書評データベース(2006年度8月分)
■2006年8月に掲示板にて紹介された本■
東京ボイス ヒキタクニオ 講談社
チョコレートコスモス 恩田 陸 毎日新聞社
道路の決着 猪瀬直樹 小学館
梅さんの次に狙われるのは、あなたの家です! 梅本正行 PHP研究所
ウェブ進化論 梅田望夫 ちくま新書
急がば疑え! 日垣 隆 日本実業出版社
うちのネコが訴えられました!? 山田タロウ 角川書店
破綻寸前!? 国のサイフ 家計のサイフ
荻原博子 ダイヤモンド社
北海道2030年の未来像 日本経済新聞社編 日本経済新聞社
起業バカ2 やってみたら地獄だった! 渡辺 仁 光文社
骨肉 明野照葉 中央公論新社
ゆりかごで眠れ 垣根涼介 中央公論新社
ヤバい馬券 高崎武大 双葉社
夢はトリノをかけめぐる 東野圭吾 光文社
栄光なき凱旋(上下巻) 真保裕一 小学館
宇宙で一番優しい惑星 戸梶圭太 中央公論新社
愛が噛みつく悪い星 東山彰良 光文社
キタイ 吉来駿作 幻冬舎
銀河のワールドカップ 川端裕人 集英社
壊れかた指南 筒井康隆 文藝春秋
偽装報告 高任和夫 光文社
角(つの) ヒキタクニオ 光文社
墜落 東 直己 角川春樹事務所
出口のない部屋 岸田るり子 東京創元社
時は静かに戦慄く 木宮条太郎 新潮社
東京バンドワゴン 小路幸也 集英社
竹千代を盗め 岩井三四二 講談社
【あ行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】防犯
【著書名】 梅さんの次に狙われるのは、あなたの家です!
【著者名】 梅本正行
【出版社】 PHP研究所
【初 刊】 2006年4月19日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】犯罪分析や防犯の専門家としてテレビなどでおなじみの著者が、
実際の空巣・強盗・放火の27のケーススタディを紹介。「梅さ
んチェック」で注意事項を提示し、家庭の防犯対策のあり方を詳
しく説き明かす。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は、テレビでもおなじみの防犯のプロである著者が、27のケーススタ
ディから基礎知識と対策についてをまとめたもの。実例と対策がそれぞれに書
かれており、サブタイトルに「空き巣・強盗・放火は他人事ではない」と書か
れていますが、防犯対策も自己責任であるだけに、参考にはなる一冊です。
<本紹介>
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【ジャンル】インターネット
【著書名】 ウェブ進化論
【著者名】 梅田望夫
【出版社】 ちくま新書
【初 刊】 2006年2月10日
【金 額】 740円+税
【カバー文】グーグルが象徴する技術革新とネット人口の急増により、知の再
編と経済の劇的な転換が始まった。ブログ、ロングテール、We
b2.0などの新現象を読み解きながら、変化に創造的・積極的
に対処する知恵を説く。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、これからのネット社会について「オプティミズム(楽天主義)」を前
提として、ウェブの進化が書かれたものです。ネットの「あちら側」と「こち
ら側」というユニークな視点で、その影響を解説しており、あちら側とはGoogle、
Amazonなどがネット上でサービスを展開する世界で、こちら側とは、企業内で
閉じた情報システムなどのローカル環境を指しています。社会や経済への影響
についても具体的に書かれており、今後どのように変化していくのかにも興味
深かったです。
<本紹介>
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【ジャンル】コラム
【著書名】 急がば疑え!
【著者名】 日垣 隆
【出版社】 日本実業出版社
【初 刊】 2006年2月10日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】小泉政権誕生、アメリカ同時多発テロ、イラク戦争、拉致被害者
問題などの社会問題から、宇多田ヒカル、韓流ブームまで。世間
を騒がしたあの問題を日垣隆はどう見ていたのか? 週刊『エコ
ノミスト』連載「敢闘言」の単行本化。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、週刊「エコノミスト」の 「敢闘言」
というコラムをまとめたもの。
これまでの著者のコラム本は幾つか読んできていますが、相変わらずキレ味鋭
いコラムで、短い文章の中にもキラリと光る言葉があります。特に拉致被害者
問題、韓流ブーム、古田選手の論理などは、読む価値ある内容でした。5年分
のコラムがギッシリと詰まっていますが、その5年前のコラムも古さを全く感
じさせず、辛口コラムが連発していて、読んで痛快なコラム集です。次のコラ
ムにも思いきり期待しています。
<本紹介>
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【ジャンル】ブログ
【著書名】 うちのネコが訴えられました!?
【著者名】 山田タロウ
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2006年5月31日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】「あなたのネコを訴えます」 ある日、舞い込んだ訴状。平和な
毎日が一変、突如「被告」になって裁判所へ…。ネコの逃走経路、
車のキズ…。本当にあった笑えぬ裁判の結末は? アメーバブロ
グ第1位『実録ネコ裁判』完全版。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書はブログ本で、本当にあった「実録ネコ裁判」が書かれたもの。ある日
著者の店に一通の簡易裁判所からの訴状が届き、内容は「あなたのネコが車に
キズをつけたので裁判をします」というもの。訴えたのは、裏手のマンション
に越してきた川畑氏で、彼は何の苦情も相談もなく、いきなり裁判を起こし、
川畑氏は後輩の大学生と動物愛護団体の代表者の婦人を証人として呼び、著者
の「飼育責任」を追及。この裁判の経緯を書いたものですが、内容から訴えが
棄却されることは明らかで、その後の展開も分かるだけに、自分の身に降りか
かればやっかいな問題ではありますが、読み物としては著者が面白く書いてい
るものの、特にインパクトのあるものではありませんでした。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 栄光なき凱旋(上下巻)
【著者名】 真保裕一
【出版社】 小学館
【初 刊】 2006年5月10日
【金 額】 1900円+税(上下共)
【カバー文】1人の女性を愛したジローとヘンリー。白人の恋人との結婚を決
めたマット。彼らの明日を、日本軍の真珠湾攻撃が引き裂いた…。
第二次世界大戦という激動の時代に生きる若者を描く青春群像大
作。
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
ロサンゼルスのリトルトーキョーに住むジロー・モリタ、ヘンリー・カワバ
タ、そしてハワイ在住のマット・フジワラの3人の日系2世達は、日本による
真珠湾攻撃により、アメリカ国籍を持っているにも関わらず、いわれなき迫害
を受ける。その中で彼らは、アメリカという国への忠誠を証明するために、自
らアメリカ軍に入隊し、父母の国である日本と戦うことを選ばざるを得なくな
っていく。日本語能力を買われ、南太平洋で日本人捕虜の尋問の任務にあたる
ジロー。そのジローとともに、日本を罠にかける作戦に投入されるマット。日
系人部隊の一員として、激戦のイタリア戦線に送られるヘンリー。そして彼ら
が戦場で出会うとき、さらに苛酷な運命が…。
物語は、日本の真珠湾攻撃の後、アメリカ本土やハワイの日系人達がどんな
扱いを受け、2つの祖国を持つ日系二世たちの苦悩、そして彼らが誇りを失わ
ずに生きるためにいかなる選択肢を取ったのかを丁寧に描いた作品。日本人と
は何か、愛国心とは何かを正面からとらえた重いテーマでありながら、サスペ
ンスの要素も盛り込んだ戦争小説です。物語での主人公達の背景はノンフィク
ションでもあるだけに、当時の日系人の苦悩と困難をうまく小説という形とし
てまとめており、真保裕一の代表作ともいえる良質の作品に仕上げています。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 宇宙で一番優しい惑星
【著者名】 戸梶圭太
【出版社】 中央公論新社
【初 刊】 2006年3月25日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】僕たちはこの星に生まれて、一体なにをしているのだろう。すべ
ては、ちっぽけで残酷な毎日のために生きている…。遠い遥か彼
方の惑星にある「聞いたような」3つの国を舞台に、人間心理の
暗部をトカジ独自の文章で抉り出す。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
物語は、部族間の紛争が絶えない「ダスーン」、事なかれ主義的な「ボボリ」、
高圧的な「クイーグ」という3つの国からなる惑星「オルヘゴ」を舞台とした
国家間の紛争を描いた戦争小説。この3つの国々を舞台に、繰り広げられる戦
争、テロ、人間のエゴと、その心理の奥底に存在する暗部を、戸梶圭太独自の
文体で抉り出した作品で、戸梶作品らしい強烈なブラック作品でもあります。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 愛が噛みつく悪い星
【著者名】 東山彰良
【出版社】 光文社(KAPPA NOVELS)
【初 刊】 2006年5月25日
【金 額】 781円+税
【カバー文】ハービーとトイトイのしょーもないヘマが、ストーカーと化した
元恋人が、智也を絶体絶命の状況に突き落とす。どうなる? ど
う切り抜ける!? 圧倒的なスピード感で描く、ろくでなしども
の青春群像。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
物語は、福岡を舞台に、口だけ達者な智也、奥さんが子供を殺して以来薬漬
けのハービー、元シャブ中のどうしようもないチンピラのトイトイ、犯罪に手
を貸す警察官の柴尾の4人組が引き起こすトラブルを描いた物語。これまでの
作品以上にハチャメチャさがありましたが、バラバラの展開が最後はうまく点
から線にまとめており、キャラクターの個性の強さを感じた一冊でした。
【か行】
<本紹介>
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【ジャンル】ビジネス
【著書名】 起業バカ2 やってみたら地獄だった!
【著者名】 渡辺 仁
【出版社】 光文社
【初 刊】 2005年11月30日
【金 額】 952円+税
【カバー文】あいからわらず起業ブームが続いている。しかし、このブームに
踊らされて失敗する企業家は圧倒的に多い。IT、フランチャイ
ズや「起業地獄」に堕ちる4つの入口など、数多くの失敗事例を
挙げる。失敗に学んで成功せよ!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、起業での、見込み違い、裏切り、フランチャイズ詐欺などの実例を
挙げて、起業家がはまるワナや失敗する条件を実例に即して分析したもの。前
作の「起業バカ」と共に話題になっていた本ですが、起業についていいことば
かりが書かれる本が多い中で、リアルな現実を突き付けているのが本書といえ
ます。失敗例ばかりではなく、一部成功例も書かれていますが、簡単に成功し
たということではなく、そこまでの過程の重要さや成功に至る困難などが書か
れているだけに、特にこれから起業を考えている人は読んでおいて損のない中
身だと思います。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 骨肉
【著者名】 明野照葉
【出版社】 中央公論新社
【初 刊】 2005年3月25日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】それぞれの日常をおくる三姉妹。ある日、老父が一人の少女を家
に連れてきた。「おまえたちの妹だよ。」 …女たちの財産をめ
ぐる戦いが、いま始まった。書き下ろし長編。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
ある日、早期退職して悠々自適の生活をしている父親が三姉妹に「おまえた
ちの妹だ」と連れてきたのは常識知らずの18歳の阿子だった。血の繋がりさ
え定かでない阿子に対して、30代後半を筆頭とする3人姉妹の真子、聖美、
美善は父親の財産を渡すものかと一致団結して戦う……。
物語は、意地汚い財産争いが描かれていますが、登場人物の心の奥底の本性
が上手く描かれた作品。個人的には阿子対3姉妹の構図をもう少し幅を広げて
ほしかったようには思いましたが、展開も現実味があり、ドラマを見ているよ
うな感じで、読みやすかったです。
<本紹介>
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【ジャンル】ホラーサスペンス
【著書名】 キタイ
【著者名】 吉来駿作
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2006年1月20日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】8人の高校生は、死んだ仲間・葛西を甦らせようと死者復活の儀
式・キタイを行う。それから18年、復活を遂げた葛西はキタイ
の秘密を知る仲間を殺し、永遠の命を得ようとするが…。死者に
よる、時を超えた惨劇が始まる。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
古代中国に伝わる死者復活の儀式・キタイ。定められた場所でその儀式を行
うと、遺体の中に青玉が生じ、そのぬめる玉をのんだ人物に死者が乗り移って
蘇るという。そのキタイの場所が日本の茨城県内にあり、8人の高校生は、キ
タイを捜しに訪れた香港人の指南を受け、死んだ仲間・葛西を蘇らせようと儀
式を行う。だが葛西は蘇らず、異様な現象が頻発、8人の人生は大きく狂い始
める。そして16年後、葛西は復活、キタイの秘密を知る仲間を次々と殺し始
めた……。
本書は、第6回ホラーサスペンス大賞受賞作。ホラー要素たっぷりで、展開
自体は非常に良いとは思うものの、設定が複雑すぎて、逆に何度か前に戻って
読み返して設定を把握することが多く、これは作品としての大きな欠点でもあ
りました。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 銀河のワールドカップ
【著者名】 川端裕人
【出版社】 集英社
【初 刊】 2006年4月30日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】元プロサッカー選手の花島勝は、公園で見かけた三つ子の少年た
ちのサッカープレイに魅了され、小学生チーム桃山プレデターの
監督に就任。個性豊かな面々が大会を勝ち進み、ついにはスペイ
ンでレアルと夢の対決に臨む!?
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
元Jリーガーの花島は、現役を引退し、一時は少年サッカーの指導者になっ
たものの、誤解から指導者失格の烙印を押され、職にあぶれて公園で酔っぱら
っているところに出会った天才肌のサッカー少年達と意気投合し、彼らのコー
チを引き受けることになった。この少年達もそれぞれクセがあり、地域のジュ
ニアチームからはみ出した存在で、はみ出し者同志のサッカーのサクセススト
ーリーが描かれます。読んで思ったのは、「キャプテン翼」の小説版の印象で、
実際にはありえない展開ではあるものの、最後まで展開に引き込まれました。
特にサッカー好きにはお勧めのサッカー小説です。
<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 壊れかた指南
【著者名】 筒井康隆
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2006年4月30日
【金 額】 1571円+税
【カバー文】天才作家・筒井康隆の傑作ばかり全30篇を収めた、7年ぶり、
21世紀初の恐るべき短篇集。デモーニッシュな笑い、油断なら
ぬ展開、途轍もないカタルシス。炸裂する妄想と驚愕の技巧で、
空前絶後の快楽が脳髄にしみわたる!
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、筒井康隆の約7年ぶりのオリジナル短編集で、ブラックジョークた
っぷりの30編の作品が収録されています。目新しさは感じなかったものの、
ショートショートが非常に懐かしく、型破り的な作品が多いです。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 偽装報告
【著者名】 高任和夫
【出版社】 光文社
【初 刊】 2006年4月25日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】リコール隠しに揺れる五代自動車。企業倫理の崩壊と男たちの闘
い。三菱自工事件に材をとり、耐震偽装事件やライブドア事件と
も通底する企業のモラルハザードの恐るべき現実を描く経済小説。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
東北自動車道で起きた死亡事故をきっかけに、五代自動車のリコール隠しが
浮上。かつて同社の総会屋事件を手がけた大手新聞記者・深堀らが真相を暴こ
うと奔走する。その五代自動車は権力者である会長や常務らの機嫌をとり、保
身に走る社員があふれていた…。
物語は、三菱自動車のリコール隠しをモデルにした作品で、企業の組織ぐる
みの犯罪を描いています。これまでの著者の作品同様に、しっかりした背景の
経済小説として描かれており、読みごたえある作品に仕上がっています。企業
体質の悪の部分の現実をよく取り上げた作品だとも思います。
【さ行】
【た行】
<本紹介>
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【ジャンル】連作短編集
【著書名】 東京ボイス
【著者名】 ヒキタクニオ
【出版社】 講談社
【初 刊】 2006年4月10日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】今夜は、元美形ソロシンガーの吉本からボイス・トレーニングを
受けた生徒たちの「発表会」。東京で喘いでいた彼らの歌声が流
れ始める…。欲望に憑かれて、喉が掠れた、東京に巣食う人間た
ちの「歌声」を集めた連作短編集。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
元美形ソロシンガーだった吉本は、アレンジやCM曲を作ったりバックバン
ドの仕事などでしのいでいたが、あるアイドルのツアーのバックでギターを担
当することになっていたものの、アイドルの片割れが大麻で捕まり、ツアーが
キャンセルに。そこで、何とかボイス・トレーニングの仕事で食いつなぐ。物
語は、そのボイス・トレーニングに通っている生徒達を主人公にした連作短編
集。大麻で潰れた元アイドル、人生を嘘で固めた風俗嬢、プロダクション社長
の愛人、歌手になる夢を捨てきれないキャバ嬢など、色々な人の心の声や喘ぎ
の歌声が集まる作品となっています。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 チョコレートコスモス
【著者名】 恩田 陸
【出版社】 毎日新聞社
【初 刊】 2006年3月20日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】舞台の上の、暗がりの向こう。そこには何かが隠されている。ど
こまで行けばいいのか? どこまで行けるのか? 2人の少女が
繰り広げる華麗で激しいバトルを描く、熱狂と陶酔の演劇ロマン。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
演劇の世界で、幼い時から子役として活躍し、すでに人気と評価を手に入れ
ている女優・東響子。そして、舞台経験もなく、無名の劇団に入団したばかり
の佐々木飛鳥。この2人は、伝説の映画プロューサー・芹澤泰次郎が手がける
芝居のオーディションで運命的な共演を果たすことに……。
物語は、「ガラスの仮面」を彷彿とさせる物語ですが、主人公の2人の少女
の存在が秀逸で、この少女達が作り出す世界に引き込まれていきます。響子が
飛鳥を認識し、彼女の才能に衝撃を受けての反応が実に読みごたえがあり、更
にテンポもよく、演劇の世界を見事に小説として活かしています。
<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 道路の決着
【著者名】 猪瀬直樹
【出版社】 小学館
【初 刊】 2006年5月1日
【金 額】 1429円+税
【カバー文】作家の信念が「分割民営化」「借金返済」「料金値下げ」を実現
させた! 小泉改革の象徴でもある道路公団民営化、その内側で
は壮絶な「闘い」が繰り広げられていた。猪瀬直樹が総括する迫
真のノンフィクション。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
小泉改革の象徴でもある道路公団民営化は、昨年10月に、高速道路会社が
スタートをきったが、そこに至るまでには壮絶な「闘い」が繰り広げられ、そ
の民営化への旗手として先陣を走り続けてきた著者が、詳細な記録とともに総
括する迫真のノンフィクションが本書。道路族、官僚の猛烈な抵抗から始まり、
民営化推進委員会の分裂、委員の辞任、首相への直訴など紆余曲折を経ながら
ようやく法案は成立の日の目を見るが、民営化直前に官製談合により技術系ト
ップの公団副総裁が逮捕される事態に発展。世界一高い高速料金と40兆円も
の借金を残した道路公団の高コスト体質はなぜ蔓延したのか。改革は国民に何
をもたらしたのかなど、正に「道路の権力」がここでは記されています。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 角(つの)
【著者名】 ヒキタクニオ
【出版社】 光文社
【初 刊】 2005年10月25日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】本当に困っているとき、そばにいてほしいのは誰だろう。女友達
に恋愛の相談をすることがどれほど馬鹿らしいことかは知ってい
る…。鋭い視線で時代をえぐる、まったく新しい純愛物語。
【満足度】 ★
End------------------------------------------------
麻起子は出版社の校閲部員。ある日、酒を飲んだ翌朝に鏡を見たらなんと頭
のてっぺんに角が生えていた……。物語は突拍子もない設定で始まりますが、
作品のテーマともいえる「角」が全く活かされておらず、角からの面白い展開
を期待していたものの、期待が肩透かしに終わる内容で、消化不良の作品です。
独身の主人公の女性に突然角がはえるという意外な展開にも関わらず、緊迫感
もなく、単なる業界小説となっているのは残念です。著者の作品は結構面白い
作品が多かったので、読む前は期待していたのですが、全くの期待ハズレでし
た。
<本紹介>
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【ジャンル】ハードボイルド
【著書名】 墜落
【著者名】 東 直己
【出版社】 角川春樹事務所
【初 刊】 2006年6月8日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】人は、どこまで落ちるのだろうか−。自らを傷つけるために、罪
を重ねる少女。その行動は、さらなる悪意を呼ぶのか。私立探偵・
畝原シリーズ。書き下ろし長篇ハードボイルド。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
私立探偵・畝原の許に来た依頼は、単純な素行調査だった。高校生の娘の夜
の行動を探って欲しいという、母親からの依頼で尾行をはじめた畝原だったが、
自分の娘に近い歳の子の行動に驚きを隠せなかった。ホストクラブに出入りし、
そのお金を稼ぐために身体を売る相手が老人だったからだ。一方、猫の首なし
死体が投げ込まれるという相談を受けた畝原は、依頼主の経営する駐車場で殺
人事件に巻き込まれる。なにかの警告なのか? 畝原は付近で過去に起きた猫
殺害の犯人が逮捕されていたことを知るが……。彼が受けた二つの依頼に、あ
る共通点が見えた時、事件の恐るべき実体が明らかになる……。
本書は、探偵・畝原シリーズの最新作。これまでのシリーズとはやや異質の
展開で、若者の生態と陰惨な事件を描いています。その若者の生態にややリア
ル感が足りないようには思いましたが、畝原のその後を読むことができ、シリ
ーズを通しての良さは続いています。
<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 出口のない部屋
【著者名】 岸田るり子
【出版社】 東京創元社
【初 刊】 2006年4月25日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】私に差し出されたのは「出口のない部屋」という題名の原稿。そ
れは、1つの部屋に閉じ込められた2人の女と1人の男の物語だ
った。いったいこの3人の接点は何なのか…。鮎川哲也賞受賞作
家が鮮やかな手法で贈る傑作ミステリ。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
免疫学者、開業医の妻、そして売れっ子作家の3人が1つの部屋に閉じ込め
られた。3人とも、気がつくと赤い扉の前にいて、その扉に誘われるようにし
て部屋に入ったのだったが、なぜ見ず知らずの3人はこの部屋に閉じ込められ
たのか?
物語は、部屋に閉じこめられてしまった2人の女性と1人の男性がそれぞれ
自分の過去を語るという趣向で始まり、謎解きが始まる展開となっていきます
が、意外な展開となる珍しい手法のミステリでした。ラストも意外性たっぷり
で、読みごたえある作品です。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ホラーサスペンス
【著書名】 時は静かに戦慄く
【著者名】 木宮条太郎
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2006年1月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】児童相談所の所長・山野は、増え続ける児童虐待の報告に頭を抱
えていた。やがて京都の町は、無差別殺人によるパニックに陥り
…。人類進化の最終形態を、戦慄すべきヴィジョンで提示した、
恐るべき予言の書。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
急増する児童虐待は、瞬く間に刑事事件へと過激度を増し、いつしか無差別
殺人へと発展した。封印された遺伝子の意志が発現するとき、京の街は血に染
まり、人類進化は最終ステージへ到達する……。
先日読んだ「キタイ」が第6回ホラーサスペンス大賞受賞作でしたが、本書
はその第6回ホラーサスペンス大賞特別賞の作品。個人的にはこちらの方が大
賞に相応しいのではないかと思いましたが、京都を舞台にした幼児虐待からの
無差別殺人をホラー要素満載で描いた作品です。世紀末的な内容でもあり、展
開で中途半端な部分も見られ、登場人物の存在感が薄かったという欠点もあり
ましたし、読後も背筋が寒くなりました。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 東京バンドワゴン
【著者名】 小路幸也
【出版社】 集英社
【初 刊】 2006年4月30日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】下町の老舗古書店「東京バンドワゴン」。ちょっと風変わりな四
世代の大家族が、転がりこんでくる事件を解決する。おかしくて、
時に切なく優しい、下町情緒あふれる春夏秋冬の物語。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
東京の下町にある老舗の古本屋「東京バンドワゴン」。79歳の勘一を筆頭
に総勢8人の4世代にわたる家族が店を営んでおり、店にはおばあちゃんの幽
霊と猫4匹も同居。60歳になっても金髪のロッカー、シングルマザー、愛人
の子など、それぞれ複雑な事情を抱えているが、店に持ち込まれては消える百
科事典の謎、猫の首輪にやぶれた本のページが結ばれている謎、突然やってき
た押しかけ女房の謎、店が貸し出した本を持って老人ホームを失踪した老女の
謎など、その堀田一家が町内で起こる奇怪な事件を解決します……。
物語は、老舗の古本屋「東京バンドワゴン」を営む堀田一家が、近所も巻き
込み、おせっかいで人情味ある家族が繰り広げるミステリー仕立ての人間ドラ
マ。個性豊かな4世代家族のハチャメチャさが、昔テレビで見た「寺内貫太郎
一家」を読んでいるような感じで、妙に懐かしかったです。下町の大家族の雰
囲気が良く描けており、個人的にはドラマ化してほしいとも思います。面白さ
か懐かしさを兼ね備えた作品です。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】忍者小説
【著書名】 竹千代を盗め
【著者名】 岩井三四二
【出版社】 講談社
【初 刊】 2006年3月13日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】時代は変わった。忍術は算術だ! 甲賀忍者の頭領・伴与七郎の
武器は、そろばんと銭。駿府に囚われた松平元康の妻子を奪還せ
よ。値は4百貫文、久しぶりの大仕事だ…。新感覚書き下ろし忍
者小説。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
時は戦国時代、甲賀の里に暮らす忍びの頭領・判与七郎の元に、三河の盟主・
松平元康の重臣が訪ねてきて、今川家にとらわれている元康の長男・竹千代ら
妻子を奪還して欲しいという。そこで与七郎は、駿府での滞在費、馬・船賃、
鉄砲の損料、中忍への手当なども含め話をまとめあげるのだが、人質である元
康の妻子が救いの手を拒絶したことから、思わぬ方向に進んでいく……。
物語は、そろばんと銭勘定が得意な甲賀忍者が活躍する、ユーモアたっぷり
の忍者時代小説。あまり時代小説は読まないのですが、本書はユーモラスな展
開だったこともあり、比較的読みやすかったですし、やや展開に軽さがあるも
のの、伊賀、甲賀結束しての闇討ち場面などは緊迫感がありました。題材を活
かしきれていない部分もありましたが、忍者の世界を楽しめる小説です。
【な行】
【は行】
<本紹介>
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【ジャンル】経済
【著書名】 破綻寸前!? 国のサイフ
家計のサイフ
【著者名】 荻原博子
【出版社】 ダイヤモンド社
【初 刊】 2006年4月6日
【金 額】 1429円+税
【カバー文】国の借金774兆円。「サラリーマン増税」で、私たちのボーナ
ス1回分は税金に消える! こうした厳しい時代をどのようにし
て生き抜けばいいのか、その指針を提示する。大学教授などの有
識者5名との対談も収録。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
サブタイトルに「大増税時代と格差社会を生き抜く方法」と書かれています
が、これからの増税についてや、それについての対処法が書かれた内容です。
中身は、今年の始めに著者が出した「2008年
破綻する家計 生き残る家計 あ
なたの資産を確実に守る方法」とかなり重複しており、著者の著作を初めて読
む人にとっては新鮮な内容かもしれませんが、前著を読んだ人にとっては、
「同じ内容でまた本を出して…」という印象を受けるでしょう。
<本紹介>
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【ジャンル】シュミレーション
【著書名】 北海道2030年の未来像
【著者名】 日本経済新聞社編
【出版社】 日本経済新聞社
【初 刊】 2006年4月20日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】最適規模人口をにらんだ市町村再編、高齢者・女性の人材活用、
観光・住宅産業の育成…。北海道は、わが国のなかで最も豊かな
地域になれる。開拓者精神を発揮した経済再生シナリオを探る。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、2030年の未来像をシミュレーションし、経済を再生させるシナ
リオを描いたもの。北海道経済でも、少子高齢化が進み、市場縮小や労働力不
足、さらに社会保障費急増が避けられないが、ピンチの中にチャンスはあるこ
とも書いています。景気が上向き傾向な中でも、中々北海道経済は回復してき
ませんが、北海道の魅力をもっと引き出し、良い所を全面にアピールしていこ
うという考えは共感できました。
【ま行】
【や行】
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 ゆりかごで眠れ
【著者名】 垣根涼介
【出版社】 中央公論新社
【初 刊】 2006年4月10日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】凄絶な幼少時代を過ごしながらも、コロンビア・マフィアのボス
にまで上りつめた日系二世のリキ・コバヤシ・ガルシアに纏わる
凄絶な愛情、そして生と死−。血と喧騒の中を全速で駆け抜けた
男たちを描く。
【満足度】 ★★★★
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両親を殺され、凄惨な少年時代を過ごしながらも、コロンビア・マフィアの
ボスとなった日系2世リキ・コバヤシ・ガルシア。本書は、そのリキ・コバヤ
シ・ガルシアを中心に、彼に纏わる人間達の凄絶な愛憎、そして生と死を描い
た物語。日本の警察に勾留された組員奪還のため、警察を襲撃し、裏切りと報
復が支配するコロンビア・マフィアの世界で、徒手空拳からのしあがった男が、
血と喧騒のなかを全速で駆け抜ける姿は圧巻でもあり、読みごたえある抗争劇
が描かれます。これまでの作品と比べると、やや異質の作品ではありますが、
登場人物の存在感がしっかりと描かれ、特に中盤の展開は迫力とスピード感が
溢れます。後半やや中弛みを感じましたが、作品自体は面白かったです。
<本紹介>
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【ジャンル】競馬
【著書名】 ヤバい馬券
【著者名】 高崎武大
【出版社】 双葉社
【初 刊】 2005年11月5日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】誰もが腰を抜かす男たちの伝説の大勝負、すべてはお金のために
競馬界バリバリバリュー内事情…。無謀すぎる大勝負から、騎手
が買う馬券までバラします! 信じられないけど笑える、驚きの
アンビリーバブル馬券ワールド。
【満足度】 ★★★☆
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本書は、サブタイトルに「競馬関係者の御法度勝負教えます」とありますが、
著者はJRAの栗東トレーニングセンター内部関係者で、知られざる競馬界の
裏話を中心に書いています。これまでも幾つかの著者の本は読んでいますが、
今回は各競馬場別必勝法など、馬券絡みの話も書かれていて、これまでの本の
中では面白い方だとは思います。軽く読める内容で、今後も競馬界の裏話を面
白く紹介してほしいものです。
<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 夢はトリノをかけめぐる
【著者名】 東野圭吾
【出版社】 光文社
【初 刊】 2006年5月25日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】2006年2月18日。直木賞受賞パーティで朝まで騒いだ受賞
作家は、一睡もできずに車に乗せられ、成田空港へ。横には、な
ぜか人間に化けた愛猫が。驚きと感動と疲労(?)にみちた、ト
リノ・オリンピック観戦旅行が始まる!
【満足度】 ★★★
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本書は、著者と愛猫の小説スタイルで書かれたトリノ・オリンピック観戦記。
競技以外でのトリノ事情についても書かれていて、トリノのトイレ事情や著者
のスキージャンプに対する思いなども知ることができ、著者の意外な一面を読
むことができました。オリンピックについては記録の紹介程度が多く、もう少
しオリンピック観戦のエピソードや競技についての観戦についてを多く書いて
ほしかったとも思います。
【ら行】
【わ行】
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