書評データベース(2005年度10月分)
■2005年10月に掲示板にて紹介された本■
東京ライオット 戸梶圭太 徳間書店
チャット隠れ鬼 山口雅也 光文社
×ゲーム 山田悠介 幻冬舎
2008年IMF占領 森木 亮 光文社
空は青いか 花村萬月 講談社
リカバリー&バックアップのここがわからなかった!
唯野 司 技術評論社
震災列島 石黒 耀 講談社
海に沈む太陽 梁石日 筑摩書房
クドリャフカの順番 米澤穂信 角川書店
ポセイドンの涙 安東能明 幻冬舎
ライダー定食 東 直己 柏艪舎
犬はどこだ 米澤穂信 東京創元社
バッド・トラップ 堂場瞬一 幻冬舎
ユグノーの呪い 新井政彦 光文社
天使のナイフ 薬丸 岳 講談社
シーセッド・ヒーセッド 柴田よしき 実業之日本社
ルドルフ・カイヨワの憂鬱 北國浩二 徳間書店
ライヴ 山田悠介 角川書店
すべてのものをひとつの夜が待つ 篠田真由美 光文社
社長をだせ!って
またきたか! 川田茂雄/森健 宝島社
女という病 中村うさぎ 新潮社
容疑者Xの献身 東野圭吾 文藝春秋
夏の吐息 小池真理子 講談社
さよならアメリカ 樋口直哉 講談社
【あ行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 海に沈む太陽
【著者名】 梁石日
【出版社】 筑摩書房
【初 刊】 2005年6月10日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】16歳で家出した輝雅は米軍の舟で東南アジア各地を航海。様々
な職業を転々とするうち、「画家になってNYへ行きたい」との
願いがきざし…。画家・黒田征太郎の青春時代を下敷きに「血と
骨」を凌ぐスケールで描く不屈の青春。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書はカバー文にもあるように、画家・黒田征太郎の青春時代を下敷きとし
た物語。実話を基にしているだけに、リアリティある作品でしたが、やや迫力
に欠け、これまでの作品と比べると、特に印象も感じさせない内容でした。人
間の本能とエゴを描いた作品は群を抜いている著者ですが、本書は大人し過ぎ
た内容だったのは残念です。
<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 犬はどこだ
【著者名】 米澤穂信
【出版社】 東京創元社
【初 刊】 2005年7月25日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】何か自営業を始めようと決めたとき、最初に思い浮かべたのはお
好み焼き屋だった。しかしお好み焼き屋は支障があって叶わなか
った。そこで調査事務所を開いた。この事務所<紺屋S&R>が
想定している業務内容は、ただ一種類。犬だ。犬捜しをするのだ。
……それなのに開業した途端舞い込んだ依頼は、失踪人捜しと古
文書の解読。しかも調査の過程で、このふたつはなぜか微妙にク
ロスして……いったいこの事件の全体像は?
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
ハードボイルドな生活など微塵も期待しておらず、最初から犬捜し専門業者
になりたいと考えていた紺屋は、旧友からの依頼で専門外の調査を引き受ける
ことになり、さらには押しかけ助手まで抱え込む羽目に。失踪後も謎めいた足
跡をほうぼうに残す女性の行方を淡々と追う紺屋と、私立探偵に憧れ助手に志
願したはずなのに古文書の解読作業をさせられる紺屋の後輩。何の関係も無か
ったはずのこのふたりの調査活動は、しかし途中で微妙にクロスしていく……。
物語は、人生設計が崩壊したことで、無気力になっていた25歳の青年が復
活するまでの過程と、明と暗が反転する意外な事件の真相を描いた私立探偵小
説。結末も意外性があり、最初から最後まで面白さで一気に読みました。シリ
ーズ化しそうな作品ですが、ぜひ次のシリーズも引き続き読みたいですし、登
場人物の存在感もたっぷりで、インパクトある作品です。
<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 女という病
【著者名】 中村うさぎ
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2005年8月20日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】エリート医師妻誘拐殺人事件、保育園長園児殺害事件…。女の自
意識は、それ自体、病である。そして、女の病気は女にしか分か
らない。21世紀ニッポンの闇の中から噴出した13の事件を読
み解く。『新潮45』連載をまとめる。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、近年世間を騒がせた13の事件の主人公である女達の心の闇に迫っ
たセミノンフィクション。買い物依存、ホスト通い、美容整形……など自らを
欲望に委ねてきた著者ならではの視点で鋭く書いています。中村うさぎとして
は読み応えある内容で、エッセイとは違う文章表現も非常に新鮮です。
【か行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ミステリ
【著書名】 クドリャフカの順番
【著者名】 米澤穂信
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2005年6月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】待望の文化祭。だが、折木奉太郎が所属する古典部では大問題が。
手違いで文集を作りすぎてしまったのだ。古典部の知名度を上げ
て文集の完売を目指すため、奉太郎たちは学内で起きた連続盗難
事件の謎に挑むことに!
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
神山高校の文化祭直前に、折木奉太郎が属する古典部は、文集「氷菓」が手
違いで、発行部数30部だったのが200部刷られてしまった。古典部4人は
「氷菓」の完売を目指していたが、そんな最中に校内で連続盗難事件が起こっ
ている事に気付く。この事件と古典部を結びつけ、「氷菓」を売り込む作戦を
立てるのだが……。
著者の作品は初めて読みましたが、本書はシリーズの3作目で、シリーズを
始めから読んでいないだけに、登場人物の設定などを理解するのが多少面倒で
はありましたが、独自の視点での面白いミステリでした。シリーズを読んでい
ないこともあって、シリーズの良さは分かりませんが、このシリーズは読んで
みたいと思います。
【さ行】
<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 空は青いか
【著者名】 花村萬月
【出版社】 講談社
【初 刊】 2005年5月20日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】孤独ってみじめだけど、孤独にならないと先に進まないこともあ
る…。おやぢギャグまみれの過激な日常の中から独自の美意識、
小説観が立ち上がってくるエッセイ集。『小説現代』連載を単行
本化。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書はカバー文にもあるように花村萬月のエッセイ集。好き放題のことが書
かれていますが、読んでいて楽しく、小説とは違い新たな花村萬月の人となり
を知ることのできる一冊です。ファンとして、花村萬月と会話しているような
感じで面白かったです。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 震災列島
【著者名】 石黒 耀
【出版社】 講談社
【初 刊】 2004年10月22日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】東海地震に東南海地震が連動、名古屋に大津波が。そして日本は!?
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
気象庁発表の東海地震予知情報を受け、政府は地震観測史上初の警戒宣言を
発令した。幸い小規模な揺れだったが、専門家たちは大地震の予兆と判断、政
府も対応に乗り出した。しかし、総理大臣が優先したのは国民の安全ではなく、
この機に乗じて国の負債を解消しようという計画だった。一方、地質調査会社
を営む明石真人は立ち退きを迫る暴力団といさかいを起こし、組員に娘を暴行
される。復讐に燃える明石は、東海・東南海地震の連続発生を予測し、ボーリ
ング技術を駆使して地震が呼び起こす大津波を利用した暴力団壊滅計画を練り
上げる。数ヶ月後、ついに発生した東海地震は明石の予測通り東南海地震を誘
発し、大地震となって襲来したが……。
物語では、東海地震と東南海地震を同時に発生し、関東から中部地方を破滅
的な被害に陥れる様子が描かれます。最新の地震学の被害予想に基づいての地
震災害の描写なだけに、スケールの大きな展開となっています。ただし、地震
よりも主人公の暴力団に対する復習劇がメインとなっていて、個人的には地震
によるパニック小説を期待していただけに、多少物足りなさが残る内容ではあ
りました。
<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 シーセッド・ヒーセッド
【著者名】 柴田よしき
【出版社】 実業之日本社
【初 刊】 2005年4月25日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】新宿二丁目で無認可の保育園を切り盛りする園長・ハナちゃんこ
と、花咲慎一郎の副業はハイリスクな難題でも引き受ける私立探
偵。次々と持ち込まれる面倒な事件…ストーカーの脅迫、捨て子
の赤ん坊、消えたダイヤモンド、大学教授のスキャンダルなど、
絡みあう謎を解きほぐすうちに、立ち現れる意外な真相とは…。
稀代のストーリーテラー柴田よしきが、軽妙なる筆致で読者を魅
了する傑作探偵小説。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
新宿二丁目の無認可保育園「にこにこ園」を切り盛りする園長で、私立探偵
のハナちゃんこと花咲慎一郎は、アイドルスターへの脅迫、捨て子の赤ん坊と
消えたダイヤモンド、大学教授のスキャンダルなど、次々に持ち込まれる厄介
な事件の謎を解き明かそうと、懸命に駆けずりまわる。そして次第に意外な真
相が明らかに……。
物語は、新宿の保育園長兼私立探偵・花咲シリーズの第3弾。このシリーズ
は前2作共に読んできていますが、正直今回はこれまでのシリーズと比べると
事件も特に大きなものではなく、展開としては物足りなさは残りました。それ
でもユーモアある中編ハードボイルドで、今後も読んでいきたいシリーズです。
<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 すべてのものをひとつの夜が待つ
【著者名】 篠田真由美
【出版社】 光文社(KAPPA NOVELS)
【初 刊】 2005年7月25日
【金 額】 914円+税
【カバー文】本州最南端の半島沖の小島に建つ、巨大な西洋館。所有者・満喜
寿一郎の莫大な財産の後継者を選ぶべく5組の男女が集められた。
後継者決定の条件は、巨大ダイヤを館から発見すること。謎に満
ちた宝探しゲームの行方は…。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本州最南端の半島沖の小島に建つ、巨大な西洋館。所有者の莫大な財産の後
継者を選ぶべく、5組10人の男女が集められた。後継者決定の条件は、巨大
ダイヤを館から発見すること。期限は10日。外部との接触を絶たれた極限状
態のなか、謎に満ちた宝探しが始まる。2日目の朝、浴室に参加者の1人が吊
るされていた。退路のない館内での殺人に震撼する面々。犯人の影も見えぬま
ま、その翌朝にまたしても、首を切断された死体が発見される…。西洋館を舞
台に次々と起こる惨劇…巨大「牢獄」から生きて脱出できるのか?
物語は、孤島に建つ館で起きる宝探しゲームと殺人事件が描かれるミステリ。
展開としては良かったとは思う反面、宝探しに焦点が絞り込まれておらず、展
開がアッサリしすぎていて軽くなっていたのは残念です。ノベルズとしては読
みやすかったですが、もう少し展開に厚みを加えてほしかったです。
<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 社長をだせ!って またきたか!
【著者名】 川田茂雄/森健
【出版社】 宝島社
【初 刊】 2004年2月9日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】食品製造、書店、電気機器メーカー、旅行代理店、定食チェーン、
通信販売、テレビ放送…。様々な業種の消費者担当者が語る、通
常では決して聞くことのできない、クレームをめぐる闘いの記録
をまとめる。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、各業界の企業側からのクレーム処理・対応事例集。本書で取り上げ
られているクレーム問題は理不尽なクレームが多いですが、どのような問題に
も真摯に対応している企業姿勢も垣間見ることができましたし、また個人的に
も商売をしている立場から、クレームに対する対応を求められる場合もあるの
ですが、非常に参考にもなりました。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 さよならアメリカ
【著者名】 樋口直哉
【出版社】 講談社
【初 刊】 2005年7月7日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】ぼくは袋を被って生活している。袋の後ろには「SAYONAR
Aアメリカ」というロゴが。噂で聞いた、袋族の少女と出会うた
めにぼくは街を彷徨う…。純粋な感性と倒錯的視点が現出させた、
現代文学の新しい姿。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、第48回群像新人文学賞受賞作で、袋をかぶって生活する男の物語。
選考委員が安部の名作「箱男」をあげていましたが、切り抜いた二つの小窓から
眺める外界をリアルに描き、見られている感覚なしに、逆にこちらが一方的に見
ているのだという優越感さえ抱きながら仲間の袋人間を探してさまよう「ぼく」
と、自称・異母弟との遭遇や袋少女とのふれあいを描いています。芥川賞候補に
もなった作品ですが、比較的読みやすい作品でもあり、ラストには不満が残った
ものの、中々面白い作品でした。ただタイトルはそのまま「袋男」にした方がイ
ンパクトがあったようには思います。
【た行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 東京ライオット
【著者名】 戸梶圭太
【出版社】 徳間書店
【初 刊】 2005年7月31日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】綾瀬に建てられた複合超大型高級マンション・ソナーレを巡って、
近隣地元、ホームレスたちが繰り広げる暴動を、群像スタイルで
描く。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
物語は、複合型超高級マンション・ソナーレを巡るハチャメチャな構図を描
いた作品。新入居者は貧乏地元住民など一顧だにせず、警護する貧乏アルバイ
ト警備員、マンション専用バスの小心な運転手、破滅的家庭環境からギャング
化する中学生、宅配ピザのアルバイトで糧を得るカメラマン志望の若者、誰に
も邪魔されずひっそりと暮らすことだけが願いの近隣ホームレス、そのホーム
レスを喰いものにして保険料を掠めとる暴力団、スラム化する街をテーマにミ
ュージッククリップを制作する教祖的ミュージシャンとデザイナー……。彼ら
の私利私欲が恐るべき大暴動へと繋がっていった。
相変わらず、スピード感ある戸梶作品ですが、本書は迫力や暴動はこれまで
の作品と同様ではあるものの、複雑に入り組んだ人物達が描かれていることも
あって、その複雑さがやや欠点というか、物語を混乱させている部分が感じら
れました。それでも作品の面白さは他の作品同様で、今回も戸梶パワーを存分
に感じました。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ミステリ
【著書名】 チャット隠れ鬼
【著者名】 山口雅也
【出版社】 光文社
【初 刊】 2005年5月25日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】ネット上の自警団員「サイバー・エンジェル」候補に選ばれた国
語教師の祭戸浩実は、チャットルームで知り合ったJezebe
l−Pと名乗る主婦との会話に夢中になっていくが…。『週刊ア
スキー』連載に加筆して単行本化。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
子供たちが犯罪に巻き込まれるのを未然に防ぐため、ネット上を監視するサ
イバーエンジェルの候補に選ばれた国語教師、祭戸浩美。彼は、チャットルー
ムで知り合ったハンドルネームJezebel−Pとの会話に夢中になるのだ
が…。
物語はネット上でのチャットの世界を描いたミステリ。ネットを題材とした
作品はこれまでも幾つか読んできましたが、序盤はチャットの説明が続き、ネ
ット初心者なら別でしょうが、余分な付け足しが多く感じました。また、本書
は横書きのため、読みにくさも感じ、山口雅也の作品で読み始める前は期待し
ていましたが、期待ハズレになりました。
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 天使のナイフ
【著者名】 薬丸 岳
【出版社】 講談社
【初 刊】 2005年8月8日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】生後5ヶ月の娘の目の前で惨殺された妻・祥子。夫・桧山貴志は
耳を疑った。犯人は、13歳の少年3人。4年後、犯人の少年の
一人が殺され、桧山は疑惑の人となる。少年たちの事件後を追う
桧山に付き付けられた、信じがたい真実、恐るべき過去……。更
生とは何か。本当の贖罪とは何なのか。少年法をめぐる論争の死
角に迫るとともに、”読み出したら止まらない”ミステリーの醍
醐味を両立させた、選考委員も絶賛の話題作、ついに刊行!!
第51回江戸川乱歩賞受賞作。
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
フランチャイズのカフェのオーナーである桧山貴志の妻・祥子は、自宅を襲
った強盗に生後5ヶ月の娘の目の前で殺された。警察の捜査で、犯人たちは、
遊ぶ金ほしさに犯行に及んだ中学生の少年3人であることがわかった。改正前
の少年法の規定により、14歳未満である彼らは、逮捕ではなく、補導され、
名前の公表も一切されず、更正施設に送られた。犯罪者というレッテルを貼ら
れることをまぬがれ、遠からず、彼らは社会復帰することに対して、被害者の
家族として、罪に相当する罰を望んでいた桧山は、やりばのない怒りに駆られ
る。「国家が罰を与えないなら、自分の手で犯人を殺してやりたい」。4年後。
犯人の少年の一人が何者かに殺害される。再び事件と向き合う事になる桧山の
前に明かされてゆく真実とは……。
少年犯罪を描いた作品は他にも幾つかありますが、本書はバランスの良い視
点で、少年犯罪と少年法、社会が抱える多くの矛盾と問題点を双方の視点から
しっかりと描いています。近年江戸川乱歩賞受賞作は不作でしたが、本書は久
々の大ヒット作であり、ラストも満足いく結末で、読みごたえ満点の作品で、
多くの人に読んでほしい傑作です!
【な行】
<本紹介>
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【ジャンル】経済
【著書名】 2008年IMF占領
【著者名】 森木 亮
【出版社】 光文社
【初 刊】 2005年2月25日
【金 額】 952円+税
【カバー文】国家破産はもはや避けられない。しかし、破滅ではない。財政危
機を日本で最初に訴えたエコノミストが書き下ろす「最終警告」。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
読み始める前は多くの日本国破綻本と同じ内容だと思っていましたが、それ
らの著書とは違い「資産疎開」を推奨しておらず、財務省のデータなどを駆使
して指数指標を使い現在の財政状況を説明しています。ただし、これまでの著
者の出版本を読むと、悉く書かれている内容がハズれており、本書の信憑性も
欠けるようにも思いますし、読んで良かったとは思いますが、今一つという印
象もあります。
<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 夏の吐息
【著者名】 小池真理子
【出版社】 講談社
【初 刊】 2005年6月15日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】世界のどこに行っても、地の果てにいても、私はあなたを待って
いる…。人生の喜びも悲しみも知り尽くした年齢の女たちが織り
なす、6つの愛のかたち。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、大人の女性6人の恋愛を描いた短編集。不倫、自殺願望のある年下
の男との恋など、どこか罪深い大人の恋愛をそれぞれの作品で描いています。
物語の展開としては淡々とはしているものの、その中で大人の男女の恋愛をう
まく表現しています。
【は行】
<本紹介>
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【ジャンル】ホラー
【著書名】 ×ゲーム
【著者名】 山田悠介
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2004年8月25日
【金 額】 1100円+税
【カバー文】10年ぶりの小学校の同窓会を境に、英明の周りで凄惨な事件が
起き始めた。翌日に虐殺された当時の担任教師。突如として姿を
消したクラスメイト。そして、英明の元に送られてきた1本の8
ミリテープ。そこに映されていた壮絶な映像…!一連の事件と、
かつて英明たちが行っていた、いじめ『×ゲーム』との関わりは。
【満足度】 ★☆
End------------------------------------------------
小久保英明は、出席した同窓会の翌日に友人の一人から、昨日同窓会で会っ
た担任の先生が殺されたという電話があった。その後、次々と不可解な事件が
起きていく……。
帯文に惹かれて読みましたが、狂気的なホラーは描かれているものの、展開
も非常に単調で、物語としてアッサリしすぎていたのは大きな欠点です。また、
登場人物の存在感も薄く、結末も安易だったのは残念です。
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 ポセイドンの涙
【著者名】 安東能明
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2005年7月10日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】新進ファッションデザイナー・三上連は、少年の頃、ある人間を
殺して青函トンネルの内壁に塗り込めて隠した。それから25年、
パリの第一線で活躍する彼のもとに、脅迫状が送りつけられる。
帰郷した彼を待っていたのは…。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
先進的なファッションデザイナーとして知られる三上連は、25年前、ひと
りの人間を殺してトンネル内に埋めた。ある日、パリにいる彼の元に「函館に
帰ってきなさい」という脅迫状が届く。帰郷した彼を待っていたのは、秘密を
知る友との再会、遺体発見、時効成立まであと僅かという事実。そして新たに
トンネル内で殺人事件が発生する……。
物語は単に殺人事件を描いているに留まらず、主人公の家庭内不和、土地買
収、零細企業と働く中国人労働者、列車トリック、警察官の苦悩など、様々な
展開が盛り込まれ、壮大なサスペンスに仕上がっています。過去と現在をうま
く使い分け、読み応えのある作品でした。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 バッド・トラップ
【著者名】 堂場瞬一
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2005年7月25日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】1992年、ロス暴動の最中、強奪され闇に消えた秘宝ケツァル
コアトル像が日本に秘匿されているという情報を入手した詐欺師・
リュウは、元傭兵・御手洗と偽造専門家・彩を率い、幾重にも罠
を張り巡らせながら秘宝を狙うが…。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
詐欺師リュウ、元傭兵の御手洗、偽造専門の美女・彩の怪盗トリオ。ロス暴
動の最中に強奪された秘宝が日本に秘匿されているという情報を入手したリュ
ウは、所有者の政商・小笠原に近づく。だが秘宝を狙っていたのはリュウたち
だけではなかった……。
物語としては、偽造のプロの美女、人を撃てない元傭兵、ハンサム詐欺師の
窃盗団の話もそれなりに楽しい展開でアッサリと読むことはできたのですが、
正直堂場瞬一の他の作品と比べると見劣りする作品でした。迫力の物足りなさ
もあり、スピード感は感じたものの、決め手に欠ける作品でした。
【ま行】
【や行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ミステリ
【著書名】 ユグノーの呪い
【著者名】 新井政彦
【出版社】 光文社
【初 刊】 2005年3月25日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】ある日突然、目と口が不自由になった美少女・ルチアはメディチ
家の末裔。16世紀に先祖が大量虐殺した新教徒・ユグノーの呪
いなのか……。トラウマを排除するため、彼女の記憶空間に入り
込んだヴァーチャル治療士・高見健吾が遭遇したものは……。実
力派新人、渾身のデビュー作!
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
高見健吾は、障害のある人格をデジタルコピーして、その電脳空間に入り込
んで治療するヴァーチャル記憶療法士。同じヴァーチャル記憶療法士の長谷川
礼子からの誘いを受けてメディチ家の末裔、ルチア・メディチの人格に入り込
むのだが、彼女の人格内では16世紀の兵士たちが殺戮を繰り広げていた……。
本書は、ミステリというよりもSF的な作品。著者の作品は初めて読みまし
たが、RPGゲーム好きなら面白く読むことができるとは思いますが、この手
の展開は好きなジャンルではないだけに、読み始める前と比べるとやや期待ハ
ズレではありましたが、読み手によっては十分楽しめる作品になるかと思いま
す。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ミステリ
【著書名】 容疑者Xの献身
【著者名】 東野圭吾
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2005年8月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】天才数学者でありながらさえない高校教師に甘んじる石神は、愛
した女を守るため完全犯罪を目論む…。数学だけが生きがいだっ
た男の純愛ミステリー。『オール読物』連載を単行本化。
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
5年前に、暴力が原因で別れた夫の突然の訪問に花岡靖子は青ざめた。別れ
た後もしつこく付きまとい、ようやく逃れられたと思ったばかりのところだっ
た。諍いとなり勢いで靖子と娘の美里は前夫を殺してしまう。秘かに靖子の事
を思っていた隣人の石神は、途方に暮れる彼等に力を貸すと申し出る。その石
神の完璧な隠蔽工作は思いもよらぬものだった……。
読み始める前は、シリーズものではないと思っていましたが、本書は「探偵
ガリレオ」シリーズの湯川助教授と草薙刑事が登場するシリーズ作品。シリー
ズ作品ではあるものの、単独だけでも存分に味わえる極上のミステリでもあり
ます。高校で数学の教師をしている石神の考えたアリバイ工作、そして警察の
目をどうやって欺くのかも非常に興味深かったですし、それを読み解く湯川助
教授と草薙刑事との、スリリングな展開は驚きの連続の謎解きと、緻密な構成
に「おみごと!」と言いたくなる作品です。期待を裏切らない作家の東野圭吾
ではありますが、本書も上質のミステリとして存分に楽しめました。お勧めで
す!
【ら行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】パソコン
【著書名】 リカバリー&バックアップのここがわからなかった!
【著者名】 唯野 司
【出版社】 技術評論社
【初 刊】 2005年3月1日
【金 額】 1380円+税
【カバー文】パソコンを好調時に戻す最終手段が「リカバリー」。その方法や、
直前・直後に取るべき手段はぜひ知っておきたいもの。大事なデ
ータをどうバックアップするか、トラブル時の対処法、ファイル
管理を楽にするための知識と方法をじっくり丁寧に解説します。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
先日、OSをXPにしたので、一応参考書として読んだのが本書。初心者が
パソコンを使っていて戸惑う部分を丁寧に解説してくれていて、特にパソコン
初心者には分かりやすい内容だとは思います。ただし、差分・増分バックアッ
プについての解説がなく、バックアップ固有の知識補足がもう少しあるといい
とは思いますが、初心者向けのガイドブックとしては読みやすく参考になるは
ずです。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ホラー短編集
【著書名】 ライダー定食
【著者名】 東 直己
【出版社】 柏艪舎
【初 刊】 2004年9月14日
【金 額】 1619円+税
【カバー文】誰からも愛されず、孤独に苛まされてきた彰子は、北海道・道東
のサッタクナイ湖畔のレストランの「ライダー定食」を目指して
ツーリングの旅に出る。表題作ほか「納豆箸牧山鉄斎」など、全
6篇を収録したサイケホラー短編集。
【満足度】 ★★★☆
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本書は6つの作品が収録されている短編集。中でも表題作の「ライダー定食」
は著者がデビュー以前に書いた作品でもあります。ハードボイルド作家として
確立した著者ではありますが、本書は珍しいサイケホラー作品集で、著者の意
外な一面も伺えますが、今の作風とは大きく違うだけに、ハードボイルドを期
待していると思い切り期待を裏切りますから、読む前には違う作風だと認識し
てから読んだ方がいいでしょう。
<本紹介>
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【ジャンル】SF
【著書名】 ルドルフ・カイヨワの憂鬱
【著者名】 北國浩二
【出版社】 徳間書店
【初 刊】 2005年5月31日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】新生児に先天的な脳障害を引き起こす「ゲノム・ウイルス」に冒
された合衆国。弁護士カイヨワの調査は巨大な陰謀につきあたる。
近未来ハードボイルド。第5回日本SF新人賞の佳作「ルドルフ・
カイヨワの事情」を改稿・改題。
【満足度】 ★★★☆
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胎児の出生前診断とDNAデータび作成が義務化されているアメリカで、治
療不能のウイルス病が胎児に蔓延し、人工授精を義務化して、ウイルスに感染
した卵子を排除することでウイルス病への対策が講じられようとしていた。そ
んな情勢の中、探偵は、出生前診断を拒否し、自然出産しようとする妊婦を守
る依頼を受けたのだが……。
物語は、謎のウイルスが流行する近未来の合衆国が舞台で、ハードボイルド
タッチのSF作品です。若干暗い展開ではあるものの、中々読み応えのある作
品でした。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 ライヴ
【著者名】 山田悠介
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2005年6月10日
【金 額】 1100円+税
【カバー文】「東京お台場です。今、白いつなぎを着た男たちが、交通を規制
しています。いったい何が起こるのでしょうか?」 突如として
TV中継が開始された奇妙な競技。 誰も見たことがない死のレ
ースを完走することだった! 今、ジャンルを超えた注目を集め
る新鋭作家の最新作。
【満足度】 ★★
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「皆さんの愛する人々を、助けてあげられる…私たちが考案した独自の"ト
ライアスロン・コース"を完走していただきさえすれば。今から五分間の猶予
を与えます。条件がのめないという人は、この会場から速やかに出ていってく
ださい。5分後に残っている方にのみ、ランニングウェア、水着、シューズを
配布いたします。全員が着替え終わり次第、スタート地点へとバスで移動しま
す」この"最悪のレース"を走りきり、君は愛する者を救えるのか? いま、誰
も見たことのない生中継が1億2000万人を虜にする……。
以前に読んだ「×ゲーム」はあまり面白くなかったものの、帯で面白そうだ
と思い、本書を読んでみましたが、こちらも期待ハズレの内容でした。テーマ
としては非常に面白いテーマだとは思いますが、肝心の走る場面での臨場感が
感じられず、展開もどちらかというとありきたりで、テーマを活かしきれてい
ないのが残念です。
【わ行】
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