書評データベース(2007年度4月分)
■2007年4月に掲示板にて紹介された本■
介護が裁かれるとき 横田 一 岩波書店
クジラの彼 有川 浩 角川書店
5 佐藤正午 角川書店
珈琲事典 この一冊ですべてがわかる 新生出版社
こんな時、あなたの保険はおりるのか? 清水 香 ダイヤモンド社
現代日本への警鐘 竹山隆範 メディアファクトリー
経済データの読み方 新版 鈴木正俊 岩波新書
彼らの地獄 我らの砂漠 朝倉喬司/中村うさぎ メディアックス
強行偵察 鳴海 章 実業之日本社
キララ、探偵す。 竹本健治 文藝春秋
最後の一球 島田荘司 原書房
さよなら、サイレント・ネイビー 伊東 乾 集英社
自治体連続破綻の時代 松本武洋 洋泉社
総下流時代 藤井厳喜 洋泉社
実録詐欺電話 私はこうしてだまされた 日向野利治 すばる舎
虹色天気雨 大島真寿美 小学館
ブレイクスルー・トライアル 伊園 旬 宝島社
報道被害 梓澤和幸 岩波新書
配達あかずきん 大崎 梢 東京創元社
オブラディ・オブラダ 佐藤 弘 光文社
赤朽葉家の伝説 桜庭一樹 東京創元社
ウラ金 権力の味 古川利明 第三書館
表の顔と裏の顔 幸田真音 小学館
ITとカースト インド・成長の秘密と苦悩 伊藤洋一 日本経済新聞出版社
打ちのめされるようなすごい本 米原万理 角川書店
【あ行】
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 オブラディ・オブラダ
【著者名】 佐藤 弘
【出版社】 光文社
【初 刊】 2006年10月25日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】1人だったり、3人でいたり、みんなと一緒にいたり。そして僕
とあの人。文化祭と大学生の部屋と学校の帰り道。それはきっと、
本当に素敵なことなんだ−。25歳の著者が描き出す「僕と大切
な人たち」のやさしい想い。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
主人公の「僕」は、先輩の大学生男女と3人で過ごす時間を大事に感じてい
る高校生。3人のうち男子の大学生が年上の女性に飼われ、出張と称して一ヶ
月のうちの一週間ほど3人の溜まり場でもある自分の部屋を空けたりするので
すが、物語では主人公の視点で日々のフトした瞬間の些細な心の動きを描かれ
ています。作品的にはちょっと淡々としすぎていて、もう少し感情の起伏表現
を出した方が良かったようには思いますが、情景描写は独特で細かく、良い恋
愛感が描かれていたとは思います。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 赤朽葉家の伝説
【著者名】 桜庭一樹
【出版社】 東京創元社
【初 刊】 2006年12月28日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】千里眼の祖母、漫画家の母、そして何者でもない私。高度経済成
長、バブル景気を経て平成の世に至る現代史を背景に、鳥取の旧
家に生きる3代の女たち、そして彼女たちを取り巻く不思議な一
族の姿を比類ない筆致で鮮やかに描く。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
「山の民」に置き去られた赤ん坊。この子は村の若夫婦に引き取られ、のち
には製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれて輿入れし、赤朽葉家の「千里
眼奥様」と呼ばれることになる。これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。
千里眼の祖母、漫画家の母、そしてニートのわたし。高度経済成長、バブル崩
壊を経て平成の世に至る現代史を背景に、鳥取の旧家に生きる3代の女達、そ
して彼女たちを取り巻く不思議な一族の血脈……。
物語は、製鉄一族の60年を描き上げる大河小説で、時代の流れの中で時を
重ねていく家と言う存在、そして女性の生き方の移り変わりを歴史と共に描か
れています。
<本紹介>
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【ジャンル】ドキュメント
【著書名】 ウラ金 権力の味
【著者名】 古川利明
【出版社】 第三書館
【初 刊】 2007年2月15日
【金 額】 950円+税
【カバー文】教育基本法改正で巨額の官邸機密費が動いた? 小泉総理と検事
総長の裏金談合の極秘会議とは? 「警察会計の仕事の99.9
%は裏金作り」はホント? 元毎日新聞官邸詰め記者が渾身取材
で迫る、「権力の裏金」ドキュメント。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、元毎日新聞官邸詰め記者が、裏金のリアルな流れを徹底取材で白日
の下に曝した「日本の裏金」上下巻のエッセンスと重要ポイントをコンパクト
に要約してまとめた、裏金問題早わかりの一冊。中でも「機密費」を多く取り
上げており、これまで重要法案を成立させるたびに多額の官房機密費などの裏
金が与野党議員等に対して使われていたことの詳細を、そのシステムまで含め
て明らかにしています。また、安倍晋三首相も去年まで官房長官としてその裏
金の責任者であり、昨年末の教育基本法改正案成立に際しても、この裏金が動
いたと噂されていることについても触れています。しかしながら、この裏金問
題は、問題が放置されており、その最大の原因は、マスメディア、特に新聞や
テレビが徹底して「見て見ぬフリ」を決め込んでいることにもあります。こう
いう実態こそメディアで報道される世の中になってほしいものです。
<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 表の顔と裏の顔
【著者名】 幸田真音
【出版社】 小学館
【初 刊】 2006年11月20日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】97%、876万件、40分の1…。とってもおしゃべりな「数
字」と人の裏話! 『日経PC21』に連載の「数字の裏側」や、
自身について書いたものを数字をキーワードにまとめるほか、ア
フリカ取材の記録などを収録する。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、雑誌「日経PC21」で連載中の「数字の裏側」を中心に、雑誌・
新聞連載のエッセイをまとめ、作家生活11年の著者が、仕事だけでなく私生
活についても綴った初エッセイ。数字の向こうに見える人間模様の表裏が面白
く取り上げられています。もう少し経済の裏側を書いてほしかったとは思いま
すが、小説とは違う幸田真音の人柄も伺えます。
<本紹介>
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【ジャンル】ビジネス
【著書名】 ITとカースト インド・成長の秘密と苦悩
【著者名】 伊藤洋一
【出版社】 日本経済新聞出版社
【初 刊】 2007年1月19日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】数千年にわたるカースト制度に縛られ、長期停滞が運命づけられ
ているとまで言われてきたインドが、突如として高成長国に変身
したのはなぜか? そして高成長は持続可能か? エコノミスト
が11億人の富と貧困の真実に迫る。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書はインドのIT産業、そしてカースト制度でのインドの光と影の部分か
ら、インドの現状、そして今後の問題点や課題についてをまとめています。日
本の格差とは全く違う身分制度での格差問題、そしてインドの政治についてな
ど、実際にインドを訪れた著者ならではの視点で、今後も成長が期待されるイ
ンド社会の諸問題が書かれています。
<本紹介>
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【ジャンル】書評
【著書名】 打ちのめされるようなすごい本
【著者名】 米原万理
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2006年10月15日
【金 額】 2286円+税
【カバー文】2006年5月にがんで他界した著者の、『週刊文春』に連載さ
れた渾身のがん闘病記である「私の読書日記」と、1995年か
ら2005年までのほぼ全ての書評を収録する。井上ひさしによ
る解説付き。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、週刊文春連載の「私の読書日記」を中心にこれまで執筆された書評
をまとめたもの。単なる書評本ではなく、時評でもあり、また昨年亡くなった
著者の闘病記ともいえます。読書量の多さも凄いですが、それぞれにしっかり
と奥深くまで探求しており、自らの視点で時事問題を斬っていく姿勢は、読み
手としても勉強させられましたし、ガン闘病の最中でも読書の探求精神は本当
に見習いたいものです。また、ガン治療に対する批評や分析も体験と共に書か
れており、興味深い内容だったことは勿論のこと、本書が著者の遺作となって
しまったことが本当に残念で、改めて亡くなられたことが惜しまれます。こう
いう書評が書けるようにしっかりと勉強していきたいものです。
【か行】
<本紹介>
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【ジャンル】ルポルタージュ
【著書名】 介護が裁かれるとき
【著者名】 横田 一
【出版社】 岩波書店
【初 刊】 2007年1月25日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】約150万人の高齢者が介護施設で「介護・介助」を受けている
今、施設での事故等が報道され始めている。よりよい高齢社会の
ために、何ができるのか? 介護裁判の当事者でもあったジャー
ナリストによるルポルタージュ。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、介護施設での自らの母親の死に疑問を持った著者が、介護施設につ
いて調べ、介護裁判の当事者となり、全国の介護事故の被害の実態や施設で働
く人々への取材を重ね、高齢社会のために何ができるのかを問いかけるルポル
タージュ。読んでいくと、矛盾に満ちたケアシステム、高齢者介護を巡る民事
訴訟の多さ、劣悪な人員体制と過重労働、ケアする人達の安すぎる介護報酬、
不十分な介護技術など、驚きの介護の実態が明らかにもなっています。介護施
設は高齢者にとっても、そして家族にとっても頼りとなる場所であるべきです
が、ケアのミスがあれば余生が不幸となり、現実問題として介護問題は今後も
トラブルが様々な形で出てくることにもなるでしょう。国も介護ケアに対して
の理念がなく、福祉をおざなりにしてきたツケが施設で出てきたともいえる実
態ですし、現在の矛盾に満ちたケアシステムが改善され、弱者にとってもより
よい社会となることを願うばかりです。
<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 クジラの彼
【著者名】 有川 浩
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2007年1月25日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】合コンで出会った史上まれに見る高物件の彼は、次にいつ会える
かわからない潜水艦乗りだった…。陸・海・空の自衛隊を舞台に
描いた、男前でかわいい恋するオンナたちの、絶対元気になれる
最強恋愛小説全6編。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、自衛隊員の恋愛話を描いた作品集で、表題作の「クジラの彼」や
「有能な彼女」は『海の底』の番外編。作品全てがかなり甘い恋愛作品となっ
ていますが、有川浩らしいライト感覚で読めて、笑いもある面白い作品集です。
設定も良かったですが、非常にテンポが良く、スイスイと読めますが、それで
いて短編ながらしっかりした物語となっています。甘い気分に浸りたい人には
お勧めの作品集です。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 5
【著者名】 佐藤正午
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2007年1月31日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】結婚8年目の記念にバリ島を訪れた中史郎と真智子。倦怠期を迎
えたふたりだったが、旅先で起きたある出来事をきっかけに、か
つての愛の記憶が甦る−。本当の愛を探し求める孤独な魂たちへ。
新感覚の大人の恋愛小説。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
結婚8年目の記念にバリ島を訪れた中志郎と真智子。二人にとって、意味の
ない発言のやりとりにこそ意味のあった時代は、はるか昔に過ぎ去っていた。
そんな倦怠期を迎えた二人だったが、旅行中に起こったある出来事をきっかけ
に、志郎の中で埋もれていたかつての愛の記憶が甦る……。
物語は、中志郎と語り手である「僕」の日常が描かれた作品ですが、展開も
やや複雑にはなっていくものの、その物語の中では「奥さんと出会った頃の情
熱を取り戻せる能力」という中志郎に授けられた超能力をテーマとしており、
その発想の面白さに目をひかれます。途中で笑いを何度も織り込んでいますが、
最後に感動が待っています。
<本紹介>
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【ジャンル】コーヒー
【著書名】 珈琲事典 この一冊ですべてがわかる
【出版社】 新生出版社
【初 刊】 2006年10月25日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】コーヒーにまつわる事柄を、100のキーワードにまとめた事典。
コーヒーの起源から成り立ち、カフェと世界の文化、コーヒーの
健康効果までを網羅。また、27種の豆を取り上げ、産地や特徴、
適した楽しみ方などを紹介する。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、珈琲にまつわる事柄を100のキーワードにまとめたコーヒー情報
本。発祥やおいしい入れ方に加え、日本の珈琲史など、興味深いネタも満載で
す。ウンチクも豊富で、読むと楽しく、思わず珈琲が飲みたくなる一冊です。
全編カラーページで写真も多く、特にウンチクといえるコーヒー雑学が豊富で
すからコーヒー好きにはお勧めです。
<本紹介>
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【ジャンル】保険
【著書名】 こんな時、あなたの保険はおりるのか?
【著者名】 清水 香
【出版社】 ダイヤモンド社
【初 刊】 2006年11月30日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】あなたも「不払い」「支払い漏れ」にあっている!? カラダ、
マイホーム、クルマなど分野別に、具体的な事例をあげながら様
々な保険商品のアウトライン、それぞれに加入するときや見直し
をするときの注意点などを解説する。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、生命保険、自動車保険、レジャー保険など、保険についての85問
をQ&A式で説明しているもの。保険のメリットとデメリットが分かりやすく
解説され、問題となっている保険会社の保険金不払いや支払い漏れの際にはど
うしたらいいのかも分かりやすい説明となっています。やや内容が重複してい
る箇所も多かったですが、保険を理解する上では役立つ内容です。
<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 現代日本への警鐘
【著者名】 竹山隆範
【出版社】 メディアファクトリー
【初 刊】 2007年1月12日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】カンニング・竹山隆範が、笑いを封印? 平和ボケした日本社会
へ警鐘を鳴らす! ニュースを読むだけではわからない、日本の
本当の姿を見ろ! 『WEBダ・ヴィンチ』連載の書籍化。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、WEBダ・ヴィンチでの連載「現代日本への警鐘」を書籍化したも
の。キレ芸でブレイクしたお笑いコンビ・カンニング竹山隆範が、現代日本に
ダメ出しの嵐。禁煙問題、子供の教育、ボランティアのあり方など、日本社会
での問題にツッコミを入れています。お笑いを封印し、時事問題から一般問題
まで、ツッコミを入れてキレている竹山ですが、結構共感できる部分は多く、
特に24時間テレビのボランティアのあり方は多いに頷けました。
<本紹介>
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【ジャンル】経済
【著書名】 経済データの読み方 新版
【著者名】 鈴木正俊
【出版社】 岩波新書
【初 刊】 2006年12月20日
【金 額】 780円+税
【カバー文】成長率・予算・日銀短観・株価・金利・賃金・失業率・国際収支
など、主な経済指標に着目することで何が分かるのか、データは
どう作成されているのかを平明に説き、新しい日本経済の全体像
を提示する。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、経済についてをわかりやすく解説した、データによる日本経済入門
といえる一冊。旧版から21年が経過しましたが、データ・解説を全面的に刷
新しており、雇用の流動化や所得格差拡大なども経済データとしてわかりやす
くまとめており、日銀の問題点も指摘しています。GDP、短観、消費者物価
など、各データの発表時期も記されており、経済ニュースをより理解し、的確
な批評眼を養うためにも、読んで良かった新書で、経済データ本として必需と
もいえる内容で、経済に興味のある人にはお勧めの一冊です。
<本紹介>
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【ジャンル】ルポルタージュ
【著書名】 彼らの地獄 我らの砂漠
【著者名】 朝倉喬司/中村うさぎ
【出版社】 メディアックス
【初 刊】 2006年12月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】作家中村うさぎとルポライター朝倉喬司が「女の視点」と「男の
視点」で「秋田児童連続殺害事件」など、4つの大事件の犯罪心
理を斬る! 『言語道断』誌に掲載されたものに書き下ろしを加
える。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、ルポライターの朝倉喬司と、作家の中村うさぎが、殺人事件の現場
を歩きながら、それぞれの視点で事件の真相に迫る異色ルポルタージュ。娘の
他殺説をでっち上げるために近所の子供まで殺してしまった畠山鈴香。虐待や
自宅売春、保険金殺人など彼女に向けられた疑惑の数々を検証する一方で、事
件を誘発したその家族関係にスポットライトを当てています。その他、大阪の
母親殺しや青梅の姉殺し、そして熊谷で起きた家出少女によるセクハラ殺人な
ど、4つの凄惨な事件の闇を見詰め、著者2人の独自の視点が語られています。
<本紹介>
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【ジャンル】ハードアクション
【著書名】 強行偵察
【著者名】 鳴海 章
【出版社】 実業之日本社(JOY NOVELS)
【初 刊】 2006年10月25日
【金 額】 838円+税
【カバー文】1億必要な陸上自衛隊強行偵察班員の沢崎。借金2億5千万円を
抱える元・警察官僚の古橋。古橋は借金を帳消しにする計画を立
て、沢崎をリクルートする。ふたりが向かった先はゴールデンク
レセント。請け負った任務は…暗殺!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
2歳の長女の臓器移植手術に一億必要な陸上自衛隊強行偵察班員・沢崎。そ
して暴力金融に借金2億5千万を抱える元・警察官僚の情報コンサルタント・
古橋。その古橋は、知り合いのカメラマンからアフガニスタンで撮った麻薬王
の写真を託され、借金を帳消しにする計画を立案し、沢崎をリクルートする。
二人が向かった先のゴールデンクレセントで請け負った任務は暗殺だった……。
物語は、鳴海章らしいハードアクションで、非常にテンポのよい作品です。
パキスタンを舞台に、激しいアクションが繰り広げられ、巨大な陰謀に立ち向
かう熱い闘いは、目が離せぬ展開でした。
<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 キララ、探偵す。
【著者名】 竹本健治
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2007年1月30日
【金 額】 1619円+税
【カバー文】アイドル好きの童貞オタク大学生・乙島侑平は、研究者の従兄か
ら新製品のモニターを頼まれた。届いたのは美少女メイドロボッ
ト「キララ」。あんなコトもこんなコトもご奉仕されて…!?
史上初の美少女メイド青春ミステリー。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
物語は4つの連作となっており、メイドロボット・キララの御披露目と殺人
事件を交えた「キララ、登場す。」、キララの夜の人格であるクララとの女王
樣プレイと誘拐事件を絡めた「キララ、豹変す。」、メイド失踪事件を描いた
「キララ、緘黙す。」、アイドルのストーカー事件を描いた「キララ、奮戦す。」
の全4編となっています。ただ、読み手によって評価は分かれるでしょうが、
個人的にはミステリとしては謎の部分と展開が噛み合わず、キャラクターも存
在感としては少々薄くあまり馴染めず、面白さはそれほど感じませんでした。
ただし、それなりの濡れ場もあり、メイド萌えの男性読者であれば、楽しめる
のかも。
【さ行】
<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 最後の一球
【著者名】 島田荘司
【出版社】 原書房
【初 刊】 2006年11月28日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】奇跡が起こったよ石岡君−。「2番手の男」が投じた友情と惜別
の一球が、御手洗も諦めかけた「事件」を打ち砕く! 心踊る感
動の青春ミステリー。御手洗潔シリーズ長編。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は、人気の「御手洗シリーズ」の最新作ではありますが、その御手洗潔
は最初と最後に少し登場するぐらいで、御手洗潔シリーズ長編ということで期
待して読んだものの、見事な肩透かしをくらいました。物語では、社会的弱者
を主人公に、悪徳行為やグレーゾーン金利などの社会問題を絡めて、野球一筋
の青年の栄光と挫折と再生を描いた作品ではありましたが、御手洗潔シリーズ
にしなかった方が良かったようには思いましたし、作品としては丁寧な描かれ
ているものの、物足りなさも感じた内容でした。
<本紹介>
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【ジャンル】社会問題
【著書名】 さよなら、サイレント・ネイビー
【著者名】 伊東 乾
【出版社】 集英社
【初 刊】 2006年11月21日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】友達が地下鉄サリン事件の実行犯だった。親友2人の運命を分け
たものは? 東大助教授が、知力体力を尽くして「運命の分岐点」
を追跡し、「同級生の大罪」の真相を究明。裁かれるべきは誰な
のか、を問いかける問題作。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は、著者の大学時代の同級生で、地下鉄サリン事件の実行犯である豊田
亨被告の証言や、学生時代の姿を回想しながら、事件の本質に迫った作品で、
豊田被告はオウムのマインドコントロールの結果殺人犯となったが、自分だっ
てそうなっていたかもしれないという問題意識から書かれています。第4回開
高健ノンフィクション賞受賞作でもありますが、村上春樹の「アンダーグラウ
ンド」批判など、社会に対しての指摘はしているものの、まどろっこしい解説
が多く、焦点が絞りきれていないため、読み手によっては評価が分かれるとこ
ろだと思います。
<本紹介>
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【ジャンル】地方財政
【著書名】 自治体連続破綻の時代
【著者名】 松本武洋
【出版社】 洋泉社
【初 刊】 2006年11月9日
【金 額】 952円+税
【カバー文】2006年6月、突然発表された夕張市の自治体破綻は、「夕張
ショック」として日本中を震撼させた。もし、あなたの住む自治
体が破綻したらどうなるのか? 住民自身が自治体の抱える問題
を読み解き、自ら行動する方法を探る。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、自治体の抱える様々な問題点を解説すると共に、住民が自治体につ
いて調べる方法が充実しています。自治体を調べたい人が、どう動けばよいの
か、どう調べればよいのか、どう分析して行動すればいいのかを具体的に示し
ています。夕張市の財政再建団体への申請は全国ニュースとしても大きく報道
され、決して他人事ではないことも示してくれましたが、自らが住む自治体の
抱える諸問題についても改めて考えさせられます。今後のためにも、自治体の
現状を知らないといけないという感じさせてくれた一冊です。
<本紹介>
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【ジャンル】社会問題
【著書名】 総下流時代
【著者名】 藤井厳喜
【出版社】 洋泉社
【初 刊】 2007年1月30日
【金 額】 952円+税
【カバー文】グローバリゼーションは世界を前近代に逆戻りさせる! 日本で
はサラリーマンもOLもいなくなり、「総下流時代」がやってく
る。近代化とはいったいなんだったのか? あらためて考え、先
進諸国の未来を鋭く予測する。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は、サブタイトルに「なぜワーキングプアが増えるのか?」とも書かれ
ていますが、格差社会が世界規模で中世に戻るという「前近代化」していく現
実を指摘したもの。日本社会は、サラリーマンもOLも消滅し、ただ働いて生
きる労働者と、それを管理する管理者だけの社会になっているであろうとも予
測しています。個人的には経済予測はやや強引な考えじゃないかとも思います
し、資料分析が少ないとは思いました。
<本紹介>
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【ジャンル】社会問題
【著書名】 実録詐欺電話 私はこうしてだまされた
【著者名】 日向野利治
【出版社】 すばる舎
【初 刊】 2007年2月22日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】ある日突然、だまし・恐喝の電話はかかってくる。そのときあな
たは、どうやって身を守るか。架空請求詐欺に1度ならず2度も
ひっかかってしまった著者による、渾身の書き下ろし。人間のク
ズにだまされるな!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、経済評論家でもある著者が、ある日突然かかってきた電話の相手の
いうままに現金を振り込んでしまった体験を赤裸々に綴り、被害者心理の実相
と詐欺師たちの巧妙な手口、語り口をあぶり出した異色のドキュメント。
著者は2005年11月に携帯電話で「インターネットの番組使用料が滞納
になっており、延滞金などで50万5000円になる」と通告され、色々なサ
イトを見た経験など、思い当たる節もあったことから「今日中に払えば、30
万5321円にする」との男性の提案に応じ、その額を即日指定された口座に
振込。しかし翌年7月にまた同様の電話を受け、この時は約200万円を請求
され、その一時金として10万円を振り込もうとしたが、指示された振込先の
口座が閉鎖されており払わずに済んだことで、ようやく「この請求はおかしい」
と感じ、自分が振り込め詐欺に遭っていたのだと気付き、その電話の克明なや
りとりの他、実際に詐欺に遭った場合の相談窓口なども紹介しています。詐欺
の巧妙な手口、詐欺師の話術など、被害に遭わないためにも読んで損のない内
容でした。
【た行】
【な行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 虹色天気雨
【著者名】 大島真寿美
【出版社】 小学館
【初 刊】 2006年11月10日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】ある日突然、幼なじみ奈津の夫・憲吾が失踪した。市子は、夫捜
しに奔走する奈津から一人娘の美月を預かる。事態はやがて、市
子の元恋人も登場して意外な展開を迎え…。友達に会いたくなる、
大人の女性友情小説。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
早朝に電話でたたき起こされ、中学校からの幼なじみである奈津のひとり娘・
美月を預かることになった市子。その美月から、奈津の夫・憲吾は行方不明で
あり、奈津は憲吾を探しに出かけたことを知らされる。2日後、奈津は戻って
きたが、思い当たる場所をすべて回ったが憲吾は見つからなかったと語る。市
子と奈津は、ひとりではどうにも頼りないところのある憲吾の失踪には、絶対
に他の女性が関係していると推測する……。
物語は、女性同士の友情を描いた作品。それぞれに共有したエピソード、恋
愛や仕事、そして結婚・出産と、言葉にする必要のなかった思いが丹念に物語
となっている作品でもあります。男女そして年代によっても、読後の感じ方は
それぞれに違うでしょうが、特に30代以降の女性にはお勧めの一冊です。
【は行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】サスペンス
【著書名】 ブレイクスルー・トライアル
【著者名】 伊園 旬
【出版社】 宝島社
【初 刊】 2007年1月26日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】技術の粋をつくした難攻不落の技術研究所に侵入し、24時間以
内に所定のものを持ち帰るという、懸賞金1億円の一大イベント
「ブレイクスルー・トライアル」。数々の障害に立ち向かい、突
破するのはどのチームなのか?
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
懸賞金1億円の一大イベント(ブレイクスルー・トライアル)に参加すること
を決めた、門脇と丹羽。それは、技術の粋をつくした難攻不落の研究所に侵入
し、制限時間12時間以内に、所定のものを持ち帰るというものだった。彼ら
にはそれぞれの過去があり、このイベントで優勝することによって人生を変え
ようと考えていた。ひょんなことからイベントに紛れ込んだダイヤモンド強盗
犯グループ、保険会社の依頼で、その強盗を追う私立探偵、研究所の守りを固
める叩き上げ頑固一徹の管理人、ライバル会社から派遣されたスパイチームな
どが参加を表明し、それぞれ思惑を胸にイベントに集結する。侵入者を阻むた
め、各所に設けられた指紋、静脈、虹彩などの生体認証。さらには、凶暴な番
犬や新型警備ロボットの一群など、数々の障害に立ち向かい、突破するのはど
のチームなのか。
本書は、第5回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。最新セキュリテ
ィシステムが稼働する難攻不落の建物に侵入し、ターゲットを持ち帰るという
ゲームに参加する人達の物語ですが、登場人物それぞれの思惑も複雑に絡み、
正に金庫破りの現代版サスペンスが描かれます。やや展開で迫力不足を感じる
ところもありますが、それぞれの襲撃計画はアイデアも良く、読みごたえもあ
り楽しく読める作品です。
<本紹介>
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【ジャンル】ジャーナリズム
【著書名】 報道被害
【著者名】 梓澤和幸
【出版社】 岩波新書
【初 刊】 2007年1月19日
【金 額】 740円+税
【カバー文】大きな事件や事故のたびに、被害者や遺族を取り囲み、マイクを
差し出すマスコミ。深刻な被害をもたらす報道のあり方を検証し、
被害の救済方法について解説。メディア規制によらずに取材と報
道を変える道を提言する。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、弁護士として報道被害に携わってきた著者が、深刻な人権侵害をも
たらす報道被害問題を検証し、被害救済のあり方についてわかりやすく解説し
ています。また、権力的なメディア規制によらずに、取材や報道を変える道を
提言しています。報道のあり方を検証し、報道被害を無くすためには、警察情
報を相対化する自立した報道システムに変革すべきだとも提言しており、本書
の中では、ジャーナリズムの本来の役割は権力監視であり、人間の社会環境の
監視であるとも述べています。実際の報道被害では、その役割を果たしていな
いメディアの構造的問題も指摘し、具体的事例として、松本サリン事件や桶川
ストーカー殺人事件、そして福岡一家四人殺害事件などから、報道被害を引き
起こすマスコミの体質についても書かれていますが、報道による被害と功罪を
まとめただけではなく、知る権利と表現の自由の問題であることを再認識させ
られた一冊です。
<本紹介>
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【ジャンル】連作ミステリ
【著書名】 配達あかずきん
【著者名】 大崎 梢
【出版社】 東京創元社
【初 刊】 2006年5月25日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】配達したばかりの雑誌に挟まれていた盗撮写真…。駅ビル内の書
店・成風堂を舞台に、しっかり者の書店員・杏子と、勘の良いア
ルバイト店員・多絵のコンビが、さまざまな謎に取り組む。元書
店員が描く本格書店ミステリ。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
近所に住む老人に頼まれたという謎の探求書リスト。コミック「あさきゆめ
みし」を購入後、失踪した母の行方を捜しに来た女性。配達したばかりの雑誌
に挟まれていた盗撮写真……など、駅ビル内の書店・成風堂を舞台に、しっか
り者の書店員・杏子と、勘の良いアルバイト店員・多絵のコンビが、さまざま
な謎に取り組んでいく連作ミステリ。
「本の雑誌」2006年上半期エンターテインメント・ベスト10での第2
位となった作品で、「元書店員が描く本格書店ミステリ」という一文に惹かれ
て読みましたが、随処で本や書店にまつわるエピソードが描かれており、作品
で描かれる事件は大きな事件ではなく日常の些細な事件ではありますが、探し
ている本を尋ねてくる客の話や、書店の日常的な作業の様子も随所に登場し、
書店が舞台となっているのも読書好きとしては興味深くて楽しめたミステリで
した。
【ま行】
【や行】
【ら行】
【わ行】
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