書評データベース(2003年度4月分)
■2003年4月に掲示板にて紹介された本■
お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 橘 玲 幻冬舎
日本さん家の家計簿 読売新聞経済部 祥伝社
ラヴ・アタック! 川上 亮 角川書店
フロストハート 桐生祐狩 角川書店
罰 新野剛志 幻冬舎
火の粉 雫井脩介 幻冬舎
好きよ 柴田よしき 双葉社
倒錯の帰結 折原 一 講談社
トワイライト 重松 清 文藝春秋
鳶がクルリと ヒキタクニオ 新潮社
北朝鮮 悪魔の正体 青山健煕 光文社
リアルワールド 桐野夏生 集英社
はじめての人のためのかんたんPerl/CGI入門 紙谷歌寿彦 秀和システム
忘れ雪 新堂冬樹 角川書店
今夜 誰のとなりで眠る 唯川 恵 集英社
日本の将来がひと目でわかる本 学習研究社
世界がもし100人の村だったら2 マガジンハウス
顔 FACE 横山秀夫 徳間書店
第三の時効 横山秀夫 集英社
モノの原価がわかる! (秘)情報取材班・編 青春出版社
「格付け」その基準は何だ! 知的生活追跡班・編 青春出版社
コンビニ・ララバイ 池永 陽 集英社
交渉人 五十嵐貴久 新潮社
節約フェチ 清水ちなみ&OL委員会 幻冬舎
スチール 織田みずほ 集英社
女神 明野照葉 光文社
【あ行】
<本紹介>
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【ジャンル】経済
【著書名】 お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 --知的人生設計入門--
【著者名】 橘 玲
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2002年12月10日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】日本は、黄金の羽根を撒きながら堕ちていく天使に似ている。黄
金の羽根は、国家、株式市場、不動産市場など経済活動をともな
うすべての場所に落ちている。他人より早く黄金の羽根を見つけ
れば、人生は劇的に変わる!
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
著者は『ゴミ投資家のための人生設計入門』や経済小説『マネーロンダリン
グ』でも話題を呼び、本書もかなり売れているようなので読んでみましたが、
日本の投資環境を考慮に入れながら、世界にひとつしかない金持ちの方程式
「資産形成=(収入−支出)+(資産×運用利回り)」の実践法を説くあたり
はさすがだとは思いました。扱われているトピックも、不動産、株式、保険、
税金、海外投資、PT(永遠の旅行者)と、じつに多岐にわたるもので、経済
の読み物としては面白かったです。ただ、合法的に税金を納めないことや、一
般では使えない方法論が多かったのは正直大きなマイナスだとも思いますし、
読み手によって評価は分かれるとも思いますが、それでも個人の資産運用のあ
り方、生命保険、失業保険の本当の意味、公的年金の矛盾、サラリーマンと法
人の間の制度差別、税務調査のウラ事情など、身近なお金にまつわる盲点が分
かりやすく解説されており、かなり勉強になりました。
【か行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】手記
【著書名】 北朝鮮 悪魔の正体
【著者名】 青山健煕
【出版社】 光文社
【初 刊】 2002年12月10日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】北朝鮮の現実がここにある!
棺のない葬式、支援米の行方、強制
移住の村、飢えた軍隊、北朝鮮難民の命の値段、恐怖政治の実態
……。外務省、拉致議連に提出したレポート「被爆者」「朝鮮赤
十字会」「拉致された人たち」も収録。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、国会の参考人として招致に応じながらも、中止されてしまった著者
が北朝鮮の実態についてを証言した内容で、外務省や拉致議連に提出したレポ
ートも収録されています。この中では、拉致された行方不明者の捜索を日本赤
十字社より要請された朝鮮赤十字会が実は工作部署の一つであることや、拉致
事件に関して北朝鮮から提出された報告書が嘘だらけであること、北朝鮮の凶
作は自然災害ではなく人災であることなど、北朝鮮の実態が暴露されています。
すでに内容の大半がワイドショーやニュースでも報道されていますが、改めて
北朝鮮の酷さというのが本書で浮き彫りにされています。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 今夜 誰のとなりで眠る
【著者名】 唯川 恵
【出版社】 集英社
【初 刊】 2002年12月20日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】秋生が死んだ……。一人の男の喪失が、彼の周りに生きる女性た
ちにさざ波を広げてゆく。日常の中で葛藤を繰り返しながら、愛
を求め、自らを見つめるそれぞれの愛のかたち。『青春と読書』
掲載に加筆して単行本化。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
独身で妻子ある男性との不倫を続ける真以子。夫と二人の子供と暮らしなが
ら浮気に明け暮れるじゅん子。自分にとって大切にものを離婚後に気付く七恵。
秋生と6年同棲していた佑美。その秋生の子を身ごもった協子。この5人の女
性達が秋生の死によってとって行動とは……。
物語は30代後半のそれぞれの登場人物を等身大で描き、生きる上での様々
な悩みを乗り越えていく姿が描かれています。等身大の女性を作品に活かす唯
川恵らしい作品で、最近の作品の中でも作品の質は高いとも思います。女性が
読むとより共感できる部分は多いとも思います。
<本紹介>
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【ジャンル】警察小説
【著書名】 顔 FACE
【著者名】 横山秀夫
【出版社】 徳間書店
【初 刊】 2002年10月31日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】「だから女は使えねぇ!」 鑑識課長の一言に傷つきながら、ひ
たむきに己の職務に立ち向かう似顔絵婦警・平野瑞穂。描くのは
犯罪者の心の闇、追いつめるのは「顔なき犯人」。警察小説に鮮
やかなヒロイン誕生!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
物語は、女性似顔絵捜査官・平野瑞穂の活躍を描いた連作短編集で、前作と
いえる「陰の季節」に収録されている「黒い線」の続きの物語。ひたむきな主
人公の葛藤と成長、そして犯罪者の心の闇を描いた作品で、「黒い線」を読ん
でいれば更に物語の幅は広がるでしょう。また、横山作品としては珍しく個人
の魅力というか存在感が全面に出されている作品集です。
<本紹介>
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【ジャンル】雑学
【著書名】 「格付け」その基準は何だ!
【著者名】 知的生活追跡班・編
【出版社】 青春出版社
【初 刊】 2003年2月10日
【金 額】 850円+税
【カバー文】世の中の本当の評価がズバリわかる! 病院、国債、銀行、ゴル
フ、米、時計、日本酒からレストランまで、知っているようで知
らない本当の「格付け」を全てお見せします。ビジネス・センス
を磨く最新常識が満載。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
こちらは様々な「格付け」の基準を解説しているもので、政治経済、輸送・
サービス、学習・資格、レジャー・娯楽、食品、スポーツ、社会と大きく7つ
に分けています。イラストと図入りで、こちらも読みやすい内容ではありまし
たが、格付けの国際的価値などを詳しく紹介してほしかったです。
<本紹介>
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【ジャンル】連作小説集
【著書名】 コンビニ・ララバイ
【著者名】 池永 陽
【出版社】 集英社
【初 刊】 2002年6月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】お人好しで商売気のない店長と、訳ありの店員にお客さん。みん
な何かを抱えて生きている、何かを求めてやって来る。それぞれ
のはぐれた愛が切なく、まぶしくて……。小さなコンビニの7つ
の物語。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、コンビニオーナーと、バイトの女性を軸にした7つの作品の連作集
で、それぞれ異なる主人公の視点で語られる物語。「本の雑誌が選ぶ2002
年上半期ベスト1」の評価通り、コンビニで繰り広げられる物語は、心が温ま
り、ちょっぴり切ない短編集で、コンビニを舞台に、上手く作品にしている印
象を強く受けました。
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 交渉人
【著者名】 五十嵐貴久
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2003年1月20日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】患者を人質に立てこもる三人組。800人体制で救急病院を囲む
警視庁。そして犯人グループと交渉に当たるのは、アメリカFB
I仕込みの凄腕交渉人だった。最新型の犯罪交渉サスペンス。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
物語は、FBI仕込みの警視庁犯罪交渉人が、立てこもり犯人グループと、
人質解放への壮絶な心理戦を描くサスペンス。事件は医療現場での過誤と被害
者の問題も絡み、展開はラストまで一気に進みます。その展開ですが、映画を
見ているような流れで、映画化されても面白いのではないかと思いました。単
なる交渉を描いただけではなく、犯罪者と対峙する際の心理分析や説得など、
展開に読ませるスパイスが効いていて、サスペンスとして面白く読むことがで
きました。
【さ行】
<本紹介>
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【ジャンル】ミステリー
【著書名】 好きよ
【著者名】 柴田よしき
【出版社】 双葉社
【初 刊】 2002年8月30日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】先家菫子の同僚愛果が「好きよ」という一言を遺書に自殺した。
その後、菫子の身の回りには不可解な出来事が頻発する。死の影
に潜む「邪悪な存在」との戦慄の闘いの果てにある真実とは!?
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
主人公・董子の同僚がある日「好きよ」と一言遺して自殺した。ある夜、原
宿の街中で方向感覚を失った董子を中心に、不可思議で無気味な世界が展開さ
れる。作品はサスペンスでもありホラーでもあり、また恋愛について書かれた
小説でもありと、色々な要素が含まれる物語ですが、今までにない柴田よしき
の作品で物語の独特の世界は読んでいて面白かったです。
<本紹介>
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【ジャンル】?
【著書名】 世界がもし100人の村だったら2
【著者名】 池田香代子&マガジンハウス編
【出版社】 マガジンハウス
【初 刊】 2002年6月13日
【金 額】 1143円+税
【カバー文】「100人の村」のルーツ、ドネラ・メドウズの「1000人の
村の現状報告」を絵本仕立てで全文掲載。その他、100人の村
をより理解するための「100人の村」白書や、池沢夏樹などの
コラムも収録する
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
ベストセラーとなった「世界がもし100人の村だったら」の第二弾の本書
ですが、今回も様々な世界的問題について、具体的なパーセントを提示し、世
の中のこと、世界のことを改めて考えさせられる本でした。ただ、主題である
「100人の村白書」よりも巻末の池澤夏樹らのコラムの方が良かったので、
評価としては★3つまで。
<本紹介>
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【ジャンル】生活
【著書名】 節約フェチ
【著者名】 清水ちなみ&OL委員会
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2002年11月10日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】トイレの水は小のときは流さない、ラップは洗って2度3度使う、
鼻は手でかむ……。節約でさえあれば、それは許されるのでしょ
うか? OL委員会を震撼させた仰天節約術の数々を紹介。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は様々な人の節約術が載っていますが、生活に役立つ節約術というより
も、ビックリ仰天の節約術が書かれ、その内容には驚かされます。トイレの水
はその都度流さない、ラップは洗ってまた使うなど、そこまで節約しなくても
と思える話ばかりで、世間には本当に様々な人がいるなァと改めて感じた一冊
です。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 スチール
【著者名】 織田みずほ
【出版社】 集英社
【初 刊】 2003年1月10日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】男性客相手の風俗のバイトで金を得る怜司は、男も女も自分さえ
も好きでも嫌いでもない。そんな彼の安らぎの場所は時間貸出の
ロッカーの中……。絶望も希望も見出せない10代の生と性の彷
徨を描く。すばる文学賞受賞作。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
男性客相手に風俗のバイトをする17歳の高校生・怜司は、新宿で24時間
制の貸しロッカールームを見つけ、契約する。冷たいスチールの感触に不思議
な安心感を覚える怜司だが、ある日、そこでただ床に座り続ける中年男を見か
け、次第にその男に引かれる。男の経営する倉庫を見つけ出し、バイトを始め
る怜司。朗らかなパートの中年女性たちにも慣れ親しんでいくが、そんな折、
かつての客が国語教師として赴任してきて……。
物語は一人の孤独な少年の成長の物語で、新宿を舞台に、貸しロッカー、男
相手のホスト、ゲイといったエピソードを交えています。孤独な主人公が自ら
の居場所を求めてさ迷う姿が全編に描かれていますが、すばる文学賞受賞作と
いうことで読んでみましたが、特別なインパクトはそれほど感じませんでした
し、作品のテーマとしては斬新だとは思うものの、もう少し違った形で表現で
きればより作品の質も高くなるようには思いました。
【た行】
<本紹介>
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【ジャンル】ミステリー
【著書名】 倒錯の帰結
【著者名】 折原 一
【出版社】 講談社(KODANSHA NOVELS)
【初 刊】 2003年1月7日
【金 額】 1100円+税
【カバー文】日本海の孤島で起こる連続密室殺人事件「首吊り島」と、東京の
アパートの一室での不可解な監禁事件「監禁者」。二つの物語は、
境をなす袋とじ「倒錯の帰結」によって結ばれる! 「倒錯シリ
ーズ」完結編。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
読み始めて、どうも読んだことのある内容だと思っていたら、本書は同タイ
トルの単行本のノベルス版でした。それでも読んだのが2年以上前だったと思
うので、再読したわけですが、再読でもミステリとして面白かったです。物語
は「首吊り島」と「監禁者」の2つの物語が共に袋とじである「倒錯の帰結」
で物語の完結へと向かい、2つの物語を上手く1つの結末へと導いています。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 トワイライト
【著者名】 重松 清
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2002年12月15日
【金 額】 1714円+税
【カバー文】26年ぶりに再会した同級生達。校庭に埋めたタイムカプセルと
ともに、それぞれの胸の思いも封印を解かれる……。あの頃の未
来に追いついたいま、21世紀とはどんな日々なのか。70年代
型少年少女に捧ぐ。『オール読物』掲載。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
物語は、たまがわニュータウンの小学校が廃校になるとの新聞広告を読み、
小学生の時に校庭に埋めたタイムカプセルを急遽開ける事になり、26年ぶり
に39歳の主人公達は再会する。それぞれに小学生の描いていた未来と現実と
の違いに戸惑う主人公達の姿が描かれています。表紙の写真でもある万博の太
陽の塔が象徴的な姿として登場し、特に登場人物の現実の姿が今の時代を象徴
しており、これまでの重松作品同様に現代の家族像が浮き彫りとされています。
大人になって忘れがちな心を再び思い起こしてくれる物語でもあり、自分の小
学校時代と今の現実を改めて再確認させられる物語でもありました。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 鳶がクルリと
【著者名】 ヒキタクニオ
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2002年1月20日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】いなせでカッコはいいんだが、とびきり変! 良家の子女が、シ
ュールな現実を生きる現代の鳶職人の世界に迷い込んだ。職人達
は、難易度特Aクラスの現代彫刻取り付けに挑むが……。コクの
ある笑いが炸裂する、娯楽小説の新潮流。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
中野貴奈子は何気ない上司のひと言で、会社を辞めてしまった。そして貴奈
子が再就職したのは、鳶の零細企業の「日本晴れ」だった。そして彼女を取り
巻くのは、元学生運動家で鳶頭のおじの勇介、アメリカに戦争を仕掛けようと
日夜「まじめに」戦略を練っている風太・雷太兄弟、何でも偏差値に置き換え
て表現してしまう剛、そして小学生のクセに生意気な口をきくツミなど、元気
がよくて仕事もできるが、とにかく風変わりな連中ばかり。学者の父を持ち、
超優良といわれた会社に勤めていた彼女には、想像もしなかった鳶職人の世界
だったが、貴奈子と彼らは、いくつかの衝突を繰り返しながら、お互いを認め
合っていく。そんな中、ドイツ人芸術家のブリックから彫刻作品の取り付け依
頼が、舞い込んだ。彼の作品は複雑すぎて、建物への取り付け作業をあちこち
で断られていたのだが、そんな彼の窮状を見かねて、「日本晴れ」の男たちは
一肌脱ごうとする……。
とにかく登場人物達の粋でいなせな世界が全面に描かれ、ひねりのきいた笑
いと感動が溢れています。その物語の中では、現代美術の最先端の作品と、自
らの身体を張った職人芸という両極端同士の奇妙な遭遇もあり、鳶職人の世界
が面白い娯楽小説となっています。
<本紹介>
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【ジャンル】警察小説
【著書名】 第三の時効
【著者名】 横山秀夫
【出版社】 集英社
【初 刊】 2003年2月10日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】F県警捜査第一課。一班の朽木。二班の楠見。三班の村瀬。一筋
縄ではいかない強行犯の刑事たちが、覇権を激しく競い合い、難
事件に挑む! 非常で独断的な男たちの感動的なドラマを描く本
格警察小説。テレビ化決定。
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
本書は6つの物語から構成される連作集で、刑事捜査の最前線にいる男達を
描いた物語。主人公でもある、一班の朽木、二班の楠見、三班の村瀬と事件の
捜査は勿論のこと、それぞれの班長は何もかもばらばらながら、捜査手腕は折
り紙つきで、指揮系統を無視する三人に苦々しい思いを抱く田畑捜査一課長の
ジレンマも物語を更に面白くさせています。三つの班を中心に描かれる濃厚な
ドラマは、横山節ともいえる濃厚に警察小説にも仕上がっており、個人的には
今までの横山作品では一番のように感じます。
【な行】
<本紹介>
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【ジャンル】近未来
【著書名】 日本の将来がひと目でわかる本
【出版社】 学習研究社(GAKKEN MOOK)
【初 刊】 2003年2月1日
【金 額】 1000円+税
【カバー文】国際宇宙ステーション、巨大都市空間・汐留シオサイト、未来道
路・第2東名……。2002年12月現在で決まっている社会・
科学・娯楽の将来のしくみ・からくりを図解。時間の流れを年表
として表欄形式にまとめる。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、近い将来に起こる仕組みについてを写真・図・表などで分かりやす
く解説しているもの。社会編では行政改革・未来道路・金融のゆくえ・東京都
心エリア開発・年金制度改革など、科学編では電子政府・情報家電・IP電話・
次世代携帯電話・国際宇宙ステーションなど、娯楽編ではスポーツスケジュー
ル・イベント・テーマパークなどの未来情報が載っています。いずれも10年
以上先という話ではなく、1,2,3年後ぐらいの話ばかりで社会の流れの仕
組みが載っているため、いい情報源にはなりました。
【は行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】経済
【著書名】 日本(ひのもと)さん家の家計簿
【著者名】 読売新聞経済部
【出版社】 祥伝社
【初 刊】 2002年12月10日
【金 額】 952円+税
【カバー文】日本の国家財政を一般家庭に置き換えると、年収468万円、ロ
ーンの借り入れ300万円、年ごとの返済167万円、借金の累
積は5000万円以上。ふつうの家庭ならとっくに破産! 財政
への疑問に答え、これからを考える本。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、日本の国家財政事情を非常に分かりやすく説明している本。一般家
庭に置き換えて、イラストと図で丁寧に書かれており、これならば小学生が読
んでも国家の財政事情がハッキリと分かるでしょう。できれば、その経済の問
題点に対する提起も書いてほしかったですが、この本をもっと多くの国民が読
んでくれればとは痛感しました。
<本紹介>
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【ジャンル】ホラー
【著書名】 フロストハート
【著者名】 桐生祐狩
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2002年12月25日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】長男の臓器移植を待ちわびる型破りな家族達。臓器ブローカーに
奇岩マニア、事故予測ソフト・トリンキュロー。そして誰もが追
い求めるフロストハートとは? 命の尊厳と人間の存在理由を巡
って展開するエンターテインメント。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
物語は生命倫理の良識を巡ってスリリングに展開するホラー作品。長男の臓
器移植手術を待つわびる個性的な家族、謎の臓器ブローカー、カルト宗教団体
の信者しその教祖、逸脱した行動に出る奇岩マニアなど、非常に存在感のある
登場人物が展開を支え、ホラーらしいゾクゾク感を味わえる作品でした。
著者は「夏の滴」で日本ホラー小説大賞長編賞を受賞しましたが、その「夏
の滴」はそれほど面白いとは感じませんでしたが、本書は物語に最初から引き
込まれ、印象に残る作品でした。
<本紹介>
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【ジャンル】ミステリー
【著書名】 罰
【著者名】 新野剛志
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2002年5月10日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】好きだった女を父親に寝取られた。気がついたら、父親を殺して
いた。7年後、空港近くのパーキングに勤めていた男は、ある日、
上司からアルバイトを持ちかけられ……。書き下ろしミステリー。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
物語は海外へ逃亡しようとする人間を匿う内容で、成田空港の盲点を突いた
ミステリーです。展開も捻りが幾つかあり、簡単に見えた事件が物語が進むに
従って複雑になっていくのは、物語を飽きさせない面白さを感じました。ただ
ラストが中途半端に終わっていたのは、それまでの展開が良かっただけに物足
りなさを感じたのは残念です。
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 火の粉
【著者名】 雫井脩介
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2003年2月10日
【金 額】 1850円+税
【カバー文】自白した被告人へ無罪判決を下した元裁判官に、今、火の粉が降
りかかる。あの男は殺人鬼だったのか?
梶間勲の隣家に、かつて
無罪判決を下した男・武内真伍が越してきた……。有罪か無罪か。
手に汗握る犯罪小説。
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
元裁判官の梶間勲の隣家に、偶然再会し、かつて無罪判決を下した武内真伍
が越してきた。気の利いた贈り物を貰い、勲の実母の介護の手伝いなど、武内
は善意で梶間家に溶け込んでいく。しかし、実母の死去、息子の嫁の幼児虐待
など、次々に問題が梶間家を襲う。武内の犯罪は有罪だったのか、それとも無
罪なのか。そして梶間家の問題に武内が関わっているのか……。
本書は幻冬舎創立九周年記念特別作品と帯に記載されていますが、正に特別
作品として相応しいサスペンスです。冤罪をテーマに、主人公の家族に次々と
起こる災いと、人間の狂気が見事に描かれ、家族の絆やふとしたことがきっか
けで深まる溝など、冒頭からラストまで目が離せない展開が続き、一気に読ま
された作品でした。これはお勧めです。
<本紹介>
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【ジャンル】コンピュータ
【著書名】 はじめての人のためのかんたんPerl/CGI入門
【著者名】 紙谷歌寿彦
【出版社】 秀和システム
【初 刊】 2001年5月25日
【金 額】 2200円+税
【カバー文】ホームページの作成経験はあってもCGIははじめて!という人
でも安心。CGIのしくみとプログラミングのイロハからていね
いに解説しています。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
CGIについて色々と勉強しようと思い、読み始めたのが本書ですが、図や
カラーが満載で確かに読みやすい解説本ではありました。アクセスカウンタ、
ゲストブックなど、超初心者を対象にCGIの仕組みとプログラミングのイロ
ハをわかりやすく解説しており、入門書としては最適だとは思います。ただ、
個人的にはCGIでのページを作ったものの、これをサーバーにアップして使
えるようにできない状態でもあるので、もう少しより詳しく具体例を書いた説
明をしてほしかったです。
【ま行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】雑学
【著書名】 モノの原価がわかる!
【著者名】 (秘)情報取材班・編
【出版社】 青春出版社
【初 刊】 2002年6月13日
【金 額】 850円+税
【カバー文】ミネラル・ウォーターの値段の謎、バイキングでモトはとれるの
か、ロードショー1800円の中身、100円でも損しないビニ
ール傘……。気になる原価と儲けの秘密に迫り、図解でわかりや
すく解説する。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は日常生活用品や食、あるいは激安商品やヒット商品の原価と利益をわ
かりやすく解説しているもの。とても雑学的な内容で、全ページにカラーとイ
ラスト・図入りのために読みやすく、面白い情報源にはなりましたが、どうせ
ならもっと幅広いジャンルを取り上げてほしかったです。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ミステリー
【著書名】 女神
【著者名】 明野照葉
【出版社】 光文社
【初 刊】 2002年6月25日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】「私、生まれ変わる」美貌、抜群のプロポーション、トップ・セ
ールスを誇り、エリート医師の恋人を持つ完璧な女・沙和子。彼
女の裏に潜む真実とは? 恐怖ミステリー。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
保険会社に勤める真澄は同じ部署で働く沙和子に憧れる。沙和子仕事も出来、
その容姿も完璧であった。しかし、沙和子が時折見せる暗い表情を真澄は見逃
さず、真澄は友人の由貴にそそのかされ、沙和子の行動を記録していくが、こ
れがある事件へと巻き込まれることに繋がる……。
著者の作品は以前に読んだことがあり、結構印象に残っていたので本書も読
みましたが、紹介文で「恐怖ミステリー」とあったことから、どれだけゾクゾ
クさせてくれるかと思っていましたが、特別な恐怖は感じなかったです。テー
マとしては面白いテーマを描いているとも思いますが、もう一捻りしてほしか
ったです。
【や行】
【ら行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 ラヴ・アタック!
【著者名】 川上 亮
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2002年12月10日
【金 額】 950円+税
【カバー文】出会い系サイトでモテモテ男=「ネットハンサム」を目指す春口
しげるは、彼女いない歴22年のオタク。やがてふたりのメル友
と親密さを増していき幸せの絶頂を迎えるが、その先には阿鼻叫
喚の地獄が待ち構えていた……。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
物語は出会い系サイトをテーマにしたコメディ小説にしたもので、登場人物
も可愛げな女子大生にモーションをかけるもの、オヤジを次々と騙してお金を
取るコギャル、そしてストーカーが絡み……と、笑えるやりとりと、人の錯綜
する様はテンポ良く、とても読みやすい物語でした。本書はNext賞という
新たな賞の受賞作だったので読んでみましたが、作品は荒削りでもあり、後半
は予想外の展開にちょっとガッカリしたものの、ネット恋愛を上手く爆笑の恋
愛過程として描いているのは評価できます。
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 リアルワールド
【著者名】 桐野夏生
【出版社】 集英社
【初 刊】 2003年2月28日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】ねぇ、取り返しのつかないことってあるんだよ……。高校3年の
夏休み、世界の終わりが始まった。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
通称トシこと山中十四子はホリニンナという偽名も使う女子高生。テラウチ、
ユウザン、キラリンという3人の友人とともに、残り少なくなった高校生活を
送っていた。しかし夏休みのある日、隣家の同い年の少年・ミミズが母親を撲
殺した。彼がトシの携帯電話と自転車を盗んで逃亡したことから、4人の女子
高生は事件に巻き込まれてしまう。そして逃亡するミミズを助ける4人だが、
段々と現実に追い詰められていく……。
物語は、警察や大人たちに真実を話せず、個々に抱える悩みを逃亡少年に照
らす彼女達を中心に描かれ、他人から見られる姿と本当の自分に揺れ動く高校
生の心が、それぞれの登場人物毎に描かれます。高校生を主人公にしていて、
桐野夏生作品としては多少異質ではあるものの、流れとしては「OUT」の流
れも多少汲んでおり、殺人を犯した少年と、4人の女子高生の心の闇は非常に
緻密に描かれており、ラストもお見事といえる結末です。多少描写でリアルさ
が欠けていたように感じたところこそありましたが、桐野作品としては期待に
十分に応えてくれた新作です。
【わ行】
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 忘れ雪
【著者名】 新堂冬樹
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2003年1月31日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】傷ついた子犬を拾った少女は、獣医を目指す少年に助けられた。
幸せな出逢いは、少女の悲しき家庭環境により別れを迎える。8
年後、ふたりは再会するが彼女は失踪する。愛しあっているのに
巡り逢えないふたり。純恋小説。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
父親の後を継いで獣医師として働く桜木。その桜木が高校生の時に、小学生
の深雪と怪我をした愛犬クロスと出会った。そして8年後、二人は再会するこ
とになるのだが、互いに惹かれつつも、引き裂かれ会えない運命と過去に翻弄
されていく……。
新堂冬樹としては異色の作品で、新聞広告の「泣ける」という宣伝文字もあ
ったように悪のノワールではない純愛作品は、新たな新堂冬樹を読ませてくれ
ました。特に後半はミステリの要素も入り、裏切りや失踪など急展開していく
が、全体的には2時間ドラマのような感じでしたし、個人的には作品自体は感
動するものの、泣けはしませんでした。
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