書評データベース(2004年度3月分)
■2004年3月に掲示板にて紹介された本■
0の理論 中島国治 KKベストセラーズ
声に出して読めないネット掲示板 荷宮和子 中公新書
男性誌探訪 斎藤美奈子 朝日新聞社
経済大論戦2 朝日選書編集部編 朝日新聞社
語る 松井秀喜 朝日新聞社
百万遍 青の時代(上下巻) 花村萬月 新潮社
愛妻日記 重松 清 講談社
2004年版 プロ野球を10倍楽しく見る方法 江本孟紀 日本文芸社
「北の国から」への手紙
フジテレビ「北の国から」製作スタッフ アスコム
裁判官に気をつけろ 日垣 隆 角川書店
我が妻との闘争 極寒の食卓編 呉エイジ アスキー
箱崎ジャンクション 藤沢 周 文藝春秋
地方競馬騎手列伝 前田祥久 芸文社
文久元年の万馬券 岳 真也 祥伝社
強奪 箱根駅伝 安東能明 新潮社
家庭で2台以上のパソコンをつなぐ本 辰巳出版
そして殺人者は野に放たれる 日垣 隆 新潮社
ラッシュアワー 釣巻礼公 祥伝社
蛇 上下巻 柴田よしき 徳間書店
100万回の言い訳 唯川 恵 新潮社
ねむりねこ 伊集院静 講談社
空想科学漫画読本3 柳田理科雄 日本文芸社
幻夜 東野圭吾 集英社
真夏の島の夢 竹内 真 角川春樹事務所
ST 黄の調査ファイル 今野 敏 講談社
本はこうして選ぶ買う 谷沢永一 東洋経済新報社
【あ行】
<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 愛妻日記
【著者名】 重松 清
【出版社】 講談社
【初 刊】 2003年12月18日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】奥様には隠れて読んでほしいのです…。R−18指定。夫のゆが
んだ情欲を描く性愛小説集。『小説現代』に直木三十六名義で掲
載された作品を大幅に加筆し、改題して単行本化。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は6つの作品が収録されている短編集。いずれも性愛小説で「小説現代」
に匿名として書いた作品をまとめた作品集。作品毎に描かれる欲望の世界は違
うのですが、歪んだ性愛描写など、重松らしくないものの、作品には重松らし
さも現れており、特に表題作は倒錯ともいえる異常な世界が描かれるだけに、
女性には嫌悪を感じる人もいるかとは思いますが、夫婦の性愛の形に感動でき
る部分も多く、重松清の新たな世界を読むことができます。
<本紹介>
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【ジャンル】警察ミステリー
【著書名】 ST 黄の調査ファイル
【著者名】 今野 敏
【出版社】 講談社(KODANSHA NOVELS)
【初 刊】 2004年1月8日
【金 額】 740円+税
【カバー文】宗教団体「苦楽苑」の若者信者4人が突然の集団自殺を遂げた。
検視官はカルト的な自殺と断定したが、事件現場の不自然さを疑
ったSTは調査を始める…。STメンバー僧侶の山吹が禅を通し
て現代人の心の闇に迫る。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
シリーズとしてこれまでも読んできていますが、今回も警視庁科学特捜班こ
とSTの活躍が描かれます。これまでもSTメンバーについての物語として描
かれましたが、今回は山吹が主人公でもあり、禅の世界とミステリーをうまく
展開として活かしています。メンバーの意外な過去も描かれ、シリーズとして
も更に幅を持たせる物語だっただけに、次シリーズも今から楽しみです。
【か行】
<本紹介>
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【ジャンル】インターネット
【著書名】 声に出して読めないネット掲示板
【著者名】 荷宮和子
【出版社】 中公新書
【初 刊】 2003年12月10日
【金 額】 740円+税
【カバー文】誹謗中傷罵詈雑言。殺伐とした国・日本の殺伐とした巨大匿名掲
示板。インターネットに寄せられた膨大な声を“女子供文化評論
家”の著者が読み解く。あなたは「ネット向き人間」か否か。
【満足度】 ☆
End------------------------------------------------
タイトルに惹かれて読んだ本ですが、ネット掲示板「2ちゃんねる」につい
て書かれたものですが、著者の偏見的な意見があまりにも多く、呆れ果てる内
容でした。一部抜粋すると「政治家による靖国参拝を要求している人間たち=
日本を戦争ができる国へと改悪することによって、いい思いをしようとしてい
る輩」や、「戦争や人殺しが大好き!というメンタリティこそ、日本人の男の
子としてはあたりまえのことである」といった、偏見意見が多すぎて、途中で
読むのが嫌になった程。確かにネット掲示板の酷さはありますが、それを活字
とするならば、もう少しネットの勉強をするべきでしょう。
<本紹介>
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【ジャンル】経済
【著書名】 経済大論戦2
【著者名】 朝日選書編集部編
【出版社】 朝日新聞社
【初 刊】 2003年12月25日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】カルロス・ゴーンから金子勝まで、TVや雑誌で話題の経済・ビ
ジネス書50冊のエッセンスが1冊に詰まった、便利で分かりや
すい経済のガイドブック。これさえあれば、あなたも明日から
「アナリスト」だ!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
サブタイトルに「1冊で50冊の経済書・ビジネス書を読む」とありますが、
本書は50冊の経済・ビジネス書を紹介し、その本を詳細に解説しています。
また、各書のポイントも書いてくれているため、これから読んでみようかと思
っている本選びの参考にもなりますし、経済・ビジネス本に興味のある人なら
お勧めです。
<本紹介>
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【ジャンル】スポーツ
【著書名】 語る
【著者名】 松井秀喜
【出版社】 朝日新聞社
【初 刊】 2003年12月30日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】大リーグの世界に飛び込んだ松井秀喜選手本人が、新たなチャレ
ンジに挑んだ一年間を振り返る。メジャーリーグ年間全打席など
データも掲載。これを読めば、大リーガー・松井のすべてがわか
る! 『朝日新聞』連載に大幅加筆。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は朝日新聞に連載されていた「語る
松井秀喜 from U.S.A」を加筆、修
正、再編集したもの。日記形式で、大リーグのキャンプインからワールドシリ
ーズまでが書かれていますが、先日読んだマリナーズの長谷川選手のような細
かなアメリカでの様子が書かれていなかったのは残念ではありましたが、日記
形式のため読みやすく、松井秀喜の人柄も感じられる内容です。
<本紹介>
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【ジャンル】手記
【著書名】 「北の国から」への手紙
【著者名】 フジテレビ「北の国から」製作スタッフ
【出版社】 アスコム
【初 刊】 2003年12月20日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】出演者の家族、番組を支えてきたスタッフ、富良野の人々が綴る
撮影秘話、ファンからの感謝の言葉…。人気ドラマ「北の国から
2002遺言」放映後にフジテレビに寄せられた手紙から選んだ
23通と、関係者の手紙をまとめる。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
ドラマを欠かさず見ていたファンとして読みましたが、本書はスタッフや関
係者の手紙と共に番組に寄せられた23通の手紙をまとめたもので、文章から
その時のドラマの場面が頭の中で思い浮かぶのは勿論ですが、番組製作の舞台
裏やドラマに影響された人々の心温まる話が胸を打ちます。主演の田中邦衛氏
が収録の合間にしていたことや、番組に関わった富良野の人々の熱い思いなど、
手紙からドラマの感動を再確認させてくれました。「北の国から」を好きだっ
た人なら、文章から伝わる感動が胸を温かくさせてくれるはずです。
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 強奪 箱根駅伝
【著者名】 安東能明
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2003年10月30日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】12月30日夕方、神奈川大学駅伝チームのマネージャーが行方
不明になり、局内のモニターに女を監禁する映像が送られてきた。
後手に回る捜査、刻々と迫る生中継。解決のメドも立たぬまま選
手たちは箱根路へスタートを切る…。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
物語は、箱根駅伝を舞台にしたサスペンス。駅伝本番直前に、神奈川大陸上
部の女子マネジャーが誘拐された。犯人は大金を要求するが、他にも神大チー
ムに打撃を与えることと、駅伝の生放送をジャックすることが目的だった。そ
して1月2日、ついに号砲が鳴り、激しいレース展開が繰り広げられる。ハイ
テクを駆使した中継陣と犯人側の緊迫の攻防が始まった……。
物語は、大学陸上部や箱根駅伝のテレビ中継の様子を克明に描き、登場人物
も存在感があり、スポーツとサスペンスを上手く絡めた作品です。その登場人
物の背景をもう少し幅広く取り上げてほしかったですが、緊迫感あるサスペン
スでした。
<本紹介>
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【ジャンル】パソコン
【著書名】 家庭で2台以上のパソコンをつなぐ本
【出版社】 辰巳出版
【初 刊】 2004年1月15日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】有線・無線でパソコンをつなぐ、ファイルと周辺機器を共有する
…。家庭に複数台数あるパソコンを有効利用する手段について、
わかりやすく解説します。LANの説明やつなぐ事で拡がる活用
性も紹介します。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
タイトルで分かるように、本書はLAN設定について図解や写真を用いて細
かく説明している内容で、OSごとの設定手順が載っています。無線LANの
設定について知りたかったので読みましたが、LANやADSLを導入すると
どういったことができるのかなど、パソコン初心者にも分かりやすい解説書と
なっています。
<本紹介>
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【ジャンル】科学
【著書名】 空想科学漫画読本3
【著者名】 柳田理科雄
【出版社】 日本文芸社
【初 刊】 2003年11月25日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】科学的な検証を加えてみると、荒唐無稽に見えていた漫画の世界
がたちまち現実味を帯びてくる! 「サラリーマン金太郎」「銀
河鉄道999」から「探偵学園Q」まで、名作漫画38作品を科
学する。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
科学的検証から漫画を取り上げるシリーズの最新作ですが、ネタは以前と変
わらないような感じで、幾つか新しい連載中のマンガも取り上げていますが、
特に目をひくというところもそれほど多くはなかったです。暇潰しにはなる1
冊ですが、だからどうしたというネタが多いです。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 幻夜
【著者名】 東野圭吾
【出版社】 集英社
【初 刊】 2004年1月30日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】95年、西宮。未曾有の大地震の朝、男と女は出会った。美しく
冷徹なヒロインと、彼女の意のままに動く男。女の過去に疑念を
持つ刑事。彼女は一体誰なのだ…。『週刊プレイボーイ』連載に
加筆して単行本化。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
水原雅也は事業に行き詰まり自殺した父の通夜の終わった早朝に阪神大震災
に襲われた。その地震直後に瓦礫の中で借金返済を迫っていた叔父の殺害する
べく手をかけるが、その現場を新海美冬という女性に目撃され、それが運命の
出会いでもあった。やがて上京し、宝石店経営で成り上がる美冬と、その美冬
の様々な障害を排除する雅也。2人の運命はどこへ向かうのか……。
物語は「白夜行」の第2弾ともいえる作品ですが、この物語だけでも存分に
楽しめる作品となっています。阪神大震災を背景に、ボリューム・スケール共
に幅広い展開を見せていて、ミステリー+ホラーの要素も取り入れられ、主人
公の特異なキャラクターと、これまでにない東野作品ともいえます。ただ、残
念だったのは、作品中での主人公のエピソードが完結しないままに終わってい
ることと、ネタバレになるので詳しいことは書けませんが、美冬の過去で曖昧
になっていた点は正直大きなマイナスだとは思いますが、作品としては「白夜
行」からの複線がしっかりと活かされており、時代背景と事件も織り交ぜた良
質の作品に仕上がっています。
【さ行】
<本紹介>
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【ジャンル】競馬
【著書名】 0の理論
【著者名】 中島国治
【出版社】 KKベストセラーズ
【初 刊】 2003年12月5日
【金 額】 2800円+税
【カバー文】配合の鬼才が秘奥を剥がす! 日本の種牡馬と種付け、レースに
ついての驚愕の真実とは? ファンや競馬に携わる人々が気づか
ない、知り得なかったサラブレッドの本質を抉り抜く。93年刊
「血とコンプレックス」の改題改訂。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
著者の「血とコンプレックス」は以前に読みましたが、その改訂版が本書で、
この中では幾つかの最近の実例を血統とレースから、著者のいう0の理論を解
説しています。「血とコンプレックス」と重複している部分が多く、前著を読
んだ時は衝撃があったものの、本書ではあまり感じられませんでしたが、遺伝
の解明する時間の法則や太陽・月のサイクルなど、遺伝生命学とでもいえる分
野にスポットを当てている点は興味深かったですし、サラブレッドの生産と血
の継承については、多くの関係者が読まれ、血の飽和が起きないような馬産で、
更に血統的にも魅力ある生産界にしてほしいと思います。
<本紹介>
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【ジャンル】法律
【著書名】 裁判官に気をつけろ
【著者名】 日垣 隆
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2003年8月30日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】父親から性交を強要されても強姦には認定されない。被害者の一
方的な証言のみで痴漢は有罪。母親の子殺しよりも覚醒剤所持の
ほうが重い実刑…。これが日本のバカタレ判決だ!
法律を10倍
理解し、己を守るための必読書。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、これまでのとんでもない判例を例にとり、法律の問題点を指摘した
もの。日垣隆らしいツッコミで、多くの問題を取り上げていますが、気になっ
たのは判例が古いものが多かったですが、難しい法律についてを分かりやすく
書いていた点は評価できますし、比較的身近な話題を取り上げていたのは良か
ったです。
<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 そして殺人者は野に放たれる
【著者名】 日垣 隆
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2003年12月20日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】「歩き方が悪い」と4人を死傷させた凶悪犯。「テレビがうるさ
い」と二世帯5人を殺害した大学生。「心神喪失」の名のもと罪
に問われぬヤツがいる! この国の無法ぶりを暴いたノンフィク
ション。『新潮45』連載を単行本化。
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
本書は、これまでに封印された事件の真相に迫り、「心神喪失」の名のもと、
人を殺しながら何事もなかったように舞い戻ってくる殺人者とこの国の無法ぶ
りを暴いたノンフィクション。これまでにも著者のノンフィクションは幾つか
読んできていて、正統派の内容に幾つか印象に残る著作も多いですが、本書は
正に衝撃的な内容です。精神障害者の犯罪については自主規制もあってか表に
出ていないケースが多いですが、そのうち85%が不起訴となっている事実、
その精神鑑定があまりにもいい加減なものであり、数々の問題点を指摘してい
ます。不起訴となった後の精神障害犯罪者を処遇する受け皿はなく、そのまま
社会に出てくることについても何とか改善してほしいと願うばかりですし、本
書でも著者が強く指摘している「刑法39条を廃止・削除せよ!」には多いに
納得します。改めて法の矛盾さも考えさせられた1冊です。
<本紹介>
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【ジャンル】ファンタジー
【著書名】 蛇(ジャー)上下巻
【著者名】 柴田よしき
【出版社】 徳間書店(TOKUMA NOVELS)
【初 刊】 2003年11月30日
【金 額】 857円+税(上下共)
【カバー文】奇妙な生き物の死骸が打ち上げられた。琵琶湖の小さな湖水浴場・
真野浜。全長1m70前後で、黒っぽい茶色。人間の死体ではな
い。なのに、堅田警察署捜査一課の音無刑事は変な胸騒ぎがして
…。『京都新聞』連載を単行本化。(上巻)
京都宝ヶ池。大好きな兄の家に赤ん坊が生まれることに戸惑う舞
子の前で、病院から赤ん坊がさらわれる。赤ん坊を取り戻す旅に
出た舞子は、竜に掴まり、時空を超えた過酷な冒険に巻き込まれ
…。『京都新聞』連載を単行本化。(下巻)
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
物語は、旅をする何人かの選ばれた人間達が、さまざまな旅と出会いによっ
て変化していく過程を描いたファンタジー小説。RPGのゲームを進めていく
ような展開でありながら、柴田よしきらしさが作品で描かれ、時空を超える冒
険物語は楽しく読むことができました。柴田よしきとしては珍しい作品ではあ
りますが、SF的な面白さ、ミステリとしての推理も楽しめ、特にRPGファ
ンにはお勧めかと思います。
【た行】
<本紹介>
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【ジャンル】雑誌ガイドブック(?)
【著書名】 男性誌探訪
【著者名】 斎藤美奈子
【出版社】 朝日新聞社
【初 刊】 2003年12月30日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】オヤジ、余暇、オシャレ、マニア、若者をキーワードに、男性誌
が形作る「男社会」に侵入する。『AERA』連載の「Men’s
magazine walker」に加筆・再構成して単行本化。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、小説家でもあり文芸評論家の著者が、男性誌をウォッチングし、そ
の男性誌の傾向から、読者ウォッチングをしています。読んだことのない男性
誌でも、すっかり愛読しているような気にもさせてくれますし、ウオッチング
は面白いツッコミで、思わず笑ってしまいました。もっとマイナー誌もウオッ
チングしてくれればとも思いますが、面白かったです。
<本紹介>
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【ジャンル】競馬
【著書名】 地方競馬騎手列伝
【著者名】 前田祥久
【出版社】 芸文社
【初 刊】 2003年11月20日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】競馬場の廃止が続く地方競馬。競馬場が廃止になったらどうする
か、中央移籍をどう考えるか…。逆境を跳ね返す不屈の「雑草魂」
を持った騎手26人へのインタビュー集。闘い続ける男たちのひ
たむきな情熱が伝わる一冊。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
本書は地方競馬で活躍する騎手26人へのインタビュー集。最近中央競馬で
の活躍も多くなっていて注目を集める地方騎手ですから、インタビュー集も期
待して読みましたが、インタビュー内容にテーマを感じることは少なく、例え
ば騎手を目指すきっかけや、地方競馬の良さのアピール、印象に残るレースな
どをそれぞれにインタビューしてくれるならともかく、読んでいても地方競馬
の衰退ばかりが目に付き、折角の騎手の魅力が見えてきていないのが残念です。
またインタビューもそれぞれにもう少し多くのページを使ってほしかったです。
【な行】
<本紹介>
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【ジャンル】スポーツ
【著書名】 2004年版 プロ野球を10倍楽しく見る方法
【著者名】 江本孟紀
【出版社】 日本文芸社
【初 刊】 2003年12月18日
【金 額】 850円+税
【カバー文】巨人・原元監督の交代劇。圧倒的な強さでセリーグを18年ぶり
に制覇した星野監督の舞台裏。そして西武・松井稼頭央のFA問
題と話題の尽きないプロ野球界の情報満載。マリナーズ・イチロ
ー、ヤンキース・松井の情報も収録。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
江本孟紀が「プロ野球を10倍楽しく見る方法」を書いた当時は面白く読ん
でいましたが、その後も出されていたとは知らず、久々のこのシリーズの今年
版を読みました。原前巨人監督の会見の舞台裏や阪神優勝の要因など、中々面
白く書かれていましたが、かつて読んだ時程には暴露話が多いという感じでも
なく、特に興味をひくというものはそれほど多くはありませんでした。
<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 ねむりねこ
【著者名】 伊集院静
【出版社】 講談社
【初 刊】 2003年10月31日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】愛する人のこと、松井秀喜のこと、武豊のこと、色川武大のこと、
熊谷守一のこと…。「生きる」という名の旅が紡ぐエッセイ集。
『日本経済新聞』等に掲載されたものをまとめる。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
久々に伊集院静のエッセイを読みましたが、ふとした日常のエッセイを始め
として、「日経新聞」や各種雑誌でのエッセイをまとめたのが本書。中でも
「松井秀喜の軌跡」と「騎手の決め手武豊」は興味深いエッセイでした。酒の
話題がこれまでのエッセイよりも少なかったのは少々残念でしたが、味わい深
いエッセイ集です。
【は行】
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 百万遍 青の時代(上下巻)
【著者名】 花村萬月
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2003年11月15日
【金 額】 1900円+税(上巻) 1800円+税(下巻)
【カバー文】教護院あがりの俺、吉川惟朔は、ある日、高校を自主退学し、施
設を追われた。行くあてなどどこにもなかった。だから女を求め、
闇雲に生きるしかなかった…。怒涛の自伝大河小説。『小説新潮』
連載を単行本化。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
本書は花村萬月の大作シリーズで、四部からなる構成の予定だそうで、本書
は「百万遍」シリーズの第一部に当たるとのこと。物語は三人称で書かれ、主
人公は著者自身をモデルとした、自伝的作品でもあります。「ゲルマニウムの
夜」「王国記」が作品の原点になっているのだとも思いますが、本書はこの王
国記の集大成といえるスケールの大きな作品ともいえます。上下巻で900ペ
ージ近くと非常にボリュームがある作品でしたが、読みはじめから一気に物語
に引きこまれました。シリーズの第二部が今から待ち遠しいです。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 箱崎ジャンクション
【著者名】 藤沢 周
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2003年10月10日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】今日も俺はルームミラーの奈落に落ちていく…。東京の光と影に
苛まれる二人の孤独なタクシードライバーが、最果ての死に場所
を求めて街を駆けめぐる物語。『文学界』連載を単行本化。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
タクシードライバーの室田は、渋滞で有名な東京の高速道路の合流点である
箱崎ジャンクションを時間をかけて通過し、その間に神経科医が処方した薬を
ミネラルウオーターで流しこむ。箱崎は不安定な自己確認の場でもあった。そ
んな時に、別のタクシー運転手の川上がすり寄ってくる。妻との離婚トラブル
を抱えこんだ室田に、川上は執拗にからみつき、室田の妻の浮気相手を殺すこ
とまで唆し、互いのタクシーを交換して、それぞれの身分になりすますという
あやしい取引を申し出る……。
藤沢周としては珍しい長編作品でしたが、最初から緊張感が続く作品で、主
人公の不完全燃焼さを上手く物語とした作品です。次作にも期待したいです。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 文久元年の万馬券
【著者名】 岳 真也
【出版社】 祥伝社
【初 刊】 2003年11月30日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】時は幕末、横浜・弁天社裏の競べ馬。富樫裕三郎は先頭に立った。
もはや何も考えない。ただ身をかがめ、ほとんど水平になり、馬
とともに、透明な風となった…。競馬小説。『小説NON』の同
名連載に加筆・訂正して単行本化。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
物語は、幕末を舞台とした日本競馬の事始めを描いた幕末小説。激動の時代
を背景に、福沢諭吉や土方歳三なども登場し、小栗家の若党である主人公・裕
三郎の活躍を描いた作品です。テーマにもなっている競馬については半分近く
にようやく出てきたものの、身分制度や恋愛話など幕末話を展開してはいるも
のの、競馬ファンとしては小説としては物足りなく感じました。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 100万回の言い訳
【著者名】 唯川 恵
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2003年9月20日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】結婚7年、夫婦仲は悪くない。だけど何かが足りない気がする…。
私たちどうして別れないのだろう。離れて、恋をして、夫婦の意
味を再び問う結婚小説。『小説新潮』連載を単行本化。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
マンションの上の階の火事により暮らせなくなった結子と士郎は、結子は実
家に、士郎は独身寮に入り、2人の別居生活が始まる。結子は仕事で知り合っ
た若手デザイナーと男女の関係になり、士郎はマンションの隣に住む許子と不
倫関係に……。
物語は別居を通して夫婦の再確認をしていく物語ですが、唯川恵らしく展開
は非常に読みやすいものの、主人公の不倫設定があまりにもできすぎているの
と、テーマでもある結婚の意義についても曖昧な描写で、ラストも物足りなさ
が残ります。読みやすいですし、女性には受ける作品だとも思いますが、もっ
と現実的に描いてほしかったですし、テーマをしっかりと追求してほしかった
です。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】エッセイ
【著書名】 本はこうして選ぶ買う
【著者名】 谷沢永一
【出版社】 東洋経済新報社
【初 刊】 2004年1月29日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】「良書」と「愚書」の見分け方、新刊書店における心得、古本屋
での作法、読書勘の養いかた等、当代きっての読書人が半生の苦
心と努力を綴る。本マニア必読の一冊。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
タイトルに惹かれ読みましたが、本書は単なる読書論とは違い、本を読む上
で知っておいた方がいいコツや読書力についてなど、著者の半生と共に本選び
についてが書かれています。個人的には「古本屋と昵懇になる法」は読みごた
えがありました。本を買う喜び、そして読む楽しさを改めて感じさせてくれる、
そんな本についてのエピソード本でもあります。
【ま行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 真夏の島の夢
【著者名】 竹内 真
【出版社】 角川春樹事務所
【初 刊】 2004年2月8日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】演劇コンクールに参加するため、進也はコント劇団の仲間ととも
に瀬戸内の鹿爪島に渡った。同じフェリーには女性作家の佳苗と
アシスタントの律子が乗り合わせていた。しかし、思いがけず島
の産廃問題に巻き込まれ…。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
物語は、瀬戸内海の島を舞台に劇団員の男4人と小説家とアシスタントの女
2人の交流を描いた作品。単なる交流だけではなく、産業廃棄物の陰謀や恋が
展開に折りこまれていきますが、いずれも中途半端な感じで、その展開も飛び
飛びに進み、いつの間にか2週間が過ぎてしまうという流れも先急ぎで、テン
ポ良く読めたものの、作品自体には物足りなさが残りました。
【や行】
【ら行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ミステリ
【著書名】 ラッシュアワー
【著者名】 釣巻 礼公
【出版社】 祥伝社
【初 刊】 2003年11月30日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】午前5時57分、小田原発東京行普通電車。いつもの通勤電車に
乗り合わせる4人の男女。殺したい男がいた。憎悪を抱いた女が
いた。恐喝を決意した女がいた。女を狙う男がいた…。長編推理
小説。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
家でも会社でもうだつの上がらないリストラ対象となっている工場主任。若
手から疎ましく思われているプロジェクトリーダである34歳のOL。外見と
行動は今風だが弟思いの女子高校生。痴漢を趣味としている青年。この4人は
小田原発東京行の普通電車にいつも乗り合わせていたのだが、東京に向かう電
車で人身事故が起きた。そして4人は接点を持ち、ある完全犯罪を目論むこと
になった……。
物語は、人間の欲望と憎悪の中で、偶然接点をもった4人を描いたミステリ。
テーマや展開は非常に良いとは思うものの、各登場人物の背景と描写が中途半
端に描かれていたのは大きな欠点だったと思います。作品としてはそれなりに
楽しめただけに、その欠点が非常に残念には思いましたが、ミステリとしては
それなりに読ませる作品です。
【わ行】
<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 我が妻との闘争 極寒の食卓編
【著者名】 呉エイジ
【出版社】 アスキー
【初 刊】 2003年11月25日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】ネットにハマった「小遣い2万」のサラリーマンと、パソコン嫌
いの鬼嫁が繰り広げる涙と笑いの家庭内バトルは第2ラウンドに
突入! 極貧の食卓事情にキレた夫。その結果は…。『マックピ
ープル』連載と書き下ろし2話を収録。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
前作でもある「我が妻との闘争 パソコンをめぐる夫婦のドタバタ日記」も
読みましたが、本書は続編の「極寒の食卓編」。相変わらず怖い嫁には全く頭
が上がらない著者と、正に鬼嫁との壮絶バトルは、前作に引き続き他人毎なが
ら笑ってしまいました。著者のHPで本書で書かれたエッセイ文も読んでいま
したが、やはり本となっての面白さ、最後に書かれる笑える教訓は読みごたえ
がありました。
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