書評データベース(2006年度4月分)

 

■2006年4月に掲示板にて紹介された本■

 97敗、黒字。楽天イーグルスの一年  神田憲行     朝日新聞社
 明るい夜               黒川 創     文藝春秋
 愛の保存法              平安寿子     光文社
 ライト・グッドバイ          東 直己     早川書房
 甘茶日記               中野 翠     毎日新聞社
 全国フシギ乗り物ツアー       二村高史/宮田幸治 山海堂
 ネット副業の達人        金田善裕 ソフトバンクパブリッシング
 今すぐ始める「ネットで副業&お小遣い稼ぎ」超入門
                  高森英昭 毎日コミュニケーションズ
 北海道の重大事件史          山田幸一     寿郎社
 郵便局 民営化の未来図を読む    日本経済新聞社編 日本経済新聞社
 プロ論。2              B−ing編集部 徳間書店
 これからの職業            本多信一     毎日新聞社
 天才監督木下惠介           長部日出雄    新潮社
 ペダルの向こうへ           池永 陽     日本文芸社
 僕の散財日記             松任屋正隆    世界文化社
 細野真宏の世界一わかりやすい株の本  細野真宏     文藝春秋
 いい加減にしろよ(笑)         日垣 隆     文藝春秋
 いなかのせんきょ           藤谷 治     祥伝社
 グッドバイ 叔父殺人事件       折原 一     原書房 
 首輪物語               清水義範     集英社
 ジウ 警視庁特殊犯捜査係       誉田哲也     中央公論新社
 蝶舞う館               船戸与一     講談社
 フェティッシュ            西澤保彦     集英社
 英雄先生               東 直己     角川書店
 砂漠                 伊坂幸太郎    実業之日本社

【あ行】

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 明るい夜
【著者名】 黒川 創
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2005年10月15日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】ふいに消えた女友だち、最初の1行が書き出せない彼、眠れない
      わたし…。寄る辺ない男と女の、鴨川べりに展開する人間模様。
      心の底に潜む記憶をそっとすくいあげて確かめるような小説。
【満足度】 ★
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 物語は主人公である若い女性の日常生活や心模様を描いた作品。全体的にあ
まりにも淡々としすぎていて、正直単調すぎる展開で、前半部分ですでに飽き
てしまいました。若者の不安な心を描いている部分も内面をもっと深く掘り下
げるなど、もう少し展開に幅を持たせてほしかったです。

<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 愛の保存法
【著者名】 平安寿子
【出版社】 光文社
【初 刊】 2005年12月20日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】食い違って、間違って、うまくいかない男と女。表題作のほか
      「パパのベイビーボーイ」「きみ去りしのち」など全6編を収録。
      女性たちの友情を巧みに描き、卓抜なユーモア感覚で現実世界を
      切り取る短編集。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、不器用な男女の恋愛事情をユーモラスに描いた6編の短編集。いず
れの作品も、生き生きとした会話でテンポが良く、恋人同士の気持ちのすれ違
いがとてもよく描かれています。また、物語で描かれる男性のダメっぷりも特
徴豊かに描いて、魅力ある人物像に仕上げており、短編ではあるものの読みご
たえのある一冊です。

<本紹介>
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【ジャンル】コラム
【著書名】 甘茶日記
【著者名】 中野 翠
【出版社】 毎日新聞社
【初 刊】 2005年12月25日
【金 額】 1238円+税
【カバー文】うるせェんだよ〜! 「勝ち組・負け組」だの「上流・下流」だ
      の、どうでもいいじゃないか、そんなこと。2004年11月か
      ら2005年11月までの話題を満載した痛快コラム集。『サン
      デー毎日』掲載を中心にまとめる。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は「サンデー毎日」で連載のコラムの昨年分をまとめたもの。毎年この
時期に出され、毎年読んでいますが、事件や社会ネタだけではなく、映画の紹
介も豊富で、飽きないコラム集でもあり、昨年の出来事がまとめられているの
で、一年を振り返る意味でも来年も引き続き読もうと思います。

<本紹介>
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【ジャンル】インターネット
【著書名】 今すぐ始める「ネットで副業&お小遣い稼ぎ」超入門
【著者名】 高森英昭
【出版社】 毎日コミュニケーションズ
【初 刊】 2005年8月10日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】広告メール、懸賞、アフィリエイトなど、いま「ネット副業」が
      大ブーム。基本的なしくみ、サービスの利用法、目的別ネットビ
      ジネスの始め方、大きく儲けるためのノウハウやテクニックを、
      図解チャートでわかりやすく解説。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は、ネットオークションやアフィリエイトサイトを始め、懸賞サイト、
メールアンケート、キャンペーン登録、バナークリック、会員紹介など多彩な
広がりをみせるネットでの儲け方を紹介したガイド本。超入門というだけあっ
て、ネット初心者向きで、個人的には内容に物足りなさを感じましたが、全ペ
ージカラーでサイトの画像も載っているため、読みやすさという点でも初心者
向きのガイドといえます。

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 いい加減にしろよ(笑)
【著者名】 日垣 隆
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2006年1月15日
【金 額】 1314円+税
【カバー文】13の許せないもの、徹底鑑定します。細木数子、平山郁夫から
      日本の警察、裁判官、NPO、野放しの性犯罪、数々のバカ本ま
      で一刀両断、恐いもの知らずの著者が笑い飛ばす。いま、問題の
      本質が明らかに!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、著者が許せないものとして世の中の怪しいものを一挙鑑定した批判
本で、怪しすぎる大殺界の女王・細木数子、日本画界の大家・平山郁夫、甘っ
たれNPOの実態、小泉総選挙の7つのウソ、日本の裁判官の抱腹絶倒悪文見
本市から警察の体たらくぶり、性犯罪や少年犯罪をめぐる制度不備、さらには
福知山線の事故まで、問題の本質をはっきりさせています。個人的には最初に
収録されている細木数子についてが一番面白かったですが、よくぞここまで書
いてくれたものだと思います。でも著者の敵は更に多くなりそうで、次にトー
ンダウンしなければいいとは思います。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 いなかのせんきょ
【著者名】 藤谷 治
【出版社】 祥伝社
【初 刊】 2005年12月10日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】「奇麗事では済まんぞ、田舎てとこは」 過疎の村で数十年ぶり
      に起こった村長選挙。談合、根回し、饗応、買収…。無理が通っ
      て道理が引っ込む。孤立無援の深沢清春、家族を頼りに打って出
      た、一世一代の大勝負の行方や如何に!
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 四方を山に囲まれた町民数2千数人の鍵田原郡戸蔭村で久しぶりに町長選挙
が行われることになった。「市町村統合見送り」「公共事業への投資」「多額
の借金」などにより辞任することになった町長の後任を決める選挙は、過疎化
の進む村を良くしようと思う生真面目な深沢と、本当は陰の実力者でいたかっ
た助役の平井の2人が出馬すること。しかし2人の候補者達は、個人の利権、
仕事や親戚のしがらみ、人の噂話などに翻弄される。平井陣営は金に物言わせ、
選挙事務所で連日ご馳走とお酒でもてなし、お金も権力もない深沢は自宅スー
パーの裏の物置を急遽選挙事務所に仕立て上げ、地味な活動となった。果たし
てこの選挙の行方は……。
 物語はタイトルそのままに、田舎での選挙を舞台とした作品で、田舎ならで
はの選挙展開が一層物語を面白くさせています。選挙をテーマにした小説は他
にもありますが、地方色を存分に出し、談合あり、買収ありと、選挙の裏側も
面白く取り上げており、痛快さは勿論のこと、登場人物も個性的で、舞台の戸
蔭村も魅力ある村として描かれています。

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 英雄先生
【著者名】 東 直己
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2005年12月20日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】ボクサーとしての夢が破れて地元に戻った池田は、高校教師とし
      て退屈な日々を送っていた。ある日、教え子の女子高生が失踪し
      …。NO FUTUREなへっぽこ教師が奇跡を起こす!? 超
      ユーモア・エンタテインメントの誕生!
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 ボクサーとしての夢が破れて地元の松江に戻った池田は、教師として退屈な
日々を送る。ある日、教え子の女子高生が失踪し、東京から戻ってきた幼なじ
みが変死体で発見される。池田は教え子の行方を追跡するが…。
 物語は、東直己にしては珍しく北海道ではなく、島根県松江市を舞台に、高
校教師を主人公に、拉致された生徒を追って、私立探偵まがいの調査をすると
いう冒険ミステリ。展開もかなりスピーディーで、これまでの東直己の作品同
様に、舞台背景がしっかりと描かれており、登場人物の心理も上手く描かれて
いて、作品に幅があり、存分に楽しめる作品です。

【か行】

<本紹介>
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【ジャンル】野球
【著書名】 97敗、黒字。楽天イーグルスの一年
【著者名】 神田憲行
【出版社】 朝日新聞社
【初 刊】 2005年12月30日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】「勝つこと」と「儲かること」を求められて出発した新規球団楽
      天イーグルス。なぜ前代未聞の黒字を達成できたのか? なぜあ
      んなに負けたのか? 1年目の内幕を探る。『論座』連載に加筆
      修正、再構成して単行本化。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、プロ野球に新規参入後、試合では負け続けながら、プロ野球ビジネ
スでは黒字を達成した「楽天イーグルス」の一年を追ったノンフィクション。
ビジネスとしての成功の背景は分かりやすく、うまく地元ファンを取り込んだ
かについてが書かれており、ビジネスモデルとしては参考になるべき点はある
かとは思います。しかしながら、野球という観点からは、田尾監督の不可解な
解任があったり、また楽天としては今年の最初の一部メディアでも報道しまし
たが、ポイント騒動があったりと、ごたごたが続いており、昨年ファンだった
人にもソッポを向かれるようなことをしてきているだけに、今年が楽天イーグ
ルスの真価が問われる一年のようには思います。また、本書もビジネスとして
の観点は良いものの、もう少し野球の現場を取り上げてほしかったです。

<本紹介>
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【ジャンル】職業
【著書名】 これからの職業
【著者名】 本多信一
【出版社】 毎日新聞社
【初 刊】 2005年9月25日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】自分に合う仕事に就けたら、人生は充実してくるのに…。ビジネ
      スマンから女性向きの仕事まで、時代が必要としている190の
      職業を紹介。資格取得から再就職の方法まで詳しく解説。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は、現代職業研究所所長である著者が「今後10年以上は大丈夫」と考
える190の職業・職種を紹介した内容。多くの職業についてが取り上げられ
ていますが、いずれも1ページでの紹介のため、細かな点までは触れられてお
らず、物足りなさもあります。また、これからの職業というよりもすでに飽和
状態の仕事も幾つかあるかとも思いました。若い人やこれから仕事を探したい
人の入り口にはなるとは思いますが、本書で取り上げられているからといって
安易に考えるべきではないようには思います。

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 グッドバイ 叔父殺人事件
【著者名】 折原 一
【出版社】 原書房
【初 刊】 2005年11月21日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】叔父がネットで集団自殺。いや偽装殺人だと叔母は言い、ぼくは
      「捜査」を命じられ、誰かがぼくを狙いはじめた。やはりたんな
      る「集団自殺」ではなかったのか?
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 中西一平は叔父の羽鳥四郎と輸入業を共同経営していたが、その叔父が埼玉
県行田市の郊外で、ワゴン車の中で集団自殺の一人として発見された。車は内
側から目張りされ、車内に七輪、一酸化炭素中毒死という。リーダーらしき女
だけが助かったが、意識不明の重体。叔母はこの事件を集団自殺に見せかけた
殺人と考え、一平に犯人探しを依頼する……。
 物語は、折原一らしい叙述トリックではありますが、個人的にはもう少し凝
った展開にしてほしかったようには思います。ネット集団自殺を題材とした点
は非常に新しさはありましたが、主人公の一平の存在感がやや薄く、もう少し
個性的な主人公に描いてほしかったのと、登場人物の個性をもう少し活かした
方が良かったようには思いました。

<本紹介>
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【ジャンル】パスティーシュ小説集
【著書名】 首輪物語
【著者名】 清水義範
【出版社】 集英社
【初 刊】 2005年11月30日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】パスティーシュの達人が、自由奔放な想像力と驚くべき仕掛けで、
      文学、映画、TVの古典から最新作まで、選りすぐりの人気の名
      作を縦横無尽にコラボレーション! 脳みそも唸る、快作小説集。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
 本書は表題作を含む8つの作品が収録された短編集。登場人物が犬に置き換え
られる作品集で、題材としては面白いとは思うものの、清水義範の初期のパステ
ィーシュ作品と比べると、どうしてもパワーダウンを感じます。次作には期待し
たいですが、本書は物足りなさが残る作品でした。

【さ行】

<本紹介>
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【ジャンル】乗り物
【著書名】 全国フシギ乗り物ツアー
【著者名】 二村高史/宮田幸治
【出版社】 山海堂
【初 刊】 2005年10月31日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】現在によみがえった保存鉄道、時刻表に載っているのに「ヘン」
      な鉄道、そしてクセモノぞろいのおかしな乗り物たち…。オモシ
      ロフシギな乗り物たちがズラリとそろって出発進行!
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、カバー文で内容は分かると思いますが、日本中のフシギな鉄道や
「ヘン」な乗り物がズラリと紹介されたもの。レールの上の客車を人が押し進
める人車鉄道や、復元された馬車鉄道、斜めに進むエレベーター、坂の町に誕
生した電話ボックスにしか見えないモノレールなど、フシギ交通博物館のよう
で、ちょっとした雑学にもなります。

<本紹介>
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【ジャンル】警察小説
【著書名】 ジウ 警視庁特殊犯捜査係
【著者名】 誉田哲也
【出版社】 中央公論新社(C.NOVELS)
【初 刊】 2005年12月15日
【金 額】 1000円+税
【カバー文】都内の住宅街で人質籠城事件が発生した。本庁からは、門倉美咲
      巡査が所属する捜査1課特殊犯捜査第2係(SIT)も出動。夜
      を迎え、差入れ役を命じられた美咲は犯人のもとへ向かったが…。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 都内の住宅街で人質籠城事件が発生し、所轄署や機動捜査隊が現場を固める
中、本庁からは、門倉美咲巡査が所属する捜査一課特殊犯捜査第二係も出動。
籠城事件や誘拐事件の現場作戦活動を担当する警視庁特殊犯捜査係のSITは、
すぐに犯人との交渉を始めだが、長引く籠城に、本庁警備部が特殊急襲部隊を
待機させ、SITに無言の圧力をかけていた。夜を迎え、差入れ役を命じられ
た美咲は犯人のもとへ向かったが、この瞬間、すべての歯車が回りだし、新た
な巨大事件の姿が現れ始めた……。
 物語はテンポの良い警察小説。ノベルズ版で、読みやすさもありましたが、
主人公の2人の女性巡査の門倉美咲と伊崎基子が、生き方や考え方が全く異な
り、この対比が展開に効いています。本書はシリーズの第一弾で、3月に2作
目が出るようで、今から楽しみです。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 砂漠
【著者名】 伊坂幸太郎
【出版社】 実業之日本社
【初 刊】 2005年12月15日
【金 額】 1524円+税
【カバー文】入学、1人暮らし、新しい友人、麻雀、合コン。学生生活を楽し
      む5人の大学生が、社会という「砂漠」に囲まれた「オアシス」
      で超能力に遭遇するが…。パワーみなぎる青春小説。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 物語は、麻雀、合コン、バイト…と、普通のキャンパスライフを送りながら、
「その気になれば俺たちだって、何かできるんじゃないか」と考え、もがく5
人の学生達を描いた青春小説。現代のキャンパスライフというよりも80年代
のキャンパスライフが描かれる作品のようにも思いましたが、どことなく「ふ
ぞろいの林檎たち」を思い起こすような展開でもあり、懐かしさを覚える作品
です。

【た行】

<本紹介>
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【ジャンル】評伝
【著書名】 天才監督木下惠介
【著者名】 長部日出雄
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2005年10月30日
【金 額】 2000円+税
【カバー文】クロサワ、ミゾグチ、オヅのあと、世界が発見するのはキノシタ
      だ! 「二十四の瞳」「カルメン故郷に帰る」「楢山節考」など
      を撮った天才監督の謎多き素顔と、全49作品に迫る評伝。『小
      説新潮』連載に加筆し単行本化。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、「二十四の瞳」「楢山節考」「野菊の如き君なりき」など、数々の
名作を作り上げた映画監督・木下惠介の評伝。幼少の頃のエピソードから晩年
までを一気に書き上げていますが、実生活も含め、著者の丹念な取材について
が文面からも伺えます。読後は木下作品を見たくなる程でしたが、機会があれ
ば名作を幾つか見てみたいです。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 蝶舞う館
【著者名】 船戸与一
【出版社】 講談社
【初 刊】 2005年10月26日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】ベトナム戦争後30年の現在も続く民族抗争。少数民族モンタニ
      ャールが共産党の圧制に抵抗し、立ち上がる。被抑圧者の悲劇を、
      ベトナムを舞台につづる長編小説。『小説現代』掲載を単行本化。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 ベトナム解放30周年番組を制作するために現地にやってきたレポーターが
誘拐された。中部高原地帯居住の少数民族解放勢力からの要求は、1万ドルを
ベトナムに住む日本人ベテランカメラマンが運んでこいとのことだった。ベト
ナム公安局監視の元で進めていく受け渡しの末、解放勢力の実体が現れる……。
 物語は、ベトナムを舞台とした作品で、ベトナムの現状、ベトナム戦争の歴
史の傷跡を交えた国際誘拐事件を描いています。船戸与一らしい大作ではある
ものの、ややインパクトに欠けるというか迫力不足も感じました。日本人側の
視点が中心でしたが、もう少し解放勢力側の視点を増やすと更に厚みを増した
ように思うだけに、この点が多少残念ではありました。

【な行】

<本紹介>
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【ジャンル】インターネット
【著書名】 ネット副業の達人
【著者名】 金田善裕
【出版社】 ソフトバンクパブリッシング
【初 刊】 2005年6月19日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】ネット副業で大きな収入を得ている20人が語った、儲けるコツ。
      オークション、アフィリエイト、ネットショップ、株式投資など、
      それぞれの達人が体験から得たノウハウを大公開! 今すぐマネ
      したい達人の極意が満載。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、ネットを使った副業の達人への取材をまとめたもので、それぞれに
ノウハウも紹介されています。どういう動機で始め、工夫の仕方、どれだけの
時間を割いているかなども書かれ、興味のある人には参考になる内容だとは思
います。いずれも副業というよりも本業に近い形であるため、本書で書かれて
いる売上が片手間でできるということは絶対にありえないですが、ネットの活
用法としては面白く読むことができました。

【は行】

<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 北海道の重大事件史
【著者名】 山田幸一
【出版社】 寿郎社
【初 刊】 2005年12月15日
【金 額】 3800円+税
【カバー文】恵庭OL殺人事件、北海道庁爆破事件など、世間を騒がせたあの
      事件はどう裁かれたのか。明治の民事訴訟から平成の殺人事件ま
      で、北海道で起こった101の事件を網羅、事件や裁判の経緯を
      やさしく解説した、事件資料の決定版。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、明治の民事訴訟から平成の殺人事件まで、北海道で起きた101の
事件をまとめたもの。著者は元札幌高裁首席書記官で、裁判という視点から事
件を資料化しています。それぞれの事件での裁判の経緯は非常に興味深く、読
みごたえはありましたが、正直価格は他の書籍と比べると高すぎるのはやや残
念です。

<本紹介>
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【ジャンル】インタビュー
【著書名】 プロ論。2
【著者名】 B−ing編集部
【出版社】 徳間書店
【初 刊】 2005年12月31日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】なぜ、彼らには面白い仕事が舞いこむのか? 才能は誰にでもあ
      る。ただ、気づかないだけ。第一線で活躍する人たちの真の仕事
      論。『B−ing』掲載の巻頭インタビューを加筆・訂正して単
      行本化。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は、雑誌「B−ing」が編集した『プロ論。』の第二弾。著名・有名
人の仕事論がインタビューによってまとめられています。前著の「プロ論」の
方が興味深い人達がまとまっていたこともあり、前著の方が興味深かったです
が、各界で活躍する人達が仕事と向き合う様子は、自分の仕事においてもプラ
スになる部分も多いです。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 ペダルの向こうへ
【著者名】 池永 陽
【出版社】 日本文芸社
【初 刊】 2006年1月25日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】悔やんでも悔やみきれない過ちがある。残された人生をより良く
      生きようと決意して、男は息子を連れて旅に出た…。ほろ苦さと
      優しさを巧みにすくう感動長編。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 父・洋介は、自らの過ちから交通事故で妻を死なせ、息子の右足までも失わ
せた。彼は妻の遺骨を故郷沖縄に納めるため、息子と共に、自分を罰し息子を
立ち直らせるため自転車で旅をする。そして途中で出会った人々と交流する中
で、2人は互いに癒やされ成長していく……。
 物語は8つの短編からなる連作集で、事故から立ち直ろうとする親子の姿を
描いた作品。鎌倉、信楽、神戸、四国、九州と、それぞれの滞在先で出会う人
々との交流など、温かく人情的に描かれます。連作という形だからか、展開が
アッサリした感じも感じられましたが、池永陽らしいというか、悲しさと優し
さがうまく表現されていて、読後に温かさを感じる作品でした。

<本紹介>
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【ジャンル】買い物日記
【著書名】 僕の散財日記
【著者名】 松任屋正隆
【出版社】 世界文化社
【初 刊】 2005年12月20日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】買い物に女も男も関係ない。勢いが大事なのだ…。お洒落で、お
      馬鹿な中年になるための正しい買い物術。『Men’s Ex』
      人気連載を単行本化。さらに連載中に散財したあのアイテムの後
      日談を書き下ろし。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、ミュージシャンでもあり、ユーミンの夫としても知られる著者の買
い物エッセイ。昨年ベストドレッサー賞も受賞され、どんな買い物のこだわり
があるか興味があったので読みましたが、特にカメラ、時計、万年筆といった
アイテムへのこだわりは強く感じられました。ただ、文章としては単調なとこ
ろが多く、面白さは感じませんでしたが、著名人の生活ぶりが伺えるエッセイ
です。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】経済
【著書名】 細野真宏の世界一わかりやすい株の本
【著者名】 細野真宏
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2005年6月10日
【金 額】 952円+税
【カバー文】この1冊で初心者でも今日から株を実践できる。小難しい技術は
      不要、株の本質の理解が儲ける秘訣。細野流、革命的株入門書。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 タイトルでも分かるかと思いますが、株についてを非常に分かりやすく解説
した内容です。正直物足りなさは感じたものの、株初心者にはうってつけとい
える説明で、中学生や高校生が読んでも理解できるとも思え、そういう意味で
はベストセラーになっているのも頷けます。続けて実践編も出されているよう
なので、機会があればそちらも読んでみたいです。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ミステリ
【著書名】 フェティッシュ
【著者名】 西澤保彦
【出版社】 集英社
【初 刊】 2005年10月30日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】謎の美少年を1日だけ独占できる「透明人間クラブ」。だが見る
      だけで決して触れてはならない。孤独と狂気を携えた客達の思惑
      が入り乱れる中、殺人事件が…。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 東京から空路1時間半の地方都市で、中高年女性の、絞殺された上に刺殺さ
れるという変死体が次々と発見された。しかも彼女たちの胃には未消化のキャ
ビア、フォアグラといった高級食材が共通して見つかり、県警は同一犯による
連続殺人事件と断定する。更に街には、全裸で射精直後に脳梗塞を起こし死亡
した盗撮マニアの男性老人の死体、無残に撲殺された少年の死体までもが新た
に転がり、捜査に奔走する刑事・長嶺は、盗撮マニアの老人のデジカメに残さ
れたある美少年の女装の画像に引きつけられる。長嶺の刑事のカンは、その美
少年こそ事件解決の鍵となると告げていた。と同時に、人に言えない女装癖を
もつ長嶺は、少年に異様な欲望を抱いていた……。
 物語は、中年からの男女の性と欲望をテーマにした殺戮ミステリー。サイコ
ホラーの要素もかなり強かったですが、内容やこれまでの作品に比べると強烈
ではあるものの、展開がクドすぎる感じを受け、読んでいてやや引き気味にも
なりました。

【ま行】

 

【や行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ルポルタージュ
【著書名】 郵便局 民営化の未来図を読む
【著者名】 日本経済新聞社編
【出版社】 日本経済新聞社
【初 刊】 2006年1月5日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】2007年10月に民営化され、日本最大の「民間企業」となる
      日本郵政公社。その未来図を読み解く渾身のルポルタージュ。
      『日本経済新聞』連載「郵便局」シリーズをベースに、大幅に加
      筆修正して単行本化。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、日本経済新聞での特集記事をベースにし再編集して単行本化したも
の。サブタイトルに「民営化の未来図を読む」とあるように、民営化後の郵便
局について、現場の実態をまとめており、ルポとしては読みごたえはありまし
た。ただ、郵便局の未来像よりも、現状が主になっていて、課題のまとめがス
ッキリしていなかったのが多少欠点だったようには思いました。

【ら行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ハードボイルド
【著書名】 ライト・グッドバイ
【著者名】 東 直己
【出版社】 早川書房
【初 刊】 2005年12月15日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】馴染みの刑事からの奇妙な依頼。俺は殺人容疑者と親友になって、
      証拠となる行方不明の死体を探すべく、バーで待ち伏せする。そ
      れは生涯最低の冬の幕開けでもあった…。「ススキノ探偵」シリ
      ーズ書き下ろし長篇。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、ススキノ探偵シリーズの最新作。これまでのシリーズでは、妙な依
頼が大きな事件に発展していくケースが多かったですが、今回は、さほど大き
な事件とまではいかず、シリーズの中でもアッサリした印象を受け、多少単調
な部分もありましたが、それでもススキノ探偵「俺」の存在感は抜群で、シリ
ーズ全体の面白さを十二分に堪能できます。

【わ行】

 

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