書評データベース(2002年度9月分)
■2002年9月に掲示板にて紹介された本■
龍時 01-02
野沢 尚 文藝春秋
競馬業界就職読本 流星社
厩舎稼業 小林常浩 アールズ出版
青の肖像 小松成美 文藝春秋
砦なき者 野沢 尚 講談社
初夜 林真理子 文藝春秋
本の虫 井狩春男 弘文堂
闇金融 宝島社
スローグッドバイ 石田衣良 集英社
邪恋 藤田宜永 毎日新聞社
円安+インフレ=夜明けor悪夢? 村上 龍 NHK出版
イン・ザ・プール 奥田英朗 文藝春秋
痩蛙 鳴海 章 角川書店
こんなにヘンだぞ!『空想科学読本』 山本 弘 太田出版
サイバラ茸 西原理恵子 講談社
相棒に気をつけろ 逢坂 剛 新潮社
燃えつきるまで 唯川 恵 幻冬舎
ネイバーズ・ホーム・サービス 前川麻子 集英社
操縦不能 内田幹樹 原書房
なるほど!日本経済早わかり 池上 彰 講談社
よのなか --人生の教科書-- 藤原和博/宮台真司 筑摩書房
永遠の復讐 松本賢吾 双葉社
私は、おっかなババア 室井 滋 文藝春秋
バカとの闘い 勝谷誠彦 新潮社
耳のこり ナンシー関 朝日新聞社
発火点 真保裕一 講談社
トキオ 東野圭吾 講談社
いいわけ劇場 群ようこ 講談社
【あ行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】スポーツノンフィクション
【著書名】 青の肖像
【著者名】 小松成美
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2002年4月30日
【金 額】 1238円+税
【カバー文】悩み、怒り、焦り、そして誇り……。日韓同時開催のW杯に向け、選
ばれし者たちが語る挫折と再生の物語。中田英寿、中村俊輔、川口能
活、森岡隆三ら中心選手の肉声で綴る4年間の軌跡。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
W杯ベスト16となったサッカー日本代表。その日本代表入りをかけた川口、中
村、盛岡、柳沢、中田英寿らの、主にフランス・サンドニでの大敗から、準優勝を
勝ち取ったコンフェデレーションカップ前後の期間について、彼らの内面に柔らか
く、ときに強烈にスポットライトを当てたのが本書。中田英寿への取材で注目され
た著者だけに、本書でも中田英寿について書いた物語が最も充実していましたし、
他の選手についても知られざる苦悩を読むことができ、スポーツノンフィクション
として興味深い内容でした。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】経済
【著書名】 円安+インフレ=夜明けor悪夢?
【著者名】 村上 龍
【出版社】 NHK出版
【初 刊】 2002年6月30日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】破綻寸前の日本にインフレという名の悪魔が闊歩する。進行する円安
は日本経済を復活させるのか、あるいは金利高騰で未曾有の不況をも
たらすのか。収載の座談会は、メールマガジンJMMの連載を加筆修
正して書籍化。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、村上龍がコーディネーターとなり、『キャピタル・フライト』の木村剛、
『1ドル200円で日本経済の夜は明ける』の藤巻健史、『お金がふえるシンプル
な考え方』の山崎元、日経アナリスト人気ランキング・ストラテジスト1位の北野
一、BNPパリバ証券チーフエコノミストの河野龍太郎らが今後の日本経済につい
て語り合った対談集。タイトルどおり円安とインフレが中心テーマとなっており、
さまざまな立場・経験から刺激的な議論が交わされている。特に興味深かったのは、
日銀出身の政策論者である木村剛とかつてモルガン銀行で日本一のディーラーとう
たわれた藤巻健史の対決で、一時的に円安・資産インフレを誘導し、構造改革を進
めるべきだと主張する藤巻氏と、あくまで現実的な政策論にこだわる木村氏との意
見は、それぞれバックグラウンドが違うこともあり、意見は異なるものの、議論の
過程でそれぞれの知見が持ち寄られており、今後の日本経済を読み解くうえで非常
に参考になリました。
<本紹介>
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【ジャンル】連作短編小説集
【著書名】 イン・ザ・プール
【著者名】 奥田英朗
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2002年5月15日
【金 額】 1238円+税
【カバー文】どっちが患者なのか? トンデモ精神科医伊良部の元を訪れた悩める
者たちはその稚気に驚き、呆れ……。水泳中毒、ケータイ中毒、ヘン
なビョーキの人々を描いた連作短篇集。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
伊良部総合病院の神経科医である伊良部は、色白のデブで脂ぎった顔。伊良部総
合病院の息子にして典型的なおぼっちゃん&気味の悪いマザコン。注射フェチで患
者にはまず注射。針が肌に刺さる瞬間に異常に関心が強く間近で興奮して鼻を膨ら
ますという変人。その伊良部の元へ来る、健康を害してまで几帳面に水泳をやめら
れない編集者、携帯メールができないと禁断症状まで出る高校生などなど、神経症
患者とこのトンデモ医者との4つの短編集。この伊良部医師ですが、実はすご腕と
いうことは全くなく、カウンセリングも一切なし、注射も看護婦にしかやらせず、
殆ど仕事らしい仕事ぶりもない調子。それどころか患者と一緒になって水泳にのめ
りこんで、しまいには真夜中の区民プールに不法侵入するわ、携帯にハマって患者
に一日百通もメールするわ。患者側がおいおいと止めたくなるほど。けれどこれで
ちゃんと、患者を快方に向かわせてしまう。そして、このトンデモ医師は、患者に
とっては時によき理解者でもあり、患者自身が変だということを肯定し、忘れさせ
てくれる存在でもあるわけで、このことが患者をリラックスさせており、物語をよ
り面白くしています。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】連作小説
【著書名】 相棒に気をつけろ
【著者名】 逢坂 剛
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2001年8月20日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】いやはや、とんでもない女と組んだものだ…。ハッタリと出まかせに
は自信があるが、相方は一枚も二枚も上手。ヤクザの香典はパクるわ、
地上げ屋の眼前でストリップショウを企むわ、欲深い奴らを手玉にと
って涼しい顔。「四面堂遙」この女、タダモノではない……。世渡り
上手の世間師コンビが活躍する、ウィットたっ踏りの短編集。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
ひょんなことから手を組むこととなった世渡り上手の主人公と四面堂遙。ヤクザ
の香典は盗む、地上げ屋の眼前でストリップを企むとその行動はハチャメチャだが、
しっかりと金だけは奪い取る。その2人のハチャメチャ劇が描かれるのが本書。5
つの物語が収録されていますが、この主人公達が何とも魅力的で、新たな逢坂剛の
良さを感じます。欲深い奴らをアッと驚かせる痛快な短編集です。
<本紹介>
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【ジャンル】ハードボイルド
【著書名】 永遠の復讐
【著者名】 松本賢吾
【出版社】 双葉社
【初 刊】 2002年1月20日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】「殺された夫が誰なのか調べてほしい」永井明美の依頼は、奇妙なも
のだった。内縁の夫が5年間使っていた名前は偽名で、手掛かりは、
明美が夫の姉によく似ていること、年1回都心近郊の霊園で誰かと会
い、多額の現金を受け取っていたことだけだ。元警視庁刑事、今は墓
堀り人探偵を自称する原島恭介は犯罪の匂いを嗅ぎ、行動を開始する。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
探偵稼業をしている原島恭介のもとへ、殺された夫が誰なのか調べてほしいとい
う依頼があった。依頼を引き受けた原島だったが、事件を捜査していく中で関係者
が殺され、依頼者である永井明美も殺された。そして事件の真相を追う原島にも危
険が迫る……。
この作品はシリーズ作品で、原島恭介シリーズというのは初めて読みましたが、
本書が4作目のようです。シリーズの最初から読んでいないので、シリーズを最初
から読んでいれば違った印象になったとは思いますが、ハードボイルドとしては正
直迫力不足を感じましたし、暴力場面ではもう少し鬼気迫る場面を描いてほしかっ
たです。
<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 いいわけ劇場
【著者名】 群ようこ
【出版社】 講談社
【初 刊】 2002年4月5日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】化粧に命をかける年増OL、食欲だけに生き甲斐を見出す3人家族、
買い物依存症の女、娘を溺愛する新米パパ……。何かに依存するあま
り、どこか本末転倒な人々を描く小説集。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は12の物語が収録されている短編集。いずれも主人公の心のスキマをテー
マに、個性的な作品ばかりです。群ようこらしい作品集で、それぞれに依存してい
る内容こそ違いますが、実際にこういう人っているだろうなァと思わせる物語なだ
けに、いずれも興味深く面白い作品ばかりでした。気軽に読める短編集でもあり、
短編としての読みやすさもあったので、一気に読むことができました。
【か行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】競馬
【著書名】 競馬業界就職読本
【出版社】 流星社
【初 刊】 2002年6月22日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】競馬業界の多岐に渡る職種を取り上げ、その道の先人達たちのインタ
ビューなどで実際の仕事内容、その素晴らしさ、厳しさ、楽しさ、苦
しさを紹介する。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は、競馬関係の職に就いている人達からとったインタビューによって構成さ
れており、項目ごとに分かれているため読みやすく、現在も働いている人たちから
の生の声が載っているため、競馬業界に就職したい人にはお勧めできる1冊でしょ
う。騎手になりたい、厩舎で働きたい、牧場で働きたいという他にも、競馬マスコ
ミの就職についても取り上げていて、中々興味深い内容ではありました。ただ、生
産牧場については大手の取材しかしていないため、個人牧場の仕事内容などもイン
タビューした方が良かっただろうし、ムック本としてはこの価格はちょっと高すぎ
るようには思いました。
<本紹介>
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【ジャンル】競馬本
【著書名】 厩舎稼業
【著者名】 小林常浩
【出版社】 アールズ出版
【初 刊】 2002年6月23日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】26年に渡る厩務作業、調教師への忠義、依頼騎手との駆け引き…。
元競馬関係者が明かす、かくも激しく、かくも愛しい舞台裏の戦い!
『スポーツニッポン(関西版)』連載を加筆修正して構成、書下ろしも
収録。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
著者は元中央競馬の調教助手で、本書ではその競馬界の世界と実情が書かれたも
の。タイトルから厩務員としての仕事ぶりが詳しく書かれているかと思ったら、厩
務員としての仕事よりも担当馬や厩舎所属馬のヨモヤマ話が多く、多少予想してい
た内容とは違っていました。メイショウドトウ・ビワハヤヒデなど数々の名馬に接
し、かつては馬事公苑で騎手を目指し、JRA調教助手として3つの厩舎を渡り歩
いてきたのだから、もう少しその仕事内容について書いてほしかったです。
<本紹介>
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【ジャンル】批判本
【著書名】 こんなにヘンだぞ!『空想科学読本』
【著者名】 山本 弘
【出版社】 太田出版
【初 刊】 2002年5月9日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】特撮・アニメ・マンガ等の「設定の非科学性」を笑いのネタにしてベ
ストセラーとなった「空想科学読本」シリーズは間違いだらけだった!
真のアニメ・マンガ・特撮ファンを自負するSF作家が愛を持って徹
底的に批評する。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書はタイトルで分かるように、柳田理科雄の「空想科学読本」シリーズを対象
にして批判しているものですが、冷静、かつ、論理的に正しいところと間違ってい
るところを批判しています。「空想科学読本」シリーズはそれなりに面白さはあり
ますが、科学的な解釈には、かなりの論理的飛躍とこじつけも感じた部分があり、
その間違いを正しているのが本書です。今後柳田氏の冷静かつ反撃があるのかどう
かもちょっと楽しみです。
【さ行】
<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 初夜
【著者名】 林真理子
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2002年5月15日
【金 額】 1333円+税
【カバー文】婚期を逃した一人娘が子宮切除の手術を受ける前夜、布団を並べて眠
る父の悲哀はやがて甘やかな妄想へと変わる……。究極の官能を貪欲
に求め、その果ての奈落を味わう男と女。表題作を含む恋愛小説11
篇。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
物語は11の作品が収録されている短編集で、いずれも30代後半から40代の
女性が主人公の恋愛小説集。不倫あり、叶わぬ恋あり……主人公の環境は様々です
が、林真理子らしい読みやすい短編集ではあったものの、それぞれの作品には特別
な個性が感じられませんでした。恋愛小説であれば、できれば「不機嫌な果実」の
ような作品にしてほしかったです。
<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 スローグッドバイ
【著者名】 石田衣良
【出版社】 集英社
【初 刊】 2002年5月30日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】東京都心を舞台に二十代の男女を中心に描く恋模様。ネットで知り合
った恋人、セックスレス・カップル、コールガールとの交際など、若
い男女の様々な関係を切れ味よく、きめ細やかに描く。現代性溢れる
洒落た短編集。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は10作品の短編が収録されている石田衣良初の恋愛短編集。どの作品も都
心を舞台にした今風の恋愛が爽やかに描かれており、まるでドラマを読んでいるよ
うな物語でもありました。新たな出会いもあれば別れもあり、とそれぞれの物語に
は違う個性もありますが、恋愛のワンシーンが印象に残るものが多く、特に「真珠
のコップ」「夢のキャッチャー」「ローマンホリディ」は心に残る作品です。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 邪恋
【著者名】 藤田宜永
【出版社】 毎日新聞社
【初 刊】 2001年11月30日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】義足をつくる義肢装具士と、下肢を失った女性患者の赤裸々で危ない
恋物語。この恋は綺麗事ではすまされない。究極の官能をスリリング
に描く衝撃の恋愛小説。『サンデー毎日』に連載されたものに大幅に
加筆訂正を行ったもの。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
母親に対するトラウマを抱え、どこか冷めた部分をもつ義肢装具士、笹森。不倫
をしながらも淡々と日常を送っていた彼の目前に突如現れた、下肢を失った患者、
美弥子。かたくななまでに義足を拒否しつつ魅惑的な雰囲気を漂わせる彼女に、徐
々に笹森の心は傾いていく。しかし、笹森と美弥子の溺れゆく愛は、彼らを取り巻
く世界の中で思わぬ展開を見せる。笹森の妻、美弥子の夫をはじめ、長年の愛人・
麗子、そしてその兄でもあり、笹森の20来の友人である智久の心を揺さぶり、愛
憎渦巻く人間模様があぶり出される……。
このところの藤田宜永の作品の特徴といえる、官能的で艶かしい大人の恋愛が展
開する物語が本書でも描かれているが、失ってしまった手足が存在するかのように
錯覚する「幻肢痛」がモチーフとなっているだけに、読後も痛々しさを感じる作品
でもありました。また登場人物の人間模様ももっと愛憎劇として描いた方が良かっ
たようにも思え、欠点も多少目に付く作品でした。
<本紹介>
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【ジャンル】採点本
【著書名】 サイバラ茸
【著者名】 西原理恵子
【出版社】 講談社
【初 刊】 2002年6月25日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】人気の『恨ミシュラン』他からサイバラ漫画だけを集めた第1弾!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
ベストセラーの「恨ミシュラン」に「鳥頭対談」「直感サバンナ」など、サイバ
ラ漫画のみを新構成で集めた1冊。おいしいトコ取りの1冊ですが、「恨ミシュラ
ン」はすでに読んでいるのに、改めて読むとやっぱり面白かったです。その採点表
は辛口というよりも、猛毒な採点が情け無用に下され、その判定を巡るエピソード
も爆笑です。
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 操縦不能
【著者名】 内田幹樹
【出版社】 原書房
【初 刊】 2002年5月31日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】太平洋上で突如コントロール不能になったジャンボ。墜落まで30分
という時、「このシミュレーターからあなたの機を操縦する」という
無線が。考えもしなかった方法にパイロットはすがるが…。現役機長
が描く航空サスペンス。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
北朝鮮から米国への亡命者を乗せたボーイング機は数時間遅れで出発するが、離
陸後まもなく失速警報と速度超過警報が同時に鳴り響き、高度計がゼロを指す異変
が起きた。パイロットはパニックに陥りかけたが、無線が入りシュミレーターでの
操縦をするという方法に、危機は回避できると思ったのだが……。
物語は、非常に緊張感のあるサスペンスで、著者は現役機長なだけに細かな航空
機内部の様子も描かれます。多少航空機の知識でわからないところもありましたが、
サスペンスとしてはよく描かれていた作品です。
【た行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】連作サスペンス
【著書名】 砦なき者
【著者名】 野沢 尚
【出版社】 講談社
【初 刊】 2002年1月18日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】映像という手段を知り尽くし、若者のカリスマとなった邪悪な男。彼
を生み出してしまったテレビ業界の男たちが挑んだ戦いとは……?
TV社会の闇を衝くサスペンス。
【満足度】 ★☆
End------------------------------------------------
帯には「4年後の『破線のマリス』と呼ぶべき傑作サスペンス」と書かれていた
ので期待して読みましたが、正直期待ハズレの内容でした。「破線のマリス」同様
にテレビ業界を舞台とした連作サスペンスでしたが、それなりのサスペンスとして
のハラハラさは感じたものの、テレビが作り上げてしまった殺人犯としてのカリス
マ的青年の過去や取り巻きの若者達の行動は理解しがたいものでしたし、同僚を殺
されてしまったテレビ局の報道姿勢の在り方にも疑問を持つもので、野沢尚の作品
としては少々お粗末です。次の作品には期待したいです。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 トキオ
【著者名】 東野圭吾
【出版社】 講談社
【初 刊】 2002年7月18日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】1979年、浅草。不治の病で死にゆく息子が、時を超え若き日の父
親に会いに来た。男は「彼」との出会いによって、父親になっていく
……。切ない長編ファンタジー。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
宮本拓実と麗子夫妻には3年前から不治の病で寝たきりとなっている息子の時生
がいた。遺伝病の因子を持ち、結婚の時にも子供は持たないと決意して麗子に、強
く出産を促した拓実だったが、子供に遺伝病が発病してしまった宿命に後悔はない
かと互いに確認し合う。そんな時、拓実が麗子に「俺は昔、時生に会っている」と
言い出した。そして物語は拓実が23歳の1979年にタイムスリップする……。
物語は昭和54年の東京を舞台に描かれ、拓実の成長が描かれます。私生児とし
て生まれ育った拓実は、実母に対する和解を頑なに拒んでいた。そして恋人の千鶴
が男と大阪に失踪したことから、愛知と大阪へ奔走するが、そんな未来の父親と一
緒に行動するトキオは若気の暴走に歯止めをかける役割を担っていた。やがて近づ
く、拓実とトキオの別れ。そのことを思い出した拓実が、病院のベットで寝ている
時生に話し掛けるラストシーンが作品の全てを物語っています。
かつての「秘密」もそうでしたが、家族の絆が全面にわたって描かれます。現実
と過去のSFファンタジー的な作品ですが、テンポも小気味良く、随所に笑いと切
なさが盛り込まれ、ラストシーンの言葉が非常に印象に残りました。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 トキオ
【著者名】 東野圭吾
【出版社】 講談社
【初 刊】 2002年7月18日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】1979年、浅草。不治の病で死にゆく息子が、時を超え若き日の父
親に会いに来た。男は「彼」との出会いによって、父親になっていく
……。切ない長編ファンタジー。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
宮本拓実と麗子夫妻には3年前から不治の病で寝たきりとなっている息子の時生
がいた。遺伝病の因子を持ち、結婚の時にも子供は持たないと決意して麗子に、強
く出産を促した拓実だったが、子供に遺伝病が発病してしまった宿命に後悔はない
かと互いに確認し合う。そんな時、拓実が麗子に「俺は昔、時生に会っている」と
言い出した。そして物語は拓実が23歳の1979年にタイムスリップする……。
物語は昭和54年の東京を舞台に描かれ、拓実の成長が描かれます。私生児とし
て生まれ育った拓実は、実母に対する和解を頑なに拒んでいた。そして恋人の千鶴
が男と大阪に失踪したことから、愛知と大阪へ奔走するが、そんな未来の父親と一
緒に行動するトキオは若気の暴走に歯止めをかける役割を担っていた。やがて近づ
く、拓実とトキオの別れ。そのことを思い出した拓実が、病院のベットで寝ている
時生に話し掛けるラストシーンが作品の全てを物語っています。
かつての「秘密」もそうでしたが、家族の絆が全面にわたって描かれます。現実
と過去のSFファンタジー的な作品ですが、テンポも小気味良く、随所に笑いと切
なさが盛り込まれ、ラストシーンの言葉が非常に印象に残りました。
【な行】
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 ネイバーズ・ホーム・サービス
【著者名】 前川麻子
【出版社】 集英社
【初 刊】 2001年6月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】便利屋兼家政婦紹介所「ネイバーズ・ホーム・サービス」を舞台に、
心を病む一人暮らしの女性、痴呆の老夫婦など、都会の孤独と幸福を
見つめるサト28歳。「家族」をテーマに新しい女性の結婚・恋愛を
描く物語。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
家政婦兼便利屋紹介所で働く28歳の橋本サト。都会で働き、自分の幸せ、恋愛・
結婚についてを自分自身で見つめていく姿を描いた物語。家政婦兼便利屋としての
仕事内容や、仕事を通しての交流がメインに描かれていますが、主人公のサトの不
器用さ、自分の気持ちに素直になれない姿など、主人公としてのインパクトはそれ
ほど感じないものの、日常の生活の中の自然体の姿をよく物語では表現していると
思います。作品に強烈な個性は感じないものの、主人公の生き方には共感できる部
分はありました。
<本紹介>
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【ジャンル】経済
【著書名】 なるほど!日本経済早わかり
【著者名】 池上 彰
【出版社】 講談社
【初 刊】 2002年6月20日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】「景気が悪い」とはどういうことか、日本銀行は何をしているのか、
国債は誰から借金しているのか、日本はよみがえるのか? むずかし
い経済のしくみとキーワードの基本をわかりやすく解説する一冊。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、NHK「週刊こどもニュース」のキャスターをしている著者が、日本経
済について仕組みとキーワードの基本を、わかりやすく解説したもの。子供でもわ
かるようにイラスト入りで読みやすい内容で、経済の仕組みについては本当にわか
りやすく説明されています。また思っていた以上に中身が充実しており、日本再生
に向けてのキーワードもしっかりと書かれています。
【は行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】エッセイ
【著書名】 本の虫
【著者名】 井狩春男
【出版社】 弘文堂
【初 刊】 2002年5月30日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】昨年暮れの倒産で業界に大きな衝撃を与えた鈴木書店。仕入部に35
年、知る人ぞ知るユニークな情報誌『まるすニュース』を発行し続け
て30年の著者が、人々や本たちとの出会いを綴る。『まるすニュー
ス』30年視も収録。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
以前にも著者のエッセイは読んだことがありますが、書籍取次の鈴木書店に勤務
し、業界のことだけではなく、出版評論などは読書好きにとっては非常に参考とな
るものが多かったですが、本書ではその鈴木書店の倒産について、最新ベストセラ
ーの方程式、そして業界紙として書き続けた「まるすニュース」の30年視と読み
ごたえある内容でした。中でも本書の半分以上を占める「まるすニュース」30年
視は内容がぎっしり詰まっているのは勿論のこと、それぞれの年代の本についてが
細かく書かれているため、当時読んだ本を思い出したりと非常に懐かしく思いまし
た。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】コラム&対談
【著書名】 バカとの闘い
【著者名】 勝谷誠彦
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2001年5月30日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】自公保政権から成人式問題、原潜衝突事故まで、世にあふれる愚者た
ちをバッサリ切り捨て叩きのめす、超激辛コラムニストの奮闘の記録。
『週刊宝島』の人気連載と著者ホームページの過激日記に加え、長野
県知事・田中康夫氏との緊急白熱対談も収録。インチキな野郎どもに
日本を任せられるか。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、主に週刊宝石の時事ネタ連載と著者のWeb日記から構成されている内
容。辛口コラムではあるものの、タブーに挑戦しているその姿勢、政治や犯罪に対
する良識についてなど、過激ではあるが共感できるところが非常に多かったです。
第一部に書かれていた「ネットを使い、更なる教養を得ようとする人間はますます
進化するだろう。遊びほうけるバカは、どんどんバカが進化するに違いない」とい
うのは見事な言葉使いだと思いました。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 発火点
【著者名】 真保裕一
【出版社】 講談社
【初 刊】 2002年7月15日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】あの優しいおじさんが俺の人生を一変させた。なぜ沼田のおじさんは
父を殺したのか。人生を鮮やかに区切るあの事件の真相を探るうち、
敦也は人としての存在証明を獲得する。『長崎新聞』ほか全10紙に
連載。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
杉本敦也の父親は、敦也が子供の頃、その父親の友人に殺された。世間からは同
情を受けていたこともあり、青年期までひねくれて職も転々としていた敦也だった
が、バイト先で知り合った女性との苦い恋愛経験を通して少しずつ更正していくが、
過去の事件の真相を探る新聞記者に追いかけられる中、自分で過去の事件の真相を
探そうとしていく……。
真保裕一の作品としては異色作ともいえる物語で、本書は物語を通しての主人公
の成長と事件の真相を交互に描き、父親が殺される動機を探し出す展開となってい
ます。「奇跡の人」のような青春小説の要素もあり、ミステリーも取り入れていて、
迫力ある作品とは言いがたいですが、じっくりと主人公の成長過程が描かれていま
す。ただ、今までの作品と比べてしまうとエンターティメント性がやや欠けていた
ようにも思え、あまり印象深い内容ではなかったようにも思え、作品自体にはそれ
なりの充実感はありますが、個人的には真保裕一だからこそといえる作品にしてほ
しかったとも思い、多少の物足りなさは感じた作品です。
【ま行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 燃えつきるまで
【著者名】 唯川 恵
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2002年6月10日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】ハウジングメーカーでチーフを務める31歳の怜子は、5年間付き合
った耕一郎に突然別れを告げられる。理由がわからず、どうしても別
れを受け入れられない怜子は苦しみ、彼の新しい恋人の存在に絶望す
る……。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
物語は31歳の主人公でキャリアウーマンともいえる怜子が、5年間付き合って
結婚相手としても考えていた耕一郎に突然別れを告げられ、人生のレールがはずさ
れてしまったことに茫然とする姿が描かれる小説。失恋の痛手から仕事での失敗、
忘れられない元彼に対するストーカー行為など、脚色としては読ませる展開ではあ
りましたが、何か中途半端さを正直感じました。女性側から読めば、感動的な恋愛
小説なのかもしれませんが、これは男性側から読めば、主人公が別れを告げられる
理由はよく分かりますし、結局主人公の自分本意な考えと行動から招いた結果で、
更に別れてから勝手に相手の家に合鍵で侵入して、パソコンのメール削除や、新し
い彼女の服を切りつけたり、新しい彼女の自宅にまで入りこむことなど、明らかな
犯罪行為を美化している作品にも思えました。確かに失恋の心の痛手など共感でき
る部分こそあるものの、恋愛の結末としては絶対やってはいけないことを主人公が
やっている姿は、非常に身勝手でわがままでもあり、この一面が主人公の魅力を半
減しているようにも思えました。
<本紹介>
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【ジャンル】芸能コラム
【著書名】 耳のこり
【著者名】 ナンシー関
【出版社】 朝日新聞社
【初 刊】 2002年5月5日
【金 額】 1000円+税
【カバー文】石田純一、松田聖子、田村亮子、カイヤ、藤原紀香、小泉純一郎ら、
のべ65人をターゲットに、絶妙の消しゴム版画と辛辣コメントを収
録。『週刊朝日』連載コラム「小耳にはさもう」の単行本化第6弾。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
おそらくこの次のシリーズがナンシー関の最後の単行本になるのでしょうが、こ
の「小耳にはさもう」シリーズも読み続けているだけに、今までの流れで読みまし
たが、どうもナンシー関の毒舌があまり効いていないようにも思え、それぞれの芸
能人の発言をよく聞き逃さなかったとは感心するものの、パンチの効いたナンシー
関らしさが少なかったように感じたのは多少残念でした。
【や行】
<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 闇金融
【出版社】 宝島社(別冊宝島Real034)
【初 刊】 2002年7月1日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】最近問題になっている「多重債務」をテーマとし、金を貸す側と貸さ
れた側(被害者)の二つの側面から「闇金融」の実態を明らかにする。
闇金融の罠を見抜き、どう対応すればいいかのノウハウも紹介。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は「多重債務問題」をテーマとし、お金を貸す側と借りる側のそれぞれの側
面から「闇金融」の実態を紹介したもので、貸す側においては、高金利のカラクリ
や無理やり債務者に貸し付ける実態を解明し、借りる側においては、なぜ高利な借
入をして借金生活に陥ったのか、そしてその社会背景や家族問題も取り上げ、その
対応についても詳しく紹介しています。中でも、実際に自己破産手続きをしたフリ
ーライターが書いた自己破産手続きについては、あまり知られていない実態体験が
書かれているため興味深い内容でもありました。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 痩蛙(やせがえる)
【著者名】 鳴海 章
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2002年5月5日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】4回戦ボクサー・谷尾幸次。30歳になっても、会社、女、そしてボ
クシング、どれも中途半端で上手くいかなかった。しかしすべてを失
った時に、幸次は立ち上がり……。負け犬の再生を力強く活写した長
編。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
4回戦ボクサーの谷尾は、ある試合で本物のパンチに合いKOされ、ボクシング
に見切りを付けようとした。広告代理店の営業マンの傍らにボクシングを続けてき
た谷尾だったが、少ない給料でローンに追われる毎日で、仕事の業績も上がらず、
社長と喧嘩して会社を辞めることになった。それでも全てを失った谷尾の家に押し
かけるバーの女・チエ子の言葉に動かされた谷尾は、再びボクシングを再開するが、
再デビュー戦はかつてKOされた相手。そして猛特訓をし、再デビュー戦に備える
が……。
物語は主人公の挫折と復活に向けた物語。今まで中途半端に生きてきた主人公が、
全てを失い、再びボクシングに再起をかける物語ですが、単なるボクシング物語で
はなく、会社を辞めるまでの経緯や、バーの女・チエ子との関わりなど読ませる内
容も多く、主人公の再生が最後までしっかりと描かれています。できるならば、再
デビュー戦の結果まで描いてほしかったですが、勇気を与えてくれる物語です。
<本紹介>
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【ジャンル】?
【著書名】 よのなか --人生の教科書--
【著者名】 藤原和博/宮台真司
【出版社】 筑摩書房
【初 刊】 1998年12月5日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】学校も親も、会社に入っても教えてくれない、ウソのない「世の中の
しくみ」の教科書。ドラッグ、自殺、ハンバーガーから社会を学び
「意味なき世界」を生きるヒントをさがそう。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、中学・高校向けの全く新しい「社会科の教科書」として書き起こされた
もの。ここにはシミュレーションゲームやロールプレイングゲームを用いて「世の
中のしくみ」がわかりやすく描かれています。大人はなぜ接待をするのか、ハンバ
ーガーから社会や経済を学び、自殺やドラックから見える社会など、決して誰から
も教えられない身近な世の中から社会を捉えています。藤原氏、宮台氏の小気味よ
いタッチの文章と、他の執筆者のコラムによって構成された新しい形の教科書で、
このような内容こそ学校教育で必要だとも思いました。
【ら行】
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 龍時 01-02
【著者名】 野沢 尚
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2001年4月15日
【金 額】 1333円+税
【カバー文】スペインU−17との親善試合に出場した志野リュウジは、世界との
壁に愕然とする。そんな彼のもとに、スペインのユース育成担当から
連絡が入り…。『Number PLUS』連載に書き下ろしを加えて単行本化。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
2001年の夏、日韓A代表戦の前座として国立競技場で、スペインU−17と
の親善試合が組まれた。監督の抜擢で急遽試合に呼ばれた無名の高校生・志野龍時
は、後半アグレッシブなゴールを決めるが、試合は敗退し、龍時は世界との壁に愕
然とする。試合後、練習にも身の入らなかった龍時のもとに、スペインのユース育
成担当から連絡が入った。日本にいたのでは駄目だと痛感した龍時は、スペイン行
きを決意した……。
物語は、16歳の主人公・龍時がサッカーを通しての成長、家族との葛藤、そし
て国籍問題など様々な要素が幾つも盛り込まれていますが、何より読みごたえがあ
ったのがサッカー描写。単に技術を描いているだけではなく、パスやドリブルの心
理、龍時のプレースタイル、相手選手との駆け引きなど、文章が頭の中でサッカー
場面として浮かぶ程の細かな描写はサッカー好きとしては非常に嬉しく思いました。
先日読んだ村上龍の「悪魔のパス天使のゴール」はラスト場面だけサッカー描写は
良かったですが、こちらは全編にわたる本格的なサッカー小説で、シリーズとなっ
ているようですから、引き続き龍時の世界での活躍を読み続けていきたいです。
【わ行】
<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 私は、おっかなババア --すっぴん魂4--
【著者名】 室井 滋
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2001年12月20日
【金 額】 1238円+税
【カバー文】筋金入りのクレーマー・ムロイが、なかなか言えない一言を、あなた
に代わってズバリとキメます。『週刊文集』連載、おなじみ「すっぴ
ん魂」からより抜いた、ストレス解消の一冊。
【満足度】 ★★☆
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「すっぴん魂」シリーズも4作目にもなりましたが、何か今までよりもパワーが
削減したように思いました。読みやすさ、面白さはあるのですが、今までは「よく
そこまでネタがあるなァ」と思っていたのが、今回は「それはあえてネタにしなく
てもいいんじゃない?」というエッセイもあり、これがちょっと残念。でも室井滋
のエッセイの魅力は相変わらずですし、この次に大いに笑わせてもらいます。
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