書評データベース(2007年度6月分)
■2007年6月に掲示板にて紹介された本■
放課後ローズ 船越百恵 光文社
ぼくだけの☆アイドル 新堂冬樹 光文社
晩餐は「檻」のなかで 関田 涙 原書房
恋愛不全時代の処方箋 藤田宜永 阪急コミュニケーションズ
虚構 堀江と私とライブドア 宮内亮治 講談社
公立炎上 上田小次郎 光文社
経営の大局をつかむ会計 山根 節 光文社
懸賞奥さん 大塚雅子 文芸社
キャディーさんのナイショ話 桝潟良子 北海道新聞社
屈辱と歓喜と真実と 石田雄太 ぴあ
巨船ベラス・レトラス 筒井康隆 文藝春秋
介護びっくり日記 高口光子 講談社
ガリレオの小部屋 香納諒一 実業之日本社
学食の黒澤さん 黒澤健治 泰文堂
コピー用紙の裏は使うな! 村井哲之 朝日新聞社
危ないミクシィ 洋泉社
ある日突然、警察に呼び出されたら、どうする・どうなる
石原豊昭/國部徹 明日香出版社
家日和 奥田英朗 集英社
変身 嶽本野ばら 小学館
犯人(ホシ)に願いを 森巣 博 徳間書店
二度と戻らぬ 森巣 博 幻冬舎
年に一度、の二人 永井するみ 講談社
発明マニア 米原万理 毎日新聞社
生損保「踏み倒し被害回避」マニュアル 佐藤立志 講談社
NHK家計診断 おすすめ悠々ライフ
NHK経済・社会情報番組編 講談社
大阪人はなぜ振り込め詐欺に引っかからないのか 竹山隆範 扶桑社
【あ行】
<本紹介>
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【ジャンル】インターネット
【著書名】 危ないミクシィ
【出版社】 洋泉社
【初 刊】 2007年1月25日
【金 額】 952円+税
【カバー文】Web2.0時代の旗手として何かと話題のミクシィ。だがそん
な噂のSNSを覗いてみると、「会員制だから安心」といった謳
い文句とはおよそかけ離れた内実が見えてくる。大人気コミュニ
ティ・サービスの驚くべき実態に迫る。
【満足度】 ★★★
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本書は、ミクシィをめぐる数々の具体的トラブルを当事者への直接取材を通
して紹介し、ミクシィに潜む危険性をアピールしているもの。SNSの利点と
欠点も書かれ、ミクシィの問題点と危険性が書かれています。トラブル事例も
載っていますが、どちらかというと週刊誌ネタ的な部分もあり、もう少し違っ
たまとめ方をしても良かったようには思います。
<本紹介>
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【ジャンル】法律
【著書名】 ある日突然、警察に呼び出されたら、どうする・どうなる
【著者名】 石原豊昭/國部徹
【出版社】 明日香出版社
【初 刊】 2007年3月31日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】痴漢容疑、酒気帯び運転、名誉毀損、公職選挙法違反など、警察
の捜査・尋問・逮捕から自分や家族を守れますか? 逮捕から裁
判まで法律の基礎知識がわかる、弁護士による刑事事件対応マニ
ュアル。何でも相談コーナーも収録。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、万が一痴漢容疑、名誉毀損などで、捜査・尋問・逮捕が自分の身に
起きても、法律の基礎知識を身に付け、不法な取調べ捜査から身を守るという
刑事事件対応マニュアル本。いざ事件に関わり、刑事手続きをとることになっ
たとしても何が何だか分からないうちに警察に連れて行かれ、訳の分からない
うちに手続きが進むのだとも思いますが、実例も交えて弁護士制度や取調べの
後はどうなるかということや、刑事裁判についてなど参考となる点も多かった
です。
<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 家日和
【著者名】 奥田英朗
【出版社】 集英社
【初 刊】 2007年4月10日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】ネットオークションにはまる専業主婦。会社が倒産し、主夫とな
る営業マン。夫と妻。ちょっとずれていて、でも愛情がないわけ
でなく…。ずっと外にいた夫の王国か。ずっと家にいた妻の城か。
ビター&スウィートな「在宅」小説。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
本書は6つの物語が収録される短編集。「サニーデイ」は、ネットオークシ
ョンでピクニックテーブルを出品してからオークションにハマり、夫の大事な
モノにまで手を出すという物語。オークションでの喜びの評価から、次第にド
ンドンハマっていく主婦の姿には非常にリアルさを感じます。「ここが青山」
は、14年間勤めてきた会社が倒産し、36歳で無職となった主人公の妻が働
きに出ることになり、主婦業を覚えていく主人公の姿が描かれ、「家においで
よ」は、妻が家を出ていき、自分好みの家具やオーディオ製品を買い揃えてい
き、男の隠れ家を作る様子が面白く描かれます。「グレープフルーツ・モンス
ター」は、DM用の宛名入力の内職をする専業主婦が物語となり、「夫とカー
テン」は、近所にマンションが次々と建ち始めたことから会社員の仕事を辞め
てカーテン屋を始める夫とイラストレーターの妻との物語。「妻と玄米御飯」
は、小説家の主人公がある時文学賞を受賞し、大金が入ったことから、妻が仕
事を辞めてロハスにハマる様子が描かれる物語。
いずれの作品も、夫と妻の心の機微を描いた「在宅」をテーマとした物語で
すが、奥田英朗らしく、殆ど家にしかいない家庭を面白おかしく表現していま
す。特に「サニーデイ」はネットオークション出品者であれば「そんなことあ
るある!」と妙に共感を覚えてしまうでしょう。でも短編ながら、どの作品も
実に面白くまた目が離せない物語ばかりでした。これはお勧めです。
<本紹介>
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【ジャンル】生活
【著書名】 NHK家計診断 おすすめ悠々ライフ
【著者名】 NHK経済・社会情報番組編
【出版社】 講談社
【初 刊】 2007年4月18日
【金 額】 952円+税
【カバー文】家計の悩みごとの解決策をズバッと提案するNHKの人気番組を
完全書籍化。働き方、住み方、将来設計から節約術、悪徳商法へ
の有効対策まで、役立つ情報を満載。家計を守る方法を楽しく学
べる一冊。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、NHK全国放送『家計診断・おすすめ悠々ライフ』を単行本化した
もので、家計を守る方法が楽しく紹介されています。節約術としてはネットオ
ークションやリサイクルショップについても書かれており、年金や税金、住宅
ローンなど、暮らしに関わる経済の話も分かりやすく紹介されています。多少
物足りなさを感じる部分もありましたが、暮らしに役立つ一冊だとは思います。
<本紹介>
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【ジャンル】社会問題
【著書名】 大阪人はなぜ振り込め詐欺に引っかからないのか
【著者名】 竹山隆範
【出版社】 扶桑社
【初 刊】 2007年3月1日
【金 額】 680円+税
【カバー文】大阪の被害額は東京の1/10以下。防衛のヒントは大阪にある!
かつて多重債務による債務整理を経験している著者が、老人や多
重債務者など“弱者”を食い物にする犯罪に憤り、自己防衛の術
を探った渾身の一冊。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、「週刊SPA!」の連載を加筆・修正を加えまとめたもので、大阪
における振り込め詐欺被害の少なさを、大阪にゆかりのある人々を訪ね歩き、
その理由を解き明かしています。大阪人の合理的思考法を解明し、加害者少年
と直接対話をし、個人情報の流出元を追跡。そして弁護士から秘策を伝授……
と、かつて多重債務による債務整理を経験している著者が、老人や多重債務者
など弱者を食い物にする犯罪に憤り、自己防衛の術を探っています。
【か行】
<本紹介>
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【ジャンル】ビジネス
【著書名】 虚構 堀江と私とライブドア
【著者名】 宮内亮治
【出版社】 講談社
【初 刊】 2007年3月23日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】プロ野球進出騒動、総選挙、村上ファンドとの関係…。ITの寵
児が疾走した「既存勢力への挑戦と限界」。「堀江の側近」とし
て知られる宮内亮治が、内から見たライブドアの実像を語る。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
ライブドアの元ナンバー2だった著者がライブドウの実像を書いた本書です
が、実に読みごたえのある内容でした。堀江社長との出会い、株式上場、プロ
野球買収騒動の裏側、ニッポン放送の買収騒動、堀江社長の衆院選出馬、そし
て逮捕、決別までが描かれていますが、単にライブドア時代の流れだけを書い
たものではなく、著者が直接が担当していたファイナンス部門が中心になって
行なった決算のカラクリが数字として明かされています。また、どのようにし
て急成長をし、そして転落していく過程なども、実際の会話を生々しく書かれ
ます。一部自己弁護かな?と思える部分こそありましたが、経営に携わってい
た立場としての考えがよく分かりましたし、堀江氏の実像もよく分かりました。
<本紹介>
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【ジャンル】教育
【著書名】 公立炎上
【著者名】 上田小次郎
【出版社】 光文社
【初 刊】 2007年3月31日
【金 額】 952円+税
【カバー文】生活費をもらえずキャバクラで働く生徒、理解不能のクレームを
つけてくる親、生徒を殺したいと言う教師…。学校・教師がなぜ
こんなことになってしまったのか? 著者自身の経験や取材を通
じて、今の学校現場の実状を訴える。
【満足度】 ★★★☆
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本書は、現役の高校教師が、自らの教員生活を振り返り、現在の公立校の悲
惨な状況を書き綴ったもの。生活費をもらえずキャバクラで働く生徒、理解不
能のクレームをつけてくる親、生徒を殺したいと言う教師達……など、学校や
教師がなぜ、こんなことになってしまったのかを100人を超える教育関係者
に取材し、まとめています。単なる教育論を語るという内容でもなく、現在の
日本の教育がいかに危険な域に達しているかが現場の声として、その実情を訴
えています。
<本紹介>
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【ジャンル】経済
【著書名】 経営の大局をつかむ会計
【著者名】 山根 節
【出版社】 光文社
【初 刊】 2005年3月20日
【金 額】 700円+税
【カバー文】財務諸表をアバウトに見るだけで、次の戦略が見えてくる楽天、
ソフトバンクはなぜ何期も赤字を続けても成長するのか? ソニ
ーはなぜ行き詰まったのか? トヨタ、セブン‐イレブン…、大
企業はすでに金融業になっている。経理マン、会計士が絶対に教
えてくれない経営戦略のための会計学。
【満足度】 ★★★★
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本書は、企業のPL(損益計算書)とBS(貸借対照表)を題材にして説明
している分かりやすい会計学。キャッシュフロー計算書の読み方も分かりやす
く説明されており、企業が資金調達を行うことへの説明や、事業計画の立案に
ついてなどの記述もあり、全体的に企業を実例として挙げているので、会計に
ついては優しく書かれた一冊といえます。詳しい会計知識までは得られないも
のの、これから会計学を学びたいという初めの一歩にはなる新書です。
<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 懸賞奥さん
【著者名】 大塚雅子
【出版社】 文芸社
【初 刊】 2006年11月15日
【金 額】 1100円+税
【カバー文】50円プラスαで、海外旅行、車、指輪が手に入る…。たった1
枚のはがきが、豪華景品に化けるのかと思うと、応募はやめられ
ません! 懸賞で1000万円稼いだ主婦が、その日常と素顔を
つづる。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は、懸賞で1千万円稼いだ著者が、自身の懸賞を綴ったエッセイ集で、
26年間懸賞に応募し続けている著者の実体験が書かれています。懸賞に当た
るというのはコツや極意とかではなく、心構えと根気なのだとつくづく感じた
エッセイでもありました。
<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 キャディーさんのナイショ話
【著者名】 桝潟良子
【出版社】 北海道新聞社
【初 刊】 2006年11月1日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】毒がこもる褒め言葉、ここまでやるか接待ゴルフ…。キャディー
が見たゴルファーの思わず噴き出してしまう爆笑エピソ−ドから、
恥ずかしい失敗談まで、ゴルフが100倍楽しくなる、とってお
きのナイショ話。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、キャディーとして13年コースを回る著者が、コースでの珍事や経
験談をユーモラスに、時にはちらりと皮肉を込めて紹介するエッセイ集。一打
を打つまでに何回も無駄な動作を重ねる人、何でもキャディーさんにすがる情
けないゴルファー、自分の不甲斐なさにクラブをぶんなげる上司……など約1
30話のゴルフ話で構成。抱腹絶倒のエピソードが満載で、ゴルフ好きにはお
勧めの一冊です。
<本紹介>
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【ジャンル】スポーツ
【著書名】 屈辱と歓喜と真実と
【著者名】 石田雄太
【出版社】 ぴあ
【初 刊】 2007年3月12日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】数え切れない多くの「溝」を、チームはいかにして埋め、あの栄
光へとたどり着いたのか? 王監督は、イチローは、宮本はいか
なるアクションを起こしたのか? リアルタイムで進んでいくW
BC日本代表の物語。
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
サブタイトルに「“報道されなかった”王ジャパン121日間の舞台裏」と
ありますが、スポーツライターでもある著者が、決して報道されることのなか
ったWBC日本代表の舞台裏が書かれたスポーツノンフィクション。王監督が
ジャパンの監督として引き受けることになった経緯、そしてレギュラー組と控
え組、ベテラン組と若手組、五輪経験者とそれ以外、選手とコーチ、そして日
の丸の重みを知る者と知らない者。松井がチーム入りを拒んだ本当の理由など、
数え切れない多くの「溝」を、チームはいかにして埋め、あの栄光へとたどり
着いたのか。王監督、イチロー、宮本はいかにして、チームを盛り立て、輪を
まとめていったのかなど、知られざる舞台裏を克明に綴った傑作ノンフィクシ
ョンです。WBCについて書かれた書籍は他にもありますが、非常に詳しく各
個々の選手達についても取り上げ、予選から本選決勝に至るまでの、細かなエ
ピソードや選手の状態なども、丹念な取材をしたことがにじみ出ている文章で
もあり、影で支えた選手達の奮闘ぶりや、野球界の問題点にも詳しくまとめて
おり、読む価値のあるスポーツノンフィクションです。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 巨船ベラス・レトラス
【著者名】 筒井康隆
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2007年3月15日
【金 額】 1143円+税
【カバー文】出版不況、文学の衰退…。この船のさだめは、海の底へ導かれて
いるのか。おお、われわれはどこへ向かっているのか…。「大い
なる助走」から30年。鬼才が現代日本文学の状況を鋭く衝く、
戦慄の問題作。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
「大いなる助走」は、同人誌に作品を発表した主人公が文学賞の候補となっ
たことから繰り広げられる狂乱と陰謀を描いた大傑作でしたが、本作では職業
作家の側から現在の出版界を赤裸々に描いたもので、著者自身が被害にあった
「短編集無断出版事件」も克明に描かれ、小説形式で展開した文学論ともいう
べき問題作。様々な企みに充ちた作品でもあり、昔から筒井康隆を読んでいる
人にとっては馴染み深い手法といえる作品です。
<本紹介>
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【ジャンル】福祉
【著書名】 介護びっくり日記
【著者名】 高口光子
【出版社】 講談社
【初 刊】 2007年2月26日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】老人を「弱者」だと思っている倫理主義では介護は続かない。個
性が煮詰まった老人を面白がって、こちらも個性でぶつかるしか
ないのだ。介護界の“しゃべるカリスマ”によって明かされる、
介護現場の本音。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は介護アドバイザーの著者が、介護現場でのエピソードや介護施設での
本音が書かれているもの。決して重い介護日記というものではなく、老人との
コミュニケーションや、つい笑ってしまう話や、介護での対応の仕方など、介
護の本音が書かれています。
<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 ガリレオの小部屋
【著者名】 香納諒一
【出版社】 実業之日本社
【初 刊】 2007年1月15日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】男女合作の作家、挫折したプロ野球選手、米大陸を2周半する青
年…。出口のない部屋の住人たち。人生の希望と虚無が交錯する
物語集。表題作ほか、「無人の市」「流星」など全7編を収録。
【満足度】 ★★★☆
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中堅の文芸編集者が、新人賞応募原稿の中から才能ある男女合作の作品を見
い出した。その作家はなぜか、男の側しか姿を現わさずに…(「無人の市」)。
かつて巨額詐欺事件を起こした会社に勤めていた女性が自殺した。素直な性格
だった彼女の遺品を、同級生が整理していたところ…(「流星」)。アメリカ
を二周半する旅の途上、ミネソタ州の街に二度立ち寄った私。そこで出会った
大らかな性格の日本人たちと過ごすうちに…(「ガリレオの小部屋」)。他、
全7作品収録。
本書は、著者6年振りの短編集。それぞれの物語で、様々な人間模様が描か
れますが、日常のちょっとした感情表現は巧い表現だと感心します。作品によ
って印象に残るものと残らないものとがありましたが、独特の雰囲気のある短
編集でした。
<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 学食の黒澤さん
【著者名】 黒澤健治
【出版社】 泰文堂
【初 刊】 2007年3月25日
【金 額】 952円+税
【カバー文】「サラダが高い」「うどん汁が濃い」「僕のチャリ知りませんか
?」 まったく学食に関係ない質問にも、誠意をもって回答して
いる黒沢さんのひとことカードを厳選のうえ収録。読み出したら
もう目が離せません!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
「生協の白石さん」の二番煎じともいえる本書は、高崎経済大学の学食のひ
とことカードを編集したもので、店長黒澤健治さんと学生のやり取りが収録さ
れたもの。暇潰し程度にと読むつもりでしたが、「生協の白石さん」は比較的
穏やかかつ真面目に回答しているのに対して、こちらの黒澤さんは時には毒舌
でバッタバッタと生徒をメッタ切りにしており、こちらの黒澤さんの方が個性
を感じました。題材はパクりでも、中身に一味違う個性を感じることができま
したし、結構痛快な内容です。
<本紹介>
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【ジャンル】ビジネス
【著書名】 コピー用紙の裏は使うな!
【著者名】 村井哲之
【出版社】 朝日新聞社
【初 刊】 2007年3月30日
【金 額】 720円+税
【カバー文】巷に渦巻くのは、間違いだらけの「常識」。コスト削減には、知
られていない“セオリー”があった。現場は明るくスッキリ、利
益も倍々アップ、社員の意欲もグーンと高まるコスト削減術を紹
介。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、人件費節約が最も効果的なコスト削減策、コピーの裏紙の再利用、
事務用品のカタログ一括注文などは、実質的なコスト削減にはつながらないと
指摘しているもので、効果測定の甘さから逆に経費増を招いていたケースなど
を示しています。さらに、経費項目のを洗い出し、削減可能マップを作成する
ことなど、コスト削減の正しいステップを指南しています。
【さ行】
<本紹介>
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【ジャンル】保険
【著書名】 生損保「踏み倒し被害回避」マニュアル
【著者名】 佐藤立志
【出版社】 講談社
【初 刊】 2007年1月29日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】「保険料の支払い損」を許すな! 東京海上日動をはじめとする
損保会社の不払い、明治安田生命の内部資料マニュアルでわかる
保険金がもらえない実態と、素人には絶対わからない特約保険、
地震保険、火災保険のカラクリを暴く。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、保険金不払い問題についてを取り上げたもの。生損保の対応へのア
ドバイスが提示されているだけに、参考にはなりましたし、特に明治安田生命
が作成していた「踏み倒しQ&Aマニュアル」や日本生命の「改ざん」「保険
設計書の転換」は読みごたえがありました。ただ自動車保険については不明確
な部分がありましたから、引き続き改正版や続編などで詳しく書いてほしいと
は思います。
【た行】
【な行】
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 二度と戻らぬ
【著者名】 森巣 博
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2007年3月25日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】伝説のプロギャンブラーを追うことになった雑誌編集者。その過
程で出会った博奕打ち。2人の邂逅が、地獄への道を切り開いた。
札束が飛び交う。愉悦にもだえる。博奕打ちは、過去の清算を祈
りつつ、最後の勝負に出向いた。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
連載企画「奇人・変人・異人列伝」の取材で、幻の車券師「森・小泉」の取
材を始めた雑誌編集者・加納涼子。ドヤ街や非合法のノミ屋の取材を進める内
に、涼子は影を背負った博打打ちの森山道と出会う。道の手ほどきをうけた涼
子は博打に快楽を見出し、道と暮らしを共にするようになる。しかし、涼子が
取材を進めるうちに、道の封印したはずの忌まわしい過去が、現代に蘇ってし
まう……。
物語は、プロの博打打ち森山道の凄絶な過去と、情け無用の略奪闘争を描い
た作品。森巣博らしい作品でもあり、迫力とスピード感溢れる展開は読みごた
えがありました。博打小説としても面白かったです。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説集
【著書名】 年に一度、の二人
【著者名】 永井するみ
【出版社】 講談社
【初 刊】 2007年3月6日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】来年の同じ日に、同じ場所で。男と女は再会の約束をした−。7
年間、秘密の逢瀬を重ねる主婦の物語「シャドウ」、1年後の約
束に思いを募らせるOLの姿を描く「コンスタレーション」など、
全3編を収録。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
物語は、年に一度しか逢えない男女を描いた3つの作品集。競馬場が舞台と
なっているのは、個人的には競馬場の雰囲気も良く描けていましたし、良かっ
たとは思いますが、男女の秘密の逢瀬を描いているにしては、恋愛描写が淡白
すぎて、盛り上がりに欠けていたのは残念です。もう少し表現の工夫があれば
……と思った作品集でした。
【は行】
<本紹介>
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【ジャンル】警察小説
【著書名】 放課後ローズ
【著者名】 船越百恵
【出版社】 光文社(KAPPA NOVELS)
【初 刊】 2007年1月25日
【金 額】 914円+税
【カバー文】警視庁第7捜査資料課の丸井太は、同僚の鷺ノ宮瑠璃、鬼頭英吉
と新宿歌舞伎町を探検していた。ところが休憩中、路上駐車中の
瑠璃の愛車・ミニパトの上に中年男性が降ってきた! 独自に事
件の捜査を始めた3人組だが…。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
警視庁第7捜査資料課に勤務する丸井太は、同僚の鷺ノ宮瑠璃、鬼頭英吉と
新宿・歌舞伎町を探索中、事件に遭遇。路上駐車していた瑠璃のミニパトの上
で、中年男が墜落死していたのだ。個人所有のミニパトがひとがたに窪み、修
理もままならないのに、ろくな捜査もされないことに腹を立てた瑠璃にのせら
れ、太、英吉の3人は業務外の調査を行う……。
物語は、太めの常識人、警視総監の孫娘お嬢、元ヤンキーが活躍するコミカ
ルな新感覚の警察小説。個性的なキャラクターではあるものの、やや個性が活
かされていない感じも受けましたし、ミステリ部分が少々弱かったのも欠点の
ように思いますが、テンポはノベルズらしく良かったです。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 ぼくだけの☆アイドル
【著者名】 新堂冬樹
【出版社】 光文社
【初 刊】 2006年8月25日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】かなり夢見がちな27歳・あきおくんに訪れる、絶好のチャンス
と最悪のピンチ。みーちゅんは、ぼくのもの。アイドルに真剣に
想いをよせたって、いいじゃない! ファンタジック・ニート青
春小説。『小説宝石』連載を単行本化。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
本書は、妄想狂で売れっ子アイドルのみーちゅんに想いを寄せている、昆虫
ショップで働く27歳の真面目で一生懸命なあきおの物語。妄想がちな主人公
が繰り広げるラブコメディーで、「電車男」の新堂冬樹版といった感じですが、
アニメ、フィギュア、ゲーム、昆虫……とオタクの主人公を題材に面白い展開
では描かれています。今年の正月にドラマ化もされたようで、そのドラマは見
ていないですが、原作よりもドラマとしての方が面白かったようには思います。
<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 晩餐は「檻」のなかで
【著者名】 関田 涙
【出版社】 原書房
【初 刊】 2007年2月28日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】期限は72時間、7人の男女が衆人環視の「檻」のなかで挑む
「仇討ちゲーム」。彼らにはそれぞれ、殺人者・被害者・共謀者・
傍観者・邪魔者・監視者・探偵という役割が与えられている。や
がて、ひとりが死体で見つかり…。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
仇討ちのために用意された建物「檻」。いまここに七人の男女がいる。彼ら
にはそれぞれ「殺人者」「被害者」「共謀者」「傍観者」「邪魔者」「監視者」
それに「探偵」という役割が与えられている。たがいに自分の役割しか知らな
い。だから誰にも気が許せない。やがて、ひとりが死体で見つかる……。
物語は、檻の外と内が交互に展開するミステリとなっており、非常にテンポ
の良い展開でもありました。ただ、檻の外と内の関係や、檻の内の事件でのル
ールの設定などで欠点も目に付き、評価としても読み手によって分かれる作品
ではないかとも思います。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 変身
【著者名】 嶽本野ばら
【出版社】 小学館
【初 刊】 2007年4月3日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】ある朝、星沢皇児が妙に気掛かりな夢から眼を醒ますと、自分が
寝床の中で見知らぬハンサムな男に変わっているのを発見した…。
売れない漫画家や人気アイドルたちが織り成す、笑いと涙のスー
パーエンターテインメント。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
星沢皇児は、としまえんにある寂びれたメリーゴーランド「カルーセル・エ
ルドラド」をこよなく愛する売れない漫画家。見た目も不細工だったはずのそ
の彼がハンサムになったとたん、
人生が大きく動きはじめる……。
物語は、カフカの『変身』の冒頭のパロディで始まる、勘違い男子の勘違い
ラブ・ロマンス。起きたら虫になっていたではなく、イケメンになっていたと
いう出だしで始まりますが、パロディとしてはそれなりに面白いものの、正直
インパクトには欠けましたし、可もなく不可もなくというところでしょうか。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】警察小説
【著書名】 犯人(ホシ)に願いを
【著者名】 森巣 博
【出版社】 徳間書店
【初 刊】 2006年12月31日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】稀代の「悪刑事コンビ」が、またしてもオイシイ事件に遭遇。押
収したシャブで捜査資金は潤沢。非合法カジノで大儲け…。とも
あれ、警察上層部の弱みを握って、出世街道驀進じゃぁ! 疾風
怒涛の仰天ケーサツ小説!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
名和平太警部補(警視庁赤坂署強行犯係主任)は、政府高官らが関与していた
破廉恥きわまりない「女子高生殺人事件」を見事に解決。事件を表沙汰にしな
いための裏取引で、めでたく警視正へ三階級特進。速水遊巡査長(赤坂署きっ
てのろくでなし刑事)、名和警部補と共に事件解決に努め、同様の処遇で警部
の地位が約束される。この稀代の“悪刑事コンビ”が、またしてもオイシイ事
件に遭遇。押収したシャブで捜査資金は潤沢。桜の代紋かさにきて、非合法カ
ジノで大儲け……。
物語は、抱腹絶倒のエロさも満開の爆笑小説。これは決して女性には勧めら
れません。でも男性にはお勧めです。笑いの中に、エロさがあり、警察組織の
隠蔽体質をうまく逆手にとってた作品で、最初から最後まで笑えました。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】エッセイ
【著書名】 発明マニア
【著者名】 米原万理
【出版社】 毎日新聞社
【初 刊】 2007年3月25日
【金 額】 2200円+税
【カバー文】米原万里は発明王だった! 究極の温暖化対策から日本人男性の
誇りと自信向上計画、イビキ防止器具まで、大胆かつユーモアた
っぷりのアイデアの数々を一挙公開。絶筆の『サンデー毎日』連
載エッセイを単行本化。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
著者の遺作となってしまった本書ですが、ガンで亡くなる直前まで「サンデ
ー毎日」で連載していた発明エッセイ。時評をうまく織り交ぜて、発想の豊か
さは勿論ですが、鋭い視点、そして思わぬユーモアと、フトした日常の工夫も
含めて、米原万里の才能が詰まったエッセイともいえるでしょう。500ペー
ジ近い分厚い中身ではありますが、その厚さも全く気にならず、政治家の想像
力の欠如を痛切に批判し、政治風刺だけではなく、思わず笑ってしまう奇想発
想まで楽しく読むことができました。自分の苦しみも笑いに変えて前向きに生
きることを示していますが、そのメッセージがギッシリと詰まったエッセイで
もありました。改めて著者のご冥福をお祈りします。
【ま行】
【や行】
【ら行】
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】エッセイ
【著書名】 恋愛不全時代の処方箋
【著者名】 藤田宜永
【出版社】 阪急コミュニケーションズ
【初 刊】 2007年2月22日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】恋という海に船出したいと思っている人は、難しい顔をしないで、
美しい風景を楽しみ、充実した航海を楽しんでください。恋愛が
うまくいかないと悩んでいる女性に向けて、恋愛小説の名手が語
る、素敵な恋のつかみ方!
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、大人の恋愛小説を書く著者が、複数の女性からの恋愛についての質
問を受けて語り下ろしたエッセイ。本書の中では、恋愛が成立しにくくなった
のは、男女の生き方、とくに若い女性の生き方が変わってきたことによるもの
で、女性は男性以上に、社会的地位を持ち、職業を誇りに思い、プライドのあ
る生活を営むようになっていることが書かれていましたが、これは非常に納得
させられる文章でもありました。また、新しい時代には、新しい生き方が求め
られるように、新しい恋愛も求められなければならないとし、引っ込み思案で
いることよりも、それを恐れず、恋をすることだとも書いており、男女の心理
についても独特の表現で男女の心理の違いを説明しています。
【わ行】
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