書評データベース(2003年度7月分)

 

■2003年7月に掲示板にて紹介された本■

 繋がれた明日             真保裕一     朝日新聞社
 秋に墓標を              大沢在昌     角川書店
 沈むさかな              式田ティエン   宝島社
 奪還                 蓮池 透     新潮社
 トホホ者のパソコン戦記      金井哲夫/宇佐美月子 アスキー
 生誕祭(上下巻)            馳 星周     文藝春秋
 2020年からの警鐘       日本経済新聞社編 日経ビジネス人文庫
 玉の輿同盟              宇佐美游     角川書店
 立花隆秘書日記            佐々木千賀子   ポプラ社
 マンガの居場所            夏目房之介ほか  NHK出版
 馬と人、真実の物語2         大塚美奈     アールズ出版
 真相                 横山秀夫     双葉社
 燃えよ!刑務所            戸梶圭太     双葉社
 不肖・宮嶋 金正日を狙え!      宮嶋茂樹     文藝春秋
 爆笑問題の今を生きる         爆笑問題     集英社
 初心者のためのやさしい金融   塚崎公義/山澤光太郎  東洋経済新報社
 一生競馬               河内 洋     ミデアム出版社
 逃亡作法               東山彰良     宝島社
 消費者金融 誰もが驚く裏オモテ    井上トシユキ   文藝春秋
 悪口の技術              ビートたけし   新潮社
 ハミザベス              栗田有起     集英社
 邪光                 牧村 泉     幻冬舎
 バトル・ロワイヤルU         杉江松恋     太田出版
 鎮火報                日明 恩     講談社
 罪と罠へのアドレス          鈴木輝一郎    実業之日本社
 アブラムスの夜            北林 優     徳間書店

【あ行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ハードボイルド
【著書名】 秋に墓標を
【著者名】 大沢在昌
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2003年4月5日
【金 額】 1667円+税
【カバー文】勝浦の別荘地で静かに暮らす松原竜。見知らぬ女・内村杏奈との
      偶然の出会いが、竜を静かなる生活から激しい戦いへと導く…。
      女を守るための男の強さとは。男と女の新しい関係を、今までに
      ない形で描くハードボイルドの新境地。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 物語は、過去を持ち、世を捨てた中年の男・松浦龍が、ある日浜辺で杏奈と
いうわけありの女性に、惚れてしまい、捨てていた恋愛感情が呼び起こされる。
その杏奈を捜し求めるうちに、世界規模の事件に巻き込まれていくという物語。
派手なアクションシーンもなく、感傷的な展開のハードボイルドで、大沢在昌
としては珍しい作品ではあるものの、その感傷的な展開に惹きつけられ、登場
人物もそれぞれに魅力的で物語を盛り立てています。これまでの大沢作品と比
べ、多少の物足りなさはあるものの大人のハードボイルドを演出している作品
でした。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】競馬ノンフィクション
【著書名】 馬と人、真実の物語2
【著者名】 大塚美奈
【出版社】 アールズ出版
【初 刊】 2003年4月28日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】馬主・騎手・装蹄師・獣医師など競走馬に夢を託した人間の姿を
      描いた『週刊ギャロップ』連載のノンフィクション第2弾。ナリ
      タブライアン、トウカイテイオー、メジロラモーヌ、ナリタトッ
      プロードなど、競走馬の「営み」の歌。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は、競走馬とその競走馬に関わった人々のノンフィクション。約10の
ノンフィクションが収録されており、競馬ファンならば誰もが知っている名馬
物語にもなっています。ノンフィクションとしてはそれぞれにまとめられてい
るものの、個人的にはもう少し関わった人達のエピソードをより幅広く取り上
げてほしかったとは思いますが、知られざるエピソードもあったりと、夢物語
として興味深い内容ではありました。ただ、他の競馬ノンフィクション作家と
違い文章に若さを感じるのはいいですが、奥深さが足りず、少々物足りなさも
感じました。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】競馬
【著書名】 一生競馬
【著者名】 河内 洋
【出版社】 ミデアム出版社
【初 刊】 2003年3月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】騎手として心がけたこと…フェアプレイ! 調教師になったら…
      個性豊かな馬を育てたい! 平成15年2月23日に騎手現役を
      退いた河内洋が、これまでの競馬人生、そしてこれからの調教師
      としての夢を語る。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 今年でJRA騎手を引退し、新たに調教師となった河内洋が、これまで騎乗
し記憶に残る名馬や、騎手としての考え方、これから調教師になる夢を語り、
それを以前から親交のあった元競馬記者で現育成牧場に勤務する加賀谷氏の聞
き語りという形を取っているのが本書です。手記ではなく、河内洋が語り部と
なっているだけに、言葉の伝わり方もスムースで、アグネスタキオン、アグネ
スフライト、メジロラモーヌ、サッカーボーイ、ニシノフラワーなどの騎乗エ
ピソードなども文章ではなく言葉による印象が残りました。個人的に河内洋騎
手は好きな騎手だっただけに、調教師としても勿論成功してほしいですし、最
後に語っていましたが「馬と騎手を大切にする調教師」をぜひ目指してほしい
です。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ミステリー
【著書名】 アブラムスの夜
【著者名】 北林 優
【出版社】 徳間書店
【初 刊】 2002年6月30日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】母は何者かによって撲殺され、父はその墓前で謎の焼身自殺。こ
      うした暗い過去を背負った若き女性警視庁鑑識課第一現場鑑識係・
      松原唯。人の心の闇の断片を拾い集め、事件の全貌を暴く。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 母親を殺され、心に傷を持ったまま現在警視庁鑑識課に勤める松原唯。そし
て、点数を稼ぐことを公言してはばからない権堂。そんな彼らが、焼死体事件
を調べることに。明らかに愉快犯と思われる惨殺死体に、警察は必死の捜査を
行うが、第2の事件が起きた……。
 物語としては、加害者の犯行の様子が度々挿入され、凝った展開ではあるも
のの、同じ犯人像が一貫せず複雑で、その割に真相は単純と展開を活かしきれ
ていない印象を受けましたし、余計な展開や登場人物が多過ぎて、この点は欠
点だったように思います。

【か行】

 

【さ行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】サスペンス
【著書名】 沈むさかな
【著者名】 式田ティエン
【出版社】 宝島社
【初 刊】 2003年3月28日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】父親の急死の真相を探るカズ。だが、糸口さえ見えないままに事
      件が起き、幼なじみが命を落としてしまう…。海辺を舞台にした
      サスペンス。「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞受賞作品。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 17歳の高校生・矢野カズは、父親と死に別れ、家族も避けて暮らしている。
ある日、カズのアルバイト先に幼なじみの英介が訪ねてきて、カズをスキュー
バダイビングに誘う一方で、英介は突然死したカズの父親の死には不審な点が
あり、その謎を解くカギが海辺のナイトクラブにあることを告げる。クラブに
潜り込み、真相を探ろうとするカズだったが、何の手がかりもつかまないうち
に、英介が海で死体となって発見されてしまう……。 物語は、湘南の海を舞
台にした海洋サスペンスで、主人公が様々な障害を乗り越えて、父親の死の真
相に迫るという物語。読後の爽快感はあるものの、「このミステリーがすごい
!」大賞金賞受賞作の「四日間の奇蹟」と同じく物足りなさを感じました。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】暗黒小説
【著書名】 生誕祭(上下巻)
【著者名】 馳 星周
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2003年6月1日
【金 額】 上巻1700円、下巻1600円
【カバー文】バブル絶頂期の東京。元ディスコ黒服の堤彰洋は地上げ仕事に従
      事、人を騙し、陥れていた。大金を動かす快感に酔いしれる彰洋
      は、次第に深みにはまってゆく…。欲望の極限を描いた渾身の長
      篇小説。(上巻)
      「盗んではいかん」 祖父と交わした約束は無残に打ち捨てられ
      た…。若き「持たざるもの」の一瞬の光芒を残酷なまでに描き切
      った長篇小説。『オール読物』連載を単行本化。
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
 舞台は80年代のバブル全盛期。ディスコで黒服として働く二十歳そこそこ
の堤彰洋は幼馴染で不動産業界で巨万の富を築いた波潟の愛人でもある麻美か
らの紹介で、若き実業家・斉藤美千隆の元で働くことに。地上げ屋として巨万
の富を手に入れようとする地上げ屋、ヤクザなどの金の亡者達がバブルの狂乱
に飛びこんでいく……。
 新宿のイメージが強い著者ですが、本書はバブルを象徴とする銀座、六本木、
赤坂を舞台に、巨額の金を巡る男達の日常がスピードと迫力で描かれます。最
後にババを引いて破産するのは誰か? そして主人公・彰洋の最後は? 上下
巻で実にボリュームある作品でしたが、馳星周らしい展開の緊張感が最初から
最後まで続き、バブル当時の時代背景と金を巡る抗争を見事なまでに表現した
作品です。今のところは個人的には今年上半期のナンバーワン作品だと思いま
す。

<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 真相
【著者名】 横山秀夫
【出版社】 双葉社
【初 刊】 2003年6月5日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】事件とは、死者にとってのドラマではなく、死者を取り巻く人々
      の哀しみや懊悩…。そうだとするなら、事件が終わった後にこそ、
      人の胸を焼き焦がす「真の事件」が頭を擡げる。『小説推理』掲
      載の短編5編を収録。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は5つの作品が収録されている短編集。横山秀夫といえば、警察内部を
描いた作品で知られていますが、今回は警察という舞台を離れ、事件に関わる
人々の心の揺れが視点となっています。表題作の「真相」は、自慢の息子を殺
された50代の父親が主人公。息子殺害から10年後に犯人が捕まり、仏壇に
決着の報告をしたのもつかの間、事件の思いがけぬ真実を知らされて切ない親
心を描ききっています。作品それぞれに印象に残る作品でしたが、個人的には
表題作の父親の揺れ動く心理が短編の中にもしっかりと描かれ、良質の作品と
なっていました。

<本紹介>
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【ジャンル】経済
【著書名】 初心者のためのやさしい金融
【著者名】 塚崎公義/山澤光太郎
【出版社】 東洋経済新報社
【初 刊】 2003年4月24日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】銀行、証券会社の仕事、中央銀行の役割といった金融の基本的な
      仕組みから、不良債権問題等、わが国金融の現状に関するトピッ
      クまで幅広く平易に解説。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、金融の仕組みを始めとして、銀行の役割と機能、金融市場と市場価
格、わが国の金融の現状、基本的な金融関連用語など、基礎からわかる78の
キーワードとして解説されているもの。社会人や学生が金融について知ってお
くべき事柄を幅広く取り上げていますが、もう少しイラストや図や表による説
明があれば、更に分かりやすい内容になったとも思いますし、解説は分かりや
すいのですが読みにくいと感じるところもあり、やさしい金融と題した以上も
う少し読みやすさも追求してほしかったです。

<本紹介>
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【ジャンル】金融
【著書名】 消費者金融 誰もが驚く裏オモテ
【著者名】 井上トシユキ
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2003年2月25日
【金 額】 1238円+税
【カバー文】あなたは今、いくらぐらいの借金を抱えていますか? 日本社会
      において、今、借金が深刻な問題となりつつあります。利用者1
      600万人、最低限知っておくべき消費者金融の常識の数々。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 タイトルから消費者金融の暴露本かと思いましたが、中身はフリーライター
の著者のよる消費者金融業界に関する解説本で、改めて多重債務者の悲劇が増
加している事実が浮き彫りとなっています。国の国債増発や不良債権問題につ
いての記述で物足りなさを覚えましたが、消費者金融を利用するのであれば読
んでその内容を把握おくべきだとは思いました。

<本紹介>
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【ジャンル】ホラーミステリー
【著書名】 邪光
【著者名】 牧村 泉
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2003年1月15日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】猟奇的な大量殺人事件で世間を震撼させた赤光宝霊会。教祖の久
      江は邪光を放つ者は粛正されなければならないという教義に基づ
      き殺人を繰り返し逮捕された。32歳の主婦・真琴の隣室に引っ
      越してきたのは教祖の一人娘だった…。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 主人公・真琴は、夫は東京から大阪に引っ越してきた。そして入居したマン
ションには、大量殺人を犯して逮捕されたカルト教団教祖の娘・黎子が隠れ住
んでおり、その小学生の黎子に優しく接触する真琴だが、マンション周辺では、
異変が続発し、殺人事件まで発生した……。
 表紙のイメージからかなり強烈なホラーかと想像していましたが、確かにホ
ラー要素はあるものの、怖いというよりは切ない物語でした。丹念な描写で構
成もしっかりしており、ラストは読み手として考えさせられる結末でもありま
すが、全体的にもうワンパンチ足りないという印象も感じました。

【た行】

<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 繋がれた明日
【著者名】 真保裕一
【出版社】 朝日新聞社
【初 刊】 2003年5月30日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】この男は人殺しです…。仮釈放となった中道隆太を待ち受けてい
      た悪意に満ちた中傷ビラ。いったい誰が何の目的で? 孤独な犯
      人探しを始めた隆太の前に立ちはだかる「障壁」とは? 「罪と
      罰」の意味を問うサスペンス巨編。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 二十歳の時に喧嘩の末、誤って殺人の罪を犯した中道隆太は、刑期満了を目
前に仮釈放となった。保護司の世話もあり、就職も決まり、更正の1歩踏み出
したが、やがて勤務先や自宅のアパートに「この男は人殺し」と書かれた中傷
ビラをばらまかれる。いったい誰が何の目的でこんな仕打ちをするのか? 隆
太は孤独な犯人探しに乗り出すが、彼の前には巨大な“障壁”が立ちはだかっ
た……。
 最初に感じたことは今年読んだ東野圭吾の「手紙」に非常に良く似ていると
いうのが第一印象でした。その「手紙」では犯罪者の弟が主人公であるのに対
し、本書は犯罪者自身が主人公となっています。どちらも犯罪者の更正のプロ
セスは細かく描写され、本書での、犯罪を犯して刑務所に入れられる時の気持
ち、刑務所の中、そして仮釈放中の感情の変化を追っていく文章は実に読ませ
てくれる展開で、ラストの3行に主人公の想いが見事に込められ、エンディン
グの締めくくりを飾っています。東野圭吾の「手紙」が先に出ただけにインパ
クトがやや欠けたように感じましたが、それでも読む価値ある作品でした。

<本紹介>
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【ジャンル】手記
【著書名】 奪還 --引き裂かれた二十四年間--
【著者名】 蓮池 透
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2003年4月25日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】弟は必ず取り返す…。突然訪れた悪夢の日々、懸命の救出活動、
      感動の再会。そして「洗脳」との闘い。幼い頃の兄弟の様子から、
      日本への生還、素直に喜べない家族の気持ちなど、「北朝鮮拉致」
      の真実を怒りを込めて綴った手記。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 出版時に大きな話題にもなったこの「奪還」ですが、ようやく読むことがで
きました。率直に感じたことは、24年間の戦いの記録が、実名をあげ、克明
に書かれていて、それも感情的を押さえ、淡々と書いていることは多いに共感
できますし、蓮池氏の悩みや苦しみの一部を感じとることができました。また、
本書の中では、北朝鮮を無法国家、日本を無能国家と表現していますが、日本
の政府・外務省の対応は呆れるばかりで、政府機関の酷さが明らかにされてい
ます。事件の一刻も早い解決を願うと共に、事態の進展と好転に期待したいで
す。

<本紹介>
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【ジャンル】パソコン
【著書名】 トホホ者のパソコン戦記
【著者名】 金井哲夫/宇佐美月子
【出版社】 アスキー
【初 刊】 2003年5月18日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】襲い来る不条理なパソコンのトラブルを笑って交わす人たちがい
      た! 『週刊アスキー』で連載の「東京トホホ会」から厳選した
      ネタ60本を収録。あなたのトホホ度がわかる「トホホ診断テス
      ト」など書き下ろし企画も満載。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 誰もが経験するパソコントラブル。そのトラブルでのジタバタぶりや思わず
笑ってしまうトラブルのネタを「週刊アスキー」の「東京トホホ会」から集め
たものが本書。ADSLの速度の遅さ比較や買い物ヘタ、下手の横好きでいじ
ってパソコンを壊してしまった話など、他人事ではあるものの、そのトラブル
が非常によく分かり、思わず頷いてしまうパソコンネタ本です。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 玉の輿同盟
【著者名】 宇佐美游
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2003年4月25日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】32歳、仕事はできるが若くはない。微妙な年齢のOL3人が、
      幸せを求めて同盟を組んだ。医者、官僚、業界人…とコンパ、お
      見合いを重ねる3人が、泣き、笑い、悩みながら見つけた幸せは!?
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 二流商社で働く32歳のOL3人が、一人の失恋をきっかけに、おさえの恋
人に見切りをつけ、玉の輿を目指す同盟を結んだ。早速、医者、官僚、テレビ
マン……とコンパ、お見合いを重ねるものの、エリートたちはどいつも一癖あ
る男ばかり。泣き、笑い、悩みながら3人が見つける幸せを描いた物語。
 著者の作品幾つか読んできていますが、過去の作品では「調子のいい女」に
近い痛快物語。女性の恋愛心理、打算、したたかさをテンポよい展開で描き、
現代の恋愛事情を巧みに、そしてリアルに描き出しており、また登場する男達
のダメぶりも物語をしっかりと支えており、主人公達の恋愛ぶりも印象に残り
ましたし、面白かったです。

<本紹介>
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【ジャンル】手記
【著書名】 立花隆秘書日記
【著者名】 佐々木千賀子
【出版社】 ポプラ社
【初 刊】 2003年3月3日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】立花隆事務所(通称・ネコビル)に勤めた名物秘書が、巨人の知ら
      れざる日常と知的生産の極意をリアルに活写する。出入りする様
      々な人物や編集者たちの生態も読みどころの一つ。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、ジャーナリストである立花隆の秘書を勤めた著者が、新聞での秘書
募集、凝りに凝ったユニークな秘書採用試験から始まった刺激あふれる5年半
を描いたもの。田中角栄死去や阪神淡路大震災、地下鉄サリン・オウム事件、
そして立花氏自身の東京大学教授就任など、激動の日々を通して「知の巨人」
の知られざる姿を活写し、立花氏の人となりから知的生産現場の裏側までを紹
介しています。最後に書かれる立花隆事務所を去る原因は多少恨み的なものも
感じ、読んで後味が多少悪かったですが、ジャーナリストとしての日記として
は面白く読むことができました。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 逃亡作法
【著者名】 東山彰良
【出版社】 宝島社
【初 刊】 2003年4月21日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】少しだけ未来の日本。死刑制度が廃止され、キャンプと呼ばれる
      ようになった刑務所。復讐を誓って襲撃をたくらむ犯罪の犠牲者
      の遺族と、脱獄を図る囚人たち…。「このミステリーがすごい!」
      大賞銀賞、読者賞受賞作品。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 物語は、死刑制度が廃止された近未来の日本が舞台となり、刑務所では囚人
達の自由が大幅に拡大された。しかし、犯罪の犠牲者の遺族には怒りの収まら
ない者もおり、彼らは復讐を誓ってチームを結成し、ターゲットが収監されて
いる刑務所への襲撃を企んだ。一方、刑務所の囚人達も脱獄を図り、冒険脱獄
劇が幕を開ける……。
 「このミステリーがすごい!」の受賞作品はこれで全部読みましたが、大賞
金賞を受賞した「四日間の奇蹟」や優秀作品賞を受賞した「沈むさかな」に比
べて、この「逃亡作法」が一番エンターテインメント性があり、また一番面白
い作品でした。作品の舞台設定や展開も破天荒ながら、登場人物も個性的なキ
ャラクターが勢ぞろいで、特に主人公でフロイトを愛読するツバメや、一緒に
組むミユキとモモなど、存在感のある登場人物ばかりで展開も読み進むにつれ
て加速していきます。選考委員の評価にもありましたように、後半部分が弱い
というのは、読んでいて感じた欠点ではありますが、冒険小説好きとしては楽
しませてもらった作品です。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 鎮火報
【著者名】 日明 恩
【出版社】 講談社
【初 刊】 2003年1月11日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】大山雄大20歳は「楽して給料ガッチリもらいたい」今時な考え
      の消防士。殉職した親父みたいになりたくないと思っている。そ
      んな雄大が放火事件に巻き込まれ、人間として成長していくビル
      ディングスストーリー。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 若い消防士・雄大は、連続放火事件を追ううちに、背後にある違法残留外国
人労働者問題に関わることに。そして雄大の消防士としてのプロ意識に目覚め
る成長描いた物語。その主人公の成長過程は清々しさもあり、その語り口は物
語を支えていますが、外国人労働者問題というテーマをミステリーとしては活
かしきれていないようにも思えました。テーマが良かっただけに、読後もやや
物足りなさを感じました。

<本紹介>
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【ジャンル】連作ミステリー集
【著書名】 罪と罠へのアドレス
【著者名】 鈴木輝一郎
【出版社】 実業之日本社
【初 刊】 2003年4月25日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】この網(ネット)から逃れられる犯人なし! Webの知識を駆使
      して犯行を隠蔽した犯人たち。その過信が落とし穴となり、風采
      のあがらぬ老刑事・木津に看破される。デジタル倒叙ミステリー。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は9つの作品が収録された短編ミステリー。いずれもインターネットを
舞台に、殺人、ストーキング、不倫などを題材としています。ネットを背景と
したミステリーは幾つか読みましたが、本書は短編で実に読みやすく、ネット
利用者であれば倒叙ミステリーとしてのデジタル背景の物語は興味深く読める
ことだと思います。また、事件を捜査する老刑事も存在感があり、一気に物語
が読めました。

【な行】

<本紹介>
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【ジャンル】経済
【著書名】 2020年からの警鐘
【著者名】 日本経済新聞社編
【出版社】 日経ビジネス人文庫
【初 刊】 2003年4月1日
【金 額】 667円+税
【カバー文】このままでは日本は消える? 先送りされる改革、人口減少、夢
      を持てぬ子どもたち、素通りする外資、才能を潰す組織……。戦
      後システムを根底から問い直し、大反響を巻き起こしたベストセ
      ラー待望の文庫化。新たに2020年の日本を展望する章を加筆。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は日本経済新聞で連載していた「2020年からの警鐘」をまとめ、新
たに文庫化としての2020年の日本の展望を加えたもの。日本経済の問題点
を始めとして、今後の日本の経済・教育など、問題の問い直しも指摘していま
す。特に目新しさは感じなかったものの、改革が進まない要因なども分かりや
すく書かれており、特に日本の教育に関する記述には、真の改革が必要なのは
教育問題であるとも感じました。

【は行】

<本紹介>
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【ジャンル】レポート
【著書名】 不肖・宮嶋 金正日を狙え!
【著者名】 宮嶋茂樹
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2003年4月25日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】ズル剥け頭、がに股、短い足……これが真の将軍サマの姿だ! 
      2001年、2002年と2回にわたり北朝鮮の首領様を追いか
      けてロシアへ飛んだ不肖・宮嶋。真実の金正日の姿を徹底レポー
      トする。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書では、2回にわたり、ロシア訪問した金正日の写真を撮るべくロシアへ
飛び、行動した著者のレポートが書かれています。相変わらずの突撃ぶりです
が、マスコミでは明かされない金正日の外遊ぶりを写真と共に公開しているの
は宮嶋ならでは。文章にも笑いもあり、最初から最後まで目が離せず、裏話も
満載の体当たりルポです。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】時事コラム
【著書名】 爆笑問題の今を生きる
【著者名】 爆笑問題
【出版社】 集英社
【初 刊】 2003年4月30日
【金 額】 1000円+税
【カバー文】「爆笑問題の世紀末ジグソーパズル」「爆笑問題時事少年」に続
      く第3弾。2001〜2003年までの政治、経済、スポーツ、
      流行など、厳選された時事コラム55本を収録。『週刊プレイボ
      ーイ』連載を単行本化。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 「週刊プレイボーイ」での時事コラムをまとめた第3弾の本書は、太田光と
田中裕二の会話体としての時事コラム。2001年から2003年までの2年
分の時事ネタを爆笑問題らしく取り上げており、笑いあり毒舌ありで、最後も
しっかりまとめるおなじみのスタイルで読みやすいコラムでした。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 ハミザベス
【著者名】 栗田有起
【出版社】 集英社
【初 刊】 2003年1月10日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】20歳目前のまちるは母と二人暮らし。死んだと聞いていた父が、
      今度は本当に死に、マンションの一室とハムスターが転がり込ん
      できた。明かされる出生の秘密と淡い悲しみ。すばる文学賞受賞
      作「ハミザベス」、他一編。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は表題作「ハミザベス」と「豆姉妹」の2つの作品が収録された小説集。
すばる文学賞受賞作の「ハミザベス」は、主人公が1才の時に別れた父が死に、
母は現金、主人公はマンションを相続することに。そして亡くなった父と同居
していた相続執行人から主人公はハムスターをもらい受け、ハミザベスと名付
けたハムスターとの共同生活から、主人公の出生の秘密や日常が描かれる物語。
作品は淡々とした内容でははあるものの、すばる文学賞らしい爽快感のある作
品で、同時収録されている「豆姉妹」も面白く読むことができました。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ノベライズ
【著書名】 バトル・ロワイヤルU
【著者名】 杉江松恋
【出版社】 太田出版
【初 刊】 2003年7月23日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】七原秋也と中川典子があの島を脱出して2年。世界はテロルの時
      代に突入。その年のクリスマス、首都にそびえ立つ墓石のような
      高層ビル群が閃光を放ち、崩れ落ちた。反BR法組織<ワイルド・
      セブン>のリーダーとなった七原は、連続爆破テロリストとして
      国際指名手配。三十数名と戦艦島に潜伏した。そして大人達は、
      「正義」の名の下に、新しいゲーム、通称[BRU]を開始した。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は、ベストセラーになった「バトル・ロワイヤル」の続編ではあります
が、その著者である高見広春氏の新刊ではなく杉江松恋氏の手による映画「バ
トル・ロワイアルU鎮魂歌」のノベライズ本。ノベライズというせいもあって
か、映画化がおそらく前提だったのでしょうか、読後は前作とは別物という印
象を強く受けました。前作から2年後が舞台として描かれ、その後の七原秋也
が読めたのは嬉しい限りではありますが、前作の場合は舞台設定というか、そ
れぞれの日の出来事が強烈で、登場人物それぞれに個性があったものの、今回
は印象に残る登場人物は前回に比べると遥かに少なく、今回BRUで狩り出さ
れてしまった少年達の怒りや悲しみの深さが単調に描かれすぎていたのは何と
も残念です。本書を読むのは、前作「バトル・ロワイヤル」を読んだ人達だろ
うが、前作の印象を一度リセットしてから読んだ方がいいでしょう。それでも
映画は見てみたいとは思います。

【ま行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】評論
【著書名】 マンガの居場所
【著者名】 夏目 房之介/宮本 大人/鈴賀 れに/瓜生 吉則/
      ヤマダトモコ/佐々木千賀子
【出版社】 NHK出版
【初 刊】 2003年4月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】作品論、状況論、随筆ありでマンガについてガイド。社会、世界
      においてマンガが今どんな居場所をもっているかについてわかり
      やすく解説する入門書。『毎日新聞』夕刊に連載された同名コラ
      ムを単行本化。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は5人の書き手によるマンガ時評。それぞれの書き手のコラムともいえ
るマンガ評論はシンプルで読みやすく、全体を通してマンガ文化全体の実況報
告になっています。作品に対する作品論は勿論のこと、諸外国のマンガ文法と
の違いなどもマンガ評論として面白かったです。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 燃えよ!刑務所
【著者名】 戸梶圭太
【出版社】 双葉社
【初 刊】 2003年6月5日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】「おい小泉! 究極の構造改革は刑務所の民営化だっ」「囚人の
      皆さんは、更正するより金稼げっ!」 ダーティー戸梶が放つ超
      ハードノベル。『小説推理』連載「俺の神と踊れ!」を改題して
      単行本化。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 物語は、刑務所の収容人員オーバーのため、懲役期間は短くなり、暴動も起
き、業を煮やした警視庁OBが、民営化を思いつくところから始まります。そ
こからの展開は戸梶圭太らしくハチャメチャな展開が待ち受けるのですが、登
場人物のキャラクターは個性派揃いで、戸梶パワー全開の作品です。展開が飛
躍すぎるのは少々欠点かとは思いますが、今回の新作も笑わせてくれる作品で
す。

【や行】

 

【ら行】

 

【わ行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】コラム
【著書名】 悪口の技術
【著者名】 ビートたけし
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2003年1月20日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】磨け! 男の罵詈雑言。対アメリカ、中国、北朝鮮、大銀行、上
      司に女房、どら息子、全部向こうが言いたい放題…。ここらで一
      発かましてやれ。『新潮45』の連載を加筆訂正し単行本化。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書では10のテーマでのビートたけしの毒舌コラム。国際問題、物理学、
歴史、経済社会とそれぞれのテーマで笑いも交えているだけに、読みやすいコ
ラムではありますが、もう少し毒舌が強くても良かったようには思いますが、
冒頭の「ワールドカップ10の失敗」は特に面白かったです。

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