書評データベース(2007年度5月分)

 

■2007年5月に掲示板にて紹介された本■

 大人ドロップ             樋口直哉     小学館
 海亀に乗った闘牛師          青野 聰     集英社
 会議で事件を起こせ          山田 豊     新潮社
 競馬界に喧嘩売らせていただきます!  水上 学  KKベストセラーズ
 どん底                そのまんま東   音羽出版
 たゆたいサニーデイズ         村崎 友     角川書店
 ツーカイ!金剛地くん         戸梶圭太     徳間書店
 よろしく青空             中野 翠     毎日新聞社
 空飛ぶタイヤ             池井戸潤     実業之日本社
 社会保険料 節減の裏ワザ!      関 昇     東洋経済新報社
 それってどうなの主義         斎藤美奈子    白水社
 新車は化学物質で汚染されている!   中野 博     現代書林
 サマーバケーションEP        古川日出男    文藝春秋
 些末なおもいで            埜田 杳     角川書店
 14歳                千原ジュニア   講談社
 熟年シングルライフの達人 
           熟年シングルライフネットワーク編  実業之日本社
 聖なる酔っぱらい伝説         W酒井+M    西日本出版社
 早実VS.駒大苫小牧         中村計/木村修一 朝日新聞社
 冥王星パーティ            平山瑞穂     新潮社
 モノレールねこ            加納朋子     文藝春秋
 ドアD                山田悠介     幻冬舎
 騙し絵の館              倉阪鬼一郎    東京創元社
 どれくらいの愛情           白石一文     文藝春秋
 図書館危機              有川 浩   メディアワークス
 100万分の1の恋人         榊 邦彦     新潮社
 ぼくの手はきみのために        市川拓司     角川書店
 ハルさん               藤野恵美     東京創元社

【あ行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 大人ドロップ
【著者名】 樋口直哉
【出版社】 小学館
【初 刊】 2007年3月10日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】「ねぇ私も今、あなたから貰ったドロップをもう一粒食べたら、
      すぐに大人になれるかしら?」 その夏、僕らは大人でも子供で
      もなかった…。みずみずしく、もどかしい青春物語。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 高校生の夏。ぼくは親友のハジメに頼まれて、彼と、彼が片思いをしている
クラスメートの入江さんのデートをこっそりとセッティングする。しかし、そ
のことが原因でぼくは入江さんをカンカンに怒らせてしまう。そして、ちゃん
と仲直りできないうちに、入江さんは突然、遠くへ引っ越して行ってしまう。
自分でもその気持ちが恋なのかどうかよく分からなかったけれど、入江さんの
ことが気になっていたぼくは、勇気をふりしぼって彼女に手紙を書くが…。焦
ったり、悩んだり、ドキドキしたり。コドモ以上、オトナ未満のぼくらが過ご
した、もどかしいあの夏。大人になるって、どういうこと?
 物語は、葛藤、不安、焦燥など思春期の悩みや思いを描いた青春小説。感覚
的には何となく村上春樹の「ノルウェイの森」に近いような感じがありますが、
どうももどかしさが先行していて、題材が活かしきれていないように思いまし
た。逆に本書を読んで再び「ノルウェイの森」を読み返したくなりました。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 海亀に乗った闘牛師
【著者名】 青野 聰
【出版社】 集英社
【初 刊】 2007年2月10日
【金 額】 2800円+税
【カバー文】「人生のプログラムを書きかえる出来事は、いつ起きるかわから
      ないもんだよ」 仕事をリタイアした還暦間近の男が訪れる、ア
      ジアの奥地。新しい〈旅〉をはじめるための、人生の処方箋。
      『すばる』掲載を単行本化。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 翻訳会社の社長で、何度も結婚を繰り返してきていた伍代日呂太は、還暦を
前にオーストラリアに住む友人からの誘いで旅に出た。オーストラリアへ行く
はずが、なぜかアジアの奥地へ行くこととなり、亜熱帯の村に住みつき、そこ
で部族のリーダーを決める闘牛にまきこまれることに……。
 物語は主人公の逸脱の旅物語でもあり、主人公の人生の悲喜が物語の中心と
もいえるのでしようが、正直作品の良さはあまり伝わってきませんでした。も
う少し歳を重ねてから読むと、違う印象にはなるのでしょうが、やや物足りな
さが残る作品でした。

【か行】

<本紹介>
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【ジャンル】ビジネス
【著書名】 会議で事件を起こせ
【著者名】 山田 豊
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2006年11月20日
【金 額】 680円+税
【カバー文】誰かひとりが延々と喋り続ける「独演会現象」、雑談だけで終始
      してしまう「脱線現象」等、会議で起こる問題現象を提示。実際
      の会議の流れに即して、平社員でも管理職でも今すぐ使える会議
      のコツを伝授。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、独演会現象、様子見現象、被告人現象、脱線現象など、実際の会議
の流れに即して、平社員でも管理職でも、今すぐ使える会議のコツが書かれた
もの。会議を改善するためのアイディアも書かれており、会議の中身を変える
コツが詰まったビジネス本といえるでしょう。

<本紹介>
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【ジャンル】競馬
【著書名】 競馬界に喧嘩売らせていただきます!
【著者名】 水上 学
【出版社】 KKベストセラーズ
【初 刊】 2006年12月5日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】競馬を愛してやまない水上学が、競馬界にアングリます! 最後
      まで追わない怠慢騎手からディープインパクト汚点騒動まで、知
      らぬ存ぜぬは許しません! 月刊『競馬最強の法則』で連載中の
      コラム「口アングリー」を単行本化。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 個人的に好きな競馬ライターは3人おり、その3人はマンガ「ウイニング・
チケット」の原作者でもあり「馬産地ビジネス」や「JRAディープインサイ
ド」の著者でもある河村清明氏、サラブネットで競馬コラムを書き「競馬よ!
―夢とロマンを取り戻せ―」の著者でもある日経新聞運動部記者の野元賢一氏、
そして本書の著者でもある水上学氏。3人共、正統派の競馬コラムを書いてお
り、競馬ファンの視点から、様々な競馬の問題点を追求していますが、本書は
JRAへの質問や意見を書いたもので、実際にJRAの職員がインタビューに
答えているところもあり、競馬ファンなら一読に値する内容です。

【さ行】

<本紹介>
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【ジャンル】企業小説
【著書名】 空飛ぶタイヤ
【著者名】 池井戸潤
【出版社】 実業之日本社
【初 刊】 2006年9月25日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】小さな運送会社のトレーラーが起こしたタイヤ脱輪による死亡事
      故。事故原因は整備不良か、それとも…。「容疑者」と目された
      男が、家族・仲間とともにたったひとつの事故の真相に迫る、果
      てなき試練と格闘の数か月!
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
 赤松徳郎は亡き父の後を継ぎ、赤松運送の社長に就任。金銭的な苦労は絶え
ないが、大きなトラブルに見舞われることなく事業を展開していた。しかし、
ある日、走行中の大型トレーラーのタイヤが外れ、近くを歩く母子を襲った。
子どもはかすり傷で済んだものの、母親は即死。警察は事故原因を赤松運送の
整備不良としたが、納得いかない徳郎は自ら調査を開始する。トレーラーを製
造したのは国内屈指の大手自動車メーカー。真実を突き止めようとしても、巨
大な力で封じ込めようとする。警察を始め、マスコミや被害者遺族から容疑者
と目され、大口取引先は撤退、銀行からも融資を断られ、徳郎の子どもは学校
でイジメのターゲットに。徳郎は妻と3人の子供達、そして従業員を守ること
ができるのか……。
 物語は、様々な人間の思惑と苦悩を描き、巨大企業の闇に迫った企業小説で、
特に主人公が、多くの中傷や妨害を乗り越え、欠陥隠しをするマンモス企業と
対峙する姿は圧巻でした。本書は昨年の直木賞候補作でしたが、この内容なら
直木賞受賞に値する内容だとも思いますし、リコール隠しという社会問題を取
り上げ、社会悪に対する個人の奮闘は勿論ですが、己の信念を貫く姿勢は非常
に共感を覚えました。感動の一冊です。

<本紹介>
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【ジャンル】社会保険
【著書名】 社会保険料 節減の裏ワザ!
【著者名】 関 昇
【出版社】 東洋経済新報社
【初 刊】 2007年2月22日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】「社会保険料の負担をなんとかしたい!」と苦しんでいる人のた
      めに節減法を紹介。社会保険料は、正しく理解し、正当な手続き
      を踏めば、誰にでも変えられます。経費節減だけでなく、資金繰
      り、相続・事業承継にも役立ちます!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、「社会保険料の負担をなんとかしたい」と考えている人に、社会保
険料を正しく理解し、正当な手続きを踏めば、誰にでも節減できる具体的なノ
ウハウと裏ワザを指南している一冊です。本書の中には、節減の裏ワザは勿論
ですが、例えば社会保険料は毎年アップしていきますが、会社が負担する社員
1人あたりの社会保険料は10年後には13倍になるというシュミレーション
や社会保険料の仕組み、社会保険料を節減すると補償額に影響が出ること、給
与と保険料、給付とリスクのバランスなど勉強になることが多かったです。

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 それってどうなの主義
【著者名】 斎藤美奈子
【出版社】 白水社
【初 刊】 2007年2月20日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】日の丸・君が代から戦争や皇室報道、学校教育、女性誌、児童文
      学まで「その物言いで、宜しかったでしょうか?」 オウム事件
      後10年間のニッポンの右往左往ぶりをめぐる。雑誌や新聞に書
      いた文章に加筆し、一冊にまとめる。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、常識、言葉、報道などに疑問を持つように事柄「それってどうなの」
と思うようにことをエッセイとしたもの。日の丸、愛国心、イラク戦争、女帝
論、エコロジー、学校教育、文学、流行語、ファッション誌など、オウム事件
以降の折々のニュースや流行現象に疑問を投げかけたエッセイ集。多少の意見
の偏りは見られましたし、共感できないところもありましたが、日の丸・君が
代問題などタブー的な報道にも真正面から取り組む姿勢は評価したいです。

<本紹介>
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【ジャンル】環境問題
【著書名】 新車は化学物質で汚染されている!
【著者名】 中野 博
【出版社】 現代書林
【初 刊】 2006年12月16日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】ある調査によると、対象101車種すべてが、シートクッション
      や肘掛けなど自動車の内装材に有害化学物質が使われていた! 
      自動車業界出身の環境ジャーナリストが、業界のタブーを告発す
      るシックカー問題の本。安全対策付き。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、近年取りざたされている、車内揮発性有機化合物(VOC)が残留
している車両、いわゆる「シックカー」の改善を自動車業界に提言したルポル
タージュ。著者は自動車業界出身でもあり、自動車製造の歴史は勿論のこと、
車の耐久性や省エネの対する配慮は重要視されてきたものの、使用者の健康を
考えた室内空気への配慮が欠落していた事実をまとめています。新車の車内で
感じる臭いの元の多くが、発ガン性のある成分を含むVOCが含有された石油
化学製品であるにもかかわらず、この事実はほぼ認知されておらず、影響を受
けた被害者の悲痛な声も載せています。既に多くの自動車メーカーはこの問題
の解決に乗り出しているとのことですが、今後の自動車業界ならびに環境問題
の動きを読むうえでも、興味深い一冊です。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 サマーバケーションEP
【著者名】 古川日出男
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2007年3月15日
【金 額】 1714円+税
【カバー文】井の頭公園に湧く水をたどりながら、僕たちは海まで歩く。それ
      は、永遠の夏休みのはじまりだった−。人と人がつながりあうミ
      ラクル。心地よい言葉のヴァイブレーションが世界を輝かせる、
      おだやかな熱に包まれる再生の物語。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 物語は、神田川の源流から始まって、延々登場人物達が川の流れに沿って歩
き続けて、海に注ぐ場所を目指すというロードノヴェル。他人の顔を憶えるこ
とができないけれど、声の体温を正確に知ることが出来るという、特殊障害を
持つ主人公の再生物語にもなっています。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 些末なおもいで
【著者名】 埜田 杳
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2006年11月30日
【金 額】 1100円+税
【カバー文】不眠症の高校生・檜山は、ある夜、やはり眠れずに彷徨していた
      同じクラスの矢鳴に声をかけられる。ふたりは次第に打ち解け合
      い、少女・キューピーさんも輪に加わって心地よい日々が始まっ
      た。しかし矢鳴は奇病に罹っていた…。
【満足度】 ★
End------------------------------------------------
 第2回野性時代青春文学大賞受賞作の本書は、不眠症の高校生・檜山、同じ
部活の矢鳴、矢鳴の幼馴染の同級生・キューピーさんと呼ばれる女の子も含め
ての3人の交流を描いた物語ですが、「あれ」と呼ばれる世界でも広がる奇病
にかかるという展開となりますが、その奇病についての表現も曖昧で、ぼやけ
た展開となっていたのは物語として非常に読み難く、登場人物の背景も分かり
難く、作品の良さが正直全く分かりませんでした。

<本紹介>
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【ジャンル】自伝的小説
【著書名】 14歳
【著者名】 千原ジュニア
【出版社】 講談社
【初 刊】 2007年1月15日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】もう二度とこの友だちとは遊ばない。遊べない。だけどこのまま
      じゃ僕はつぶされてしまう。僕は僕を守るんだ。悲しい色に塗り
      替えられてしまう前に。僕の心は僕が色を塗るんだ…。幻の自伝
      的小説。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、お笑いコンビ「千原兄弟」の弟・千原ジュニア氏による自伝的小
説。いじめられたわけではなく、勉強が嫌だったわけでもないが、何かを始め
るための時間が欲しくて引きこもった過去。親を悲しませても、学校に切られ
ても譲れない思いがあり、一本の電話が救ってくれて、少年がひとり立ちする
ために必要な儀式を描いおり、これまで語られなかった引きこもりの思春期や、
兄・靖史への思い……など、ジュニアの素顔が書かれる一冊です。

<本紹介>
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【ジャンル】生活
【著書名】 熟年シングルライフの達人
【著者名】 熟年シングルライフネットワーク編
【出版社】 実業之日本社
【初 刊】 2007年3月10日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】メディアパーソナリティ・芳村真理さんをはじめ、充実したハッ
      ピーな人生を送っている「シングルライフの達人」たちのインタ
      ビューを収録。また、達人になるための具体的な生活最新情報を
      Q&A形式で取り上げる。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は、シングルライフを楽しむ8人の熟年の達人達の生き方を紹介したも
ので、離婚、死別、生涯独身など、熟年世代でシングルライフを送る人が、充
実した毎日を送るコツを実例をまじえて紹介しています。

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 聖なる酔っぱらい伝説
【著者名】 W酒井+M
【出版社】 西日本出版社
【初 刊】 2007年2月5日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】「生まれてこなければよかった」「飲む前に戻りたい」 そう思
      ったこと、ありませんか? 飲んだら吐くな、吐くなら飲むな。
      あぁ、反省の朝…。本当にあった酔っぱらいエピソードから学ぶ、
      後悔しないお酒のたしなみ方。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、全国から寄せられた爆笑の酔っぱらいエピソードと、酒がもたらす
弊害が書かれたもの。お酒を飲む人なら、少なからず酔っぱらいエピソードは
あると思いますが、色々なエピソードが本書の中で紹介され、爆笑内容ばかり
ですが、何か他人事ではなくフト自分が反省してしまう……そんな中身です。
酔っぱらい診断などもありまず、どれだけ同じような経験をしたことがあるか
チェックしてみるのも面白いかもしれませんよ。

<本紹介>
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【ジャンル】スポーツノンフィクション
【著書名】 早実VS.駒大苫小牧
【著者名】 中村計/木村修一
【出版社】 朝日新聞社
【初 刊】 2006年11月30日
【金 額】 680円+税
【カバー文】初優勝を狙った早実、3連覇を目指した駒大苫小牧。2日間5時
      間半にわたる死闘の徹底的ドキュメント。さらには、早実の斎藤
      佑樹投手、駒大の田中将大投手にも徹底密着し、2006年夏、
      世紀のドラマの舞台裏に迫る。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、昨年夏の最大イベントとなった甲子園の決勝・決勝再試合の舞台裏
を、両校の選手、監督、学校関係者など100人を超える取材をもとに、克明
に描いていいたスポーツドキュメント。8月20日の決勝と21日の決勝再試
合での、両エースの545球の2試合に焦点をあて、決勝のあと「ベッカム・
カプセル」と呼ばれる高圧酸素健康器具で疲れをとった早実の斎藤佑樹投手と、
千ミリリットルのアミノ酸液の点滴を打った駒大苫小牧の田中将大投手につい
ての知られざる事実も随所に登場します。そして同時に、今後に向けての両校
の練習ぶり、地方大会の戦績、それに対戦相手ごとに変化する戦術も紹介し、
兵庫国体の対戦も現地ルポしており、夏の感動が再び蘇る熱いスポーツノンフ
ィクションでもあります。

【た行】

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 どん底
【著者名】 そのまんま東
【出版社】 音羽出版
【初 刊】 2007年2月28日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】ある日突然収入ゼロ、仕事も失い、家族とも離れ離れの1年5ケ
      月の謹慎生活。華やかな芸能界から一転、人生のどん底に転げ落
      ちた男が見たものは? 宮崎県知事になった「そのまんま東」の
      原点を描く。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、現宮崎県知事である東国原英夫知事ことそのまんま東が、平成10
年10月の淫行騒動後、約1年5カ月にわたる謹慎生活をまとめた告白本。華
やかな芸能界から転げ落ち、マスコミなどからの逃亡、謹慎中に起こしてしま
った後輩タレントへの暴行事件、早大に入学したことなどを明らかにしていま
す。刑事とのやりとり、真実が報道されないマスコミ報道、家族と離れ離れの
生活、収入もなく貯金もなくなり、地域振興券を飲食代にあてたエピソードな
どが赤裸々に綴られています。本人のインタビューで、この淫行騒動がなけれ
ば知事になろうとは思わなかったという話も聞きましたが、この騒動がきっか
けでの宮崎県知事となるまでの原点が書かれています。また師匠であるビート
たけしとの謹慎中の師匠と弟子のエピソードも心温まるエピソードでした。

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 たゆたいサニーデイズ
【著者名】 村崎 友
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2006年10月31日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】合唱部の部室ノートに名前を書き、忽然と姿を消してしまった正
      体不明の少女「中村雫」。そのころから晶嶺館高校で不可解な事
      件が次々と起きはじめ、葉音梢は宮本部長と事件の謎を解くこと
      に−。切なくほろ苦い青春ミステリ。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 晶嶺館高校の羽音梢は、部員が二人しかいない合唱部で部長の宮本さんの面
倒を見る毎日。ところが新学期の始まる前日、部室のノートを見ると「中村雫」
という聞き覚えのない名前が書いてあった。入部希望者かと思ったが、学内に
そんな名前の生徒はいない。どこにも見つからない。いったい誰が何のために
書いたのか。そのころから、学内では不可解な事件が次から次へと起きはじめ
る。そしてなぜか梢が宮本さんと事件の謎を解くことに……。
 物語は、部室ノートに名前を書き、忽然と姿を消してしまった正体不明の少
女「中村雫」と、晶嶺館高校で不可解な事件が次々と起きはじめ、その事件の
謎を描いた、切なくほろ苦い青春ミステリ。ミステリとしては弱さを感じるも
のの、非常にテンポも良く、読みやすい作品でした。それでも自分の高校時代
をフト思い出す……そんな懐かしさも感じました。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 ツーカイ!金剛地くん
【著者名】 戸梶圭太
【出版社】 徳間書店
【初 刊】 2007年2月28日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】東西新聞芸能スポーツ部特別記者・金剛地厳太郎。2時間ドラマ
      試写評に全身全霊をかけ、数百字の囲み記事で自らを文豪ならぬ
      評豪と称するトンデモナイ勘違い野郎。彼の行くところ必ず波瀾
      アリ。狂瀾怒濤のツーカイ人生?!
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 物語は、2時間ドラマ評に命をかける狂気の新聞記者・金剛地厳太郎の狂乱
人生を、猛毒と苦笑テンコ盛りで描いた、ブラックコメディ+ホラーサスペン
ス+少年冒険アクション。奇想天外な戸梶ワールドが全開です。途中で主人公
が記憶喪失になったり、タイムスリップしたりと、ハチャメチャな展開。ただ、
途中で展開がガラリと変わってしまい、そこからは物足りなさを感じたのは少
々残念です。

<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 ドアD
【著者名】 山田悠介
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2007年1月25日
【金 額】 1100円+税
【カバー文】大学のテニスサークル仲間8人が目覚めたのは、施錠された鉄製
      のドアを備える見知らぬ一室。一体誰が何の目的で、自分たちを
      拉致したのか? ウェブサイト『ORICON STYLE』連
      載に書下ろしを加え単行本化。
【満足度】 ★
End------------------------------------------------
 物語は、大学のサークル仲間8人が飲み会の帰りに、見知らぬ一室に閉じ込
められ、そこから脱出しようするたびに1人ずつ死んでいくという物語ですが、
死んでいくことの繰り返しで、著者が何を作品として書きたかったのかも分か
らない延々と殺人ばかりが続く展開にはウンザリしました。アッサリ読めたも
のの、読後もスッキリしない酷い展開でした。

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 騙し絵の館
【著者名】 倉阪鬼一郎
【出版社】 東京創元社
【初 刊】 2007年3月30日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】過去に怯えながらひっそりと暮らす少女。過剰なまでに彼女を守
      ろうとする執事。そして頑なに作品の刊行を拒むミステリー作家。
      連続少女誘拐殺人事件が勃発するなか、謎めいた彼らの秘密が少
      しずつ明かされる…。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 物語は、過去に怯えながら瀟洒な館でひっそりと暮らす少女・鏡子、過剰な
までに彼女を守ろうとする執事・久村、そして書き上げたはずの作品の刊行を
頑なに拒むミステリー作家・金原の秘められた過去を交えて描かれるミステリ。
幻想と現実が交互に描かれ、謎解きも丁寧に描かれます。後半から結末までが
少々バタバタしすぎの感があったのが欠点ですが、幻想的で妖しい雰囲気はよ
く出ています。

<本紹介>
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【ジャンル】小説集
【著書名】 どれくらいの愛情
【著者名】 白石一文
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2006年11月15日
【金 額】 1714円+税
【カバー文】HOW DEEP IS YOUR LOVE? 離れていても、
      愛し合えるのか。現実よりもリアルで、映画よりも素敵な恋の物
      語を4話収録。『小説宝石』『オール読物』掲載作品に、書き下
      ろしの表題作を加えて単行本化。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、表題作など4作を収録した小説集。表題作は、父の跡を継ぎ、博多
でぜんざい店を営む若社長・正平が、自分の代で店舗を増やし、売り上げを伸
ばしてきたが、2号店出店は、結婚の約束までした晶の裏切り・破局がきっか
けだっただけに複雑な思いがあった。その晶から、5年ぶりの電話があり、晶
が正平と博多の街ですれ違った回数を数えていたことを知る。それから、懇意
にしていた果物屋の奥さんが若くして亡くなり、晶が病気になったりしたのを
きっかけに二人の関係が修復するかのように思われた矢先に、以前別れる原因
にもなったヤクザな兄の存在と晶の過去が明らかになる……という物語。
 作品としては、良い作品集だとは思うものの、個人的にはこれまでの著者の
作品と比べると、表題作は良かったですが、他の作品はインパクトが弱いよう
に思いました。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 図書館危機
【著者名】 有川 浩
【出版社】 メディアワークス
【初 刊】 2007年3月5日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】王子様、ついに発覚! 山猿ヒロイン大混乱! 玄田のもとには
      揉め事相談、出るか伝家の宝刀・反則殺法! そして、山猿ヒロ
      イン故郷へ帰る!? 終始喧嘩腰で「図書館戦争」シリーズ第3
      弾、またまた推参!
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 「図書館戦争」シリーズ第3弾となる本書は、規制される本を守るための戦
う図書館員たちを描いた「王子様卒業」「昇任試験、来る」「ねじれたコトバ」
「里帰り、勃発」「図書館は誰がために」の5編からなる物語。今回も一気に
読んでしまいましたが、昇任試験に痴漢退治、そして鬼門の故郷へ図書特殊部
隊出動と、事態はドンドン進んでいきます。笑いあり、恋愛ありとシリーズの
良さが活きていますが、今回は差別語を取り上げ、重いテーマであるものの、
面白く描かれているところは流石です。このシリーズが次作が最終巻になると
のことですが、今から次巻が楽しみです。

【な行】

 

【は行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 100万分の1の恋人
【著者名】 榊 邦彦
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2007年1月20日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】ある日、彼女は秘密を打ちあけた。「私は、0.0001%の運
      命を背負って生きているの」 それでも、僕の心はこう叫ぶ。絶
      対に、彼女じゃなければ、ダメなんだ−。恋に落ちることの奇跡
      を描いた、号泣のラブストーリー。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 大学院で国文学を専攻する主人公「僕」は、高校教諭の採用試験に受かり、
恋人のミサキにプロポーズをしようとするが、人生最良となるはずだったその
日、ミサキから衝撃の告白を受ける。ミサキの父親は不治の遺伝病、ハンチン
トン病の患者だという。そして子供が遺伝している可能性は50%。サヨナラ
を言えば、2人は幸せになれるかもしれない……それでも僕の心はこう叫ぶ。
絶対に、彼女じゃなければ、ダメなんだ!
 物語は単なる難病モノの作品でもなく、主人公の僕の苦悩と、恋人のミサキ
が自らの意志で遺伝子検査を拒む姿勢、そして難病がリスクとなるのか絆とな
るのかを描いた作品。恋愛というよりも、登場人物の生きる姿勢が中心に描か
れており、じっくりと心に染みる作品です。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説集
【著書名】 ぼくの手はきみのために
【著者名】 市川拓司
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2007年2月28日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】たたかい続けるよ、きみの瞳から哀しみの色が消えるまで−。
      「いま、会いにゆきます」の著者による、優しさと強さに心が満
      たされていく「深愛」の物語。表題作のほか「透明な軌道」「黄
      昏の谷」の全3編を収録。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は3つの作品が収録された作品集。作品集。発作を持つ11歳の聡美と
幼馴染との優しさの関係を描いた表題作の他、心の不自由さを持つ男性との運
命的な恋を描いた「透明な軌道」、男性と子供2人の血のつながりのない3人
の暮らしをつづった「黄昏の谷」が収録されていますが、それぞれに心の共生
が描かれます。著者らしい作品集でもあり、優しさと温かさが作品で表現され
ています。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】連作ミステリ
【著書名】 ハルさん
【著者名】 藤野恵美
【出版社】 東京創元社
【初 刊】 2007年2月28日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】「天国の瑠璃子さん。僕たちの娘は今日、お嫁に行ってしまいま
      す」 娘の結婚式の日、お父さんのハルさんが思い出す5つの謎。
      頼りない人形作家の父と、日々成長する娘の姿をやさしく綴った、
      ほのぼのミステリ。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 物語は、若くして妻を亡くした人形作家のハルさんが、一人娘のふうちゃん
を男手一つで育て上げ、結婚式当日を迎えるまでの姿を、ミステリーの要素を
織り交ぜながらほのぼのと描いたミステリ。母を含めた「家族」の物語になっ
ていますが、ふうちゃんの成長を柔らかく彩った5つの謎が、幼稚園、小学生、
中学生、高校生、大学生のが各話で描かれ、結婚式の光景で締めくくられます。
ちょっと頼りないお父さん、探偵役のお母さんと嫁いでゆく娘の年代記がうま
くミステリとして活かされています。

【ま行】

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 冥王星パーティ
【著者名】 平山瑞穂
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2007年3月20日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】そこそこ美人。要領もいいし、頭だって悪くない。なのに、なん
      で私はいつも男の選択を間違っちゃうんだろう−。迷走する恋愛
      の果てに射しこむひとすじの光。透明に深く輝く青春小説。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 物語は、昔付き合ったことのある男女が再会し、11年を経て互いがいかに
変わったかを知り、これからどう生きるかを確認しあうストーリー。個人的に
は男性に恵まれない主人公である祥子は応援したくなりましたが、すれ違いの
物語は何かチグハグな展開に感じました。

<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 モノレールねこ
【著者名】 加納朋子
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2006年11月30日
【金 額】 1524円+税
【カバー文】小学生の僕は、ねこの首輪に挟んだ手紙で「タカキ」と文通をす
      る。ある日ねこが車に轢かれて死に、タカキとの交流は途絶えた
      が…。表題作ほか、「パズルの中の犬」「シンデレラのお城」な
      ど全8編を収録。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、友達、夫婦、親子…など、人と人との不思議な絆を温かく見つめた
8つの作品が収録された短編集。それぞれに温かさと切なさが描かれていまし
たが、個人的にはザリガニの目から見た家族を描いた「バルタン最後の日」が
良かったです。

【や行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】コラム
【著書名】 よろしく青空
【著者名】 中野 翠
【出版社】 毎日新聞社
【初 刊】 2006年12月25日
【金 額】 1238円+税
【カバー文】格差社会もなんのその、さまざまなジャンルを横断し、この世の
      「ヘン」に渇を入れる。2005年11月から2006年11月
      までの話題を満載した痛快コラム集。『サンデー毎日』掲載を中
      心にまとめる。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は「サンデー毎日」で20年以上も続いている連載コラムの昨年分が収
録された一冊。毎年中野翠のコラム集は読んでいますが、時事コラムとして昨
年の時事ネタが書かれていますが、耐震強度偽装事件、ライブドア事件では巨
悪を徹底的に追求。自殺予告手紙での文科省の無責任な対応への批判など、共
感できるところも多かったです。

【ら行】

 

【わ行】

 

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