書評データベース(2006年度2月分)

 

■2006年2月に掲示板にて紹介された本■

 かたみ歌               朱川湊人     新潮社
 そして名探偵は生まれた        歌野晶午     祥伝社
 大地震の前兆 こんな現象が危ない   池谷元伺     青春出版社
 地獄のアングル            永島勝司   イースト・プレス
 ディープインパクト --無敗の三冠馬の真実-- 島田明宏  廣済堂出版 
 馬産地80話 --日高から見た日本競馬-- 岩崎 徹  北海道大学出版会
 しろうと女房の厩舎日記        ヨメ@宮本    流星社
 教育貧民               畠中雅子     宝島社
 雇用破壊               鹿嶋 敬     岩波書店
 肝、焼ける              朝倉かすみ    講談社
 楽天市場がなくなる日         宮脇 睦     洋泉社 
 少女には向かない職業         桜庭一樹     東京創元社
 てのひらの迷路            石田衣良     講談社
 競馬モンスター列伝                   洋泉社
 定年ジョッキー            内藤繁春     アールズ出版
 マンガの道                     ロッキング・オン
 巨大地震の後に襲ってきたこと!    高嶋哲夫編    宝島社
 野村ノート              野村克也     小学館 
 円満退社               江上 剛     幻冬舎
 九杯目には早すぎる          蒼井上鷹     双葉社
 ストリンガーの沈黙          林 譲治     早川書房 
 わたしが愛した愚か者         永瀬隼介     文藝春秋

【あ行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】地震
【著書名】 大地震の前兆 こんな現象が危ない
【著者名】 池谷元伺
【出版社】 青春出版社
【初 刊】 2005年9月10日
【金 額】 920円+税
【カバー文】空に現れた竜巻状やヘビ状の雲、突然スイッチの入ったクーラー
      やテレビ。さまざまなものが発する地震の赤信号を見逃さず、危
      険に備えるための地震前兆現象を紹介。02年刊の緊急改訂。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 著者は電子工学専攻の大学名誉教授で、専門の立場から地震前兆現象を研究
し、様々な事前現象を科学的な取り上げています。地震で岩盤が破砕されると
電磁波が発生し、地震が本格的に起きる前に岩盤の破砕は始まるため、動物は
敏感にそれを感じ取って異常行動をすることや、雲や虹などの気象にも異常が
現れ、電気機器にも誤作動が生じやすいことを実際に実験し、データとして表
している点も興味深かったです。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 円満退社
【著者名】 江上 剛
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2005年11月10日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】東京大学を出て一流銀行に勤めるも、出世とは無縁。うだつの上
      がらぬ宮仕えを34年、悪妻に虐げられた結婚生活を26年続け
      てきた岩沢千秋、56歳。定年退職を迎える日、彼は人生最大の
      賭けに打って出る。その仰天計画とは?
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 物語は、東京大学を出て一流銀行に勤めるも出世とは無縁の男が、定年退職
の日に打って出た人生最大の賭けを描いた作品。これまでの経済小説や金融小
説でも、かなりリアルで爽快な作品を出してきていますが、本書はコメディタ
ッチで描かれ、よりエンターティメントを追求した作品に仕上がっています。

【か行】

<本紹介>
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【ジャンル】連作短編集
【著書名】 かたみ歌
【著者名】 朱川湊人
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2005年8月20日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】東京・下町のアカシア商店街。ある時はラーメン屋の前で、また
      ある時は古本屋の片隅で…。ちょっと不思議な出来事が、傷つい
      た人々の心を優しく包んでいく。懐かしいメロディと共にノスタ
      ルジックに展開する7つの奇蹟の物語。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 物語は、昭和40年代の東京の下町にあるアカシア商店街を舞台に、そこに
関わる人達に起こった不思議な出来事を描いた7編を収録した連作短編集。死
をモチーフとした連作であり、奇妙な展開ではあるものの、懐かしさが感じら
れ、味わいのある作品集です。

<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 教育貧民
【著者名】 畠中雅子
【出版社】 宝島社
【初 刊】 2005年11月14日
【金 額】 1524円+税
【カバー文】減収増税時代でも決して減らない教育費。でも使い方を誤ると、
      子供の将来&親の老後が台無しに…。就学前、小・中・高校、大
      学の各時期の教育費の見直しポイントからニート対策まで、「教
      育費対策」の新常識をアドバイス。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 サブタイトルに「減収増税時代でも減らない教育費事情」とありますが、本
書はファイナンシャルプランナーで、3人の子供の母親でもある著者が、教育
資金やニートの問題について書かれたのが本書。特に教育費の見直しについて
は大いに参考になりましたし、就学前から大学までの教育資金について、それ
ぞれの章で詳しく書かれているのですが、各時期の教育費の見直しポイント、
家計に占める適切な教育費の額などは子供を持つ親なら必ずや参考になるはず
だと思います。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 雇用破壊
【著者名】 鹿嶋 敬
【出版社】 岩波書店
【初 刊】 2005年11月2日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】パート、アルバイト、派遣、請負、契約…。3人に1人は非正社
      員の時代。若年フリーターの実情、中高年男性フリーターの厳し
      い状況、女性たちの仕事の現状と問題点を、インタビューと、多
      角的なデータをもとに明らかにする。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、若い世代、中高年、女性……と、それぞれの非正社員としての生き
方を多くの事例のなかで紹介しながら、契約社員、パートタイマー、アルバイ
ト、派遣社員、請負社員などの現状をリアルに描き、問題点を明らかにしてい
ます。フリーターの実情、リストラによる中高年フリーターの厳しい現状と問
題点をインタビューを交えて取り上げていますが、正に雇用破壊が更に進むこ
とになれば、日本社会の基盤も揺るがしかねない問題にもなるであろうし、色
々と考えさせられる一冊です。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】短編小説集
【著書名】 肝、焼ける
【著者名】 朝倉かすみ
【出版社】 講談社
【初 刊】 2005年11月10日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】歳下で遠距離恋愛中の彼氏に会うために、こっそり訪れた稚内。
      地元の人たちの不思議なパワーのおかげで、もやもやした気持ち
      が変化していく。激しいじれったさを表す方言「肝、焼ける」が、
      真穂子を駆り立てた! 短編小説集。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は6つの作品が収録されている短編集。いずれも30代の独身女性の
「肝、焼ける」話が書かれています。その「肝、焼ける」ですが、これって北
海道弁になると思うのですが、カバー文にもあるように“じれったい”という
意味で、今では北海道でも滅多に使われることのない方言ではありますが、作
品は北海道を舞台に、恋愛や仕事に「肝が焼ける」物語で、特に同世代の女性
が読むと共感できる部分は多いのだろうと思います。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】競馬
【著書名】 競馬モンスター列伝
【出版社】 洋泉社
【初 刊】 2005年10月8日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】2005年に登場したディープインパクトは、デビュー以来無敗。
      そのすべてが圧勝。皐月賞、ダービーも圧倒的な勝ち方だった。
      2005年の日本競馬界の「怪物」を紹介するほか、日本の競馬
      史を彩ってきた名馬たちを振り返る。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 サブタイトルに「ターフに降臨した“絶対王者”たちの系譜」とありますが、
スーパーホースと呼ばれる名馬について、競馬ライター達が振り返っている内
容です。ムック本として読みやすい内容にはなっていますが、ここで取り上げ
られている馬の多くは、すでにムック本は勿論のこと、各種の競馬本として出
版されている名馬ばかりでもあるため、特に新鮮さという点はあまり感じられ
ませんでしたが、それなりに競馬本としては楽しく読むことはできました。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ルポ
【著書名】 巨大地震の後に襲ってきたこと!
【著者名】 高嶋哲夫編
【出版社】 宝島社
【初 刊】 2005年10月27日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】住宅ローンはどうなる? 地震保険で補償されるのは? 震災時
      には正社員でも解雇される? あなたの知らない要注意事項、生
      活復興の「壁」を知る! 神戸・新潟・福岡、被災者からの警告
      とノウハウ。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、阪神淡路、新潟中越、福岡西方沖の各地震の後に起きた、様々な生
活上の問題について、テーマ別にまとめたもの。マンション被害、住宅二重ロ
ーンの悲劇、震災時の借地借家法、地震被害と保険の免責など、全て実際の出
来事が書かれており、決して他人事とは思えない内容です。家の再建問題、襲
ってくるお金の問題、これからの仕事についてなど、これまでの生活と一変し
てしまう生活に対する警告本ともいえ、読んでおくべき一冊ともいえます。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】短編ミステリ集
【著書名】 九杯目には早すぎる
【著者名】 蒼井上鷹
【出版社】 双葉社(FUTABA NOVELS)
【初 刊】 2005年11月25日
【金 額】 800円+税
【カバー文】第26回小説推理新人賞受賞作「キリング・タイム」を始め、第
      58回日本推理作家協会賞・短編部門の候補作に選ばれた「大松
      鮨の奇妙な客」など、ユーモラスな空気の中でミステリーの醍醐
      味を味わえる作品を収録した短編集。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、表題作を含む9編の作品が収録された短編集で、小心ゆえにドツボ
にはまる哀しい男達の、酒と酒場にまつわる9つの物語が、いずれもSF的な
ミステリとして描かれます。どの作品も非常にテンポが良く、短編でもあるこ
と非常に読みやすかったです。ちょっとアッサリしている部分もありましたが、
ミステリのショートショートして面白かったでする

【さ行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ミステリ集
【著書名】 そして名探偵は生まれた
【著者名】 歌野晶午
【出版社】 祥伝社
【初 刊】 2005年10月20日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】3月には珍しい雪の日、伊豆の山荘で惨劇は起こった。事件の解
      決に名探偵・影浦逸水が乗り出したが…。歌野晶午が送る3大密
      室トリック。推理傑作集。書下ろしの表題作に既刊書収録作品2
      編を加える。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は、表題作の他に「生存者、一名」「館という名の楽園で」の合計3作
品が収められているミステリ集。表題作以外はすでに既刊の作品です。全て書
き下ろしではなく、すでに出されている作品を収録するというのはファンにと
っては損した気分にさせられるようには思いますが、それでも表題作はかなり
密度の濃い密室トリックが描かれる作品でした。でも個人的にはもう一捻りし
てほしかった作品でもありました。

<本紹介>
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【ジャンル】競馬
【著書名】 しろうと女房の厩舎日記
【著者名】 ヨメ@宮本
【出版社】 流星社
【初 刊】 2005年12月2日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】JRA宮本博調教師の妻、ヨメ@宮本がブログで綴る厩舎日記。
      ヨメの夢がかなえられる日はいつ? いつか重賞を獲るその日ま
      で、ミヤリン(宮本博調教師)の、苦しくも楽しい日々が続く…。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 著者はカバー文にもあるように、JRAの宮本博調教師の妻で、その著者が、
競馬サークルの内側と、調教師の家庭での日常を、調教師の妻で2児の母の立
場から書かれたもの。中でも、夫であり、調教師である「ミヤリン」の赤裸々
なエピソードは、爆笑と同情を誘い、楽しく読むことができる内容です。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ミステリ
【著書名】 少女には向かない職業
【著者名】 桜庭一樹
【出版社】 東京創元社
【初 刊】 2005年9月30日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】中学2年生の1年間で、あたし、大西葵13歳は、人をふたり殺
      した…。これは、ふたりの少女の、血の噴き出すような闘いの記
      録。痛切なストーリーが胸を抉る衝撃作。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 13歳の中学生・大西葵は、学校では明るく、友だちも多いのだが、働きも
せず時に暴力も振るう義父との関係があり、同じく中学生の宮乃下静香は、学
校では典型的な優等生だが、私服ではゴスロリ趣味の服装へと変わり、お金持
ちの老人や年上の従兄と共に暮らしている。夏休み初日に、その2人が出会い、
「ぜったいみつからない人の殺し方、教えてあげようか」という静香の一言が
「あたし、大西葵13歳は、中学2年生の1年間で、人をふたり殺した。」と
の帯文へ繋がっていく。
 物語はミステリではあるものの、淡々としていて、主人公の心の葛藤などは
よく描けているとは思うものの、肝心のミステリ部分は大いに物足りなさを感
じました。全体的にも設定が活かしきれておらず、中途半端さが目立ち、設定
が良かった分、読後はやや残念に思いました。

<本紹介>
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【ジャンル】交流録(?)
【著書名】 生協の白石さん
【著者名】 白石昌則
【出版社】 講談社
【初 刊】 2005年11月2日
【金 額】 952円+税
【カバー文】東京農工大生協の「ひとことカード」に寄せられる要望やユニー
      クなメッセージに、誠実で機知に富んだ回答をしてくれる生協の
      白石さん。おかしくて癒される、学生と白石さんとのコミュニケ
      ーション「ひとことカード」の傑作選。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 昨年話題となった著書ですが、話題となるに相応しい著者と東京農工大生と
の交流が書かれています。生協の「ひとことカード」での、くだらない質問に
も丁寧な応える白石さんのセンスの良い回答は、時には笑い、時にはツボにハ
マる粋の良さがあり、当初は単なる暇潰し程度と考えていましたが、技ありと
いえる一冊です。

<本紹介>
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【ジャンル】SF
【著書名】 ストリンガーの沈黙
【著者名】 林 譲治
【出版社】 早川書房
【初 刊】 2005年11月15日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】宇宙空間に適応したAADDの人間たちと地球側との対立が発火
      点を迎えた時、コズミックストリングを推進機関とする謎の物体
      が観測された…。連作集「ウロボロスの波動」に続くシリーズ長
      篇小説。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 ブラックホール・カーリーの周囲に建造された人工降着円盤は、巨大なエネ
ルギー転送システムとして太陽系社会を変革し、それから数十年が経過した西
暦2181年、宇宙空間に適応したAADDの人間達と地球側との対立は発火
点を迎えようとしていた。地球艦隊の武力侵攻が噂されるなか、AADDの伝
説的メンバーであるアグネスは天王星軌道上の人工降着円盤へと向かう。シス
テム全体を崩壊させかねない異常振動の原因を解明するためだった。一方、太
陽系辺境の観測施設シャンタク2世号では、AADDのウスールらが、未知の
知性体ストリンガーとの交信を模索していた。相克と邂逅の果てに、人類社会
を待ち受ける運命とは?
 本書は「ウロボロスの波動」に続くシリーズ作で、前書を読んでいないため、
物語の設定を把握するだけで、手間取りました。SFとしては非常にしっかり
した作品で、小松左京の「さよならジュピター」に近い作品だとも思いました
が、シリーズとして前作も読んでいれば、面白さは格段だったとも思いますし、
読み疲れを感じたため、評価としてはこの可もなく不可もなくといったところ
です。

【た行】

<本紹介>
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【ジャンル】プロレス
【著書名】 地獄のアングル
【著者名】 永島勝司
【出版社】 イースト・プレス
【初 刊】 2005年1月25日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】WJ−ファイティングオブワールドジャパンは、約2年という短
      い生涯にピリオドを打った。史上最悪のスキャンダル団体と呼ば
      れたWJの専務として、設立から崩壊まで立ち会ってきた著者が
      赤裸々に書き記す。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 著者は、元新日本プロレス専務取締役として、北朝鮮興行やUWFインター
ナショナルとの抗戦を実現した「平成の仕掛人」。しかし新日本プロレスを辞
めて、2億円の資金をもとに長州力と新団体「WJ」を興したものの、度重な
る事故と金銭トラブルによってわずか1年で崩壊。本書は、その団体滅亡の裏
側、猪木と長州との確執などプロレス界の裏側を赤裸々に綴ったもの。
 熱狂的なプロレスファンという立場ではないものの、長州力がWJという団
体を興したものの、呆気なく潰れてしまった団体というのは知っていましたが、
プロレス界の裏側が書かれているということで興味をもって読みましたが、新
日本プロレスの舞台裏など、知られざる部分が多く、興味深い内容ではありま
した。経営者としての甘さが浮き彫りにされているものの、ビジネスとしての
失敗例とも取れました。

<本紹介>
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【ジャンル】競馬
【著書名】 ディープインパクト --無敗の三冠馬の真実--
【著者名】 島田明宏
【出版社】 廣済堂出版
【初 刊】 2005年11月20日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】2005年秋の菊花賞を勝ち、史上2頭目の「無敗の三冠馬」と
      なった稀代の優駿、ディープインパクト。牧場時代から、衝撃の
      デビュー、そして栄冠まで、偉業達成の人馬の栄光と苦闘を徹底
      取材する。秘蔵写真満載。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 「武豊の瞬間」など競馬ライターとしても著名な著者ですが、本書は無敗の
3冠馬となったディープインパクトについて、生産牧場時代、池江厩舎に入っ
てから現在に至るまでを丹念な取材で振り返るノンフィクションです。丁寧な
取材を伺える内容で、競馬雑誌などでもディープインパクトについての生い立
ちは多く書かれてきているだけに、新鮮味はそれほど感じませんでしたが、関
係者しか知りえないエピソードなども多く、競馬ファンなら読んで損のない内
容です。

<本紹介>
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【ジャンル】掌編小説集
【著書名】 てのひらの迷路
【著者名】 石田衣良
【出版社】 講談社
【初 刊】 2005年11月10日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】耳元で囁くように、書きました。著者のパーソナルな声がきこえ
      てくる、美しくちいさな24の物語。恋愛、小説、そして母との
      別れ…。2年をかけて大切に書きつづった掌編小説集。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は、著者が2年をかけて書き綴った24の作品が収録されている短編集
で、いずれも非常に短い短編となっています。著者の経験から書かれた作品が
多いだけに、石田衣良ファン向けの短編集といえるでしょう。ただ、アッサリ
しすぎていて正直物足りなさは残りましたが、次作には期待したいです。

<本紹介>
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【ジャンル】競馬
【著書名】 定年ジョッキー
【著者名】 内藤繁春
【出版社】 アールズ出版
【初 刊】 2005年12月2日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】Nテーストも、サンデーもいらぬ。ダイユウサクも何のその、ご
      隠居とは呼ばせない! 数々の名馬を育てた調教師が、定年を迎
      えた後70歳にして騎手試験に挑戦した、あっと驚く馬バカ物語。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 本書は元JRA調教師の著者が書いた自伝エッセイ。GI馬として育てたダ
イユウサクやエイシンワシントンの話などは中々読み応えがありましたが、期
待していた騎手や他の調教師の話題はどちらかというと少なく、やや期待ハズ
レの内容ではありました。

【な行】

<本紹介>
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【ジャンル】野球
【著書名】 野村ノート
【著者名】 野村克也
【出版社】 小学館
【初 刊】 2005年10月20日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】名将・野村監督はダメ集団をいかにリセットし、勝者へと再生さ
      せたのか。名将による伝説の「勝利の兵法書」メモをベースに、
      監督としてのあり方、その原則を語る。リーダーで、人と組織は
      これほど変わる!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、著者の独特の野球論が書かれる「野村ID」をまとめた内容で、特
に野球における頭の使い方は細かく書かれています。ヤクルトの監督時代にス
コアラーのデータ改革に手をつけ、9マスだったストライクゾーンを、ボール
ゾーンも含めて81に細分化させデータとして活かし、心理学としての、打者
の心理、投手の心理、野手の心理など、特に野球をやっている人または指導し
ている人には参考になる点も多いです。今シーズンから楽天イーグルスの監督
に就任することも決まりましたが、弱小球団で野村IDをどう活かし、どう結
果に結びつけるのかは今から楽しみでもあります。

【は行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】競馬
【著書名】 馬産地80話 --日高から見た日本競馬--
【著者名】 岩崎 徹
【出版社】 北海道大学出版会
【初 刊】 2005年11月10日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】日本競馬の誇るべき特徴は大衆競馬にあり、その特徴を生かした
      馬事文化・競馬文化が何よりも大切である。日高地方を中心とし
      た競走馬生産と馬産地のしくみを、図表を多く用いてわかりやす
      く解説する。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
 本書は、北海道・日高地方を中心とした競走馬生産と馬産地の構造をわかり
やすく解説したもの。競走馬についてや育成、取引、牧場経営についてなど、
競走馬生産について80に分けて優しく説明しているものですが、正直日高地
方に住んでいる競馬ファンとしては物足りない中身でした。確かに生産につい
ては分かりやすい説明ではあるものの、競馬ファンや生産地の人が読むと殆ど
が知っている内容で、生産地の実情などが組み込まれているならともかく、全
体の流れを書いた程度となっていたのは正直残念です。

【ま行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】インタビュー
【著書名】 マンガの道
【出版社】 ロッキング・オン
【初 刊】 2005年3月29日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】人気漫画家11人が、知られざる生い立ちや創作の秘密、どのよ
      うにして描き始めたか、なぜマンガという道を選んだのか、デビ
      ュー当時の苦労、そして今後までを語り尽くす! 安野モヨコ、
      しりあがり寿、内田春菊らを収録。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、人気マンガ家11人の知られざる生い立ち、デビュー時の苦労、創
作の秘密から今後までをインタビューとしてまとめた一冊。収録されているマ
ンガ家は、安野モヨコ、山本直樹、江口寿史、古屋兎丸、小池田マヤ、山田芳
裕、吉田戦車、矢沢あい、しりあがり寿、内田春菊、ハロルド作石と、マンガ
好きなら誰もが知っているマンガ家ばかりで、作品についてもそれぞれに触れ
られていることもあり、マンガ好きとしても非常に興味深い内容でした。特に
個人的には連載途中で打ち切りとなった山田芳裕の「度胸星」についての経緯
は読む価値ある内容でした。

【や行】

 

【ら行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 楽天市場がなくなる日
【著者名】 宮脇 睦
【出版社】 洋泉社
【初 刊】 2006年2月24日
【金 額】 952円+税
【カバー文】誰もが自由に情報を検索できる時代に、どうして楽天市場なのか
      ? 楽天市場衰退を予測、楽天に頼らないIT活用ビジネスモデ
      ルを提案。楽天に対して係争中の生活と科学社・猪ノ口幹雄の寄
      稿「楽天商法を批判する」も特別収録。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、楽天市場の現状と今後について、そして大きな問題点や知られざる
内情を暴露した一冊です。今や日本最大手のショッピングモールとして知られ
る楽天市場ですが、昨年はTBS問題などでもマスコミを大いに賑わし、プロ
野球参入など近年はメディアでも取り上げられることが多いですが、本書は多
くの問題点を浮き彫りにしています。「楽天税」(売り上げに応じた従量課金
制)、自社球団があるのにロッテ優勝セール、「楽天商法」の光と影を追う…
など、楽天市場の知られざる一面を書くという意味では大いに評価できます。
個人的にも、長年楽天市場を利用してきたものの、昨年末からのポイント騒動
で勝手にポイントが削除され、この対応もいい加減な楽天市場にはうんざりし
ていたところでの本書の出版は、ポイント騒動に巻き込まれた一人としても、
非常に興味深かったです。巻末には楽天に対して係争中のショップ代表の寄稿
もあり、特にこれから楽天市場に出店しようとしているショップや人は、必ず
本書を一読しておくことを勧めます。

【わ行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 わたしが愛した愚か者
【著者名】 永瀬隼介
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2005年10月25日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】リストラされ、ひょんなことから空手道場を預かることになった
      藤堂忠之。元同僚で恋人の悠子ら、周囲の人間に振り回されなが
      らも空手一筋、といきたいところだが…。『別冊文芸春秋』連載
      の単行本化。
【満足度】 ★★★★
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 物語は、空手道場の経営を引き継がされた主人公の藤堂に持ち込まれる様々
な事件を描いた作品。ボランティア自警団、自殺サイト、温泉街のホテル再建
などの事件を全て空手で解決するという展開で、ハチャメチャさと登場人物の
個性の強さも強烈に感じます。本書は『Dojo−道場』という作品の続編で
すが、前作は読んでいなくても、すぐに展開を把握することができ、圧倒的な
パワーを感じる面白い作品です。

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