い評価は
できない作品のように思います。確かに物語としてだけなら、愛情の裏側に隠され
ている部分を描いたいい作品とも受け取れますが、直木賞受賞作となると、大きく
物足りなさを感じました。

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 えなりです どうも!
【著者名】 えなりかずき
【出版社】 TBS東京放送
【初 刊】 2001年9月10日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】どうも、えなりかずきです。仕事ぶりや趣味、家族、諸先輩方のこと、
      夢や内緒のホンネなど、スッピンピンのえなりを全部紹介。世間から
      「素直でイイ子」にみられがちなえなり君の意外な本音が満載のエッ
      セイ集。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 ドラマだけではなくバラエティなどでも最近見かける“えなりかずき”のエッセ
イとのことで、興味本位で読みましたが、人柄がよく出ているエッセイでもありま
した。代表作ともいえる「渡る世間は鬼ばかり」は殆ど見たことがありませんが、
そのドラマで競演している人達とのエピソードや、家族のことなど、知られざるエ
ピソードも多く載っています。区立の幼稚園の抽選に落ちて児童劇団に通ったとい
う話や、「渡る世間は鬼ばかり」に出演するきっかけなど、そのドラマを見ていな
くても、えなり君らしさがわかるエッセイ集です。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 エール
【著者名】 鈴木光司
【出版社】 徳間書店
【初 刊】 2001年9月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】人生を闘い抜く武器、それは愛と勇気。私はこれまでの人生で、本気
      で闘ったことがあるのだろうか……? 既婚の女性編集者と若き格闘
      家の運命の恋。鮮烈に生きた男女の8年間を描く本格恋愛小説。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 編集者の梅村靖子はガン宣告されているノンフィクション作家・山極恵子の担当
となり、恵子の息子の亮の面倒を見ることになった彼女は、亮が格闘家の真島一馬
のファンであることを知る。靖子は、一馬とは雑誌の連載で知り合っておりその後
も交流が続いていた。そして一馬が最大の敵との今回の試合に勝ったら体を許すこ
とを彼女は約束するのだが……。物語『リング』とは全く違う劇画調格闘小説。し
かし内容が薄く表面的しか描かれていない部分が多かったのは大きな欠点でした。
一馬の兄のその後は、恵子、亮の役割は何だったのかなど、その場限りのストーリ
ー展開で、鈴木光司としては異質の作品でしたが、内容としては良かったものの、
もう少し登場人物それぞれを活かした描写をしてほしかったです。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 オトナも子供も大嫌い
【著者名】 群ようこ
【出版社】 筑摩書房
【初 刊】 2001年9月10日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】幼稚園は退園処分、小学校は遅刻常習。険悪な両親、コドモっぽい同
      級生を尻目にビートルズに熱をあげる、ちょっとニヒルな少女の物語。
      PR誌『ちくま』連載の「人生はいつでもジェットコースター」に加
      筆した半自伝小説。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 本書は1960年代を舞台とした著者の自伝的作品。読んでいて何となく「ちび
まる子ちゃん」の小説版という印象も受けましたが、時代背景なども作品に盛り込
まれているため、40代や50代前半の人には懐かしく感じられる作品だとも思い
ます。個人的には自分よりちょっと上の世代の物語であったため、あまり懐かしさ
も感じませんでしたが、群ようこらしい読みやすい作品です。

【か行】

<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 銀座24の物語
【著者名】 椎名誠ほか
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2001年8月10日
【金 額】 1762円+税
【カバー文】24人の人気作家が、東京・銀座を舞台に、愛・友情・結婚・出会い・
      別れ・老い・死を描く短編の競演。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 カバー文にもあるように、本書は椎名誠、皆川博子、久世光彦、赤川次郎、群よ
うこ、高橋治、平岩弓枝、江国香織、小池真理子など24人の作家が銀座を舞台と
した短編集。豪華なラインナップの作家陣でもありますが、銀座を舞台に様々な物
語がここでは展開されています。恋愛もあれば、友情もあり、別れもあり……と、
銀座の特徴が多くの作家によって活かされ、ほんのりと心に残る短編集となってい
ます。

<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 クローズアップ現代vol.3
【著者名】 NHK「クローズアップ現代」製作班編
【出版社】 NHK出版
【初 刊】 2001年9月20日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】長引く消費低迷、戦後初のデフレ、保険や年金の破綻、解散……。
      「聖域なき構造改革」の流れのなかで、突破口を見つけられるか。2
      001年上半期の社会問題、事件を収録。NHKテレビ「クローズア
      ップ現代」の単行本化。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 以前にもこのvol.2を読み、内容が良かったのでvol.3も図書館から借りて読みま
した。NHKで放送される「クローズアップ現代」を単行本化したものですが、様
々な社会事件が再度取り上げられているのと、テレビ放送とは違い、文章となって
いるものの非常に分かりやすい内容となっています。全面でカラーや図、そして写
真などを入れているため読みやすくなっていますし、今年の上半期の大きな社会事
件を振り返る意味でも、読んで良かったです。

<本紹介>
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【ジャンル】連作ミステリー
【著書名】 銀杏坂
【著者名】 松尾由美
【出版社】 光文社
【初 刊】 2001年9月25日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】人の心の奥深く魂を操る魔物が住む。北陸の古都、中年刑事の周辺で
      連続する「不可能犯罪」とは? 異色ミステリー。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
本書は異色な連作短篇ミステリー。架空の都市、香坂市を舞台に繰り広げられる
5つの事件を描くものであるが、事件にはどれも超常現象が関連する。たとえば最
初の短篇「横縞町綺譚」は、幽霊の住むアパートで宝石の盗難事件が起こるという
話だし、表題作「銀杏坂」は、幼少時より予知夢の能力を持つ女性が、夫を殺す夢
を見たので自分を逮捕してほしいと要求してくる、というくだりで物語が始まる。
ユニークなのは、本作に出てくる超常現象がどれも、種や仕掛けのない「正真正銘
の」超常現象であるという点だ。5つの事件を解決するのは、木崎という名の中年
刑事で、オカルト趣味のない彼も、初めの事件でアパートの幽霊をこの目で見てし
まった以上、もはや疑うわけにもいかなくなる。しかし宝石泥棒の犯人を幽霊と推
定するも、実体のない幽霊はものをつかむことができず、犯人とはなり得ない。そ
の犯人探しの推理を連作としてのミステリーとして描いています。 謎解きの面白
さはありましたが、オカルト的なモチーフの多用は読んでいて最初は良かったもの
の、ミステリーとしては少々飽きてしまうというか、逆に欠点にも思えてしまった
のは残念です。ただホラー的な要素のない異色ミステリーで読みやすく、それなり
の面白さは提供してくれた連作ミステリーでした。

<本紹介>
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【ジャンル】競馬本
【著書名】 競馬の血統学
【著者名】 吉沢譲治
【出版社】 NHKライブラリー
【初 刊】 2001年10月15日
【金 額】 970円+税
【カバー文】カナダが送った革命の使者ノーザンダンサー。サラブレッドの進化と
      活性化に貢献した歴史的名種牡馬は、思いがけない国や血統から誕生
      してきた。そして、次なる国とは……。大胆な仮説を、緻密な取材と
      分析で考証した「JRA馬事文化賞」受賞作に、新たな流れに沿った
      終章を追録。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は競馬の世界でも特に奥深い血統についてを分析したものですが、現代のサ
ラブレッドに大きな影響を及ぼしたと思われる8頭の種牡馬によって章立てていま
す。どのようにそれらの種牡馬が出てきたか、そしてその血はどのように引き継が
れていっているのか、今後の血統体系はどのようになっていくのかなど、想像する
だけでも楽しめ、娯楽としての競馬が、血統学の世界から更に幅広く世界に広がっ
ているということを実感できるでしょう。種牡馬の背景、日本の血脈など、歴史的
な部分にも触れていて、馬学としても実に参考となる1冊です。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】生活
【著書名】 快適!マイナスイオン生活のすすめ
【著者名】 菅原明子
【出版社】 PHP研究所
【初 刊】 2001年10月31日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】シックハウス症候群、アレルギー、うつ病、癌、電磁波、ストレス、
      いらいら、不眠……。これらの現代病の原因はイオンバランスの乱れ
      にあった! マイナスイオンを取り入れた快適生活を考える。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 パソコンや携帯電話などの電化製品が溢れる私たちの生活環境と温暖化などで破
壊される自然環境。この環境が私たちの体に様々な問題をひき起こし、マイナスイ
オンについて注目を集めていますが、本書は、これらの問題を手軽に、そして生活
に密着した方法で解決するマイナスイオン・テクノロジーのメカニズムを解明し、
マイナスイオンを取り入れることで失いかけていた健康を取り戻す方法を明らかに
しています。イオンバランスの乱れとは何か、マイナスイオンとは何か、快適な生
活方法などを図入りで紹介し、読みやすい内容にもなっています。残念なのは、マ
イナスイオン発生器など、マイナスイオンの製品を紹介しているものの、その商品
について詳しく書かれていないのが残念なところ。具体的な製品の紹介をしてくれ
れば更に良かったようには思いました。

【さ行】

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 千円贅沢
【著者名】 中野 翠
【出版社】 講談社
【初 刊】 2001年9月20日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】自分を潤わせる小っちゃなムダづかい。お祭りのおこづかいみたいに
      1000円握りしめて好きなものを買う……楽しいゾ! 中野式上等
      少女趣味ワールドへご案内。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は1000円で買える優雅なもの、理屈じゃないもの等60余点をエッセイ
としたもので、正に千円での贅沢がここには書かれています。取り上げられている
ものは、コート・ド・フランスの板チョコ、鳥カゴ型鉢カバー、べっこうの耳かき、
備長炭セット、ガラスの箸置き、アジアの雑貨、イギリスの靴磨きセット、銀ラメ
まつ毛、タトゥー・シール、ジェムストーンの標本、愛犬グッズ、歌舞伎トランプ、
国技館のおみやげ……と様々ですが、1000円でこんなものが買えるのかと感心
するものもありました。100円ショップが全盛の中、1000円での贅沢とはど
んなものだろうと、楽しみながら読んでいきましたが、中野翠氏の楽しそうな買い
物の様子は、自分の子供の頃の買い物をつい思い出しました。

<本紹介>
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【ジャンル】体験記
【著書名】 そこが変だよ自衛隊!
【著者名】 大宮ひろ志
【出版社】 光人社
【初 刊】 2001年10月2日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】笑撃! 知ってはいけない自衛隊のヒミツ、こっそり教えます。自衛
      隊始まって以来というミリタリーオタク・大宮陸士長が繰り広げる、
      体験的自衛隊始末記。これでいいのか自衛隊!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は「自衛隊って、そういう所だったんだ」と妙に納得させてくれる自衛隊記
で、駐屯地での生活は、何ともスリリングな日々だとも教えてくれます。入隊時の
真っ裸での身体検査の上に性器検査、班長からのお仕置きや、隊員が楽しみにして
いる食事を、どんな材料を使っても不味い物にしてしまうという隊員食堂など、隊
員が娑婆と呼ぶ駐屯地の外に住んでいる我々にとっては、面白い実話ばかり。これ
から自衛官になろうと思っている方や、自衛隊に興味がある方には必読の本ともい
えるでしょう。そして、銃器オタクの著者が書いているだけあって、他では余り知
ることのできないその辺りの事が書いてあるので、ガンマニアの方にもお薦めでき
ます。

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 セカンド・ライン --エッセイ百連発!--
【著者名】 重松 清
【出版社】 朝日新聞社
【初 刊】 2001年11月1日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】「ビタミンF」で直木賞を受賞した著者の初エッセー集。少年犯罪に
      関するジャーナリスティックなものから、情感豊かに綴られる自分史
      までエッセイ百連発。これ一冊で「重松清」が分かる本。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 様々な雑誌や新聞などでのエッセイをまとめた本書ですが、社会的なこと個人的
なことだけではなく、書評や文庫解説まで、一気に集めたもの。エッセイではある
ものの、小説以上に言葉の深さと重さを感じ、特に少年犯罪におけるマスコミ報道
のあり方には考えさせられました。エッセイ集ではあるものの、重松清らしさが全
面に出ていて、現代社会がもたらす欠点が見えてくる……そんなエッセイ集です。

<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 十歳の戦慄
【著者名】 宇佐美游
【出版社】 講談社
【初 刊】 2001年6月20日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】なぜ凄いのか? 少女を含めて、この作者は女性たち、たとえばオフ
      ィスガールでも、おミズの世界の女性たちでも、さらには海外駐在員
      の妻たちでも、女たちが「集まる」場の光景を実に生きいきと描き出
      す。女性の生命感にはずみのつく瞬間を、これほど鮮やかに明快に書
      く作者はそんなにはいない。パワーがあって愛嬌があり、悪意を鋭く
      見る。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 本書は4つの作品が収録されている作品集で、いずれも女性の主人公や登場人物
の抑圧と悪意を物語としたもの。表題作である「十歳の戦慄」は最初に収録されて
いますが、脚本家として著名となった主人公が十年ぶりに故郷を訪れ、十歳の時の
戦慄の体験をかつての同級生と会ったことから思い出す物語。著者のデビュー作で
もある「調子のいい女」が面白かっただけに、期待して読み始めましたが、それぞ
れの作品で女性なりの悪意を巧く物語としていたとは思いますが、もう少し登場人
物の個性を展開で活かしてほしかったです。

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリー
【著書名】 千のプライド
【著者名】 桐生典子
【出版社】 集英社
【初 刊】 2001年8月30日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】弁護士見習いの可南子は、奇妙な依頼を受ける。依頼人・塔子の父・
      榎本修吾が愛した女たちをたずね歩くというものである。8人の女た
      ちは、それぞれが独自の修吾との過去を持っていた。一人の男をめぐ
      る様々な愛の形を知ることは、いつしか可南子をも変え…修吾を一番
      愛した女は誰なのか? 可南子が出会った、思いもよらない真実とは?
      プライドという名のもとに、女の心理を描き出す連作長編ミステリー。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
 塔子の亡くなった父修吾の8人の愛した人達に会って彼の思い出を聞き出す仕事
を受けた弁護士見習いの可南子は、元看護婦の孝江、芸能プロダクションの照美、
海外に住む美都、主婦の季美子、デハートに勤めるみずき、みずきの友人春美、女
優の紗織……とインタビューを続けるうちに見えてきた修吾の姿、そして全てが終
わった後に可南子が知った真実とは。
 カバー文ではミステリーとは書かれていましたが、あまりミステリー要素のない
作品でもありました。主人公が受けた依頼から物語は展開していきますが、その依
頼があまり現実的ではなかったのと、それぞれの女性達と修吾という男性との関わ
りはそれなりに読ませる内容ではあったものの、違った描き方をした方が良かった
のではないかという印象を受けました。

【た行】

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 途中下車
【著者名】 高橋文樹
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2001年10月10日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】たとえモラルに反していようとも、ぼくは妹を愛し抜く……。それが、
      ぼくが選び取った生き方だ。爽やかで決然たる青春を描いて、全選考
      員に絶賛を浴びた新世紀の文学誕生。第1回幻冬舎NET学生文学賞
      受賞作。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 物語は事故により両親を亡くし、兄妹の2人で生活し、愛し合う互いの姿を描い
た作品。主人公で大学生の“ぼく”と高校生で4歳下の妹の理名。そしてその理名
と名前が似ていることからコンパで出会い付き合うようになった麗奈、友人達とそ
れぞれの登場人物が展開にマッチしており、主人公達の青春像を描いています。兄
妹の恋の形がテーマにもなっていますが、それは決して近親相姦が描かれていると
いうものではなく、両親を亡くした重さを共有し合いながら、愛し合う姿が正直に
描かれていて、決していやらしさを感じさせず、それよりも爽やかさを感じました。

<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 ため息の時間
【著者名】 唯川 恵
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2001年6月20日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】浮気もメール恋愛も裏切りも、うまくやっているつもりでも、結局、
      男はいつも女にしてやられる。愚かで、だからこそ愛おしい。恋せず
      にいられない。男と女に捧げる恋愛小説集。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は9つの物語が収録されている恋愛短編集。その短編ですが、完璧に家事を
こなす妻を裏切り、若い奈美と浮気する木島。妻が化粧をするのを最期まで許さな
かった原田。婚約寸前の彼女がいるのに社内で二股かけた洪一。仕事のために取引
先の年上女性に近づく孝次。若い妻を信用できずにメール恋愛を仕掛ける田崎など、
寂しがって生きている女と、悔しがって生きている男を主人公に、それでも恋をせ
ずにいられない男と女のほろ苦い人生をしっとりと描いています。
 短編全てが男性側からの視点で描かれ、男の身勝手さや、女の恋愛に対する切な
さを巧く表現しています。どこか物語も現実的で、それが特に女性読者にも受け入
れられるのでしょうし、唯川恵らしい大人の恋物語が、ドラマ仕立てのように描か
れていて、登場人物の思惑を含めて、出会いや別れを印象的に演出しています。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 誰が私を殺したの
【著者名】 朝倉喬司
【出版社】 恒文社
【初 刊】 2001年8月20日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】昭和34年スチュワーデス殺人事件、昭和47年女医殺人事件、平成
      9年東電OL殺人事件。3大未解決殺人事件の「事実」を綴る。殺さ
      れた美人被害者の無念の呟きが聞こえる!
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 カバー文にもあるように、本書は3つの迷宮となった未解決殺人事件についてを
取り上げたもの。全ての事件が未解決であることもあり、事件についての想像はで
きるものの、ノンフィクションとしては解決事件のような証拠がハッキリとしてい
ないだけに、中途半端さをどうしても感じてしまいます。特に東電OL殺人事件に
ついて、どのように書かれているか興味があったものの、ただ事件の後追いをして
いる印象が強かったです。

【な行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】昭和史
【著書名】 値段が語る、僕たちの昭和史
【著者名】 高橋孝輝
【出版社】 主婦の友社
【初 刊】 2001年10月1日
【金 額】 1000円+税
【カバー文】インスタントラーメンからバナナ、大学の授業料、初任給まで、19
      50年代から現在に至るモノの値段の変遷をめぐる風俗史。当時の写
      真もついた、団塊の世代にはなつかしいタイムトラベル本。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 タイトルでもわかるように、本書はモノの値段の変遷を書いた昭和史。35もの
値段が今と昔でどのぐらい違うのか、当時の値段を今のレートで換算、そしてその
当時のそのモノの価値や社会事情なども交えており、非常に懐かしく読むことがで
きました。取り上げられていた一部としては、卵、牛乳、ハンバーガー、ウイスキ
ー、コンドーム、ラジオ、自動車、背広、テレビ、銭湯、結婚式、飛行機運賃……
と、どれも興味深いものばかりで、雑学的にも面白かったです。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】スポーツノンフィクション
【著書名】 NAKATA --中田英寿イタリア戦記--
【著者名】 ステーファノ・ボルドリーニ/片野道朗=訳
【出版社】 朝日新聞社
【初 刊】 2001年10月5日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】イタリアはNAKATAをどう評価したか? 気鋭のイタリア人ジャ
      ーナリストが、ユヴェントス留学からペルージャ、ローマまで、東洋
      から来た「ショーグン」の全足跡を追う!
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、ユヴェントス留学から、ペルージャでの鮮烈なデビュー、ローマでの熾
烈なレギュラー争いまで、気鋭のイタリア人スポーツ・ジャーナリストが膨大な新
聞報道、インタビュー、記者の採点、一流選手のコメント、ファンの声を集大成し
て、イタリアでの中田英寿の全足跡を追ったもの。イタリア・リミナ社のサッカー
叢書の一作としてロベルト・バッジョやマラドーナなどの巻と並んで刊行された本
書は、サッカーの本場イタリアが中田をどう迎え、どう遇し、どう評価したかを、
冷徹なプロフェッショナルの目を通して描いています。著者はイタリア最大の発行
部数を誇る日刊紙『コリエート・デッラ・セーラ』の元ASローマ担当記者。
 まず読んで最初に感じたことは、日本のスポーツノンフィクションとは違い、選
手のプライベートが全くといっていい程書かれておらず、対象はその戦跡が中心。
そのため、スポーツ選手としてイタリアで活躍する中田英寿がどうイタリアで評価
されてきたのかは非常に分かりやすく、また日本での報道との違いなども理解でき
ます。一方残念に思ったのは、スポーツ戦記としては素晴らしいものの、個人的な
ことが殆ど紹介されておらず、ある意味ドライすぎる内容は日本人としては少々物
足りなく感じることも事実。でも本書はイタリアで出版されましたが、そのイタリ
アではどれだけ売れているかもつい気になってしまいます。

<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 夏の最後の薔薇
【著者名】 連城三紀彦
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2001年7月30日
【金 額】 1667円+税
【カバー文】電車の中で突然、高価な花束を渡してきた、見知らぬ年下の男の真意
      は? からみあう愛と憎悪、そして物語はめくるめく結末へ……。表
      題作ほか、様々な恋模様を鮮やかに切り取った12の短編小説集。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
 本書は12の作品が収録された短編集。表題作でもある「夏の最後の薔薇」は最
初に収録されていますが、電車の中で突然薔薇の花束を渡した男と、見知らぬ年下
の男から花束を渡された女性のそれぞれの事情を描いた作品。物語の大半が浮気や
不倫が描かれていますが、その恋愛の中での憎しみや家庭がそれぞれの作品となっ
ていますが、表題作はインパクトもあり、物語に登場する男女の背景が興味深かっ
たものの、他の作品も似たような恋愛模様が描かれ、もう少しパターンの変化があ
れば良かったとは思いました。

<本紹介>
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【ジャンル】旅行記
【著書名】 日本一周ローカル線温泉宿
【著者名】 嵐山光三郎
【出版社】 講談社現代新書
【初 刊】 2001年9月20日
【金 額】 680円+税
【カバー文】いとしい日本列島をスイスイとのし歩こうではないか。安くておいし
      く贅沢な快楽旅行虎の巻大系。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は著者が同行者2名と一緒に、ローカル線に乗り温泉宿に泊まってうまい料
理を食べ、日本一周した旅行記。北は北海道から南は九州まで、路線図と共に、そ
の地での宿泊地や食事処を値段も交えて紹介しており、ローカル線の良さは勿論の
こと、読んでいて一緒に日本全国を旅している気分にさせられます。それと、地元
でしかあまり知られていない名店が随所に紹介されているのもポイントといえるで
しょう。ヘタな旅行ガイドよりも信用できて、旅行時にも持っていきたい1冊です。

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 泣く大人
【著者名】 江國香織
【出版社】 世界文化社
【初 刊】 2001年7月30日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】夫、愛犬、男友達、旅、本のこと……。心から安心できる場所を持ち
      「泣く大人」になった著者が、自らの日常を柔らかく、かつ緊張感に
      満ちた文章で綴ったエッセイ集。
【満足度】 ★☆
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 本書は、江國香織のエッセイ集で、初の男性誌連載だった「男友達の部屋」をは
じめとする、最近10年間の著者いわく「『泣く大人』の記録」とのこと。様々な
雑誌のエッセイを集めたもので、内容は様々ではあるものの、どこか淡々としすぎ
ていて、エッセイ自体はそれほど印象には残りませんでしたが、最後に収録されて
いる読書感想はそれなりに参考にはなりました。

【は行】

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 花咲くばか娘
【著者名】 わかぎゑふ
【出版社】 大和出版
【初 刊】 2001年10月14日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】世の中、なんでもアリなのだ。ご存知わかぎえゑふの「バカ一代記」。
      劇団主宰者にして役者・エッセイスト・演出家など、好きなことをや
      り続けるPOWERの源とは? 笑える「ばかエピソード」満載。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 様々な友人の可笑しなエピソードを書いた「ばかのたば」「ばかちらし」に続い
て、本書ば自分の面白エピソードが満載のエッセイ集。結婚よりも同棲を勧め、子
供を連れて平気で愛人宅へ通っていた父、女とキスしている夫を娘と見学に行く母、
ばか仲間……など、笑えるエピソードは最初から最後まで続きます。それにしても、
わかぎゑふ。一体どれだけ面白いエピソードが続くのか。そしてネタが尽きないの
か。タイトルも読めば誰もが納得させられる楽しい内容です。

【ま行】

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリー
【著書名】 マリッジ
【著者名】 森村誠一
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2001年7月20日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】山上潔は焦っていた。35歳、独身である。自発的に独身を続けてい
      るわけではない。結婚相手に縁がないだけである。本人は結婚したく
      て仕方がない。容姿、学歴、年収が特に劣っているとは思えない。そ
      んな山上が、初めて参加した「お見合いパーティ」で、誰が見ても最
      高の美女を射止めることになった。西畑茜、29歳。理知的な美貌と
      抜群のプロポーション、洗練されたエレガントな雰囲気、こんな素敵
      な女性がなぜ自分のような男を―。山上は嬉々として茜と交際をはじ
      め、ついに念願の「結婚」まで漕ぎ着けた。夢の新婚生活が始まった。
      特に夜のセックスは完璧だった。茜の圧倒的なテクニックに山上は溺
      れていく。だが……、無我夢中だった時期が過ぎると、山上は「妙な
      こと」に気がつく。茜の性格が時として別人のように変わるのだ。あ
      るときはゴキブリを平然と踏み殺し、車の運転も極めて攻撃的。しか
      し、あるときはゴキブリを見ただけで絶叫し、車も安全運転。妻は本
      当は2人いるのではないか……。そんな恐怖を山上は感じるようにな
      った……。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 あらすじはカバー文で詳しく書いているので省略しますが、妻が2人いて、自分
を殺して保険金を取ろうとしているのではないかと恐怖を感じる主人公の山上。そ
して、茜を知っていると思われる男が殺害されたことから始まる警察の捜査と、見
所のあるミステリーだとは思うものの、どこか物語が単調に感じました。主人公の
恐怖の心理など、ホラー要素もあるものの、その恐怖感が読み手としてはあまり伝
わってこず、事件の真相が最後に分かるものの、特にインパクトも感じませんでし
た。森村誠一らしく読みやすい内容ですが、できればもう少し凝った展開にしてほ
しかったです。

【や行】

<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 闇からの声
【著者名】 黒岩重吾
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2001年9月30日
【金 額】 1857円+税
【カバー文】電話には出ない、と決めた。この2年間どんなに苦しめられたか。今
      更出る必要はない……。夜の街、欲望の街、孤独の街にもつれあう男
      と女。闇の中で探りあう男と女を描いて間然とするところがない短篇
      全8篇を収録。
【満足度】 ★★
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 物語はカバー文にも掛れているように8つの短編が収録されており、いずれも欲
望と孤独の中での男女が物語として描かれています。表題作の「闇からの声」は、
作家である主人公が無言電話に悩まされる物語ですが、その無言電話から過去の出
来事を思い出し、ある女性との関係が描かれています。この表題作はそれなりの面
白さがありましたが、読み進むにつれて、面白さも序々に少なくなって……と、も
う少し男女の闇の部分をメインとして描いてほしかったです。

【ら行】

<本紹介>
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【ジャンル】短編サスペンス
【著書名】 隣人
【著者名】 永井するみ
【出版社】 双葉社
【初 刊】 2001年7月25日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】優しい夫に白い猫―満ち足りた女の生活に忍び寄る、殺意の予感。あ
      りふれた日常を狂わすものは、嫉妬か憎悪か? 表題作「隣人」を含
      む、予測のつかない結末6篇。小説推理新人賞受賞作。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は表題作を含む6つの作品が収録されたサスペンス集。いずれも嫉妬や憎悪
からの殺意や狂気が描かれています。表題作の「隣人」は、子供はいないものの、
優しい夫と可愛い猫とともに暮らす美由紀は、幸せな日々を送っていたのだが、夫
の誕生日、別荘がわりに使っている美由紀の実家で事件は起きた……。子供が欲し
い夫、子供を必要としていない美由紀との間でお互いの考えがズレ始めた時、事件
が起こり夫は死亡。事故に見せかけた計画的犯行だったが、隣人にあることから気
づかれてしまう物語。表題作だけでなく、それぞれの物語で主人公や登場人物によ
る殺意がじっくりと描かれ、そこに至る過程も短編ではあるものの、登場人物の背
景や狂気となるまでの心理を巧みに表現しています。

【わ行】

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリー
【著書名】 悪いうさぎ
【著者名】 若竹七海
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2001年10月15日
【金 額】 1810円+税
【カバー文】家出中の女子高生ミチルを連れ戻す仕事を引き受けた私は、彼女の周
      辺に姿を消した少女が複数いるのを知る。少女たちは一体どこに消え
      たのか? 女探偵「葉村晶」シリーズの長篇。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書はシリーズ作で、前作「依頼人は死んだ」でも事件につい巻き込まれてしま
う主人公・葉村晶が、本書でも思わぬ形で事件にドンドン巻き込まれていきます。
そして前作では連作短編集だったのが、本書では長編となっており、じっくりと事
件について描かれていたため、より物語を楽しめました。文章の読みやすさは勿論
のこと、登場人物の悪意などが決して重くなっておらず、シャレも交えて描かれて
いるところは、前作同様にシリーズの魅力であると共に、最後まで楽しみながらミ
ステリーを堪能できました。

 

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