書評データベース(2003年度6月分)

 

■2003年6月に掲示板にて紹介された本■

 レイクサイド             東野圭吾     実業之日本社
 四日間の奇蹟             浅倉卓弥     宝島社
 7days in BALI       田口ランディ   筑摩書房
 虚無のオペラ             小池真理子    文藝春秋
 競馬の血統学PART2 母のちから    吉沢譲治     NHK出版
 四月ばーか              松久淳/田中渉  講談社
 ホージンノススメ           若林アキ     朝日新聞社
 疾駆する夢              佐々木譲     実業之日本社
 しょっぱいドライブ          大道珠貴     文藝春秋
 小説 巨大銀行システム崩壊      杉田 望     毎日新聞社
 海猫                 谷村志穂     新潮社
 キング                堂場瞬一     実業之日本社
 クセになる店それっきりの店      磯貝ありさ  TBSブリタニカ
 インターネットで古本屋さんやろうよ! 芳賀健治     大和書房
 アリスの夜              三上 洸     光文社
 永遠の咎               永瀬隼介     光文社
 渇望 --裁き屋稼業--         南 英男     実業之日本社
 悪の枢軸を訪ねて           雨宮処凛     幻冬舎
 安全な温泉 あぶない温泉       中澤克之     草思社
 僕のなかの壊れていない部分      白石一文     光文社
 質問する力              大前研一     文藝春秋
 ももこの21世紀日記 N'02      さくらももこ   幻冬舎
 下戸でも自信が持てる本      全日本下戸生活連絡会 廣済堂出版
 最強の競馬論             森 秀行    講談社現代新書

【あ行】

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 海猫
【著者名】 谷村志穂
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2002年9月20日
【金 額】 2000円+税
【カバー文】かなわぬ恋に自らを投じた母。残された影を抱いて育つふたりの
      娘。海鳥がひとすじの光を求めて凍てつく空を彷徨う。北の風土
      を背景に描く、大河恋愛小説。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 物語は、函館にほど近い漁村・南茅部に嫁ぐ白無垢の女性が、バスに揺られ
るシーンから始まり、その主人公・薫の愛の行方を軸に、女3世代にわたって
繰り広げられる恋愛模様が描かれます。北海道出身の作家だけに、道内の描写
は丁寧で、その北海道を舞台に女性の3代にわたる物語はボリュームもさるこ
とながら、スケールの大きな作品で読みごたえのある大河作品でした。

<本紹介>
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【ジャンル】手記
【著書名】 インターネットで古本屋さんやろうよ!
【著者名】 芳賀健治
【出版社】 大和書房
【初 刊】 2003年3月30日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】本1冊から始められる。空いた時間を利用して自宅でできて、こ
      づかい稼ぎにもなる。そして何よりも、あこがれていた古本屋に
      なれる! ネット古本屋の開業と運営のノウハウを大公開。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 著者はネット上で古本屋を営んでおり、その著者がネット古本屋を開業する
までの手順や開業ノウハウをまとめているのが本書。個人で営むネット古本屋
の実状はどんなものか気になり読みましたが、単に開業や運営のノウハウだけ
でなく、ブックオフなどから仕入れ、その仕入れ値と売値、掘り出し物でもあ
る著者の店のベストセラーなどが書かれ、掘り出し物本の紹介や説明も多く、
読書好きには嬉しい内容です。また、個人的にネットオークションなどで出品
をしていますが、著者はEasySeekにも出品している方で、商品梱包の仕方も含
めた商品の注文から発送までも細かく書かれ、これは非常に参考になりました。

<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 アリスの夜
【著者名】 三上 洸
【出版社】 光文社
【初 刊】 2003年3月25日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】主人公を襲う、危機また危機。息詰まるサスペンスの連続と感動
      のラスト! 第六回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作「日出
      づる国のアリス」(藍川暁名義)を改題・加筆して刊行したもの。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 水原真彦はジャズバーの経営に行き詰まり、多額の借金を背負っている。そ
の真彦は暴力団絡みの争いに巻き込まれ、幼女売春を斡旋するインチキ芸能プ
ロダクションに送りこまれる。その幼児売春の商品の中に、客達の幻想の中で
純粋培養されたアリスという少女がいた。そのアリスを商品として運ぶうちに
惹かれ始める真彦は、共に脱出を決意する。裏社会の連中から追われ、2人は
逃げ出すことができるのか?
 帯には「大沢在昌絶賛」とあり、第6回日本ミステリー大賞新人賞受賞作と
いうこともあり、期待して読みましたが、正直物足りなさを感じる作品でした。
テーマからもう少しノワール的な迫力があると思っていましたが、その迫力さ
はあまり感じず、構成としては読みやすいものの、もうワンパンチが足りない
とも思いました。その暴力描写が抑制されていたことが受賞への評価がされた
ようですが、読者としては賞の受賞作ならばもっとスリルさが欲しかったです。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 永遠の咎
【著者名】 永瀬隼介
【出版社】 光文社
【初 刊】 2003年2月25日
【金 額】 2100円+税
【カバー文】夫を刺殺した男が模範囚として刑期を待たず出所することになっ
      た。綾乃は男の訪問を受け入れるが…。現代社会の閉塞感を描き
      ながら、追い詰められていく人間の、人間性の究極に迫る。『小
      説宝石』連載に加筆し再構成。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 神坂綾乃は、クラブのホステスをしながら一人息子の貴浩を育てている。そ
んな綾乃へ轡田秀彦という男からの手紙が届く。轡田は、2年半前の雪の日、
綾乃の夫、宗太郎を刺し殺した人物だった。手紙の中で、宗太郎の位牌の前で
ぬかずきたいと語る轡田。その日から、綾乃の人生が少しずつ狂い始める……。
 物語では、聖子や貞男に接近し、綾乃の人生に巧妙に入り込む轡田の真の狙
いと、綾乃が抱えるものを全編にわたり描いた作品。歓楽街の無認可保育所を
舞台とは、乳飲み子を抱えたヘルス嬢の聖子や、女に逃げられた子連れホスト
の貞男など、底辺であえぐ人間たちの不器用な行き様を描き、社会の暗部を抉
り出す作品にもなっています。ただ、ラストは巧く描かれていたものの、展開
が淡々しすぎていて、著者の他の作品を読んで存在感のある作品を期待してい
たため、物足りなさを感じた作品でした。

<本紹介>
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【ジャンル】体験記
【著書名】 悪の枢軸を訪ねて
【著者名】 雨宮処凛
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2003年2月15日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】北朝鮮に5回行き、一度行ったイラクではサダム・フセイン大統
      領の長男と会見し、なぜか「悪の枢軸」と縁があったという著者
      による旅行記。自らの目で見て、肌で感じた北朝鮮とイラクを描
      く。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、タイトルどおり著者が「悪の枢軸」である北朝鮮やイラクの訪問記
で、北朝鮮編では、「よど号」ハイジャック犯の子供たちとの交流を軸に北朝
鮮独特の観光名所や北朝鮮の風景を見ての感想を綴ったもの。この内容は、特
に新しい視点は少ないものの、よど号グループの生活ぶりなど細かく紹介して
いたのは目をひきました。また、イラク編では、近年のイラクの状況が書かれ、
メディアを通してしか知らなかったイラク情勢以外でも体験記として興味深か
ったです。

<本紹介>
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【ジャンル】?
【著書名】 安全な温泉 あぶない温泉
【著者名】 中澤克之
【出版社】 草思社
【初 刊】 2003年3月24日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】あぶない温泉にはどんな共通点があるのか? 日本全国千ヵ所以
      上の温泉で調査、消毒をおこなった温泉衛生コンサルタントが教
      えるレジオネラ菌問題の驚くべき実態と対処法。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書を読むまで、レジオネラ菌という名前こそ聞いたことがありましたが、
詳しい実態を知らなかっただけに、勉強にはなりました。著者は衛生対策業者
の立場から、温泉のレジオネラ菌にどう取り組んできたかを明らかにし、温泉
の衛星の正しい知識と情報を分かりやすく解説してくれています。ただ、最初
に書かれている「私の温泉消毒記」はもっと多くの温泉を紹介してほしかった
です。

【か行】

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 虚無のオペラ
【著者名】 小池真理子
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2003年1月10日
【金 額】 1524円+税
【カバー文】日本画家の専属裸婦モデルを務める結子は、恋人のピアニスト島
      津と、別れるための4日間を真冬の京都で過ごす。恋情と性愛の
      極み。艶やかに奏でられる「恋愛宇宙」。『オール読物』連載。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 日本画家・堂島滋春の専属裸婦モデルをつとめる三浦結子は、8歳年下のピ
アニスト島津正臣と恋に落ちる。ふたりは激しく愛し合うが、堂島の自殺未遂、
島津の妻の妊娠に直面し、結子は別れを決意する。ふたりは冬の京の山間の宿
で「別れ」のための4日間を過ごす……。
 物語は中年男女の出会いと別れを描いた作品。舞台設定が1ヶ所に絞られ、
4日間という限られた時間の中での濃密さが、小池真理子らしい描写で巧く表
現されており、老いを見つめざるを得ない年齢にさしかかった女性の心の動き
やとまどいが良く表現されていたと思います。

<本紹介>
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【ジャンル】競馬
【著書名】 競馬の血統学PART2 母のちから
【著者名】 吉沢譲治
【出版社】 NHK出版
【初 刊】 2003年3月25日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】これまで父系中心に語られてきたサラブレッドだが、種牡馬の質
      が飛躍的に向上した現代、母系を無視した血統論はもはや意味を
      なさない。競走馬の海外遠征ブームのきっかけになった「馬事文
      化賞」受賞作の第2弾。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、「馬事文化賞」を受賞した「競馬の血統学」の続編。普通の競走馬
の血統学は種牡馬の血統が中心で、母馬の血統は殆ど取り上げられることはあ
りませんでしたが、生産界では、母系血統の重要性が常々意識されており、そ
の母系血統について紹介されているのは血統学の更なる奥深さを追及しており、
一競馬ファンとして非常に興味深い内容でした。また、血統学としても最近の
GI勝ち馬の5代血統表から分かりやすく説明しているため、難しい血統学が
読みやすくなっている点は評価できます。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 キング
【著者名】 堂場瞬一
【出版社】 実業之日本社
【初 刊】 2003年3月25日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】男子マラソンの五輪代表選考レースを控えた青山にドーピングの
      疑いが。代表の座を渇望する彼は…。栄光に挑む男たちを巡る葛
      藤・執念・陰謀を描く、俊英渾身の書き下ろしスポーツ小説。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 大学陸上部で同級生だった三人がオリンピック男子マラソン代表、最後の一
枠の選考レースに出場する。30歳の彼らにとって、これが五輪へのラストチ
ャンスでもあった。日本最高記録を持ちながら、故障に泣かされ続けた天才ラ
ンナーの須田は、最高の練習環境に身を置き、復活を賭ける。陸連批判をして
チームを去り、4年ぶりに走る武藤は「俺が勝つ」と断言。そして、優勝経験
がない青山の前には、絶対に発覚しないというドーピングを勧める謎の男が現
れる……。
 物語は、栄光に挑む男たちの葛藤、執念、欲望もそして死んでもいいから勝
ちたいと願う男たちが得たものと失ったものを緊張感ある描写で描きます。物
語はドーピングとスポーツについてを上手く物語としていますが、それよりも
登場人物の「勝ち」にこだわる執念が展開を盛り上げています。

<本紹介>
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【ジャンル】生活
【著書名】 クセになる店それっきりの店
【著者名】 磯貝ありさ
【出版社】 TBSブリタニカ
【初 刊】 2003年3月24日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】お客が集まる、商品が売れるのには訳がある。1007人の主婦
      に「買い物アンケート」を実施。消費者の本音が明らかに! そ
      こから導き出した60のチェックポイントで何が足りないか、ど
      う改善したらいいかがわかる。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、女性の消費者1007人に買い物についてのアンケートを取り、そ
の回答を参考にして、どんな時に「買いたくなる」か、そしてどんな時に「買
いたくなくなる」かを購入前後でのそれぞれのシーン別にまとめたもの。実店
舗の事例を挙げており、買い物の参考にもなりますが、サービス産業側からも
顧客が何を求めているのかの生の声が書かれているため、参考になります。

<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 渇望 --裁き屋稼業--
【著者名】 南 英男
【出版社】 実業之日本社(JOY NOVELS)
【初 刊】 2002年7月25日
【金 額】 838円+税
【カバー文】娘の盗撮ビデオをネタに三億円を要求された会社社長に頼まれて
      脅迫者探しに立ち上がった男たち。その前に立ちはだかるウラ社
      会の実態。やがて、ヤクザとの緊迫した対決のときが迫る!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 35歳の成瀬は空手の有段者で怪獣ショーの縫いぐるみ役者。54歳の磯村
は元雑誌編集者でゴーストライター。2人はもっか失業中の身だったが、脅迫
事件の犯人探しをしてほしいという話が持ち込まれた。事件内容は娘の盗撮ビ
デオをネタに会社社長が強請られているという内容。しかし2人が調査を開始
していくとそこには裏社会の実態が明らかになっていった……。
 物語は失業中の2人の主人公がある事件調査から、暴力団との対決に関わる
サスペンス。男の復権をかけ、事件解決へ向う主人公の戸惑いと焦り、そして
裏社会の陰謀がテンポよく描かれています。

<本紹介>
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【ジャンル】インタビューなど
【著書名】 下戸でも自信が持てる本
【著者名】 全日本下戸生活連絡会
【出版社】 廣済堂出版
【初 刊】 2003年4月5日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】酒飲みにバカにされがちな下戸の人たちを励ます一冊。胸を張れ!
      下戸の人生はこんなに楽しい。全国六千万人の下戸に捧げる本。
      人気AV男優・加藤鷹など下戸有名人も登場。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、下戸だった歴史上の人物の紹介や、著名人のインタビュー、下戸と
しての体験談などが数多く紹介される内容。以外な芸能人の下戸や飲めない酒
造会社社長など、インタビューも多岐にわたって盛り沢山で面白かったです。

【さ行】

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 7days in BALI
【著者名】 田口ランディ
【出版社】 筑摩書房
【初 刊】 2003年1月22日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】失踪した友人から届いた三枚の絵葉書が、私をバリの深奥へと導
      いた。宗教と音楽とむせ返るような自然。不思議な青年オダ。そ
      して、「ニュピ」にはミツコに会えるかもしれないという謎の言
      葉の意味は? 書き下ろし長編小説。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
 田口ランディの小説では精神世界の表現が巧いとも思うのですが、本書はそ
の精神世界が更に奥に入りすぎて、難解になっているなァというのが読後感じ
たことでした。バリ島が舞台で、あまり舞台が想像できないこともあり、どこ
か物語に曖昧さも感じましたし、登場人物もこれまでの作品に比べると個性が
曖昧で、物足りなさを感じました。

<本紹介>
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【ジャンル】連作小説
【著書名】 四月ばーか
【著者名】 松久淳/田中渉
【出版社】 講談社
【初 刊】 2003年3月11日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】大学時代に親友だった3人は偶然の再会から奇妙な共同生活を始
      める。しかし彼らはそれぞれ秘密を抱えていた…。リアルでせつ
      ない恋物語。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 1997年の東京で、デザイナー・守山亨の部屋に十年来の親友、今野新一
と海外生活を終え帰国した旧友の北村朋子が転がりこんでくる。そこから始ま
る共同生活。しかし3人はそれぞれに明かすことのできない問題を抱えており、
日々関わっていく中それらの問題が浮き彫りになっていく……。
 物語は3編の連作小説。共著の著者が以前に書いた「天国の本屋」同様にち
ょっぴり切ない物語ではありますが、印象としては「天国の本屋」の方が読後
のインパクトがあっただけに、本書はつい比べてしまったのと、結末がやや強
引な部分を感じたため、多少物足りなさを感じました。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 疾駆する夢
【著者名】 佐々木譲
【出版社】 実業之日本社
【初 刊】 2002年11月1日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】戦後日本を逞しく生き抜いた多門大作を通し、「モノ作り」の大
      切さ、尊さを描ききった長編企業小説。友情、裏切り、陰謀に満
      ちた人生の挫折と再生のドラマは、闘うサラリーマンならば誰し
      も共感できるはずです。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は、戦後の日本自動車業界を舞台にした一人の男の物語。実際の歴史を
踏まえて、そこにストーリーを織り込んでいくスタイルで、情報量やスピード
感もあり、740ページというボリューム感があります。ただ残念だったのは、
後半が急ぎすぎの展開となっており、後半部分をもっとじっくりと描いてほし
かったです。

<本紹介>
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【ジャンル】小説集
【著書名】 しょっぱいドライブ
【著者名】 大道珠貴
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2003年3月1日
【金 額】 1238円+税
【カバー文】34歳独身の「わたし」と60代妻子持ちの九十九さんのしょっ
      ぱい愛の物語。芥川賞受賞作「しょっぱいドライブ」のほか、
      「富士額」「タンポポと流星」の計3編を収録。
【満足度】 ★
End------------------------------------------------
 表題作の「しょっぱいドライブ」は、海沿いにある小さな町を舞台に、34
歳の実穂と60代前半の男性九十九さんの微妙な恋愛関係を、語り手である実
穂の視点から描いた物語。芥川賞受賞作ということで、どんな物語なのかと多
少期待して読みましたが、文体も読みにくく、登場人物にも魅力は感じません
でした。単なる小説というならばまだしも、芥川賞受賞作というには相応しく
ない作品に思えたのは自分だけだろうか?

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 小説 巨大銀行システム崩壊
【著者名】 杉田 望
【出版社】 毎日新聞社
【初 刊】 2002年7月25日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】三行合併を翌年に控え、若き行員・秋本は、システム統合に不安
      を覚える。しかし、銀行幹部は聞く耳をもたない。やがて迎えた
      運命の4月1日。世界最大級銀行を舞台に、金融最前線の知られ
      ざるドラマを描く。
【満足度】 ★☆
End------------------------------------------------
 タイトルから、物語は巨大銀行のコンピュータシステムの舞台裏を描いたも
のと思ったのですがその銀行システムは一部の描写で、読みやすかったものの
システム統合の内情を期待していただけに、タイトルに裏切られたという感じ
を受けました。主人公は興銀経営企画室調査役で、それをとりまく金融庁女性
キャリアや新聞社の経済部長など、登場人物の設定などは良かっただけに、軽
いタッチになりすぎていたのと、肝心の巨大銀行のシステムが崩壊する舞台裏
があまりにも少なかったのは、大きな欠点だとも思います。

<本紹介>
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【ジャンル】社会
【著書名】 質問する力
【著者名】 大前研一
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2003年3月1日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】受験、住宅購入、転職、結婚、年金投資…。これらは他人まかせ
      では必ず失敗する。成功の秘訣は「質問する力」。人生をより良
      く生きるための最大の武器を伝授。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、1985年以降の世界の変化や、北朝鮮問題、日本国債の格付け、
不良債権問題、郵政民営化、日本の英語教育など、様々な問題点を明らかにし
ている他、政治、経済、ビジネス、個人の生き方など幅広く取り上げています。
質問力に優れていたという、政財界の有名人のエピソードなど興味深い文章も
ありましたが、できればもう少しビジネス的な内容を書いてほしかったです。
それでも自分自身で考える「質問する力」の意味合いを改めて感じさせられま
した。

<本紹介>
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【ジャンル】競馬
【著書名】 最強の競馬論
【著者名】 森 秀行
【出版社】 講談社現代新書
【初 刊】 2003年3月20日
【金 額】 680円+税
【カバー文】馬の距離適正から騎手の巧拙、調教の方法、レースの選び方まで。
      読んで納得、目からウロコの最新競馬論。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 著者はJRAの関西調教師。その著者が調教師としての仕事を始めとして、
馬の見方や個性、騎手、調教、海外競馬への挑戦など、自分なりのやり方を説
明しながら独自の競馬論が書かれています。競馬ファンにとっては内容的には
やや面白味に欠ける部分もありますが、調教師の仕事内容や著者の考えなどは、
結構興味深かったです。

【た行】

 

【な行】

 

【は行】

<本紹介>
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【ジャンル】実録エッセイ
【著書名】 ホージンノススメ
【著者名】 若林アキ
【出版社】 朝日新聞社
【初 刊】 2003年4月30日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】月に一度しか出てこない部長?! 仕事中に英会話レッスン?! 請
      求書はヤミ愛人手当?! えっ、そんなことまでやってるの? 特
      殊法人元職員による、誰も書けなかった内部告発。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は特殊法人元職員による内部告発の実録エッセイ。様々な形で浮上して
いる特殊法人問題ですが、その特殊法人の問題点とは何かが本書を読めばハッ
キリと分かります。また、著者が内部告発した後の追究ぶりは特に凄まじく、
著者が使っていたパソコンのハードディスクを勝手にスキャンして、過去に送
受信したメールの内容を覗き見ることは当たり前で、FAXの送信記録を辿っ
て退職金を支払わないばかりか、内容証明や脅迫的なメールを連日のように送
りつけるなど、組織の汚い掟も垣間見ることができます。税金の無駄遣いや天
下り以外にも職員の怠慢振りなど、国民が知らなかった世界が毎ページで書か
れ、驚きの連続の内容です。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 僕のなかの壊れていない部分
【著者名】 白石一文
【出版社】 光文社
【初 刊】 2002年8月25日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】松原直人は、出版社勤務の多忙を極める30歳。才色兼備の枝里
      子という恋人がありながら、人妻、離婚歴のある子持ちの女性と
      も関係を続ける。驚異的な記憶力を持つが、それには理由があっ
      て…。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 主人公は30歳の男性編集者で、才色兼備のスタイリストの恋人、子持ちの
バーのママである愛人、SMプレイ相手の人妻という女性関係があり、さらに
家庭教師の元生徒だった少女と、たまに泊まりに来る弟のような青年という疑
似家族がある。一方で、生老病死に思いをはせることなく平凡という世界に安
住する人々を、厳しく非難していく。愛について、生と死について、突き詰め
て考えずにいられない主人公。壊れているのは自分なのか、それとも他の人達
なのか……。
 読み始めは恋愛小説と思いきや、生と死を見つめながら、自分自身を探し求
める主人公の言葉には重さがあり、愛や人生について行き付く先を求める展開
には、ついつい惹きこまれていきました。ラストに少々物足りなさはあったも
のの、質の高い作品です。

【ま行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】エッセイ
【著書名】 ももこの21世紀日記 N'02
【著者名】 さくらももこ
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2003年2月27日
【金 額】 1100円+税
【カバー文】イラスト全部描き下ろし、日常のシンプルな幸せを綴ったももこ
      の面白い日記の第2弾。NTTドコモiモードの「さくらももこ
      サイト」掲載「ももこの近況」をまとめる。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 前作の「N'01」も読みましたが、本書は前作同様にエッセイと絵日記を足し
たもので、一日の内容がとてつもなく短く気軽に読めるエッセイです。さくら
ももこのこれまでのエッセイよりは笑いは少なく、物足りなさはありますが、
ほのぼのとした絵と日記の絶妙なマッチはそこそこには楽しめます。

【や行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 四日間の奇蹟
【著者名】 浅倉卓弥
【出版社】 宝島社
【初 刊】 2003年1月22日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】挫折した音楽家の青年と脳に障害を負ったピアニストの少女との
      宿命的な出会い。そして山奥の診療所で遭遇する奇蹟……。癒し
      と再生のファンタジー。第1回「このミステリーがすごい!」大
      賞金賞受賞作品。
【満足度】 ★
End------------------------------------------------
 第1回「このミステリーがすごい」大賞の金賞受賞作ということで、王道の
ミステリだと思って読みましたが、物語はミステリーではなく、ピアニストと
脳に障害を持った少女との、音楽に深くこだわった再生のファンタジー物語。
辛口の選考委員が絶賛との帯を読み、非常に期待しましたが、これは完全に期
待ハズレでした。少々辛口な意見になりますが、まず展開といい内容といいど
こかで読んだことある展開で、作品名こそ忘れましたがパクリの感じもします。
それでいて、物語は確かにラストの展開は読ませるものの、それまでは淡々と
しすぎていて、正直これでよく金賞が受賞できたものだと思います。

【ら行】

<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 レイクサイド
【著者名】 東野圭吾
【出版社】 実業之日本社
【初 刊】 2002年3月25日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】愛人を殺された夫。妻が犯行を告白する。そして夫は愛人の遺体
      を湖の底へ…。中学受験を控えた子供たちの勉強合宿のため、4
      組の家族が集まった湖畔の別荘で、いったい何が起こったのか!?
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 物語は、受験を控える子供達の勉強合宿で、湖畔の別荘に集まった4組の家
族と、そこで起こる殺人事件を描いた作品。東野圭吾の作品としては多少アッ
サリしていて物足りなさも感じたところもありましたが、展開の組み立て方が
巧く、伏線やエピソードも丁寧に描かれ、読み手を飽きさせない描写は東野圭
吾らしさといえます。その描写ですが、登場人物の行動・言動のみで、その人
が何を考え、何をしようとしているのかは読者が考えるという斬新な発想も面
白かったです。

【わ行】

 

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