書評データベース(2006年度10月分)

 

■2006年10月に掲示板にて紹介された本■

 黒い太陽               新堂冬樹     祥伝社
 圏外同士               冨士本由紀    集英社
 りはめより100倍恐ろしい      木堂 椎     角川書店
 ユグドラジルの覇者          桂木 希     角川書店
 第九の日               瀬名秀明     光文社
 図書館戦争              有川 浩   メディアワークス
 毒蟲VS.溝鼠            新堂冬樹     徳間書店
 谷崎潤一郎伝             小谷野敦     中央公論新社
 騙す人と騙される人のちょっとの違い  坂口拓史ほか   あおば出版
 デパ地下グルメ新定番100選 2 デパチカドットコム監修 マーブルトロン
 生死を分けた三分間     被災者+日本聞き書き学会編 光文社
 聖ジェームス病院           久間十義     光文社
 千秋の讃歌              落合信彦     集英社
 少年は探偵を夢見る          芦辺 拓     東京創元社
 川口能活 証             山中 忍     文藝春秋
 近所がうるさい! 騒音トラブルの恐怖 橋本典久     ベスト新書
 そこそこ防災マン奮闘記        伊東義高     鹿島出版社
 食品のカラクリ                     宝島社
 なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?  小堺桂悦郎   フォレスト出版
 25時のイヴたち           明野照葉     実業之日本社
 虹の彼方               小池真理子    毎日新聞社
 猫島ハウスの騒動           若竹七海     光文社
 周極星                幸田真音     中央公論新社
 サルト                岩槻大介     新風社
 災害のあと始末            林春雄・監修  エクスナレッジ
 失われた森厳             倉本 聰     理論社

【あ行】

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 失われた森厳
【著者名】 倉本 聰
【出版社】 理論社
【初 刊】 2006年5月10日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】初めての選挙応援、石原プロに学ぶ謝罪の美学、視聴率買収問題、
      陪審員制度、ライブドア問題…。富良野に住み、テレビの仕事に
      長年携わってきた倉本聡が、独自の視点で日本の今を切り取る。
      『財界』連載に加筆して単行本化。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、倉本聰のエッセイ「富良野風話」シリーズの最新作。無くてはなら
ないもの、失われてしまった大切なものなど、哀しみと怒りを秘めて時代を斬
るエッセイ集です。このシリーズはずっと読んできており、今回も自然につい
ても多く書かれていますが、ライブドア騒動など時評も多く触れられており、
独特の視点が様々な問題について触れられており、考えさせられる言葉が多か
ったです。

【か行】

<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 黒い太陽
【著者名】 新堂冬樹
【出版社】 祥伝社
【初 刊】 2006年3月20日
【金 額】 2100円+税
【カバー文】キャバクラに勤める新人黒服の立花は「風俗王」藤堂社長に見込
      まれ、幹部研修で辣腕ホール長の長瀬と出会う。若きカリスマ・
      ホール長に刺激を受けた立花はその世界の魅力に取り憑かれてい
      く。風俗業界の闇に挑んだサスペンス。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 物語は、キャバクラを舞台に風俗業界の闇の部分を描いたサスペンス。キャ
バクラ嬢同士の競争、競合店との熾烈な争い、風俗業界での挫折など、正直に
生きていれば必ず報われるという父の教えを守って生きてきた主人公が変貌し
ていく過程は、新堂ワールドともいえる独特の世界として描かれています。キ
ャバクラのシステムの裏側や知られざる世界を小説としてうまく表現されてお
り、550ページ強の分厚い内容もボリューム感を感じさせない面白さがあり
ました。これまでの新堂作品と比べると、やや過激さが足りないとも思いまし
たが、ノワール部分を強調しなかったのはかえって良かったのかもしれません。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 圏外同士
【著者名】 冨士本由紀
【出版社】 集英社
【初 刊】 2006年4月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】デザイナーへの夢を捨てきれない乃絵と、彼女を愛人にしたい雇
      われ社長の蕪木。人生の大逆転を夢見る二人が、同じ職場で働い
      たら? ユーモアとウィット溢れる、働く大人のためのコメディ。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 定年間近の会社役員・蕪木は、人生最後の情事を求めて、OLの乃絵に近づ
くが、デザイナー志望の乃絵は会社を脱出しようと必死。その男女の滑稽なす
れ違いを描いた物語。妄想と勘違いが暴走してのコミカルな展開でもあります
が、これまでの著者の作品と比べても軽いタッチで読みやすかったです。

<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 川口能活 証
【著者名】 山中 忍
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2006年5月30日
【金 額】 1238円+税
【カバー文】「あの経験があるから、今の自分がいる」 イングランドのポー
      ツマスFCからデンマークのFCノアシェランへの移籍、そして
      日本への帰国。サッカー選手として、人間として、日本の守護神
      が苦悩し続けた3年間を赤裸々に描く。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、アトランタ五輪でのブラジル撃破、日本初のワールドカップ出場な
ど、常に日本サッカーの中心で活躍してきた選手・川口能活自らが綴る人生総
決算ともいえるノンフィクション。高校時代に全国制覇、アトランタ五輪では
ブラジル撃破に貢献、フランス・ワールドカップでは代表正ゴールキーパーと
して出場し、頼れる守護神として、常に日本サッカー界の中心で活躍をしてき
た川口選手ですが、2001年から約3年間のイングランドとデンマークで過
ごした選手生活の詳細はあまり知られておらず、サッカー選手である以前に、
日本人として、また一人の人間として、試され、多くの苦悩を抱え続けた日々
が赤裸々に綴られています。

<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 近所がうるさい! 騒音トラブルの恐怖
【著者名】 橋本典久
【出版社】 ベスト新書
【初 刊】 2006年7月1日
【金 額】 780円+税
【カバー文】たかが騒音と言うなかれ。われわれは「騒音で人が殺され」ても、
      なんら不思議でない時代を生きているのだ。そこで、現在近隣騒
      音に悩んでいる人にも、そうでない人にも、騒音トラブルへの対
      処法と、本当の解決法を伝授する。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 著者は音環境工学などが専門の建築士で、その著者が数々の事例をもとに、
騒音の心理と生理を解説したのが本書。決して他人事ではない、騒音トラブル
についての対処法も参考になりますし、騒音トラブルの現況、発生事件の詳細、
事件の歴史、犯罪分析、騒音訴訟と裁判、法規制の現状と可能性、騒音に関す
る国際比較、問題解決のための提言、騒音文化論など、関連することが網羅さ
れています。

【さ行】

<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 生死を分けた三分間
【著者名】 被災者+日本聞き書き学会編
【出版社】 光文社
【初 刊】 2006年4月30日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】いざというとき本当に必要なことはなにか、大切な心がまえとは
      なにか。阪神・淡路大震災、三宅島2000年噴火、新潟県中越
      地震の被害者たちが、実体験をもとに災害時の本当の教訓を語る。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 サブタイトルに「そのとき被災者はどう生きたか」とありますが、本書は阪
神淡路大震災、三宅島噴火、新潟中越地震での被災者から生の体験を伺い、そ
の生の声を構成したもの。改めて災害の大きさ、被災の爪跡が感じられます。
多くの被災者の声がここにまとめられていますが、被災の前後の様子は勿論の
こと、それぞれから教訓を学ぶことができます。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 聖ジェームス病院
【著者名】 久間十義
【出版社】 光文社
【初 刊】 2005年12月20日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】病院は生と死が交錯する、日常の隣に口を開いた異界だ…。医療
      過誤事件を縦軸に、東亜ケミファのインサイダー取引などいくつ
      ものドラマが交じり合う、骨太の物語。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 東翔平は、都内の地域中核病院でもある聖ジェームス武蔵野病院で研修生を
している。ある日の午前2時5分、救急車がサイレンを鳴らして到着したのは、
翔平が帯状疱疹の治療をした患者だった。症状は悪化し翔平は帯状疱疹の治療
に使用した新薬の副作用を疑うよう。これを契機に翔平の周りで、。医療ミス
や新薬の承認に絡む問題、院内感染、医薬品メーカーのインサイダー取引など、
次々と問題が起こり始める……。
 物語は、聖ジェームス病院を舞台に、医療過誤事件を中心とした様々な医療
問題を描いた作品。約500ページの分厚い内容の割には、比較的アッサリと
読め、医療ドラマを見ているような感じでもありました。その物語ですが、個
性的な登場人物が多く出てきて、それなりに興味深く読むことができましたが、
予想通りの展開のためか、作品としての重さを感じなかった点はやや残念です。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 千秋の讃歌
【著者名】 落合信彦
【出版社】 集英社
【初 刊】 2006年6月30日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】人類を破滅に導く最終兵器。その開発に携わる者、阻止に命を賭
      けて行動する者。大国の恐るべき計画を巡る国家の熾烈な諜報戦。
      核を超えた究極の最終兵器「オメガ」とは? 壮大なスケールで
      描くエンターテインメント・ロマン。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 アメリカ国防総省による宇宙計画で、イスラエル特殊部隊の佐川は、人類を
危機にさらすその計画の阻止を命じられた。国家間の火花を散らす情報戦、闇
の世界で闘う男たちの悲劇を描いた国際サスペンス長編。
 落合信彦の作品は数年ぶりに読みましたが、スケールの大きさは相変わらず
で、設定は非常に良いとは思うのですが、過去の作品と展開が同じで、そのた
め新刊ではあるものの新鮮味を感じなかったのは残念です。

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ集
【著書名】 少年は探偵を夢見る
【著者名】 芦辺 拓
【出版社】 東京創元社
【初 刊】 2006年3月30日
【金 額】 2000円+税
【カバー文】少年の日、妖しいキネオラマにて怪人と名探偵に出会った森江春
      策は、中学で殺人事件を解決し、大学時代には怪死を繋ぐ意外な
      真相を看破する…。名探偵誕生の軌跡を描く傑作ミステリ5編。
      「年譜・森江春策事件簿」を特別収録。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 少年の日、妖しいキネオラマにて怪人と名探偵に出会った森江春策。中学生
となった彼は、「存在しない13号室」のあるアパートで起きた殺人事件を解
決し、大学時代には、二都で起きた怪死を繋ぐ意外な真相を看破する。その後
新聞記者となり、廃墟ホテルで発見された生首にまつわる冒険を経て、弁護士
に転身した森江春策が対決するのは、タイムマシンでアリバイを築いたと主張
する殺人者!
 サブタイトルに「森江春策クロニクル」とありますが、物語は、主人公・森
江春策が名探偵になった経緯が描かれる5つの作品からなるミステリ集。個人
的にはミステリとしては凝り過ぎの感もありましたが、主人公が名探偵になっ
ていく過程は中々面白かったです。

<本紹介>
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【ジャンル】防災
【著書名】 そこそこ防災マン奮闘記
【著者名】 伊東義高
【出版社】 鹿島出版社
【初 刊】 2006年7月20日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】地震は防げないが、被害は減らせる。物的損害は取り返せるが、
      人身被害は取り返せない! かけがえのないわが命、家族の幸せ、
      仲間の生活を自分たちで出来る限り守るための、「そこそこ」防
      災のあれこれを紹介する。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、地震での減災対策としての防災についてを、家庭編、職場編、地域
編とそれぞれにハードとソフトに分けて紹介したもの。備蓄品や家具などの固
定や対策についてはイラストや図で分かりやすく紹介しており、家庭編では家
族の会話として書かれているので、読みやすく、ところどころで地震防災クイ
ズなどもあって参考となって理解しやすくなっています。いつ襲ってくるか分
からない地震ではありますが、地震前後に困らない備えになる一冊です。

<本紹介>
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【ジャンル】生活
【著書名】 食品のカラクリ
【出版社】 宝島社(別冊宝島1316)
【初 刊】 2006年7月15日
【金 額】 1000円+税
【カバー文】「おかわり自由」コーヒーの中身や「ミカン缶詰」の皮の行方、
      「カレー粉1%未満」の業務用カレーなど、食品業界の舞台裏で
      日常的に繰り広げられている、最先端の食品加工技術の魔法の秘
      密を明かす。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、いわゆる「安全な食」の提言書とは異なり、食品業界の「秘密」の
一端を明かすことによって、いかに綿密に、慎重に、そして計画的に、考え抜
かれた「食の世界」が我々の前に“演出”されているかが書かれたもの。以前
に「食品の裏側」という、食品添加物問題について書かれたものも読みました
が、そこで取り上げられていない“食のカラクリ”が本書で紹介されており、
正に食品業界の知られざる裏側を明かした一冊ともいえます。「おかわり自由」
のコーヒー、惣菜コロッケ、同じ形のエビフライ、市販ギョウザ、梅干、明太
子、ペットボトル茶など、普段誰もが口にする食品の意外な真実は、衝撃的で
もあり、口にするのを躊躇う内容でもありましたが、よくぞ書いてくれたと拍
手喝采したい内容です。

<本紹介>
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【ジャンル】経済小説
【著書名】 周極星
【著者名】 幸田真音
【出版社】 中央公論新社
【初 刊】 2006年5月10日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】膨張し続ける巨大市場・中国。老獪な邦銀支店長、美貌の中国系
      投資会社社長…。激動の中国経済に挑んだ若き日本人ファンドマ
      ネージャーの運命は。上海を舞台に描く最先端の経済小説。『中
      央公論』連載に加筆修正し単行本化。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 物語は、中国を舞台に、かつて銀行の上海支店長に騙された若きファンドマ
ネージャーの復讐劇を描いた物語。経済小説というスタイルではあるものの、
経済部分が弱く、普通の小説となっていましたが、最近の幸田真音の作品は経
済よりもストーリーを重視しているような作品が続いており、昔の作品のよう
に経済を大きく組み込んだ作品として読んでみたいとは思います。比較的軽い
タッチで読みやすい展開ではありますが、中国の大きな変化を描くならば、経
済成長をもっと細かく展開に盛り込んでほしかったです。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 サルト
【著者名】 岩槻大介
【出版社】 新風社
【初 刊】 2006年7月24日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】元ロックスター(?)の父ちゃんが、「校歌を作る」と言い出し
      た。ねえ、天国の母さん。ぼくはいったいどうすりゃいいの? 
      アホ親父とぼくの痛快ロックンロール小説。
【満足度】 ★☆
End------------------------------------------------
 物語は、「校歌を作る」というどうしようもない父親と一人息子の物語。著
者は劇作家で俳優でもあるようですが、帯の「痛快ロックンロール小説」とい
う文字に惹かれて読みましたが、ロックンロール小説というよりは、小学生や
中学生が読んで面白いと思えるような父と子の物語でした。行間と段落が空い
ていることから、アッサリ読めますが、正直面白さは感じませんでした。

<本紹介>
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【ジャンル】生活
【著書名】 災害のあと始末
【著者名】 林春雄・監修
【出版社】 エクスナレッジ
【初 刊】 2006年7月10日
【金 額】 900円+税
【カバー文】死なないだけでは済まされない! お金、住居、健康状態。ほん
      とうに大変なのは、生き残ってからだ。地震などの災害に遭った
      3日後からのアクションを想定。被災後の生活を建て直すための、
      超実践的ガイドブック。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、サブタイトルに「被災後3日目からの対処マニュアル」とあります
が、被災後の生活に焦点を当てて、住居、心と身体、お金、家の外、情報なと
のあと始末についてをまとめたガイドブック。新書サイズではあるものの、中
身がギッシリと詰まっており、災害の後は何をどうしていいか、すぐに判断で
きない状態になるはずですが、その対処をマニュアル的にまとめているため、
非常に参考になります。

【た行】

<本紹介>
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【ジャンル】小説集
【著書名】 第九の日
【著者名】 瀬名秀明
【出版社】 光文社
【初 刊】 2006年6月25日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】憧れと驚き、そして歓び…。いま「物語」の力が世界を救う!
      クイーンの「第八の日」を模して創られた表題作のほか、ポー、
      ウエルズへのオマージュ2編に、書下ろし短編を付した新世紀の
      恋愛科学小説。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 イギリスで一人旅を続けるケンイチが迷い込んだ「永遠の町」は、人間のい
ない、ロボットだけの町だった。なぜ、ぼくたちは、痛みを感じないのか? 
「心」は神の奇跡なのか? AIとロボティクスの近未来を描いた瀬名秀明の
最新作。
 本書は4つの作品が収録された中編小説集。いずれもロボットの自意識につ
いて描かれる科学的な作品で、どことなく「鉄腕アトム」を思い出すような作
品でした。瀬名秀明の作品は久々に読みましたが、科学的知識が殆どないので、
やや難しく感じる部分もありましたが、科学好きな人にはお勧めの小説です。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 図書館戦争
【著者名】 有川 浩
【出版社】 メディアワークス
【初 刊】 2006年3月5日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として「メ
      ディア良化法」が成立・施行された現代。超法規的検閲に対抗す
      るため、立てよ図書館! 狩られる本を、明日を守れ! 正義の
      味方、図書館を駆ける!
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
 近未来の日本では、メディア良化法なる法律により、あらゆる出版物は検閲
の対象となり、出版の自由は著しく制限されていた。そしてメディア良化法の
検閲権に対抗する法律として成立したのが「図書館の自由法」。メディア良化
委員会と図書館との抗争は激化し、双方共自衛隊に匹敵する戦力を持ち、良化
委員会と図書館員が抗争で死傷することにも超法規的解釈がなされるようにな
った。そんな世界で図書館に採用され防衛員として厳しい訓練に励む少女・郁。
彼女が時には危険にさらされる防衛員を志願したのは、名も知らぬ王子様を追
いかけてという理由だった……。
 物語は、近未来SF小説ではあるものの、検閲を義務付ける法律が施行され
たことにより、問題があるとされる本が処分されてしまう時代に、図書館が立
ち上がり、本の処遇を巡りの抗争が激化していく設定で、過激な戦闘シーンは
勿論のこと、政治に対する皮肉も含まれており、また恋愛も描かれて……と、
幅広い展開ではあるものの、主人公である郁を中心に、彼女の上官や、同期の
エリート隊員、同部屋の女の子とのやりとりが読みごたえもあり、好きな本を
守りたい気持ちで、本のために命を懸けて戦う人々の姿が熱く描かれます。展
開のテンポも非常に良く、実際の図書館法を交えたメディアの問題点も浮き彫
りにしており、痛快な小説でもあり、読んでいて非常に楽しかったです。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 毒蟲VS.溝鼠
【著者名】 新堂冬樹
【出版社】 徳間書店
【初 刊】 2006年4月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】あの「溝鼠」が戻ってきた! 復讐代行業を営む鷹場と、「毒虫」
      の通称で通る別れさせ屋・大黒とのバトルが描き出す、極彩色の
      地獄の世界。倫理を粉砕し、偽善を抉る、これまでにないノワー
      ル。『問題小説』連載。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 「別れさせ屋」を営む大黒は「毒蟲」の名で業界でも一目置かれる存在で、
通称である毒蟲は、サソリやクモなどを使ってターゲットに攻撃するスタイル
からきていた。かつて熱帯魚屋を営む普通の男だったが、婚約者に突然別れを
告げられ、その婚約者であった志保をしばらく追っていたところ、志保がその
時付合っていたのは「幸福企画」の「溝鼠」こと鷹場という男で、大黒は鷹場
と部下に徹底的なリンチを受け、その事をずっと心の闇に封じ「別れさせ屋」
に転身した過去があった…。その「溝鼠」こと鷹場の「幸福企画」は今や「青
い鳥企画」と名を変えたが、こちらも「別れさせ屋」を営んでいるが、ある一
件の依頼が「青い鳥企画」と「スペシャルサポート」をブッキングさせてしま
った。大黒は鷹場に恨みがあり、鷹場は依頼人を殺されたお礼参り返しをしな
くてはならず、壮絶なバトルが始まった……。
 物語はシリーズでのノワール作品。「溝鼠」の続編で、特にリンチ描写の残
虐さは、かなり強烈で、本書は有害図書にも指定されているようです。そのた
め、読み手によって評価は大きく分かれる作品だとも思います。個人的には前
作「溝鼠」の方が印象が強く、本書は残虐な部分はこれでもかという程強調し
ていたものの、登場人物の心理をもっと深く掘り下げた方がより一層作品が重
厚になったと思うだけに、物足りなさもやや感じたのは残念です。ただし、
「溝鼠」同様パワフルさは健在で、新堂冬樹らしさは存分に出ている作品です。

<本紹介>
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【ジャンル】評伝
【著書名】 谷崎潤一郎伝
【著者名】 小谷野敦
【出版社】 中央公論新社
【初 刊】 2006年6月25日
【金 額】 2400円+税
【カバー文】3度の結婚、妻譲渡事件、人妻との密通、あいつぐ発禁…。スキ
      ャンダルに彩られた文豪「大谷崎」の生涯を、従来の伝説や通話
      に惑わされることなく描き出す、文豪谷崎の人間像に肉迫する本
      格的評伝。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は、スキャンダルと逸話にみちた文豪谷崎潤一郎の生涯を描き、従来の
伝説や通説に惑わされることなくその実像に迫る本格的評伝。当局による度重
なる発禁にも揺らがず、ひたすら自己の文学をまっとうした人生が描かれ、谷
崎の人間像を読むことができます。

<本紹介>
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【ジャンル】詐欺事件
【著書名】 騙す人と騙される人のちょっとの違い
【著者名】 坂口拓史ほか
【出版社】 あおば出版
【初 刊】 2006年5月31日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】借り換え詐欺、無差別催促詐欺、スキミング詐欺…。ケータイ、
      インターネットを利用し進化し続けるサギの新手口をマンガで紹
      介。詐欺被害にあって自分のお金と人生を奪われない方法が学べ
      る。あなたの銀行口座、大丈夫?
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 サブタイトルに「コミック詐欺事件白書」とありますが、本書はネットオー
クション詐欺、内職詐欺、振込詐欺、架空請求詐欺など、現代の詐欺事件をコ
ミックとして分かりやすく紹介しています。全面コミックというわけではなく、
それぞれに一口メモが書かれ、巻末には「戦後衝撃事件史」も紹介されていて、
決して他人事ではない進化していく詐欺事件を取り上げています。

<本紹介>
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【ジャンル】グルメ
【著書名】 デパ地下グルメ新定番100選 2
【著者名】 デパチカドットコム監修
【出版社】 マーブルトロン
【初 刊】 2006年5月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】全国のデパートで買える、スイーツ、パン、そしてお惣菜が充実
      の、厳選100点。デパ地下めぐりが楽しくなる、どのデパート
      で買えるかがわかる、手みやげの定番がわかる一冊。データ:2
      006年5月現在。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、デパ地下の人気定番商品を100点紹介したもので、前作「デパ地
下グルメ新定番100選」の第2弾。紹介されている商品は味の美味しさは勿
論のこと、デザイン、パッケージなどの工夫についても紹介しており、また販
売している百貨店も地域別に表にして紹介しているので、デパ地下ガイドブッ
クとしても役立つ内容です。

【な行】

<本紹介>
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【ジャンル】会計
【著書名】 なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?
【著者名】 小堺桂悦郎
【出版社】 フォレスト出版
【初 刊】 2006年6月9日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】社長のベンツが「中古」「4ドア」の理由は? その答えは、日
      本の「会計のカラクリ」にあった! セールス、面接、交渉、転
      職・就職などの場で有利になること間違いなし。面白エピソード
      満載の、本当に使える会計入門。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は、会計コンサルタントをしている著者が、会計のカラクリや節税のた
めのノウハウを説いた裏会計学。社長のベンツが「中古」「4ドア」の理由や、
年商の4倍の借金を抱える旅館が潰れない理由、なぜ社長は生命保険が好きな
のかなど、興味深い例から、日本の会計の仕組みを解き明かしています。かな
り際どい話もありますが、内容的には当たり前のことが多く書かれており、こ
れから起業する方やサラリーマン向けの内容だとも思います。

<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 25時のイヴたち
【著者名】 明野照葉
【出版社】 実業之日本社
【初 刊】 2006年3月25日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】誰にもさらせない弱みを抱えて、隠しサイトで出逢ったふたり。
      現実から「はぐれていた」女同士が、見知らぬままに本音をぶつ
      けあう…。インターネット社会の闇をえぐる、驚愕の書き下ろし
      サスペンス。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 飯野真梨枝は10歳の娘を持つ39歳の専業主婦で、周りの世界や時間から
遊離した感覚と不感症に悩まされていた。堀川理沙は大学時代の友人4人でマ
ーケティングリサーチと広報を代行する会社を立ち上げ、広報担当として働い
てきた36歳で、ストレスから味覚障害を起こしている。この二人が女性だけ
の会員制のウェブサイトで知り合い、意気投合。そして二人は生きている実感
を手にするための暗い悪戯に手を染めることに……。
 物語は、主人公の心の暗部を描いた作品。ネット上で知り合い、オフ会で実
際に会って意気投合するも、それからがお互いの腹の探り合いとなっていく過
程は一種残酷ながら、スリリングな展開となっていきます。読み手によっては
評価が分かれそうな作品だとも思いますが、それなりに面白かったです。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 虹の彼方
【著者名】 小池真理子
【出版社】 毎日新聞社
【初 刊】 2006年4月30日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】女優・高木志摩子と、作家・奥寺正臣。共に家庭を持つ身である
      ふたりがおちた恋。それは、とどまることのない恋だった…。
      「抗う恋」の先に射す光を描く大長編。『毎日新聞』連載の単行
      本化。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 48歳の女優、志摩子は、初座長を務めた舞台の記者会見で、5歳年下の原
作者の正臣と知り合った。公演終了後、お互いは急速に引かれ、家庭を持つ二
人だが、逢瀬を重ね始めるが、恋愛に溺れてゆくのと反比例するように、それ
ぞれの家庭は修羅場を迎える。正臣の妻は刺し身包丁を持って台所で立ち尽く
し、志摩子の夫は眠らずに妻の帰りを待つ。やがて不倫劇は雑誌にスクープさ
れ、二人は上海へ逃避行を決行した……。
 物語は、主人公である中年の男女の愛の至福と地獄を描いた作品。恋愛中の
乱高下する感情や不倫で家庭を崩壊させる苦しみなど、小池真理子らしい作品
だとは思うものの、何か中途半端さを感じた作品でした。不倫の恋愛を描くな
ら、もっとドロドロした展開にしても良かったようにも思いますし、後半でト
ーンダウンしていたのも残念です。

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 猫島ハウスの騒動
【著者名】 若竹七海
【出版社】 光文社(KAPPA NOVELS)
【初 刊】 2006年7月25日
【金 額】 857円+税
【カバー文】30人ほどの人間と100匹を超える猫が暮らす通称・猫島。民
      宿・猫島ハウスの娘・響子は夏休みを迎え、家業の手伝いに精を
      出す日々。そんなある日、奇妙な事件が起こる。のどかな「猫の
      楽園」でいったい何が!?
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 葉崎半島の先、30人ほどの人間と100匹を超える猫が暮らす通称・猫島
の民宿・猫島ハウスの娘・杉浦響子は夏休みを迎え、家業の手伝いに精を出す
日々を送っている。そんなある日、ナンパに勤しむ響子の同級生・菅野虎鉄が
見つけてしまったのはナイフの突き立った猫のはく製で、その3日後、マリン
バイクで海の上を暴走中の男に人間が降ってきて衝突した、という不可解な通
報が。降ったきた男は「猫とナイフ」事件に関わりがあるようだが、のどかな
猫の楽園でいったい何があったのか?
 物語は、「ヴィラ・マグノリアの殺人」「古書店アゼリアの死体」に続く葉
崎シリーズの最新作で、今回は街から少し離れた猫島が舞台となったミステリ。
シリーズ全体を通しても爽快なミステリで、謎解きは勿論のこと、島の雰囲気
や住人と猫達がとても面白く、シリーズの良さも感じられる作品です。

【は行】

 

【ま行】

 

【や行】

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 ユグドラジルの覇者
【著者名】 桂木 希
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2006年5月31日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】200X年、世界は急激な勢いでネット経済へ移行しようとして
      いた。新たな経済覇権を巡り、強者たちが火花を散らす。混沌の
      世界を制するのは誰か? 第26回横溝正史ミステリ大賞を受賞
      した「世界樹の枝で」の改題改訂。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 200X年、世界はかつてない急激な勢いで、G8での宣言を機に、世界経
済の全てがネット上に移植されることになる。この新たなシステムによって、
世界経済は光速で回転を始め、ネット環境の整わない途上国は凄まじい勢いで
取り残されてゆくことになり、逆に、これを制すれば、世界経済の覇者として
躍り出る大きなチャンスでもある。この急速なシステムの変化を影で操るのは、
中世から連綿と続く欧州貴族が隠然と支配する、某財閥ネットワーク。彼らは、
急成長を遂げた米最大IT企業トップのブライアン・フォッシーと手を組んで、
巨大ネットバンクを構築し、世界中の資本を寡占するという、完全な世界経済
支配を目論んでいた。対して、このネットバンクの簒奪を狙うのが、世界を流
浪する一日本人、矢野健介と、覆面トレーダー“ラタトスク”の二人組。アジ
ア、欧州の経済界の大物たちー華僑の若き総帥・趙文濤、娼街育ちという特異
な経歴を持つEUの女帝ハンナ・ベルカンツなど、一癖もふた癖もある強者ら
の参戦をうながし、欧州・アジア・アメリカの三つ巴の戦局の中、熾烈な攻防
は最終局面へと突き進んでゆく……。
 物語は、ネットコンゲームを描く、国際経済謀略小説。ややアクション的な
緊迫感が少なかったとも思いますし、設定が活かしきれていない部分も感じま
したが、著者はコンピューター・エンジニアでもあるだけに、ネット社会やネ
ット経済についてはスピード感があり、全体的にも最初から最後まで飽きさせ
ないで一気に読まされました。ネットワークの中で、富と権力を手にするのは
誰かという生々しい戦いは面白かったです。

【ら行】

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 りはめより100倍恐ろしい
【著者名】 木堂 椎
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2006年2月20日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】巧妙、かつ陰湿に仕掛けられる、学生生活のおとし穴。中学時代
      「いじられ」続けた羽柴典孝は、高校では、おな中の一城の協力
      もあって、いじる側にまわれたのだが…。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 物語は、中学時代にいじられキャラだった主人公が、高校生になり、自ら友
達をいじられキャラに仕立て上げることによって、高校生活を安全に過ごそう
という、学生生活の暗い側面を描いた作品。
 第1回野性時代青春文学大賞受賞作で、高校2年生の著者が携帯電話で書い
たとのことで、どんなものかと読んでみましたが、読み手によって大きく評価
が分かれる作品だとは思いました。今の高校生のイジメの実態が分かりません
が、おそらく本書で描かれるような感じなのかもしれませんが、リアルすぎて
逆に笑えない感じです。また、展開にも欠点は感じられましたが、ラストも中
途半端なため、物足りなさも感じました。

【わ行】

 

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