書評データベース(2007年度3月分)
■2007年3月に掲示板にて紹介された本■
レインツリーの国 有川 浩 新潮社
リミックス 藤田宜永 集英社
Run!Run!Run! 桂 望実 文藝春秋
累犯障害者 山本譲司 新潮社
ガンちゃんの日本一泣けるファイターズの本 岩本 勉 青春出版社
現代漫画博物館 1945−2005 小学館
きっこの日記 きっこ 白夜書房
月光 誉田哲也 徳間書店
均ちゃんの失踪 中島京子 講談社
雷の季節の終わりに 恒川光太郎 角川書店
膠着 今野 敏 中央公論新社
霧の中のエリカ 重松 清 小学館
誘拐の誤差 戸梶圭太 双葉社
夜よ泣かないで 香納諒一 双葉社
夜は短し歩けよ乙女 森見登美彦 角川書店
雨のち晴れ、ところにより虹 吉野万理子 新潮社
お詫びの達人 堀井孝英/鹿島しのぶ 日東書院
医療保険は入ってはいけない! 内藤眞弓 ダイヤモンド社
「あの馬は今?」ガイド 2006-2007
流星社
自民党という不思議 宝島社
青春の傷痕 三浦光世 いのちのことば社
使命と魂のリミット 東野圭吾 新潮社
ダナエ 藤原伊織 文藝春秋
たまには、時事ネタ 斎藤美奈子 中央公論新社
読書会 山田正紀/恩田陸 徳間書店
でかい月だな 水森サトリ 集英社
獄中記 佐藤 優 岩波書店
【あ行】
<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 雨のち晴れ、ところにより虹
【著者名】 吉野万理子
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2006年7月20日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】肺を病み、ホスピスで死を待ちながら過ごす剛志。そんな彼の頭
をかすめるのは、20年以上も会っていない小学校の同級生「ア
ヤ」のことだった…。湘南を舞台にした、6つの奇跡の物語を収
録。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、湘南を舞台に、夫婦・親子・友情・癌患者と級友・様々な人間模様
を描いた、ちょっと切なくて心温まる物語。どの作品も湘南の風景が物語とマ
ッチするように表現されていて、湘南には行ったことはありませんが、その風
景が想像できる作品です。ドラマを見ているような感覚で読めましたし、珠玉
の作品集でした。
<本紹介>
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【ジャンル】ビジネス
【著書名】 お詫びの達人
【著者名】 堀井孝英/鹿島しのぶ
【出版社】 日東書院
【初 刊】 2006年11月20日
【金 額】 1000円+税
【カバー文】企業やホテル等で実際に起きたトラブル事例を取り上げ、それら
に対する上手な対処方法を、お詫びの姿勢、言葉の選択、相手の
気持ちを思いやる行為・言葉を中心に解説。お客様を“納得させ
る”正しいお詫びの作法がここにある!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書はサブタイトルに「プロ中のプロが教えるクレーム読本」とあり、お客
さまを納得させる正しいお詫びの作法、そしてお客さまとのトラブルを最小限
にとどめ、同じミスをおかさないための極意が事例も交えて多く紹介されてい
ます。自営業として接客業を営んでいる立場から読みましたが、トラブル事例
が多く載っており、「お客様の気持ちになって」問題解決する基本がしっかり
と書かれており、非常に参考になりました。接客業をしている人には勿論お勧
めですが、こういう本こそ、楽天社員はしっかりと読むべきでしょう。(^^;
<本紹介>
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【ジャンル】保険
【著書名】 医療保険は入ってはいけない!
【著者名】 内藤眞弓
【出版社】 ダイヤモンド社
【初 刊】 2006年7月27日
【金 額】 1429円+税
【カバー文】「一生安心」はウソ。「女性の強い味方」「ボーナスつきでお得」
も大きな間違い。うまい広告に騙されるな! ファイナンシャル
プランナーの著者が、生命保険の営業に13年携わった経験から
民間医療保険の仕組みを解説。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は、決して医療保険に入ってはダメというコンセプトのものではなく、
公的保険の仕組みをよく知り、そのうえで本当に民間の医療保険に入った方が
よいか考えようという提言をしているもの。ただタイトルだけで購入したら内
容にギャップを感じるだろうし、その内容は保険制度について分かりやすく書
かれているのだから、違うタイトルにした方が良かったでしょう。
<本紹介>
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【ジャンル】競馬
【著書名】 「あの馬は今?」ガイド 2006-2007
【出版社】 流星社
【初 刊】 2006年11月22日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】引退後にもドラマがあった! 華麗なる親友シーザリオとアドマ
イヤグルーヴ、ワイルドな義賊ゼンノロブロイ、切れ味最高の名
剣デュランダルのほか、オグリキャップなど、名馬500頭のそ
の後の消息をたどる。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
本書は、毎年のシリーズ化にもなっている『「あの馬は今?」ガイド』の最
新刊。今年も、引退した名馬たちが繋養されている牧場を訪れ、普段の様子や、
個性あふれるエピソードが紹介されています。見学可能馬については、最新の
見学データもお知らせ。巻頭のカラーグラビアに加え、生き生きとした馬たち
の素顔を美しい写真で掲載。馬産地旅行を計画している方には参考になる一冊
です。毎年の最新刊は読んできていますが、今回は地元である静内地区の情報
が少なかったのが残念。また、できることなら取り上げている牝馬がどの種牡
馬の仔を受胎しているかなど、もう少し細かな情報も載せるべきでしょう。
【か行】
<本紹介>
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【ジャンル】スポーツ
【著書名】 ガンちゃんの日本一泣けるファイターズの本
【著者名】 岩本 勉
【出版社】 青春出版社
【初 刊】 2007年1月10日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】ベンチがひとつにまとまった「ある選手」の存在、選手とスタッ
フの固い絆、遠慮がちだったファンとの距離が一気に縮まった瞬
間…。16年間日本ハム一筋の著者が、一緒に戦ってきたから書
けた、知られざる秘話を満載。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
昨年のシーズン開幕時に「ガンちゃんの世界一おもしろいプロ野球の本」を
出した著者の元北海道日本ハムファイターズのガンちゃんですが、本書はパリ
ーグプレーオフ、日本シリーズ、アジアシリーズを制した昨年のファイターズ
について熱く書かれています。選手は勿論ですが、知られざる裏方さん達との
秘話、選手達だけではなくファンを大切にするチームの取り組みなど、前作よ
りも見所のある話が多かったです。
<本紹介>
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【ジャンル】漫画事典
【著書名】 現代漫画博物館 1945−2005
【出版社】 小学館
【初 刊】 2006年11月20日
【金 額】 4200円+税
【カバー文】現代漫画史を通覧できる初の現代漫画事典。戦後から現代までの
漫画賞受賞作品を中心に、漫画史に残る代表作約700作品を、
図版、内容紹介、初出・終了データ付で解説する。カラー口絵で
貴重な図版をふんだんに掲載。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、戦後60年間を代表する約700作品を選んで図版付きで紹介した
漫画事典で、詳細な年表や人名事典も付いています。約700作品は、小学館
漫画賞、講談社漫画賞、日本漫画家協会賞などの受賞作を中心に、編集者や研
究者の意見も入れて選定。年代別に5章に分け、カラー口絵と解説も挿入。そ
して全作品が図版付きで、各作品の雑誌初出データも載せているので資料性も
高いとも思います。ただ、個人的には別冊宝島での「このマンガがすごい」な
どの方がより多くの現代マンガが取り上げられていますし、それぞれの年代で
取り上げられていない名作も多く、物足りなさは残ります。そして何より分厚
く読みごたえはありますが、読み終えても価格が高く感じるのは残念です。
<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 きっこの日記
【著者名】 きっこ
【出版社】 白夜書房
【初 刊】 2006年10月20日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】母さん・言わない想い・あたし・俳句・世の中のこと。毒を振り
まきながら、笑いを振りまきながら、魑魅魍魎が跋扈する荒野を、
沼地を、1人のブロガーが切り裂き突き進む。最大のエナジー
「愛」がつまった5年分のブログ日記。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
ネットユーザーならブログ「きっこの日記」を知っている人は多いだろうし、
また、おそらく全国でもアクセス数ナンバーワンブログは「きっこの日記」で
あろうとも思います。個人的にも数年前に存在を知ってからは、毎日ではない
もののブログ版を見ていますし、マスコミがまだ報道していない情報も多く掲
載され、マスコミがヒューザーの小嶋社長や姉歯建築士を追いかけているころ、
11月23日には「すべての黒幕は、株式会社総合経営研究所の代表取締役所
長、内河健だ」と暴露し、大きな話題にもなりました。その「きっこの日記」
の書籍化は数年前から、書籍化はしないと言い続けていたものの、突然書籍化
することとなり、ブログでも宣伝がやけに多く目に付きますが、それはともか
くとして、情報の早さがウリのブログの書籍化は、情報の化石化を感じました
し、持ち味の毒舌の中身が薄れているのも残念でした。
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 月光
【著者名】 誉田哲也
【出版社】 徳間書店
【初 刊】 2006年11月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】夜の学園にピアノ・ソナタ第14番が流れたとき、罪は生まれた!
姉の死の真相を知るため、同じ都立高校に進んだ結花。だがそこ
には、覗いてはならない姉のおぞましい秘密が−。学園の闇、罪
と罰を描く書下ろし長篇。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
お姉ちゃんは殺された、同級生の男子に。偶然のバイク事故に見せかけて、
殺されたんだ。美しくて、優しくて、心の真っ白な人だった。お姉ちゃんの死
の真相は、あたしがはっきりさせる。あとを追うように、姉と同じ都立高校を
選んだ結花。だがそこには、覗いてはならない姉のおぞましい秘密が……。
物語は、亡くなった姉の死の真相を探る学園サスペンス。これまで誉田哲也
は幾つか読んできていますが、本書は欠点から先に書くと、設定で曖昧に描か
れているところがあり、また音楽表現でも曖昧さを感じたのと、主人公の一人
称がどうにも気になる部分でもあり、展開が活かせていないと感じたのは残念
です。そのために他の作品と比べるとどうしても見劣りを感じてしまいました。
<本紹介>
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【ジャンル】連作短編集
【著書名】 均ちゃんの失踪
【著者名】 中島京子
【出版社】 講談社
【初 刊】 2006年11月10日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】均ちゃんはガールフレンドが何人かいて、失踪する癖があって、
ともかくろくでもない男。その均ちゃんが失踪中に空き巣が入っ
た。そして3人の女が関係者として呼ばれた…。『小説現代』掲
載を単行本化。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
失踪した「均ちゃん」の家に空き巣が入り、警察に呼ばれた3人の女性達。
かつて均ちゃんと結婚していた50代の美術教師、均ちゃんを「パート彼氏」
と呼ぶ36歳の重役秘書、そして均ちゃんの恋人と本人は思っている20代の
編集者。この3人がそれぞれの章の主人公となり、奇妙な関係を描いた物語と
なっています。失踪癖のある「均ちゃん」をめぐっての男女の縁と人生模様が、
時には笑いを誘い、時にはホロリとさせられ、「均ちゃん」も憎めないキャラ
クターとして描かれ、読後もアッサリとして面白かったです。
<本紹介>
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【ジャンル】ホラー
【著書名】 雷の季節の終わりに
【著者名】 恒川光太郎
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2006年10月31日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】異世界の小さな町、穏(おん)で暮らす少年・賢也。「風わいわ
い」という物の怪に取り憑かれている彼は、ある秘密を知ってし
まったために町を追われる羽目になる。風わいわいと共に穏を出
た賢也を待ち受けていたものは…?
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
生と死の狭間にあるような不思議な町「穏」で暮らす少年・賢也が、ある秘
密を知ってしまったことをきっかけに穏を追われる。現世への逃避行の途中、
封印されていた過去の秘密が明らかになっていき、行方不明だった姉とも再会
を果たすが……。
物語は独特の世界観が描かれるホラー調のファンタジー小説。居場所のない
少年少女が、異界で動物の守護を得て、邪悪な存在との戦いを経て成長してい
くというモチーフは中々読みごたえがありましたが、ラストがやや消化不良。
それでも次作は読んでみたいと思える作品です。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 膠着
【著者名】 今野 敏
【出版社】 中央公論新社
【初 刊】 2006年10月25日
【金 額】 1650円+税
【カバー文】未曾有の危機に揺れる老舗糊メーカー「スナマチ」。起死回生の
新開発製品は、なんと「くっつかない接着剤」だった! 新人営
業マン丸橋啓太が、失敗作を目の前にして商品化の道を懸命に模
索する、新商品開発物語。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
丸橋啓太は、糊メーカーの老舗・スナマチに勤める新人営業マン。その啓太
は会社が大手の外資系企業に買収されるという噂を聞いた。そんな最中に、先
輩についていった会議で彼はとんでもないものを見せられた、それが新開発商
品「くっつかない接着剤」。果たして売れるのだろうか?
物語での、スパイ疑惑や派閥争いや販売戦略など、発想は面白かったものの、
中途半端に真面目すぎていて、終始淡々とした展開となっていたのは、あまり
今野敏らしくなく、少々期待ハズレでした。設定が面白かっただけに、もう一
捻りした展開であればと思います。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 霧の中のエリカ
【著者名】 重松 清
【出版社】 小学館
【初 刊】 2006年12月20日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】16歳で死んでしまった幼なじみのエリカ。邦彦は「過去に戻れ
る媚薬」を持つ娼婦・なぎさの力を借り、中学2年の秋の日に帰
る。エリカを襲う悲劇の芽を断つために−。少年と少女の姿をエ
ロティックな手法で描く青春小説。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
真面目で明るかった少女・エリカ。だが、中学2年の夏を境に彼女は変わる。
髪を金髪にし、不良仲間とセックスに溺れる日々。そんな彼女の姿を密かに見
つめていたのは、幼なじみの邦彦だった。高校入学直後に中退したエリカは、
ある日、取り巻きの男たちに凌辱され命を失う。いったい何があったのか、な
ぜ、俺はエリカを救ってやれなかったのか……悔恨の情に暮れる邦彦。彼は
「過去に戻れる薬」を持つ娼婦・なぎさの力を借り、中学2年のその日に帰る。
エリカを救うために……。
本書は「なぎさの媚薬」シリーズの第3弾。今回は表題作と、がんを告知さ
れた青年が主人公の「天使の階段」の2編を収録されています。どちらも性描
写を織り込んでのタイムトラベルが描かれています。シリーズの中でも特に性
描写が濃厚なだけに、評価は分かれるところかもしれませんが、重松清らしさ
で描かれているだけに、中々読ませる作品でした。
<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 獄中記
【著者名】 佐藤 優
【出版社】 岩波書店
【初 刊】 2006年12月6日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】2002年5月14日、佐藤優は背任・偽計業務妨害という微罪
容疑で逮捕され、512日間東京拘置所に勾留された。接見禁止
のカフカ的不条理の中、人間についての思索を紡いだ日記と、親
しい同僚や友人に綴った書簡を収録。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、鈴木宗男との関係を元に、国策捜査によって512日間東京拘置所
に勾留された元外務省官僚の獄中記。拘留中に、弁護士や友人へ出した手紙を
まとめたスタイルをとっており、その512日間に及ぶ独房でつけたノートを
編集したもの。自分はなぜ国策捜査の標的にされたかを執拗に解明し、孤独に
負けず、独房での時間を活用してヘーゲルの「精神現象学」など古典と格闘し
ながら歴史と人間についての思索を深めていった様子も克明に書いています。
【さ行】
<本紹介>
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【ジャンル】政治
【著書名】 自民党という不思議
【出版社】 宝島社(別冊宝島1350)
【初 刊】 2006年10月15日
【金 額】 1000円+税
【カバー文】自民党はぶっ壊しても自民党である。一政党の組織に収まりきれ
ない大きさをもったこの政党の不思議さとカラクリを、組織のウ
ラ側・権力闘争・スキャンダルの3点から解明する。巻頭には安
倍晋三解体新書も掲載。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書はサブタイトルに「戦後日本を率いたカイブツの正体」とありますが、
安倍晋三の頭の中、変人総理は自民党を壊したのか、現在も残る角福戦争の怨
念、女性問題で死ぬ人・生きる人…など、半世紀の間、日本の政治のほとんど
を担ってきた巨大政党・自民党の正体を探ったもの。大きく「国盗り組織の全
貌」「自民党戦国史」「自民党とスキャンダル」と3つの章に分かれています
が、それぞれにもっと深く掘り下げてほしかったですし、全体的に物足りなさ
は残りました。
<本紹介>
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【ジャンル】自伝
【著書名】 青春の傷痕
【著者名】 三浦光世
【出版社】 いのちのことば社
【初 刊】 2006年11月15日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】作家・三浦綾子の執筆活動を40年にわたって支え続けた夫・三
浦光世が、妻を天に送って7年目に自ら綴る青春物語。その知ら
れざる素顔に触れた感慨深い一冊。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、作家・三浦綾子の創作活動を支え続けてきた夫である著者が、三浦
綾子に出会うまでの自身の心の軌跡をつづった自伝。三浦綾子の口述筆記をし、
夫婦二人三脚で続けてきた執筆活動の様子などは、これまでにも三浦綾子の数
多くのエッセイを読んできて知ってはいましたが、幼くしてただ一人、北海道
の貧しい開拓農家に預けられ、病と闘いながら過ごした日々や、躰と心に残る
傷痕が、その後の人生にどんな光と影を与えたのかなど、非常に感銘を受け
る内容でもありました。
自分自身の読書歴を振り返っても、大きな転換期は三浦綾子の作品に出会っ
たことでもありましたが、悲しみと喜びに満ちたこの自伝は新たな感動も与え
てくれました。
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 使命と魂のリミット
【著者名】 東野圭吾
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2006年12月5日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】心臓外科医を目指す夕紀は、誰にも言えないある目的を胸に秘め
ていた。その目的を果たすべき日に、手術室を前代未聞の危機が
襲う。あの日、手術室で何があったのか? 今日、何が起きるの
か? 心の限界に挑む医学サスペンス。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
中学生のころに心臓手術の失敗により父親を失った氷室夕紀は、そのことを
きっかけに自分も心臓外科医となることを決意した。その後帝都大学医学部を
卒業した夕紀は現在、同大学病院の心臓血管外科で研修医をしているが、父親
の死に関して、ある疑いを抱いていたのだ。その疑念もまた、彼女を現在の場
所に導いた一つの理由であった……。
物語では、心臓外科医を目指す夕紀、そして帝都大学病院をターゲットとし
た脅迫事件、更に警察への失望から独断で行動する刑事・七尾の捜査が見事に
交差し、緊張感のあるサスペンスが描かれます。この医療と脅迫と捜査が一体
となったラストの手術シーンの迫力は抜群で、東野圭吾らしく実に読みごたえ
のある医学サスペンスでした。
【た行】
<本紹介>
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【ジャンル】小説集
【著書名】 ダナエ
【著者名】 藤原伊織
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2007年1月15日
【金 額】 1238円+税
【カバー文】個展に出品された肖像画に何者かがナイフを突き立て、硫酸をか
けた。その事実を知った画家が取った行動とは? 広告界と美術
界を舞台に、男たちと女たちの痛切な悲哀を描いた全3編を収録
した、心揺さぶられる作品集。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は表題作を含む3編からなる小説集。長編小説が多い著者なだけに中編
小説というのも新鮮ではありましたが、表題作「ダナエ」は、美術史に残る謎
のダナエの事件を模倣したと思われる美術展示品の絵画切断と、複雑に入り組
んだ家族ドラマの悲哀が描かれている作品で、中編というよりもこの作品は長
編として描いてほしかったとは思います。
<本紹介>
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【ジャンル】コラム
【著書名】 たまには、時事ネタ
【著者名】 斎藤美奈子
【出版社】 中央公論新社
【初 刊】 2007年1月7日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】小泉内閣誕生、ハリー・ポッター、ホリエモン、皇室典範改正案
…。書評や読書エッセイで活躍する著者が、時事ネタを読む。
『婦人公論』連載コラム「女のニュース」2001年5月〜20
06年12月分を加筆修正のうえ収録。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、「婦人公論」での連載コラム「女のニュース」の約5年分をまとめ
たもの。普段の辛口書評ではなく、時事問題に大しての辛口コラムではありま
すが、小気味よいツッコミと独自の視点は読みごたえがありました。著者の持
論に全て賛成というわけではありませんが、皇室などの様々なタブーにも切り
込んでおり、書評集とは違う面白さがありました。
<本紹介>
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【ジャンル】読書対談
【著書名】 読書会
【著者名】 山田正紀/恩田陸
【出版社】 徳間書店
【初 刊】 2007年1月31日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】名作は、寿命が長い。読んで語ろう、呑みながら! 「石の血脈」
「はだかの太陽」「ゲド戦記」など古今東西の傑作小説を語る対
談集。萩尾望都、笠井潔をゲストに迎えた特別対談も収録。『SF
Japan』誌連載の単行本化。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は、山田正紀と恩田陸の両氏が、エンターテインメント小説について語
り合う読書対談集で、古今東西の名作SFを読み解いています。両氏のファン
で、SF好きなら十分に楽しめるとも思いますが、読んでいる作品を語られる
よりも、作品を読み返した方が個人的には楽しめそうですし、両氏の視点とし
ては面白かったですが、もう少し掘り下げてくれれば更に良かったようには思
います。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 でかい月だな
【著者名】 水森サトリ
【出版社】 集英社
【初 刊】 2007年1月10日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】満月の夜、友人に突然崖から蹴り落とされ、右足に大怪我を負っ
た「ぼく」。そんな「ぼく」の前に、インチキ錬金術師、邪眼を
持つオカルト少女、そして「やつら」があらわれた−。宇宙的ス
ケールの青春小説。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
ある満月の夜、友人に突然崖から蹴り落とされた中学生の「ぼく」。一命は
とりとめるが、大好きなバスケットボールができない身体になってしまう。加
害者の友人は姿を消し、入れ替わるように「ぼく」の前にあらわれたのは、イ
ンチキ錬金術師、邪眼を持つオカルト少女、そして「やつら」。そのうちに、
世界は奇妙な「やさしさ」につつまれてゆき、やがて、地球のみんながひとつ
に溶け合おうとする夜がくる…。
本書は、昨年の第19回小説すばる新人賞受賞作。物語は、主人公の中学生
が友人に崖から蹴り落とされて大怪我をし、生活が大きく変わってしまった主
人公の、家庭や学校、そして加害者となってしまった友人との人間関係が描か
れた青春小説。作品自体は非常にライト感覚で読みやすく、面白い題材を描い
ているのですが、残念だったのは、作品で描かれる二つの物語が全くかみ合わ
ないままに終わっていること。これが何とも残念でしたし、大きな不満要素で
はありました。
【な行】
【は行】
【ま行】
【や行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 誘拐の誤差
【著者名】 戸梶圭太
【出版社】 双葉社
【初 刊】 2006年11月30日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】「礼乎(10歳)が学校から帰ってこないんです」 母親からの
届けを受け、警察が捜査を開始したが、礼乎は死体となって発見
された。その直後、犯人から礼乎の身代金を要求する連絡が入る。
困惑する警察。犯人の動機・目的は?
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
「礼乎が学校から帰ってこないんです」という母親からの届けを受け、警察
が捜査を開始した。1週間後、悲しくも礼乎が死体となって発見された直後、
犯人から礼乎の身代金を要求する連絡が入る。困惑する警察。犯人の動機・目
的は不明。捜査陣の足並みは乱れ、捜査は難航する……。
本書は表紙に「本格警察小説」と記載されていますが、戸梶パワー全開の作
品でもあり、戸梶作品を知らない人は読み始めて戸惑ってしまうかもしれませ
ん。警察の内部事情、ゾッとする怖さなど、読みどころも多いですが、最近の
戸梶作品とは多少の変化もあり、それなりの新鮮さはありました。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ハードボイルド
【著書名】 夜よ泣かないで
【著者名】 香納諒一
【出版社】 双葉社
【初 刊】 2006年11月20日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】純は偶然大物政治家の狙撃現場に出くわし、返り討ちにあった襲
撃者の最期を看取ったことから、巨大な陰謀に巻き込まれていく
−。不可思議な力に翻弄される女の恋と冒険を描く、香納タッチ
のネオ・ハードボイルド。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
麻生純は唖者のホームヘルパー。偶然大物政治家の狙撃現場に出くわし、返
り討ちにあった襲撃者の最期を看取ったことから、彼女は巨大な陰謀に巻き込
まれていく…。
香納諒一のハードボイルドということで、期待して読みましたが、登場人物
の存在感がハードボイルドとしては薄く、物語の設定としては悪くはないもの
の、それが展開に活かされていない感じも受けました。ラストも少々呆気なく、
作品としては決して悪くはないのですが、期待していた分物足りなさを感じた
作品でした。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 夜は短し歩けよ乙女
【著者名】 森見登美彦
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2006年11月30日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。ふたりを待ち受
けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命
の大転回だった…。キュートで奇抜な恋愛小説in京都。『野性
時代』掲載を単行本化。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、神社の
古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。二人を待ち受けるのは奇
々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった……。
物語は、ヒロイン「黒髪の乙女」に恋する先輩のラブストーリー。先輩はス
トーカーのように、幾度も彼女の前に現れるが、天然な彼女は、先輩の涙ぐま
しい努力に気付くことなく、度重なる遭遇も単なる偶然と信じて疑わない。そ
して夏の古本市、秋の学園祭を経て、師走まで続いていきます。京都を舞台と
したハチャメチャな恋愛ストーリーではあるものの、先輩の純情さと「黒髪の
乙女」の天然ボケは笑いを誘い、登場人物も個性的。読み始めから最後まで引
きこまれる作品でもありました。映画化にしても面白いかも。
【ら行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 レインツリーの国
【著者名】 有川 浩
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2006年9月30日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】きっかけは「忘れられない本」。そこから始まったメールの交換。
しかし、かたくなに会うのを拒む彼女には、ある理由があった…。
メディアワークス刊「図書館内乱」の中に登場する書籍「レイン
ツリーの国」が実物となった。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
中学生の頃に読んだ本のラストについての感想をネットで探していた向坂伸
行は、「レインツリーの国」というブログにたどり着いた。そして伸行はその
ブログ管理者であるひとみにメールを出すことに、そして繰り返されるメール
での本への想いなどを共有し、説得の末、伸行はひとみと実際に会う約束を交
わした。しかし実際にひとみに会った伸行は、言動などから違和感を感じる。
そのひとみにはネット上でのイメージと現実のギャップを説明する、ある秘密
があった……。
物語は「図書館内乱」とも連動していて、その「図書館内乱」に登場する書
籍の「レインツリーの国」が恋愛小説として描かれています。互いのメールの
やり取りから、それぞれの状況が分かり、多少ネタバレになってしまいますが、
聴覚障害を持つひとみと、伸行との行き違いも互いの不器用さがストレートに
表現されていて、物語の背景についても色々と考えさせられるところもあって、
非常に読みごたえのある作品でした。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 リミックス
【著者名】 藤田宜永
【出版社】 集英社
【初 刊】 2006年10月30日
【金 額】 2300円+税
【カバー文】41歳の藤巻友也は、かつては人気の「DJアミーゴ」、今は便
利屋で働く身。21歳の冬実はラッパー志望の、とにかく気まま
な女の子。追いつ追われつ、ふたりの「純愛鬼ごっこ」のたどる
結末は?
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
超有名クラブの人気DJだった藤巻友也は、今は便利屋のスタッフで食いつ
なぎ、病院でラッパー志望の21歳の牧田冬実と出会い、強烈な感情と行動に
振り回されつつも、愛するように。しかし、女友達の鹿島光子が友也に送信し
たメールをみて、冬実は浮気をしたと激怒して家を飛び出す。そして友也は博
多・那覇・札幌と彼女を追う旅に出る……。
物語は、追い追われる恋を描いた物語。中年の男女の恋愛作品が続いていた
著者の作品ですが、本書は軽いタッチで描かれており、最近の作品と比べると
やや異質の作品ではありますが、恋愛に振り回される友也の様子は面白く、4
1歳の男の一途な恋も良く描けていました。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 Run!Run!Run!
【著者名】 桂 望実
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2006年11月15日
【金 額】 1429円+税
【カバー文】目標はオリンピックの金メダル。箱根駅伝は通過点。仲間なんか
必要ないはずだった…。アスリートとして最高の資質を持つ主人
公が知った事実とは? 箱根駅伝に懸ける仲間と走るうちに、閉
じかけていた世界が開いていく。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
長距離ランナーとしての高い能力を持って生まれ、地道な努力も重ねてきた
反面、自分以外には興味がなく、仲間も必要としなかった岡崎優。箱根駅伝で
の優勝を狙う陸上部のメンバーからは猛反発をくらうが、同じ1年生のムード
メーカー・岩本だけは優を尊敬し庇う。そんな中、突然の兄の死をきっかけに、
優は岩本をサポートする立場に追い込まれるのだが……。
物語は、「究極のドーピング」という重いテーマを描いていたのは新鮮でも
あり、同時に、単なるスポーツ小説としてではなく自分の存在感を丁寧に描い
ている点では奥深い作品といえるでしょう。ただ、駅伝小説なのに主人公が駅
伝を走らないというのはマイナスでしょうし、展開の焦点が絞れていないとこ
ろも残念です。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 累犯障害者
【著者名】 山本譲司
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2006年9月15日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】獄中での経験を胸に、「障害者が起こした事件」の現場を訪ね歩
く元国会議員の著者が、「ろうあ者だけの暴力団」「親子で売春
婦の知的障害者」など、マスコミが絶対に報じない驚愕の現実を
次々とあぶり出す。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
代議士だった著者は、かつて秘書給与の流用で逮捕、実刑判決を受け、1年
2か月余り服役。出所後、反省を込めて塀の中での報告を書いた「獄窓記」で
ドキュメント賞を受賞しましたが、本書は障害者と犯罪の関係を赤裸々に描い
ています。福祉の受け止めがなされていないために起きる障害者の犯罪、聴覚
障害者で組織する暴力団が、障害者を恐喝する事件など、初めて知る実態の多
さに衝撃を受けました。メディアは、こういった問題を不注意な報道で差別を
助長しかねないためか、報道したことによって世間的に非難される可能性があ
るためなのか、タブー視して報道しないことにも問題はあります。しかし現実
に問題は厳然として存在しており、障害者による犯罪の根深い病根がここには
しっかりとレポートされています。
【わ行】
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