書評データベース(2003年度5月分)
■2003年5月に掲示板にて紹介された本■
手紙 東野圭吾 毎日新聞社
あなた 乃南アサ 新潮社
撓田村事件 小川勝己 新潮社
三石の風 竹内 彬 鳥影社
裸の女王様 穂刈英嗣 文藝春秋
ことし読む本 いち押しガイド2003 リテレール編集部編 メタローグ
ザ・ラストラン 関口隆哉 オークラ出版
国家破綻 あなたの預金と借金がゼロになる 藤原直哉 あ・うん
日本の銀行・信金・信組ベスト100 B&Iリサーチプロジェクト編 中経出版
先人たちの知恵袋 群ようこ 清流出版
ダーク 桐野夏生 講談社
不肖・宮嶋 踊る大取材線 宮嶋茂樹 新潮文庫
[高給]のカラクリ [薄給]のカラクリ ビジネスリサーチ・ジャパン 三笠書房
この惑星のうえを歩こう 鷺沢 萠 大和書房
ベストセラーだけが本である 永江 朗 筑摩書房
陽気なギャングが地球を回る 伊坂幸太郎 祥伝社
平成名勝負名騎手 渡辺敬一郎 講談社
名馬の記録 名馬の記憶 井崎脩五郎 ミデアム出版社
ねじまき小学生 まついなつき 株式会社カンゼン
ひっかけ商法のカラクリ 船瀬俊介 PHP研究所
ドキュメント! 内部告発 宝島社
雲の影 --王国記V-- 花村萬月 文藝春秋
椿山課長の七日間 浅田次郎 朝日新聞社
タンノイのエジンバラ 長嶋 有 文藝春秋
横田濱夫と丸山晴美の明るい節約生活入門 横田濱夫/丸山晴美 経済界
消し屋A ヒキタクニオ 文藝春秋
【あ行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ホラー
【著書名】 あなた
【著者名】 乃南アサ
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2003年2月25日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】心の中まで見透かせた私なのに。あなたのために生まれた私なの
に……。四人の若い男女に続けざまに起こる異変には、恐るべき
理由があった! 恐怖と切なさが交錯する「泣ける」長編ホラー。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
受験を控えた2浪の川島は、正月に突然の腹痛に襲われた。そしてセンター
試験が終わった頃から白いフクロウの夢を見るようになり、受験に集中できな
くなる。結局川島は受験の前の日に夢を見なかった早稲田の理工のみ受かり、
晴れて大学生の仲間入りをすることに。そして中、浪人時代から付き合ってい
る彼女もいた川島は教習所に通い、そこでカンナという女性にひとめぼれしや
がて付き合うことに。しかし、そのころから不思議な出来事が相次ぎ、カンナ
は彼に何かが憑いていることに気付き、それが彼らの戦いの始まりでもあった
……。
物語はホラータッチのミステリー。人間の狂気が描かれているのは乃南アサ
らしいですが、ホラーとしてのゾクゾク感はあまり感じられず、ラストも今一
つ。恋の切なさとその念の想いが恐怖の形となっているのですが、ホラーとし
ては中途半端な展開に思えましたし、登場人物それぞれにもっと個性的に描い
てほしかったです。
【か行】
<本紹介>
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【ジャンル】書評
【著書名】 ことし読む本 いち押しガイド2003
【著者名】 リテレール編集部編
【出版社】 メタローグ(リテレール別冊16)
【初 刊】 2002年12月1日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】「2002年単行本・文庫本ベスト3」や、恒例辛口対談・岡野
宏文×豊崎由美「2002年のベストセラーを読む」、「リテレ
ールが選ぶことしのいち押しガイド208」、その他精鋭読書家
たち10人のコラムを掲載。
【満足度】 ★☆
End------------------------------------------------
本書は作家などを中心とした読書家が選んだ昨年の単行本・文庫本ベスト3
を始めとして、コラムやいち押しガイドなどを収録されているもの。たた、紹
介されている本はエンターティメント性のある作品は非常に少なく、同じガイ
ド的な「このミステリーがすごい!」の方が読書ガイドの役割を果たしている
ようには思います。幾つか参考となる書評はあったものの、読書ガイドとして
は今一つでした。
<本紹介>
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【ジャンル】経済
【著書名】 国家破綻 あなたの預金と借金がゼロになる
【著者名】 藤原直哉
【出版社】 あ・うん
【初 刊】 2003年1月8日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】日本経済は崩壊寸前である。国家の財政が破綻するとハイパーイ
ンフレに襲われる。そうなると、銀行や郵便局などに預けている
財産はなくなったも同然になり……。金融恐慌の実態と、防御策
を述べる。
【満足度】 ★☆
End------------------------------------------------
タイトルは衝撃的ですが、日本経済の実態は確かに書かれているものの、資
産の防衛についての章はあるものの、その対応策が殆ど書かれておらず、全体
を読んでも単に経済悪化を煽っているだけの印象を受けました。浅井隆などの
著作と同じ様な内容ですが、浅井隆などと違うのは、それならぱどう対応して
いけばいいのかが明確ではないのと、他の多くの経済本の受け売りが書かれて
いるだけのようにも感じました。
<本紹介>
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【ジャンル】雑学
【著書名】 [高給]のカラクリ [薄給]のカラクリ
【著者名】 ビジネスリサーチ・ジャパン
【出版社】 三笠書房
【初 刊】 2002年12月20日
【金 額】 1000円+税
【カバー文】収入&給料の基本知っている? ライバル会社、スバリどちらが
高給か? 「資格」「免許」商売は儲かる? マスコミ、スポー
ツから身近なバイトまで、年収のカラクリを裏から見る。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は、様々な業界の給与体系を図解入りで紹介している内容で、特に銀行
員・公務員に関しては詳しく紹介されています。読んで感じたのは、銀行員の
給料の高さ。そんなに貰うなら不良債権処理をしっかりやってくれと言いたく
なります。それと天下り高級官僚の高給のカラクリも読んでいて思わずムッと
してしまいます。読んで自分に役立つというものではありませんが、雑学とし
ての情報源にはなりました。
<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 この惑星のうえを歩こう
【著者名】 鷺沢 萠
【出版社】 大和書房
【初 刊】 2002年12月5日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】ニューヨークでは鍵をなくし、韓国では寒波に遭い、空港では思
わず啖呵をきる。だけど、やっぱり、旅することをやめられない。
トラブルも旅の醍醐味!? 笑って泣いて、元気と勇気が湧いてく
るエッセイ集。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は主に旅行先でのトラブルやエピソードが書かれたエッセイ集。様々な
雑誌などでのエッセイをまとめたものですが、旅行好きの女性向きといえる内
容です。海外旅行に行ったことのないだけに、読んでいてもピンとくる個所は
ありませんでしたが、共感できたり、またつい笑ってしまったりと読みやすい
エッセイ集でした。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 雲の影 --王国記V--
【著者名】 花村萬月
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2003年3月15日
【金 額】 1429円+税
【カバー文】身を隠していた施設をアスピラントの教子と逃げだした朧。たど
り着いた長崎で、深く感応しあう二人……。男が女を「支配」す
るのか、女が男を「服従」させるのか?
「王国記」シリーズ最新
作。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
芥川賞受賞作の「ゲルマニウムの夜」、「王国記」、「汀にて」に続く、シ
リーズの4作目の本書はシリーズを全て読んできているだけに、非常に楽しみ
に読み始めましたが、正直シリーズの中では一番面白味を感じませんでした。
これまでの作品では主人公の朧の鋭い狂気ともいえる精神が物語を際立たせて
いましたが、本書の中では牙を抜かれた感じで、ある意味朧の成長は伺えるも
のの、迫力を感じませんでした。これが次作のステップの意味合いなのかもし
れませんが、シリーズの良さが活かしきれていない作品のように思えました。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 消し屋A
【著者名】 ヒキタクニオ
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2003年1月30日
【金 額】 1762円+税
【カバー文】「福岡ダイエーの名捕手を消せ」 殺しの天才Aの芸術的な技が
さえる! オカマ、無職の老人、ヤクザ、少年、消し屋、プロ野
球選手……。情に生きる男たちを描いた悪漢小説。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
物語は、プロ野球・福岡ダイエーの名捕手である真壁を消す依頼を受け、個
性的な登場人物達の男の情の世界が描かれる。野球、博打、おかま、薬、博多
……と舞台設定や主人公を始めとする登場人物に惹きこまれはするものの、ど
こか物足りなさを最後まで感じる作品でした。帯の一文からは強烈なサスペン
スと思いきや、ネタバレするので内容を詳細には書けませんが、想像していた
展開とは違い、また野球の試合の場面も緊迫感があまり感じられない描写でし
たし、迫力不足に感じるところも多かったです。テーマは面白いだけに、今一
つテーマを生かしきれていないのは残念で、以前に読んだ著者の「鳶がクルリ
と」が良かっただけに、全体的に多少期待ハズレには終わりました。
【さ行】
<本紹介>
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【ジャンル】ミステリー
【著書名】 撓田村(しおなだむら)事件 --iの遠近法的倒錯--
【著者名】 小川勝己
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2002年10月20日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】中学最後の春、クラスメイトが殺され、ぼくたちの子どもの時間
は終わりを告げた。転校生の死から始まった連続殺人事件は、や
がて過去の惨劇と二重三重に微妙な相似形を成していく……。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
物語は、この村に君臨する名家の老婆が行方不明になることから始まり、そ
の家の血を絶やさないように迎え入れた親戚というのが第一の犠牲者・桑島佳
史。殺されて木の上に運びあげられて、下半身を切られていたという残虐さが
村を恐怖の底に落とし込む。特に被害者が転校生で人気者だったこともあって、
子どもたちの人間関係に及ぼす影響も大きく、不信と恐怖が蔓延した村はどう
やって救われるのか?
ノワール作家でもある小川勝己のミステリーですから、興味深く読み始めま
したが、横溝正史を意識しての作品なのか、これまでの作品の個性というかア
クの強さはそれほど感じなかったのはやや残念です。しかしながら、展開の幅
広さと読み手を飽きさせない仕掛けは魅力的で、本格ミステリとは違いますが、
新しいミステリの形を形成しているのは評価できます。
<本紹介>
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【ジャンル】競馬
【著書名】 ザ・ラストラン --名馬たちが繰り広げた最後の闘い--
【著者名】 関口隆哉
【出版社】 オークラ出版
【初 刊】 2003年1月17日
【金 額】 1429円+税
【カバー文】ラストランでドラマチックな走りを披露した新旧24頭のスター
ホースの物語。競馬を20年間愛し続けてきた著者が思い入れた
っぷりに綴る。デビュー戦の詳報や、気になる引退後の近況、レ
ース成績、生涯成績なども掲載。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は24頭の名馬の「ラストラン」としての最後のレースをノンフィクシ
ョンとしてドラマ仕立てで紹介し、その名馬のデビュー戦や近況レポートも交
えた競馬ノンフィクション。勝ってラストランを飾ったオグリキャップやトウ
カイテイオーやステイゴールド、レース後の怪我などで思わぬ形のラストラン
となったアグネスタキオンやクロフネやタニノギムレット、敗北でのラストラ
ンとなったミスターシービーやナリタブライアンやエルコンドルパサー、悲劇
のラストランのライスシャワーやサイレンススズカなど、著者の名馬に対する
思い入れも熱く、競馬ファンならば、そのレースを読後に鮮明に思い出す……
そんな一冊です。
<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 先人たちの知恵袋
【著者名】 群ようこ
【出版社】 清流出版
【初 刊】 2002年3月6日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】「ことわざ」は先人たちの知恵の塊!
「モテモテの弟」「山んば
だった母」「赤パンを穿いて痩せる女友だち」……。群ようこを
取り巻くユニークな人物が次々登場。痛快「ことわざエッセイ」!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、昔ながらの「ことわざ」を引用し、自らのエピソードを交えたエッ
セイ集。現代版のことわざともいうべき話が満載で、群ようこらしい出来事ば
かりで、家族を始めとしてユニークな人々が多く登場していて、楽しく読める
エッセイ集です。ことわざが日常的ということを改めて気付かされたエッセイ
でもありました。
【た行】
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 手紙
【著者名】 東野圭吾
【出版社】 毎日新聞社
【初 刊】 2003年3月15日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】兄は強盗殺人で服役中。その時、弟は…。断ち切られた兄弟の絆。
希望なき世界を彷徨う人生。いつか罪は償われ、傷は癒されてい
くのだろうか。『毎日新聞』日曜版連載、待望の単行本化。
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
両親を亡くし2人兄弟だけで暮らす武島直貴の兄・剛志は、弟を大学に入れ
てやりたいという一心から、盗みに入った屋敷で、思いもかけず人を殺してし
まい、懲役15年の実刑を受ける。それ以来、弟の直貴のもとへ月に一度、獄
中から手紙を送る剛志。一方、進学、就職、職場、恋愛と、様々な場面で「強
盗殺人犯の弟」というレッテルによって、暗い支配を受ける直貴。そして日を
追うごとに、剛志からの手紙は無視され、捨てられ、やがて……。
物語は犯罪者の更正物語ではなく、殺人犯の弟で主人公でもある直貴の、殺
人犯を身内に長く苦しい足跡が描かれる犯罪の苦しみを描いた物語。主人公は
被害者と並んで犯罪が生み出した犠牲者ともいえますが、物語では社会の同情
などもなく、凶悪犯の身内に対して世間は冷たく、また懲罰的に描かれます。
心に重く圧し掛かるテーマではありますが、物語の中での主人公や登場人物の
存在もしっかりと描かれているのも東野圭吾らしく質の高い作品にも繋がって
います。そして物語のラストですが、主人公はあることをきっかけに、兄のも
う一つの顔を知ることになり、それが主人公の再生へと繋がっていくのですが、
そのラストは見事な物語の集大成になっており、読後の余韻を心に残してくれ
る1冊でした。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 ダーク
【著者名】 桐野夏生
【出版社】 講談社
【初 刊】 2002年10月28日
【金 額】 2000円+税
【カバー文】40歳になったら死のうと思っている。型に流しこまれたばかり
のコンクリートが次第に固まるように、私の決意も日に日に水分
や気泡が抜け、硬化していく。死ぬと決めてからの私は、気持ち
が楽になった……。壮大なるミロの物語。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、「顔に降りかかる雨」「天使に見捨てられた夜」に続く「村野ミロ」
シリーズの完結編。約520ページと非常に分厚い内容ではありましたが、一
気に読みました。シリーズの完結作ではあるものの、これまでのミロシリーズ
とは展開も大きく違い、主人公のミロがこれまでの流れとは違う面を数多く見
せており、シリーズ完結作というよりも、ミロがこれまでの世界から独立した
物語といってもいいような作品です。物語では過激で激しいミロの恋愛が描か
れますが、ミロの集大成に相応しい作品でもありました。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 ドキュメント! 内部告発
【出版社】 宝島社(別冊宝島Real042)
【初 刊】 2003年1月27日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】雪印食品・牛肉偽装、東京電力・原発トラブル隠蔽、三菱自動車
工業・リコール隠し……。告発者たちの手記・体験談、具体的な
事件の背景にある人間ドラマ、そして告発を歓迎する機関の実態・
現状についてまとめる。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は、様々な「内部告発」について、各ジャーナリストが取材・解説した
もの。雪印食品の牛肉偽装事件、東京電力の原発トラブル、鈴木宗男代議士の
一連の疑惑、三菱自動車のリコール隠し等、事件内容や、内部告発者保護法を
めぐる問題点についても触れられています。マスコミ報道されなかった一部の
内容などは興味深かったですが、全般的にはマスコミ等に報道されていたもの
の刷り直しというような感じは否めず、特にインパクトは感じられなかったの
は、やや残念でした。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 椿山課長の七日間
【著者名】 浅田次郎
【出版社】 朝日新聞社
【初 刊】 2002年10月1日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】やり残したことが多すぎる。このまま成仏するわけにはいかない!
突然死した冴えない中年課長・椿山は、美女の肉体を借りて七日
間だけ「現世」に舞い戻る…が…。『朝日新聞』夕刊連載の単行
本化。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
物語は、過労死をしてしまった百貨店社員が、あの世の役所スピリッツ・ア
ライバル・センターへと歩いているシーンから始まります。人違いで殺された
ヤクザ者と小学生の男の子と彼の3人は現世へと帰る特別措置を受けられるこ
とになるが、それには3つの規則があった……。展開はこの3人ごとに各章に
分かれ進んでいきます。この世に思いを残して死んだ男が、違う人間として3
日間だけ現世に舞い戻るという作品ですが、コミカルなユーモアある作品で、
人間の情を巧く表現している作品です。
<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 タンノイのエジンバラ
【著者名】 長嶋 有
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2002年12月10日
【金 額】 1333円+税
【カバー文】「なんか誘拐みたいだね。脅迫状書いてよ」「嫌だよ。おまえが
俺を脅迫してるんじゃないか」 失業中の俺が預かるはめになっ
た隣家の女の子。何をしても不満気な彼女だが、スピーカーから
歌が流れ出した時……。全4篇の短編集。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は4つの作品が収録された短編集。著者は「猛スピードで母は」で芥川
賞を受賞しましたが、その「猛スピードで母は」は読んではいないものの、本
書は現代家族と個人の関係のあり方が巧く表現されていて、4つの作品は、失
業中の男と少女の束の間の疑似家族的な関係であり、海外という逃げ場のない
空間での肉親者同士の緊張関係であり、著者自身の年齢にも重なる30歳とい
う微妙な年齢に達した女性の内面の物語であったりと、家族の距離感を物語と
しているのは評価できます。日常の淡々とした表現の仕方はいかにも芥川賞作
家らしいとも思いますが、次作も読んでみたいと思える作家です。
【な行】
<本紹介>
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【ジャンル】経済
【著書名】 日本の銀行・信金・信組ベスト100
【著者名】 B&Iリサーチプロジェクト編
【出版社】 中経出版
【初 刊】 2003年1月26日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】金融や銀行の知識がなくても読めるように、できるだけ平易な言
葉を使って説明。健全な体質をもち、しっかり稼ぎ、頼りになる
銀行・信金・信組100機関を全国から選んで紹介。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
以前に雑誌か何かで、日本の銀行のベスト100というのを読んだことがあ
りましたが、本書はランク入りしている銀行・信金・信組のプロフィールや総
合評価も詳しく書かれ、他にも銀行やお金についての疑問も分かりやすく紹介
しています。不良債権処理や貸倒引当金についても図やイラストでやさしく解
説しています。どのような銀行なら安心してお金を預けられるかの参考になる
一冊です。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】エッセイ
【著書名】 ねじまき小学生
【著者名】 まついなつき
【出版社】 株式会社カンゼン
【初 刊】 2003年3月6日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】うちの子どもが小学生になっちゃった! 小学校・ご近所・PT
A・地域をめぐるマンガ&エッセイ。PTA役員選出、おやつの
ルール、宿題チェック、学童、入学準備、性教育、おこづかい、
給食、地域の安全、父親のPTA……など。涙と笑いがいっぱい!
小学生とその親の春夏秋冬がすべてわかります。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、著者の実体験を書いた小学校・ご近所・PTA・地域をめぐるマン
ガ&エッセイ。小学生の親の年間スケジュールを始めとして、身の回りの大き
な変化や子を持つ親の生活が分かりやすく書かれています。様々な教育本は出
ていますが、こういった子供を持つ親の実体験が細かく紹介されたものは殆ど
ないだけに、今後小学校に入学する子供を持つ方は勿論のこと、現役小学生保
護者から、多くのお父さん・お母さんにお勧めしたい本です。個人的にも、数
年後子供が小学校に行くことから最初は興味本位で読んでいましたが、今のP
TA事情や、学校での授業など、知らないことばかりで、子を持つ親なら読ん
で良かったと感じる内容です。
【は行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】手記
【著書名】 裸の女王様 --田中真紀子秘書日記--
【著者名】 穂刈英嗣
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2002年10月15日
【金 額】 1286円+税
【カバー文】外務大臣就任以降、田中真紀子は自身の幼児性ゆえに数々の事件
を引き起こし、それを打ち消そうとしてまた新たな事件を招いて
きた。元公設秘書だった著者が、笑えるほどに恐ろしくて、誰に
も言えなかった悲喜劇。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
著者は田中真紀子代議士の元公設第一秘書。その著者が、秘書に至るまでの
経緯や、田中事務所の掟、外務大臣時の出来事……など、決して表に出ること
はなかった田中真紀子の実態を明かにした書です。指輪事件や外務省職員との
トラブル、大臣更迭後の外遊、公設秘書給与流用疑惑についてなど、マスコミ
報道でしか分からなかった真実が明かにされており、その当時を思い出しなが
ら読みましたが、改めて田中真紀子の政治家としての無能さが浮き彫りにされ
ています。本書を読む前までは、ここまで田中真紀子の女王ぶりが凄いとは思
いませんでしたが、正にここでの実話は悲喜劇ばかりで、特に田中真紀子を支
持していた人が読めばショックは計り知れないほど大きいでしょう。ここまで
実態を明らかにした著者は本当に勇気ある告白だとも思いますし、本書を世に
出した功績は大きいでしょう。読んで本当に良かった一冊です。
<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 不肖・宮嶋 踊る大取材線
【著者名】 宮嶋茂樹
【出版社】 新潮文庫
【初 刊】 2002年10月1日
【金 額】 781円+税
【カバー文】7歳にして初めてカメラを手にし、17歳でスク−プ写真をもの
にした報道カメラマンの、過激でシブ−イ半生。愛国党・赤尾敏
総裁、江副浩正リクル−ト社長、オウム麻原彰晃、ア−チャリー、
林真須美、松田聖子、広末涼子……もはや伝説となった数々の写
真の裏には、汗とひらめき、機転と勇気が隠されている。ハッタ
リとフンバリの痛快爆笑エッセイ、“不肖・宮嶋”のできるまで。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、著者が7歳で初めて写真撮影した時から、平成10年までに関わっ
た事件の撮影秘話がまとめたもので、サハリン事件、リクルート事件、オウム
事件、松田聖子の結婚式に広末涼子の早稲田大学入学式など、実に様々なジャ
ンルを撮影し取材していて、報道カメラマンとしての著者の存在感には、ある
意味の凄みを感じました。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】読書
【著書名】 ベストセラーだけが本である
【著者名】 永江 朗
【出版社】 筑摩書房
【初 刊】 2003年3月25日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】ベストセラーばかりが本屋に並ぶ時代にホントに読みたい本に出
会うには? 本探し術、読書術を本のエキスパートが伝授する!
ベストセラーを徹底分析するとともに、究極の本作り、こだわり
の書店などを紹介。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、各時代のベストセラーの構造を分析した内容ではありますが、その
分析と共に、出版業界の不況、様々な書店形態、新刊本の短命化、本屋に本が
ない状態、こだわりの書店紹介など、単にベストセラーだけを分析したもので
はなく、出版業界の様々な問題点を鋭く指摘し、現代の本をめぐる状況につい
ても鋭い意見を投げかけています。読み始める前は、ベストセラーの分析をど
のようにしているのだろうという程度でしたが、出版業界の深刻な問題を改め
て浮き彫りにしており、書店経営者は勿論のこと、読書好きの人にはぜひとも
読んでほしい1冊です。
<本紹介>
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【ジャンル】競馬
【著書名】 平成名勝負名騎手
【著者名】 渡辺敬一郎
【出版社】 講談社+α新書
【初 刊】 2003年2月20日
【金 額】 880円+税
【カバー文】競馬は計算できないから面白い。最高の大舞台G1レースで、武
豊、岡部、四位、藤田らはどう戦ったのか。関係者が著者だけに
語った名勝負の真実。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、中央競馬での平成の8つの名勝負での騎手にスポットを当てたノン
フィクション。その8つの名勝負ですが、平成14年の安田記念、平成11年
牡馬クラシック、平成3年牝馬クラシック、平成6年有馬記念、平成7年牡馬
クラシック、平成7年牝馬クラシック、平成11年牝馬クラシック、平成8年
牡馬クラシックが取り上げられていますが、著者の丹念な取材ぶりが文章から
も伺え、勝ち馬だけではなく、そのレースでの騎手が語るレース秘話も多く、
レースでの騎手の駆け引きなども知ることができました。大レースの舞台裏な
ど、競馬の奥深さも改めて感じることができる1冊です。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】生活
【著書名】 ひっかけ商法のカラクリ
【著者名】 船瀬俊介
【出版社】 PHP研究所
【初 刊】 2003年3月12日
【金 額】 952円+税
【カバー文】巷に横行する“ひっかけ商法”の裏側とは。次々と私達を狙うテ
レビショッピング、通販、ネット販売等の悪質業者。なぜ、かく
も簡単に騙されてしまうのか。そのカラクリを暴く。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は、様々な“ひっかけ商法”についてを紹介し、その裏側やカラクリを
紹介しているもの。TVショッピングの落とし穴、ダイエット商法のウソ、ネ
ット詐欺、危ない食べ物、食品ウソ表示など、生活上のトラブルにもなる様々
な商法についてイラスト入りで分かりやすい内容となっています。その内容で
すが、確かにトラブルに合わないための情報が紹介され、読んで良かったとは
思う内容ですが、いささか書き方が雑なところがあったのが気にはなりました。
またトラブルとなった時の対処法や相談先が書かれていなかったのもマイナス
とは思います。
【ま行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 三石の風 --走れイチモンジ--
【著者名】 竹内 彬
【出版社】 鳥影社
【初 刊】 2003年3月21日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】奇妙な面接試験で会員制馬主会社の社員になった主人公は、馬の
調査に行った北海道出張の帰り道で妖精のような美少女と知り合
う。だが、彼女は実は……。競馬好きに贈る競馬ロマン小説。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
物語は競馬を舞台とした作品で、会員制馬主会社の社員となった主人公と、
その主人公に関わる人々、そして会員制馬主会社所属の馬の活躍が描かれます。
競馬小説はこれまで幾つか読んできていますが、会員制馬主会社を舞台とした
作品は珍しく、著者はかつて物語の舞台でもある会員制馬主会社で働いていた
こともあり、会社のシステムや競走馬とも関わりなどは中々興味深く読むこと
ができました。ただし、物語としては主人公の恋愛話などは安易すぎていまし
たし、レース描写なども迫力を全く感じず、小説としての欠点は多かったです
し、もっと馬社会の魅力を作品中で表現してほしかったです。
<本紹介>
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【ジャンル】競馬
【著書名】 名馬の記録 名馬の記憶
【著者名】 井崎脩五郎
【出版社】 ミデアム出版社
【初 刊】 2003年2月20日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】アイネスフウジン、オグリキャップ、サイレンススズカ、トウカ
イテイオー、ナリタブライアン……記録と記憶に残る、平成の5
0名馬を収録。
【満足度】 ★★☆
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こちらは、週刊Gallop臨時増刊の「週刊100名馬」での著者のコラ
ムをまとめたもの。50頭の名馬の記録についてがまとめられていますが、細
かなデータは読みごたえがあるものの、コラム自体は特に印象に残るものは少
なく、もう少しノンフィクションとしての名馬物語として読みたかったです。
【や行】
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 陽気なギャングが地球を回る
【著者名】 伊坂幸太郎
【出版社】 祥伝社(NON NOVEL)
【初 刊】 2003年2月20日
【金 額】 838円+税
【カバー文】ゴキゲン4人組の正体は、百発百中で成功する銀行強盗だった。
しかし、ちょっとした誤算で売上をトランクに入れたままのクル
マを現金輸送車ジャックに奪われた……。不況気分をぶっ飛ばす
アクション。
【満足度】 ★★★☆
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物語は、銀行強盗4人組が主人公。リーダーの成瀬は嘘を見抜く名人で、天
才スリの達人、演説の達人、そして体内時計の持ち主……と非常に個性的な4
人組で、銀行強盗をし、作戦通り成功したものの、逃走中に現金輸送車襲撃犯
と遭遇し、強盗した現金を車ごと横取りされる。そして4人組は奪還に動くも
のの、仲間の息子はイジメに巻き込まれ、輸送車の運転手は死体で発見された
りとトラブルも続出する……。
内容は、饒舌で洒脱で軽妙なギャング達が繰り広げる銀行強盗劇で、軽快な
タッチで一気に読むことのできるギャング小説です。物語では特別派手な銃撃
戦などはありませんが、登場人物が個性的で物語を引き立たせています。ただ
展開としては確かに面白いものの、軽快しすぎていて迫力不足に感じましたし、
軽妙なテンポが売りなのでしょうが、テーマが実に面白いだけに、もう少し派
手なアクションを加えてほしかったです。
<本紹介>
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【ジャンル】生活
【著書名】 横田濱夫と丸山晴美の明るい節約生活入門
【著者名】 横田濱夫/丸山晴美
【出版社】 経済界
【初 刊】 2003年3月14日
【金 額】 1143円+税
【カバー文】公共料金のムダを削るポイント、賢い買い物をするためのコツな
ど、マネーの達人=横田浜夫と、節約カリスマ=丸山晴美が「明
るく、楽しく、夢のある」生活のアイデアを大公開! 年収10
0万円シリーズ第3弾。
【満足度】 ★★☆
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本書は、元銀行員の横田濱夫と節約アドバイザーの丸山晴美の共著の節約本。
互いの苦手分野をそれぞれで補っている共著で読みやすかったものの、節約本
としては目新しい内容は少なかったです。ただ巻末にある「丸山晴美の簡単レ
シピ20」は、特に女性には興味ある内容だとは思います。
【ら行】
【わ行】
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