書評データベース(2002年度8月分)
■2002年8月に掲示板にて紹介された本■
マネーロンダリング 橘 玲 幻冬舎
テロリスト潜入 柊 治郎 廣済堂出版
マリモ 山崎マキコ PHP研究所
1ドル200円で日本経済の夜は明ける 藤巻健史 講談社
タイヤキのしっぽはマーケットにくれてやる 藤巻健史 日本経済新聞社
ミスティー・レイン 柴田よしき 角川書店
ご近所探偵TOMOE 戸梶圭太 幻冬舎文庫
ご近所探偵TOMOE --episode2-- 戸梶圭太 幻冬舎文庫
あなたの預金が消えていく! 宮尾 攻 小学館文庫
イーグル・シューター 水木 楊 NHK出版
デッド・ウォーター 永瀬隼介 文藝春秋
探偵くるみ嬢の事件簿 東 直己 光文社文庫
テリー伊藤の「日本警察」改造計画 テリー伊藤 講談社
世界のひびわれと魂の空白を 柳 美里 新潮社
「人を好きになってはいけない」といわれて 大沼安正 講談社
経済ニュースが2時間でわかる本 現代ビジネス研究班[編] KAWADE夢文庫
マダムだもの 小林聡美 幻冬舎
赤い雨 戸梶圭太 幻冬舎文庫
ネット詐欺の手口 山瀬和彦 データハウス
「経済なんて、カンケイない」と
言ってる人のお金の本 池坊雅史 主婦の友社
殺人ライセンス 今野 敏 メディアファクトリー
だれが「本」を殺すのか 延長戦 佐野眞一 プレジデント社
子盗り 海月ルイ 文藝春秋
転々 藤田宜永 双葉文庫
蚊トンボ白鬚の冒険 藤原伊織 講談社
謀略軌道 北上秋彦 角川書店
「国会議員」失格 大橋巨泉 講談社
爆笑問題の日本原論 世界激動編 爆笑問題 幻冬舎
空想科学読本4 柳田理科雄 メディアファクトリー
2006年の叛乱 水木 楊 幻冬舎
【あ行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】経済
【著書名】 1ドル200円で日本経済の夜は明ける
【著者名】 藤巻健史
【出版社】 講談社
【初 刊】 2002年1月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】だまされてはいけない! 景気は回復する。今回の長引く不況は高す
ぎる円が原因であり、景気=貨幣問題なのだ。マーケットで「伝説の
ディーラー」と呼ばれた男が、独自の市場分析と持論を展開する。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、元外資系投資銀行の支店長であり、連勝のトレーダーとして金融界で世
界的に知られている著者が、危機的な日本を救うために「日本経済楽観論」を大前
提に書いた提言書。その著者が提言する政策とは「子供達のためには構造改革、私
達のためにはインフレ政策」というものである。これは、インフレ政策により、企
業業績の悪化、リストラ問題、個人消費低迷、不良債権問題、財政赤字問題、年金
問題といった「日本のピンチ」すべてを解決することが可能になるという。そして、
インフレを起こすためには、円安という為替政策を発動して、インフレを誘導する
ことが望ましいとも述べています。確かに納得させられる部分は多い反面、急激な
円安が進めば様々な問題も浮上しますし、またインフレが進むことによっての問題
点もあるだけに、日本経済にとって絶対的な経済対策とはいえないだろうが、個人
的には著者の1ドル200円の経済対策は目からウロコが落ちる内容でもありまし
た。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】経済
【著書名】 あなたの預金が消えていく!
【著者名】 宮尾 攻
【出版社】 小学館文庫
【初 刊】 2001年12月1日
【金 額】 476円+税
【カバー文】「骨太改革」も空しく、低迷する日本経済。だが小泉改革には奥の手
があった! 預金を封鎖し、新円切り替え・一律カット・徴収を断行
し、損失補填に当てる「預金封鎖・カット」だ。昭和21年、敗戦直
後の日本で実際行われた政策がいま極秘検討されている!? 気鋭のジ
ャーナリストが最悪の事態を徹底分析し、鮮明に描き出す、日本経済
震撼のシミュレーション。実際に「預金封鎖・カット」が行われたと
き、国民はどれほどの「痛み」を負わなくてはならないのか? 他に
道はないのか? 「国民の貯金は借金の公的返済に使わせていただき
ます」これは絵空事ではない。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
サブタイトルに「預金封鎖・カットのシナリオ」とも書かれていますが、本書は
近未来のシュミレーションとしての預金封鎖について書かれているもので、国の借
金と不良債権に国民の資産が当てられる最悪のシナリオが書かれています。すでに
預金封鎖については浅井隆を始めとして多くの人が著書を出しており、幾つか読ん
できていただけに、本書で書かれる預金封鎖のシナリオについても絶対ありえない
こととも思えませんが、初めて預金封鎖について書かれている内容を読む人にとっ
ては衝撃的な内容でしょう。ただ、本書で気になったのは、預金封鎖のシュミレー
ションは書かれているものの、それでは事前対策としてどういったことがあるのか
?などの対策が全く書かれておらず、この点に不満は残りました。
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 イーグル・シューター
【著者名】 水木 楊
【出版社】 NHK出版
【初 刊】 2002年4月25日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】アメリカのITバブルを砕いたのは誰だ? 米諜報機関と日本人グル
ープとの死闘。驕れる鷲を撃ち落とせ! 逆転に次ぐ逆転のサイバー
テロ・サスペンス。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は、アメリカの諜報機関と日本人グループによるサイバーテロの攻防戦が描
かれるサスペンス。読み始めは、マーケットの動きなども詳しく描写され、非常に
面白く読み始めることができましたが、サイバーテロの攻防は読み進むにつれて中
弛みを感じましたし、ラストも想像していたよりも呆気ない幕切れだっただけに、
読後は物足りなさもありました。できれば最初の緊張感が持続していれば、かなり
面白い作品だっただけに、それが少々残念ではありました。
<本紹介>
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【ジャンル】ホラー
【著書名】 赤い雨
【著者名】 戸梶圭太
【出版社】 幻冬舎文庫
【初 刊】 2001年10月25日
【金 額】 648円+税
【カバー文】赤い雨が降った日を境に、いじめ、やくざ、詐欺商法などに泣き寝入
りしていた市井の人による「私刑」ともいえる残虐な暴力事件が激増。
私刑はエスカレート、遂に未成年犯罪者がテレビカメラの前で無惨に
処刑され、日本中が狂喜する。穏やかな生活を望む主婦、志穂は、嬉
々として私刑に参加する夫に怯え逃亡を謀るが―。大興奮のパニック
ホラー。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
赤い雨に濡れた人々が、今までのウップンを一気に晴らすかのように暴力で物事
を解決するようになり、未成年であろうと殺人を犯した者に対しては極刑を誰もが
望み、警察も見てみぬふりをするどころか加勢する。いじめ問題もいじめた側が周
りから徹底的に攻撃されるに。穏やかな生活を望む志穂だったが、夫のあまりの変
わりように逃亡を謀るが、自分の味方が誰もいない中、家を出るのだが……。
突然世の中が赤い雨をきっかけに大きく変化し、処刑公開に日本中が狂喜してい
く展開には驚きと共にホラーらしい恐怖感も感じましたが、テンポの良さもあって
一気に読み進んだものの、最後がやや迫力不足を感じたのはマイナス点でもありま
した。しかしながら、展開には見事に引きこまれましたし、物語はゾクゾクする面
白さがあり、楽しめた作品でした。
【か行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ミステリー
【著書名】 ご近所探偵TOMOE
【著者名】 戸梶圭太
【出版社】 幻冬舎文庫
【初 刊】 2001年12月25日
【金 額】 495円+税
【カバー文】売れない女優のともえと売れないイラストレーターの勝雄はラブラブ
の新婚カップル。埼玉のニュータウン・ひよどりが丘の一軒家に住ん
でいる。小柄で気弱な勝雄と対照的にセクシーで大胆なともえは、あ
る日、持ち前の好奇心から、近所のスーパーを舞台にした麻薬取り引
きに巻き込まれてしまう…。ちょっとエッチでコメディな脳天気ミス
テリ。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
カバー文で内容を巧く現していますが、物語は新婚カップルが思いがけず近所の
スーパーでの麻薬取引に関わってしまうミステリー。ミステリーではあるものの、
ドタバタコメディ的な要素が強く、更に戸梶圭太らしい表現が随所に見られます。
共に売れない女優とイラストレーターの主人公夫婦は個性的で、その夫婦生活ぶり
もハチャメチャな新婚ではありますが、気軽に読めてそれなりに面白い作品でした。
<本紹介>
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【ジャンル】ミステリー
【著書名】 ご近所探偵TOMOE --episode2--
【著者名】 戸梶圭太
【出版社】 幻冬舎文庫
【初 刊】 2002年2月25日
【金 額】 495円+税
【カバー文】ひよどりが丘の一軒家に住むともえと勝雄はラブラブの新婚。ある日、
二人の「セックス写真」が近所の豪邸・阿久仏家の庭に迷いこんでし
まった。さっそく潜入を謀るが、「パズラー」と称する阿久仏氏の様
子がどうもおかしい。ともえの愛犬が庭を掘ると、クロスワードパズ
ルが書かれた棺桶が出てきて…!? 過激で能天気な人々のドタバタミ
ステリ!
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
こちらはシリーズの第2作ですが、近所の家とのドタバタの関わり合いをミステ
リーとした作品。相変わらずの主人公夫婦ですが、それもまた個性的でシリーズと
してもそれなりの魅力は感じます。ただ戸梶作品としては正直物足りなさも感じる
ものの、引き続きこのシリーズで主人公夫婦がどんなドタバタに巻き込まれるのか
は読んでいきたいです。
<本紹介>
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【ジャンル】経済
【著書名】 経済ニュースが2時間でわかる本
【著者名】 現代ビジネス研究班[編]
【出版社】 KAWADE夢文庫
【初 刊】 2002年3月1日
【金 額】 476円+税
【カバー文】銀行はなぜ合併しちゃうの? よく言われる「不良債権」って結局、
何なの? 失業率はまだ上がり続けるって?……世の中の動きが基礎
からわかる“経済入門”の決定本!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
文庫本で、タイトルの通り2時間程度で気軽に経済の基礎が分かる内容です。経
済入門としては分かりやすく書かれており、経済の流れもどのようになっているの
かがイラスト入りで優しく説明されているだけに、経済入門書としては最適だとも
思います。銀行の貸し渋りはどうしておこるのか、デフレはどうして悪いのか、円
高・円安が暮らしに及ぼす影響など、身の回りの生活に関わることが多く書かれて
いるだけに、経済についてちょっと知識を覚えようという人には最適な1冊でしょ
う。
<本紹介>
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【ジャンル】経済
【著書名】 「経済なんて、カンケイない」と言ってる人のお金の本
【著者名】 池坊雅史
【出版社】 主婦の友社
【初 刊】 2002年5月10日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】いまさら人に聞けない。「簡単」と書いてある本を読んでもよくわか
らない。わたしは経済オンチなのだろうか……? でも、気にはなる。
そんなあなたにピッタリの、ホントに簡単な経済用語解説書。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
フリーターと短大生、ブランド好きな独身OLとお好み焼き屋のおばちゃん。ま
ったくバラバラのメンバーを相手に経済の勉強会を開いたらどうなるかという設定
で、とにかくわかりやすく、経済のしくみと投資のしくみを説明しています。第1
章を「経済のセンス」、第2章を「投資のセンス」としており、本書では、細々し
た知識や専門用語の解説をなるべく避け、経済や投資に関する大まかな考え方を身
につけられるよう、概要の説明に注力しています。また、たくさん掲載されている
図表は、細かな外部要因を横におき、単純化された数字だけで構成し、そのため、
たとえばインフレが続いたとき貯金はどうなるか、その逆でデフレの場合は、など
という大まかなお金の動きが理解できます。経済という言葉だけで難しく捉える人
は多いですが、本書で書かれている経済・投資のセンスは読んでおいて損のないも
のばかり。それで非常に生活に密着した紹介の仕方で、分かりやすく、更に経済の
動きが図・表・イラストと細かく分けているため、とても読みやすく、経済とはい
かに我々の生活に密着しているものなのかが簡単に説明されているのは経済に疎い
読み手にとってもありがたい1冊でしょう。
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 子盗り
【著者名】 海月ルイ
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2002年5月30日
【金 額】 1476円+税
【カバー文】子供に恵まれず追いつめられた夫婦が産院に忍び込み新生児を奪って
逃げた。望んでも産めない女、子供を奪われた女、母親に執着する女、
3人の女達の情念が交錯する―。サントリーミステリー大賞・読者賞
ダブル受賞作。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書はカバー文にもあるように、望んでも産めない女、子供を奪われた女、母親
に執着する女と、3人の女達の情念が交錯するサスペンスで、今年のサントリーミ
ステリー大賞受賞作。子供を巡って、それぞれの立場の女性心理は細かく描けてい
て、それぞれの思惑から起きる事件を舞台に面白く描かれていました。女性の人物
像と背景は良く描かれていましたし、女性らしい視点での物語だと思いますが、少
々ラストが呆気なさ過ぎたのと、中盤から後半にかけての緊迫感がラスト間際では
あまり感じられなかったのが残念ではありますが、読みごたえあるサスペンスでは
ありました。
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 蚊トンボ白鬚の冒険
【著者名】 藤原伊織
【出版社】 講談社
【初 刊】 2002年4月20日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】奇妙な能力を持った蚊トンボ「白髭」が頭に侵入してきてから、若い
水道職人・達夫の日常は一変した。裏社会の経済戦争に巻きこまれ、
恋人もさらわれた彼は…。心に闇を抱え、傷ついた者たちの凄絶な戦
いを描く。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
ランナーの道を断念して以来の全力疾走をした日、若い水道職人・達夫は、羽音
とふしぎな声を聞いた。それは奇妙な能力を持った蚊トンボ白鬚(シラヒゲ)が頭
に侵入してきたからだった。達夫はシラヒゲの力で、オヤジ狩りに遭っていたアパ
ートの隣人・黒木を救うが、黒木は、株取引で巨額の損失を暴力団に与え、血眼で
行方を追われる身だった。彼らは、黒木の居場所を達夫に吐かせるため、恋人・真
紀をターゲットにしたが、凶悪な気を放つ赤目の男の介入に、達夫は闇社会に真っ
向から挑む道を選んだ……。
物語は、マネーゲームの側面を垣間見れ、それなりの中間まではそれなりの面白
さで読むことができました。ただ、後半は主人公への復讐を暴力でのみ果たそうと
し、主人公の行動の理由付けが弱く、ラストも中途半端。折角それまでは面白い展
開で進んでいただけに、後半部分が何とも残念でした。
<本紹介>
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【ジャンル】手記
【著書名】 「国会議員」失格
【著者名】 大橋巨泉
【出版社】 講談社
【初 刊】 2002年4月25日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】2001年の参院選で民主党から出馬し当選を果たした著者は、半年
で国会議員を辞職。その間に何があったのか?
出馬から、同時多発テ
ロ、委員会質疑、政治家評、辞職までを語る。永田町の常識に異を唱
える怒りの告発。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
本書は、大橋巨泉が、なぜ民主党という特定政党に所属し、そしてわずか半年で
辞職したのか興味を引かれ読みましたが、読み進めると厳しい党議拘束で形だけの
結束を保ったり、執行部批判を許さない党大会など、著者が失望した民主党の内情
が細部にわたってよく描かれていて、それなりの面白さはありました。しかし、民
主党幹事長・菅直人氏の再三の電話攻勢により、民主党の実情も理解せずに出馬し
た読みの甘さと、著者に投票した41万の有権者に背を向けたことへの反省は殆ど
なく、著者は「議員を辞めて良かった」と批判を締めくくっているが、これではあ
まりにも一方的。告発を書くならば、自らの反省をまず書くべきでしょう。
<本紹介>
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【ジャンル】科学
【著書名】 空想科学読本4
【著者名】 柳田理科雄
【出版社】 メディアファクトリー
【初 刊】 2002年4月10日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】空想科学の世界で広く知られた伝説的エピソードをテーマに、その真
実と実現の可能性を徹底的に解明していきます。毎回大人気の特撮物
のネタも満載!
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
このシリーズの前作までに比べると、地味なテーマについての探求が多く、木枯
らし紋次郎の「弥七の赤い風車」など結構マニアックネタが多かったです。気にな
ったのは、前作までのテーマとかぶる内容や結果が目立ち、少々的外れなネタまで
取り上げていて、前作までと比べるとパワーダウンしたように思いました。
【さ行】
<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 世界のひびわれと魂の空白を
【著者名】 柳 美里
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2001年9月25日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】大江健三郎、福田和也との苛烈な論争から、幻の五輪候補ランナーだ
った祖父の軌跡を追う韓国紀行まで。小説家の熱情に溢れたハード・
エッセイ集。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
本書は、前半は著者の祖父の軌跡を辿るドキュメント番組の撮影などからの出会
いや出来事、訪韓の出来事などのエッセイ。そして後半は彼女の作品の評論に対し
ての解答と裁判の経緯と新聞社、ジャーナリスト、作家の見解に対する彼女の見解
が中心に書かれています。彼女の攻撃的な意見が満載で、「ペンで戦う」姿勢は感
じました。ただ、納得する説明がなされているものの、個人的には納得いかない解
釈もあったりと、文章での戦いの難しさも感じましたし、表現の自由をどう解釈す
るか、改めて考えさせられました。
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 殺人ライセンス
【著者名】 今野 敏
【出版社】 メディアファクトリー
【初 刊】 2002年5月25日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】四十五歳でリストラにあった。突然のことで驚いたが、これからは自
分のために生きてみようと思ったんだ…。新登場、リストラ探偵。オ
ンライン書店「イーエスブックス」で連載された「不定期な動機」に
加筆修正を加えた。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
高校2年生のキュウはクラスでもパソコン関係では一目置かれる存在で、家でも
部屋を出るのは夕食の時ぐらいで、その他はネットサーフィンをしたりとパソコン
を使っている。そのキュウが、ある日ネットサーフィン中偶然に「殺人ライセンス」
というオンラインゲームサイトを見つけた。「殺人依頼書」というフォーマットに
は、殺して欲しい人物名や名前などの項目があり、その下には「殺人請け負い」と
いうフォーマットもあった。好奇心からゲームに参加したキュウだったが、関門が
多すぎてゲームオーバーとなってしまう。しかしその後、この「殺人ライセンス」
で依頼が出ていた人物が殺害される事件が発生した。そのキュウのクラスメートの
麻理の父親の相沢優一は45歳でリストラされることになった。ハローワークの通
う日々が続いたが、海外ミステリ好きもあって、民間の探偵学校に通い、探偵とな
ることを決意する。家族の反対の中、ホームページ作成がきっかけとなり、キュウ
を娘に紹介してもらい、共に「殺人ライセンス」の真相を追うことに……。
物語は、ネット上の「殺人ライセンス」での殺人依頼が実際に連続して起きる殺
人事件を描いたミステリーではありますが、展開の中で、リストラによる家庭不和
と再生、そしてキュウの成長と、ミステリ以外の部分でも登場人物達が成長してい
く過程が描かれ、読みごたえのある作品となっていました。特にクラスでも目立た
ない存在のキュウが、事件や相沢と関わることで、実に現実的に成長していく姿は、
著者のかつての『慎治』を思い出しました。殺人の真相がもう少し細かなトリック
などが活かされればミステリとして更に面白くなったと思えるだけに、この点が少
々物足りなかったですが、全体を通しての展開は非常に面白かったです。
【た行】
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 テロリスト潜入
【著者名】 柊 治郎
【出版社】 廣済堂出版
【初 刊】 2002年3月25日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】日本に対する第2次テロを予告する恐怖のビデオが押収された。国内
に潜入したテロリストのアジトと標的を追って、極秘にして決死の捜
査が続けられる。テロリストたちが放つ恐るべき仕掛けと驚愕の手口
とは!?
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
物語は、国際テロ組織と警視庁公安部外事特別捜査隊が繰り広げる死闘を描いた
サスペンス。テロリストが日本国に潜入し、テロ計画実行に向けた動きをし、一方
捜査をする捜査隊との闘いが描かれます。読み始める前は、かなり迫力あるパニッ
ク小説だろうと思っていましたが、物語でのパニック部分は非常に少なく、テロリ
ストの計画と背後関係よりも主人公の背景に重点が置かれていたのは、やや物足り
なさを感じましたし、テロの恐怖は作品からはそれほど感じられませんでした。ま
た、ラストも呆気なさを感じましたし、それなりの面白さはありましたが、もう少
し視点を変えた展開を描いてほしかったです。
<本紹介>
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【ジャンル】経済
【著書名】 タイヤキのしっぽはマーケットにくれてやる
【著者名】 藤巻健史
【出版社】 日本経済新聞社
【初 刊】 2001年9月3日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】「東京市場にフジマキあり」と、世界に名を轟かせたカリスマディー
ラーが、「冷や汗と涙」の日々を振返る爆笑金融エッセイ。「もっと
もオジン臭いオヤジにしてもっともアメリカで認められた人」のビジ
ネスライフとは?
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は幾つかポイントが分けられており、三井信託銀行に11年、モルガン銀行
に15年勤務した著者の経験を通じての邦銀と外銀の違い。世界を代表するマネー
メーカーたちの横顔と投資哲学と戦略を知ることができること。ディーラーという
仕事の厳しさとやりがいについて。トップトレーダーとして活躍してきた著者の相
場のとらえ方や投資戦略を、刺激的な過去の事例とともに紹介されていること。著
者から一般投資家に向けてのポイントが具体的かつ実践的に示されていること。そ
してユーモラスなエッセーを楽しめること。また、著者のディーラーとしてのプラ
イドが随所に見受けられ、その自信を裏づける確固たる論理が併せて紹介されてい
るのは読んでいても面白く、経済の世界の一端を垣間見ることができます。
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 デッド・ウォーター
【著者名】 永瀬隼介
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2002年3月15日
【金 額】 2000円+税
【カバー文】拘置所の厚い壁の中で、死刑にも些の恐怖も感じぬ殺人鬼に復讐は可
能なのか!?
希代の殺人鬼と事件ライターを繋ぐ、血塗られた絆とは、
神の采配か悪魔の悪戯か…。取材に裏打ちされた迫真の描写で描くサ
スペンス。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
18歳の時に5人の女性を強姦し殺した連続殺人鬼の穂積。一審、二審共に死刑
判決を受け、死刑を免れる可能性もゼロの穂積だが、死刑を全く恐れていなかった。
その穂積の事件を追うフリーライターの加瀬は、事件の真相を追うと共に穂積の強
烈に個性に引きこまれていく。そんな取材の中、穂積の隣の独房に入る村越が自殺
した。穂積によって洗脳させられた村越の自殺だったが、穂積は刑務官をも自分の
手のうちに入れていた。やがて事件の真相として、加瀬は最初にレイプされた相手
が自分の妻だと知り、穂積に対しての怒りを覚え、自殺した村越の息子でプロボク
サーの亮輔と共に、穂積の精神を破壊するべく行動を開始した。事件の真相にはキ
ャリア警察官も関わり、そのキャリア警察官と繋がりのあるヤクザ、そのヤクザに
かつての友を殺された亮輔と、復讐劇がいよいよ始まった……。
物語は「至高」の悟りを得た殺人鬼・穂積と、事件を取材する中で深く関わりを
持つ加瀬、そして穂積の洗脳によって自殺した村越の息子のプロボクサーの亮輔、
死をも恐れない穂積に引かれ協力する刑務官…など、実に個性的な登場人物で、物
語も迫力と緊迫感ある作品でした。作品的には少し「13階段」に似ていたところ
もありましたが、スリリングな迫力、最後の闘い場面など、緊張感の中でのサスペ
ンスの醍醐味を感じました。ラストで穂積のその後が描かれていなかったのはやや
残念ではありましたが、殺人鬼・穂積とフリーライター加瀬の闘いは実に面白く、
お勧めのサスペンスです。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】連作ミステリー
【著書名】 探偵くるみ嬢の事件簿
【著者名】 東 直己
【出版社】 光文社文庫
【初 刊】 2002年6月20日
【金 額】 495円+税
【カバー文】暴力団の幹部が刺殺された! 唯一の目撃証言が街中に与えたショッ
クとは!? 北海道来内別市は、原始林の中に突如出現したピンク街。
安心して遊べる街だが事件も起きる。そんなとき警察が頼る名探偵が、
人気風俗嬢・岸本くるみだ。明晰な頭脳と魅力的な身体で、今日も彼
女が謎を解く! 大真面目でユーモラス。爽やかな読後感保証つきの
連作推理。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は北海道の架空の街・来内別市を舞台とした連作ミステリー。来内別市はか
つて炭坑で栄えたものの閉山で寂れ、日本一小さな市なった。そこで市長は風俗産
業で街を復興させようと実現した。そして主人公の岸本くるみは、その来内別市の
「家族風呂ガルボ」に勤める風俗嬢で、巧みな推理で次々と難事件を解決していく
が、職業が職業だけに、事件簿も風俗にまつわる事件が多く、今までにない面白さ
がありました。短編ならではのテンポの良さ、脇役の刑事コンビのユーモラスなや
りとり、くるみの華麗な推理と連作それぞれに個性的で面白かったです。東直己の
作品としては軽いタッチのミステリーで、異色の作品ではありますが、北海道を舞
台として、自然や環境を作品に活かし、東直己の別の面白さも感じられました。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】対談
【著書名】 テリー伊藤の「日本警察」改造計画
【著者名】 テリー伊藤
【出版社】 講談社
【初 刊】 2002年4月24日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】映画もプロ野球観戦も全部タダ、お巡りさんの特権から営業マン顔負
けのノルマ制度の実態、隠された恥ずかしい事件まで全公開。不祥事
は起きるべくして起きる! テリー伊藤がお巡りさんを丸裸にする。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は、不祥事のつづく神奈川県警の元警官の木崎氏にテリー伊藤がインタビュ
ーしたもの。木崎氏自身、かつての同僚であった婦人警官をヌード写真で恐喝した
事件で逮捕されており、当初は暴露本かとも思いましたが、テリー伊藤の突っ込み
に恥じる部分などもあったりと、知られざる事件も公開されており、語られる警察
の腐敗した内情には、ただ呆れるばかりです。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】講演・対談など
【著書名】 だれが「本」を殺すのか 延長戦
【著者名】 佐野眞一
【出版社】 プレジデント社
【初 刊】 2002年5月3日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】「本コロ」刊行後、「本」の世界に何を見たか!? 前作「だれが「本」
を殺すのか」出版後の「反響」と、それに対して著者がどのように斬
り結んでいったのかを、著者の講演・インタビュー・対談、各書評等
を通して伝える。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は、前作「本コロ」出版後の反響を受けて、出版の上流である出版社から下
流の読者まで幅広い対象に講演や対談したのを収めたもの。日本出版学会や図書館
の学校、日本書店大学、日本図書設計家協会などと講演の場所と内容共に幅広く取
り上げています。その講演の内容はコンパクトにまとまっていて特に前作を読んで
いない人には読みやすい内容になっていますが、講演内容は前作の内容が中心なだ
けに、少々物足りなさは感じました。前作後の出版界での動きなどを次回作では取
り上げてほしいとは思います。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 転々
【著者名】 藤田宜永
【出版社】 双葉文庫
【初 刊】 2002年6月20日
【金 額】 657円+税
【カバー文】サラ金に追われる大学生に、取り立て屋は奇妙な提案をする。「百万
やるから、俺と東京の街を散歩しろ」
井の頭公園から霞ケ関まで、
東京を転々と歩く二人に降り掛かる様々な事件と人との出会い……。
直木賞作家が新境地に挑んだ「ロード・ノベル」の大傑作!
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
家族のいない大学生の竹村文哉は、サラ金の借金の取り立て屋から追われる生活
をしていたが、住んでいるアパートに来た取立て屋の福原に半ば脅迫され、東京散
歩に付き合ったら百万円やるという報酬に釣られて同行を始めた。文哉の借金の原
因になったともいえるストリッパー美鈴との恋、そして妻を殺害したという福原。
都内を歩き転々とする中で、文哉と福原は様々な出来事に遭遇していくが、やがて
東京散歩にも終わりが近づく……。
最近の藤田宜永としては異色の作品ですが、どことなくかつてのハードボイルド
作品を思い出させるような作品で、最近の作品よりもとても面白い作品でした。東
京都内を歩く福原の目的、そして文哉と美鈴との恋、そして偶然の文哉と産みの母
親との再会……と、幾つもの展開が織り込まれています。読みながらも頭の中では、
ドラマとしての展開も想像できて、空想としての楽しみもありましたし、文哉の過
去と現在に至る成長、そして福原の本当の正体など、ラストまで一気に読み進めて
楽しめた作品でした。
【な行】
<本紹介>
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【ジャンル】インターネット
【著書名】 ネット詐欺の手口 --現在犯罪の実情--
【著者名】 山瀬和彦
【出版社】 データハウス
【初 刊】 2002年5月20日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】ネット詐欺事件簿、詐欺師が使う手口公開、こんなにあるネット詐欺、
詐欺に関わる法律、詐欺にあわないための心得など、インターネット
の普及に比例して増えているネット詐欺から自分の身を守る方法を解
説する。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
インターネットの普及と共にネット詐欺などのネット犯罪も多くなってきていま
すが、本書はそうしたネット詐欺の事件簿、ネット犯罪者へのインタビューなど、
ネット利用者としても他人事ではないだけに、ネット詐欺について興味深い内容で
もあります。内容的には法律は勿論のこと、オンラインでの相談先なども明記され
ているため、役立つ情報も多いですが、1ページ3段で区切っているため、とても
読みにくく、また活字ばかりで、イラストなどを入れた方が読みやすさも増すだけ
に、構成的には欠点も目に付きました。
<本紹介>
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【ジャンル】近未来短編小説集
【著書名】 2006年の叛乱
【著者名】 水木 楊
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 1997年1月20日
【金 額】 1359円+税
【カバー文】リストラされる団塊の世代、定年目前に退職金カット、それはない…
…。社の実務を握る彼らは、ついに経営首脳たちに叛旗を翻し、ある
計画を立てる。表題作ほか、未来日本の姿から現実を照射する5篇を
収録。
【満足度】 ★★☆
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本書は、6つの作品が収録された短編集で、いずれも近未来の日本経済を描いた
作品集。表題作と最初に収録されている「エトロフの花」はゾッとする近未来が描
かれていて面白かったですが、全体的にSF的な部分が多く、水木楊の作品では近
未来は描かれる作品が多いものの、今までの作品よりは経済の部分の描写がやや少
なかったようには思いました。近未来が物語で描かれるような世界にならないこと
を願うばかりです。
【は行】
<本紹介>
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【ジャンル】自叙伝
【著書名】 「人を好きになってはいけない」といわれて
【著者名】 大沼安正
【出版社】 講談社
【初 刊】 2002年4月15日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】新興宗教・統一教会信者の両親との闘い、家出、小学校中退、引きこ
もり、新宿2丁目、大検合格…。驚くべき10代の日々。心の自由を
求めて信念を貫いた、18歳の自叙伝。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
統一教会信者の両親のもとに生まれた著者は、小学校高学年時より両親の信仰に
違和感を覚えはじめ、「両親が教会をやめたら学校に行く」と主張して登校を拒否。
中学校入学と同時に事実上のひとり暮らしを始めるが、入学式当日と翌日登校した
だけで引きこもり、外界との接点はパソコンのみという3年間を送る。就労可能な
年齢に達し、地元のコンビニでアルバイトを始めるもしばらくしてクビになり、児
童相談所に通い出す。16歳で上京、様々な仕事をするが、その仕事も自らの身体
を男性に売るため新宿2丁目に通う。17歳で大検を受験しほどなく合格。同時に
自叙伝を書き始め、本書がその自叙伝。
タイトルが気になり、図書館から借りた本ですが、その中身はとにかく衝撃的な
告白でもありました。統一教会である両親の信仰に対する不信から家族と闘い、家
出を繰り返し、引きこもり生活に。児童相談所にも通い、やがて上京するものの、
新宿2丁目で身体を売るという驚きの告白……と、自分の境遇を正直に書いていま
す。やや後半部分が急いでいた書き方となっていたのが多少気になったことでもあ
り、前半部分の細かな実体験同様に後半も書いてほしかったとは思いますが、家族
の在り方を改めて考えさせられる自叙伝です。その後著者と両親とはどうなったの
か? その関係は修復したのかなど読後も気になるところはありますが、少年の心
の叫びが文章から見事に伝わる感動の自叙伝でもありました。
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 謀略軌道 --新幹線最終指令--
【著者名】 北上秋彦
【出版社】 角川書店
【初 刊】 平成10年12月25日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】東北新幹線「やまびこ」爆破予告テロ発生。爆薬は時速100km以
下に減速すると作動するという。停車駅を通過し終点まで走り続けな
ければならない「やまびこ」4号。事件の裏には複数の思惑が交錯し
ていた。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
盛岡発「やまびこ」4号に爆弾を仕掛けたという脅迫電話がJR東日本新幹線総
合指令所に入った。その爆弾は時速100km以下に減速すると作動するといい、
犯人からの身代金要求額は1億ドル。そして「やまびこ」4号は停車駅を通過し終
点の東京に向って走り続けるが、人為的な走行妨害も発生した。政府の危機管理対
策の遅さに、JR東日本新幹線運行本部総合指令長は、身代金準備と捜査の時間を
稼ぐため、鉄道史上前例のない大胆な計画を試みる……。
物語は、スピード感と緊迫感の続くサスペンス。犯人の狙い、「やまびこ」4号
を止めようとする者、事件の裏に隠された謀略計画……と凝った目論みも描かれ、
最後まで目が離せない展開が続き、かつての映画「新幹線大爆破」を思い起こしま
した。新幹線内のパニック状況をもう少し細かく描いたら、更に面白かっただろう
とは思いましたが、全体を通しても楽しめた作品です。
<本紹介>
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【ジャンル】時事
【著書名】 爆笑問題の日本原論 世界激動編
【著者名】 爆笑問題
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2002年5月10日
【金 額】 1000円+税
【カバー文】JCO臨界事故、新潟監禁事件、バスジャック事件、雪印食中毒事件、
大阪児童殺傷事件、米同時多発テロ、狂牛病……あらゆる時事問題を
ネタにする爆笑問題が新世紀ニッポンを振り返る。日本原論第3弾。
【満足度】 ★★★
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日本原論シリーズの最新作ですが、タイトルでもわかるように世界的な事件を中
心に爆笑問題が時事ネタとして書いています。この本に収められた悲惨な事件の数
々はまだ記憶に生々しく残るところであり、これで笑いを取ることに抵抗を覚える
人もいるでしょうが、話芸として読ませるネタにはなっています。ただ、政治関係
の話題など鮮度には欠けていた部分が多かったのはややマイナスでしょうか。
【ま行】
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 マネーロンダリング
【著者名】 橘 玲
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2002年5月10日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】香港在住のファンドマネジャー工藤秋生は、脱税を目的としたもぐり
のコンサルタント業をしていた。ある日、彼に5億の脱税指南を依頼
した若林麗子が消えた。5億ではなく、50億の金とともに…。
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
工藤秋生は、34歳で香港在住のファイナンシャル・アドバイザー。都市銀行、
ニューヨークの投資銀行、ヘッジファンド運用会社を経て、現在は香港で日本人を
相手にオフショア関連のアドバイザーをやっている。その工藤のもとに日本から若
林麗子と名乗る美女が現れる。日本での複雑な事情も知らぬまま、工藤はその美人
に香港でオフショア会社、オフショア銀行、私書箱サービスを利用したスキームを
提案。しかし、その数か月後、日本から黒木という男が工藤のもとにやってきたと
き、工藤は自分がとんでもない深みにはまっていくことを知る。麗子は黒木が関係
する50億円を日本から送金し、そのまま行方をくらましているという。黒木はオ
フショア事情に精通している工藤に助けを求めたのだった。その後、工藤は日本に
飛び、話の全容を知ることになる。50億円の在りかを求めて再び香港に戻り、さ
らに日本に戻る工藤。話はいよいよ複雑に絡んだ結末へと向かう。麗子が絡んだ5
0億円の行方は?
物語は、タックスへイブンである香港を舞台に、金と欲がうごめく闇世界が描か
れる物語。本書の内容はあくまでフィクションであるが、端々に出てくる情景や設
定、金融実務の話はリアルな現実であり、香港での金融実務の現実を知ることがで
きる、貴重な内容といえます。主人公の工藤が引き受けた依頼と、その依頼の裏側
で起きた事件、そして巨額の50億円の行方、50億円を巡っての殺人事件……と、
読ませる展開が次々に待ち受けており、決して経済小説とサスペンスを見事にミッ
クスさせた作品です。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 マリモ
【著者名】 山崎マキコ
【出版社】 PHP研究所
【初 刊】 2002年4月30日
【金 額】 1350円+税
【カバー文】大山田マリモ、25歳OL。アルコール依存症。生きることに不器用
なマリモが人生と自分の価値に気づくまでの魂の物語。書籍情報サイ
ト「BOOK-CHASE.COM」連載の小説「アル中OL物語」に加筆し、改題
したもの。
【満足度】 ★★★★
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中堅食品会社に勤める25歳の独身OL・大山田マリモ。彼女はこの一年余り、
酒浸りの日々を送っていた。元凶は、彼女担当の新商品『納豆伝説』。それは無能
な上司によって捻じ曲げられた、彼女の初めての企画だった。発売後、案の定寄せ
られた苦情の嵐。打ちひしがれ、今日も飲み潰れて眠りについた彼女は、真夜中に
目を覚まし、『死には、人間的な死と、そうでない死が存在するのですよ』という
声を聞く。それは懐かしい「先生」の声だった……。心の傷を覆う術も知らず、生
きることに不器用な主人公が、不条理な世の中に傷つきながらも、人生と自分の価
値に気づくまでを描いた笑いと涙の物語。
本書はネット小説が単行本化したものですが、不器用な主人公の成長が描かれる
作品で、爆笑したりハラハラしたりと、楽しく読むことができました。物語の中で
の先生の最後の言葉は心に残る言葉でもあり、色々な要素が巧く組み合わされてい
る物語です。
<本紹介>
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【ジャンル】連作ミステリー
【著書名】 ミスティー・レイン
【著者名】 柴田よしき
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2002年3月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】恋愛に破れて職も失った茉莉緒は、ある日モデル出身の俳優・海と出
会う。ひょんなことから海の所属する芸能事務所に就職した茉莉緒だ
ったが、周囲で殺人事件が発生。茉莉緒は海を守るため見えない敵と
戦う決意をした。
【満足度】 ★★★☆
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主人公は不倫の末仕事を辞めた茉莉緒。その茉莉緒が、偶然モデル出身の俳優の
海と出会い、仕事を探している時にエキストラに応募し、そこで海と再会した。そ
のことがきっかけとなり、海の所属する芸能事務所に就職することになり、生き甲
斐を感じるようになった茉莉緒だが、その最中に殺人事件が起きた……。
物語は殺人事件のミステリーというよりも、ほろ苦く切ない恋の物語。仕事に恋
を持ちこまないと決めた茉莉緒だったが、海への恋、そして仕事での別れ……が切
なく悲しい結末へと向わせる。柴田よしきとしては珍しい恋愛ミステリーですが、
茉莉緒と海の恋の行方、そして関わることになった殺人事件と、展開に引きこまれ
ていく物語でした。
<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 マダムだもの
【著者名】 小林聡美
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2002年3月10日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】オットのドタキャンでひとり出かけた結婚記念旅行、夫婦で長生きの
ため地味な食事、生ごみ処理機からの異臭問題…。マダムと自称し早
6年。誰にも呼ばれず早6年。相変わらずつつましくも笑える、マダ
ムな日常を描く。
【満足度】 ★☆
End------------------------------------------------
小林聡美のエッセイは幾つか読んできていますが、今回は気軽に読めたものの、
内容的にはいま一つという印象でした。生ゴミ処理機からの異臭問題など、日常の
笑える話もあったものの、もう少し夫である三谷幸喜の話や会話を増やしてほしか
ったです。
【や行】
【ら行】
【わ行】
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