書評データベース(2004年度2月分)

 

■2004年2月に掲示板にて紹介された本■

 騙しのカラクリ            横田濱夫     PHP研究所
 ついていったらこうなった       多田文明     彩図社
 続年収300万円時代を生き抜く経済学 森永卓郎     光文社
 火星ダーク・バラード         上田早夕里    角川春樹事務所
 煤煙                 北方謙三     光文社
 送り火                重松 清     文藝春秋
 月の見える窓             新野剛志     双葉社
 笑う怪獣               西澤保彦     新潮社
 宇宙でいちばんあかるい屋根      野中ともそ    ポプラ社
 図解 誰も知らなかった日本地下経済白書 門倉貴史    祥伝社
 道路の権力              猪瀬直樹     文藝春秋
 やっぱりだらしな日記+だらしなマンション購入記
                    藤田香織     幻冬舎
 日曜日たち              吉田修一     講談社
 最強の血統学            吉沢譲治/田中匡  ベスト新書
 日本競馬7つのバカ         北野義則/鈴木勝  アールズ出版
 本と私                鶴見俊輔編    岩波新書
 サラリーマンと呼ばないで      毎日新聞特別取材班 光文社
 看守眼                横山秀夫     新潮社
 適者生存               長谷川滋利    幻冬舎文庫
 夢                  星野仙一     角川書店
 メジャー最終兵器           松井稼頭央    双葉社
 探偵大杉栄の正月           典厩五郎     早川書房
 連鎖破綻               香住 究     ダイヤモンド社

【あ行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】短編小説集
【著書名】 送り火
【著者名】 重松 清
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2003年11月15日
【金 額】 1619円+税
【カバー文】鉄道が街をつくり、街に人生が降り積もる。黙々と走る通勤電車
      が運ぶものは、人々の喜びと哀しみ、そして…。街と人が織りな
      す、不気味なのにあたたかな、アーバン・ホラー作品集。『別冊
      文芸春秋』掲載を単行本化。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 本書はホラー要素の9つの作品をまとめた短編集で、富士見線と言う私鉄の
沿線で暮らす人達を描いた物語。中でも一番良かったのは表題作「送り火」で、
遊園地が廃園になり、ひっそり静かになった住宅に一人で暮らす母に、娘夫婦
は一緒に暮らすことを勧める物語ですが、母と娘の気持ちの悲しみが読み手に
も伝わってくる作品で、人間描写の上手い重松清ならではの短編です。他の作
品でも登場人物の喜びや悲しみ、そして切なさが物語に活かされていて、登場
人物のひたむきさには感動を覚える作品集です。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 宇宙でいちばんあかるい屋根
【著者名】 野中ともそ
【出版社】 ポプラ社
【初 刊】 2003年11月20日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】「十四歳ってとても不便だ」 中学生とおかしな老女、闇夜の屋
      上で永遠の物語がギクシャクとうごきだした! 絶妙な会話と胸
      いっぱいに宇宙が広がるラストが感動を誘う、小説すばる新人賞
      受賞作家の感動作。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 物語は、14歳の主人公のちょっぴりせつない物語。家族や友達との関係、
恋や勉強と、中学生のせいいっぱいの気持ちと、その主人公と関わる人達との
会話が中々胸を打ちます。ただ気になったのは、あまりにひらがなを多用して
いるため、読みにくいところもあり、これが折角の物語の良さに影響している
ようにも思いました。

【か行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】SF
【著書名】 火星ダーク・バラード
【著者名】 上田早夕里
【出版社】 角川春樹事務所
【初 刊】 2003年12月8日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】火星治安管理局員・水島烈は同僚とともに凶悪殺人犯を護送中襲
      撃を受け、犯人は逃亡、同僚は殺されてしまう。個人捜査を開始
      した水島は、特殊な脳機能を持つアデリーンという美少女と出会
      い…。第4回小松左京賞受賞作。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 物語は、近未来の火星を舞台とした作品で、主人公は刑事だったものの、犯
人を護送中に奇妙な幻覚に襲われ意識を失い、目覚めた時には、相棒の刑事殺
しの容疑を着せられ、その幻覚の正体と、真犯人の真相を究明するというスト
ーリーですが、刑事、アクションをSF小説にうまく取り入れた作品だとは思
いました。ボリュームある作品で、かなり様々な要素が入っていたわりには、
ラストが少々物足りなかったのは残念でしたが、久々に読んだSF作品として
はそれなりに面白かったです。

<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 看守眼
【著者名】 横山秀夫
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2004年1月16日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】刑事にわからなくても、おれにはわかるんだよ…。29年の看守
      人生が見破った「死体なき殺人事件」の真相を描く表題作ほか、
      一瞬の人生を切り取った渾身の短編集。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は6つの作品が収録された短編集。刑事になりきれず、29年間看守と
して過ごしているうちに、人を殺めたかどうかを見抜く力を持った警察官を描
いた表題作「看守眼」を始めとして、どの作品も主人公のキリギリの精神をう
まく短編小説として描いています。派手な展開はないものの、横山秀夫らしさ
といえる人間味溢れる作品集で、期待を裏切らない作品でもあります。

【さ行】

<本紹介>
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【ジャンル】生活
【著書名】 続年収300万円時代を生き抜く経済学
【著者名】 森永卓郎
【出版社】 光文社
【初 刊】 2003年11月25日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】生活に関わる防衛法の具体的提案とともに、それを実践している
      人たちの生き方を取材し、説得力のある体験エピソードを基に構
      成。年収が激減しても、のんびり豊かに暮らす発想転換を探る。
      2003年3月刊の続編。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 前作でもある『年収300万円時代を生き抜く経済学』も読みましたが、本
書は「実践編」としての続編。前作以上に生活防衛術が充実して書かれ、年金
保険料、住宅ローン、生命保険、教育費などを減額する「裏ワザ」も満載。個
人的には、森永氏の言う経済理論では欠点があり、即不況からの脱出は難しい
とは思いますが、参考になる内容が多く、生活防衛やライフスタイルの見直し
など、有効な情報を提供してくれています。

<本紹介>
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【ジャンル】経済
【著書名】 図解 誰も知らなかった日本地下経済白書
【著者名】 門倉貴史
【出版社】 祥伝社
【初 刊】 2003年9月10日
【金 額】 952円+税
【カバー文】アンダーグラウンドの世界ではどれくらいのお金が動いているの
      か。自動車盗難市場、万引きの経済的影響など、今まで憶測の域
      でしかなかった地下経済、アングラマネーの実態を経済界のプロ
      が学術的な観点から分析!
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は、24兆円の総額とも言われる日本地下経済としてのアングラマネー
についてを図解入りで解説しているもの。犯罪の地下経済、風俗の地下経済な
ど、知られざる世界で動くお金を分かりやすく説明しています。図解入りのた
め、非常に読みやすかったのは良かったですが、どうせならば各章でもっと掘
り下げて書いてほしかったですし、やや中途半端な感じにも思いましたが、情
報源としては読んで良かった内容でした。

<本紹介>
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【ジャンル】競馬
【著書名】 最強の血統学
【著者名】 吉沢譲治/田中匡
【出版社】 ベスト新書
【初 刊】 2003年12月1日
【金 額】 780円+税
【カバー文】ヒト・ゲノムの解析とともに、遺伝について多くのことがわかっ
      てきた。しかし、遺伝、血統について古くから言い伝えられてき
      た、サラブレッドの世界においては、誰もが口を閉ざしたままだ。
      禁断の「血統」について、遺伝子という科学から探る、究極の書。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は、血統学で知られる吉沢氏と、遺伝子研究の専門家の田中氏とが、競
走馬の遺伝子と血統についてを対談形式した内容で、主に血統というよりは遺
伝子学が中心に語られています。サラブレッドの血統についての著書は色々あ
る中で、遺伝子工学の視点からサラブレッドについて書かれている内容は中々
興味深かったですが、遺伝子学が難しいことと、もっと具体的な血統と遺伝子
についての例を取り上げてほしかったです。それでも血統の更なる奥深さを感
じることのできた一冊です。

<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 サラリーマンと呼ばないで
【著者名】 毎日新聞特別取材班
【出版社】 光文社
【初 刊】 2003年10月30日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】たとえ給料が半分になっても、自分らしさを失わない生き方を貫
      いた「会社人間」たちをクローズアップ。日本のサラリーマン社
      会が大きく変わりつつあることを示す。『毎日新聞』経済面に連
      載された大反響企画の単行本化。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、様々な年齢や職種の「元会社員」「現会社員」による、職業人生の
記録ともいえるノンフィクションで、18人のエピソードが取り上げられてい
ます。倒産で社長が逃げた後、仲間と会社を再興したカメラ店主。立場の弱い
パートタイマーへのいじめ、差別により会社と闘いを続ける女性銀行員。セー
ルスマンから転職した農業青年など、人間ドラマとしてクローズアップしてい
ます。単なるサクセスストーリーではなく、波乱に満ちた会社人生が書かれて
いますが、リアルさが全面に出ていて、仕事をする上での希望、そして活力を
与えてくれます。

【た行】

<本紹介>
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【ジャンル】生活
【著書名】 騙しのカラクリ
【著者名】 横田濱夫
【出版社】 PHP研究所
【初 刊】 2003年8月11日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】素人が見破りにくい、現代を象徴する9つの詐欺商法事例を公開。
      悪党どもの手の内を知って知識武装しておこう! 「自分は絶対に
      騙されない」と思っている人にこそ読んでほしい「あなたを守る」
      一冊。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、著者の体験を含めて9つの悪徳商法についてを小説形式で書いたも
の。反省点と予防策についてもまとめており、「はみ出し銀行マン」シリーズ
同様に非常に読みやすかったです。悪徳商法について書かれた著書は数多くあ
りますが、小説形式だったからか、単なるノウハウ本よりも中身は濃かったよ
うにも思いますし、怖い話ではあるものの、笑いを誘う文章になっていたこと
も好感が持てます。

<本紹介>
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【ジャンル】ルポルタージュ
【著書名】 ついていったらこうなった
【著者名】 多田文明
【出版社】 彩図社
【初 刊】 2003年11月5日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】街でいろいろ勧誘されるけど、本当についていったらどうなるの
      ? インチキ宗教から無料エステ、コーヒー豆の先物取引まで、
      実際にキャッチセールスの現場に潜入。気になるけど見にいけな
      い場所のこと、こっそり教えます。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 サブタイトルに「キャッチセールス潜入ルポ」ともありますが、本書は著者
が体当たりしてのキャッチセールスの潜入ルポ。カバー文に書かれている以外
にも、絵の即売会やら誰でも受かる芸能事務所オーデションなど、どれだけの
お金をほったくられるのか、そして買ったものの効果はどうだったのかまでル
ポしています。ただ最後までレポートしきれていないものもあったり、古い情
報もあったりと、欠点も目には付きましたが、キャッチセールス撃退法なども
書かれていて、役立つ内容でした。

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 月の見える窓
【著者名】 新野剛志
【出版社】 双葉社
【初 刊】 2003年11月20日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】幼い一人息子を残して失踪したキャバクラ嬢。行方を追うスカウ
      トマン晶彦はその裏に別の誘拐事件があることに気付く。乱歩賞
      作家が描く現代人の心の闇。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 キャパクラのホステスのスカウトマンをしている多田晶彦に、同僚で義弟の
健二から、ホステスの麻衣が子供を置きっぱなしにして、行方が判らないと言
う連絡が入った。麻衣の息子の雄大のために、晶彦と健二は麻衣の行方を探し
たのだが、麻衣から電話を貰ったと言う客の江端から話を聞こうとしたところ、
彼の息子は誘拐されていた……。
 物語は誘拐事件を題材として、居場所の手がかりを探す設定になっているの
ですが、その過程が単調になっていて、折角の題材を活かしきれていなかった
のは残念です。

<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 道路の権力
【著者名】 猪瀬直樹
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2003年11月15日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】道路こそが富の分配であり全ての権力の源である…。小泉政権の
      中枢部で権力の所在が音をたてて変わっていく。行革断行評議会
      委員、民営化委員会委員として道路公団民営化に取り組んだ猪瀬
      直樹の渾身の書き下ろし。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 サブタイトルに「道路公団民営化の攻防1000日」とも記されていますが、
道路公団民営化に取り組んだ著者の書き下ろしのノンフィクションが本書。こ
の中では、抵抗勢力や藤井総裁更迭などについても詳しく記され、政治家を始
めとして、実名で書かれています。決してマスコミ報道では分からない民営化
委員会の姿、そして日本の最大利権ともいえる道路族との攻防戦は読みごたえ
あるノンフィクションでした。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】スポーツ
【著書名】 適者生存
【著者名】 長谷川滋利
【出版社】 幻冬舎文庫
【初 刊】 2003年9月10日
【金 額】 495円+税
【カバー文】アメリカに適合できる人間だけが、生き残れる…。言葉、文化、
      生活そして、野球―すべてが異なるフロンティアの地。日本人メ
      ジャーリーガーのパイオニアが歩んできた「挑戦と進化」の日々。
      メンタルタフネスと英語力を身につけ、セットアッパーそしてク
      ローザーとしての地位を確立した男。頭で考え、イメージし、実
      行する、成功の全記録。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、大リーグ・シアトルマリナーズ所属の著者が書いた手記。アメリカ
への憧れ、野茂のメジャーデビュー、メジャー1年目の記憶、メジャーリーガ
ーの生活、アメリカと日本の野球の違い、イチローについて……など、内容と
しても興味深く、そして読み易かったです。正直オリックス当時の著者がここ
まで大リーグで成功するとは思っていませんでしたが、なぜ大リーグで成功し
たかが本書を読めば分かります。野球に対しても理論的であり、またイメージ
の大切さが書かれていますが、今後もぜひとも続きともいえるエッセイを書い
てもらいたいです。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ミステリ
【著書名】 探偵大杉栄の正月
【著者名】 典厩五郎
【出版社】 早川書房
【初 刊】 2003年10月15日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】大逆事件の判決が下ろうとしていた明治44年正月。出獄したば
      かりの大杉栄は、大富豪夫人の失踪事件の調査を引き受けた…。
      帝都を揺るがす事件に挑戦するアナーキスト大杉栄。その瑞々し
      い探偵ぶりを描く歴史ミステリ。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 明治末年、探偵・大杉栄が、某富豪から「失そうした妻を捜してほしい」と
依頼された。その捜査の過程で大杉は陸軍、政界を揺るがす難事件に遭遇する
ことに……。
 歴史ミステリは久々に読みましたが、歴史を堪能できるミステリでした。時
代背景もさることながら、登場人物も桂太郎、山県有朋、石川啄木、黒岩涙香、
添田唖蝉坊、蒋介石、坪内逍遥、松井須磨子、竹久夢二、東条英機など実に豪
華で、個性ある登場人物として描かれます。また、主人公でもある大杉の破天
荒さも魅力があり、最後までじっくりと読むことができます。

【な行】

<本紹介>
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【ジャンル】連作短編集
【著書名】 日曜日たち
【著者名】 吉田修一
【出版社】 講談社
【初 刊】 2003年8月29日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】きっといつかは忘れてしまう、なのに忘れようとするほど忘れら
      れない。ありふれていて特別な、それぞれの日曜日…。「東京」
      の地図の上で交差する、男と女の5ストーリーズ。連作長篇小説。
      『小説現代』掲載を単行本化。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は、東京で一人暮らしをする30歳前後の男女5人を、それぞれ主人公
ととして描いた5つの連作短編集。いずれの作品も淡々としていて、起伏もそ
れほどないですが、人々との関わりなど、主人公の生き様が感動を呼ぶ作品で
す。「パーク・ライフ」と同様に物足りなさは感じましたが、物語をうまく交
差させていました。

<本紹介>
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【ジャンル】競馬
【著書名】 日本競馬7つのバカ
【著者名】 北野義則/鈴木勝
【出版社】 アールズ出版
【初 刊】 2003年11月27日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】大人気の放送作家と新進気鋭の獣医師が綴る毒舌エッセイ! 調
      教師、騎手、馬主、牧場、マスコミ、主催者など競馬界を取り巻
      く惨状を徹底考察。JRA設立50周年に向けて、ブーム復活の
      処方箋を緊急提言。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は放送作家で競馬コラムも書いている北野氏と獣医師の鈴木氏が、競馬
界に対しての問題点の指摘をしている提言本。ファン、主催者、騎手、調教師、
馬主、マスコミなど、実例やコメントを取り上げての指摘は、よくぞここまで
書いたといえるだけの問題点を取り上げています。売上の減少、ファン離れが
進む中、正に関係者が読むべき内容であり、タイトルから気楽な競馬エッセイ
かと思いましたが、鋭い競馬ノンフィクションでした。

【は行】

<本紹介>
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【ジャンル】ハードボイルド
【著書名】 煤煙(ばいえん)
【著者名】 北方謙三
【出版社】 光文社
【初 刊】 2003年8月8日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】言いがかりのような裁判を起こし、有罪の人間を無罪にする。4
      0歳、弁護士。離婚歴あり。正義のためでも、まして金のためで
      もなく、法を逆手にとる暗い喜び…。ハードボイルド長編。『小
      説現代』連載をまとめて単行本化。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 このところ歴史小説中心の作品が多かった北方謙三ですが、本書は久々のハ
ードボイルド作品です。自己破壊願望のある弁護士の主人公は魅力ある主人公
でもあり、初期の北方謙三の作品を思い出しましたし、事件だけではなく言葉
での闘いも読みごたえありました。登場人物も存在感があり、久々に北方謙三
のハードボイルドを満喫しました。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】手記
【著書名】 本と私
【著者名】 鶴見俊輔編
【出版社】 岩波新書
【初 刊】 2003年11月20日
【金 額】 740円+税
【カバー文】家事に忙殺されながら、なんといわれようと読書の習慣を手放さ
      ない主婦は、自らに言い聞かせる……「私には(新渡戸)稲造さ
      まがついている」……。運命の一冊との出合いなど、岩波書店創
      業90年記念の原稿募集による入選作集。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、岩波書店が創業90周年を記念して、「本と私」と題する原稿募集
を行い、その入選作19編を収録したもの。思い出に残る本、戦争の中で手に
した1冊、仲間との読書会、病床での読書、本がもとになって世界へ活躍の場
を広げる話、出版業界への提言など、本にまつわる話が満載で、正に読書好き
の人が書いた読書本。活字離れが進み、本が売れない時代でもありますが、本
をめぐる感動的な手記ばかりで、本文化を改めて考えさせられるものでもあり
ました。また、本の持つ力、心にしみる本のドラマは読む感動を与えてくれま
す。

【ま行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】スポーツ
【著書名】 メジャー最終兵器
【著者名】 松井稼頭央
【出版社】 双葉社
【初 刊】 2003年12月5日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】私のすべての気持ちがここにあります! ヤンキース、ドジャー
      ス、西武、巨人…メジャー移籍の真相とは? 松井稼頭央が心の
      文を全て語る。決意の「自筆手記」、肉体改造「ヌード写真」、
      180日間「心境告白」日誌等を収録。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 今期メジャー入りを果たした松井稼頭央が、メジャー移籍の真相や家族会議
としての妻との対談、少年時代、スイッチ打者への転向、長嶋ジャパン秘話な
ど、知られざる松井の姿を知ることができる一冊です。正に好走守揃った日本
を代表する選手の松井ですが、大リーグでの活躍を期待するのは勿論のこと、
本書でも書かれていた「世界一のショート」の夢に向けて頑張ってほしいです。

【や行】

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 やっぱりだらしな日記+だらしなマンション購入記
【著者名】 藤田香織
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2003年10月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】14年で29キロ増! 最後のダイエットを誓った、はずだった
      …。無類のメンドくさがりな書評家の日常、突然のマンション購
      入記、5泊6日の断食合宿紀行を収録。2002年刊「だらしな
      日記」の続編。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、幻冬舎サイトで連載中の書評と日記の第2弾。更にマンション購入
記も書かれ、面白いエッセイ日記となっています。また、それぞれの日記には
書評もあり、この書評も非常に参考になりました。食事メニューも記されてい
て、ここまで私生活を面白く書いちゃっていいの?と思ってしまう程、楽しく
笑えるエッセイです。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】スポーツ
【著書名】 夢
【著者名】 星野仙一
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2003年10月5日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】どん底にあった阪神タイガースを、18年ぶりの優勝に導いた闘
      将・星野仙一が、今初めてすべてを語る! 監督就任の真相、組
      織改革、選手教育、プロ野球界への提言…。V復活の舞台裏を明
      かした唯一の書き下ろし。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 サブタイトルに「命を懸けたV達成への647日」と書かれていますが、星
野氏が中日の監督を退団してから阪神の監督を引き受けた経緯、球団の組織改
革、選手とのコミュニケーション、選手の補強と整理の舞台裏など、非常に興
味深い内容が満載でした。中でもペタジーニと中村のFA宣言の舞台裏と金本
の獲得については、マスコミでも決して明かされていない舞台裏が書かれ、阪
神ファンならずともプロ野球ファンにはお勧めだと思います。

【ら行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 連鎖破綻
【著者名】 香住 究
【出版社】 ダイヤモンド社
【初 刊】 2003年8月28日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】大手生保・清和生命は今、破滅の危機に瀕していた。入社以来、
      生保のクリーンなイメージの影で蠢くダークサイドの処理を続け
      てきた社長室次長の各務は、社長からの密命を受けて最後の賭け
      に出る。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 物語は、生保発連鎖破綻の危機を描いたもので、著者が元大手生命保険会社
課長と元大手新聞記者の共著とのことで、内容はノンフィクションのようにも
思えた作品でした。また金融業界の構造もうまく展開に織り交ぜており、生保
の現状が非常によく描かれた作品だとも思います。ラストが呆気ない結末とな
っていたのが残念でしたが、一気に読める作品でした。

【わ行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ミステリ
【著書名】 笑う怪獣
【著者名】 西澤保彦
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2003年6月20日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】怪獣! 宇宙人! そして改造人間! 次々と出現する、人知を
      超えた謎、謎、謎。特撮のヒーローの名前など、特撮もののファ
      ンはクスリと笑ってしまう本格特撮ミステリ小説。『小説新潮』
      「大密室」に掲載された作品を収録。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、ミステリと特撮を合わせた作品集で、タイトルのように笑えるミス
テリでもあります。主人公の3人組のキャラクターは勿論のこと、物語に登場
する怪獣や宇宙人、そして改造人間や幽霊など、現実味が全くない世界だが、
ばかばかしいながらもミステリ要素が含まれ、特撮ファンならば笑って楽しめ
る作品です。

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