書評データベース(2007年度7月分)
■2007年7月に掲示板にて紹介された本■
石の肺 アスベスト禍を追う 佐伯一麦 新潮社
お金と仲良く暮らすための50の知恵
AIG kk ウェルスマネジメント編著 日経BP出版センター
下流志向 内田 樹 講談社
食い逃げされてもバイトは雇うな 山田真哉 光文社
近隣トラブル解決の法律 しくみと手続き 高橋裕次郎監修 三修社
首長 知事・市区町長は日本を変えたか 塩田 潮 講談社
世界一受けたい占い師になる授業 ルカ池田博明 三楽舎プロダクション
逃亡日記 吾妻ひでお 日本文芸社
盗聴 二・二六事件 中田整一 文藝春秋
テムズのあぶく 武谷牧子 日本経済新聞出版社
ティッシュペーパー・ボーイ 有吉玉青 新潮社
ドラマデイズ 吉野万理子 角川書店
たぶん最後の御挨拶 東野圭吾 文藝春秋
二重誘拐 井上一馬 マガジンハウス
ジュリエットXプレス 上甲宣之 角川書店
J 五條 瑛 徳間書店
総理を撃て 鳴海 章 光文社
桜川ピクニック 川端裕人 文藝春秋
新聞の時代錯誤 大塚将司 東洋経済新報社
その死に方は、迷惑です 本田桂子 集英社
接待の一流 おもてなしは技術です 田崎真也 光文社新書
消費社会から格差社会へ 三浦展/上野千鶴子 河出書房新社
再婚生活 山本文緒 角川書店
女房を質に入れるといくらになるのか? 永野良佑 扶桑社
ノーフォールト 岡井 崇 早川書房
日本一不運な男 新堂冬樹 中央公論新社
【あ行】
<本紹介>
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【ジャンル】ルポルタージュ
【著書名】 石の肺 アスベスト禍を追う
【著者名】 佐伯一麦
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2007年2月25日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】石綿(アスベスト)による被害は、国家の名のもとに行われた人
体実験の結果ではないのか? みずからも後遺症に苦しむ私小説
作家が被害の最前線を歩き、「静かな時限爆弾」の実態を、怒り
を込めて告発する。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、著者自らのアスベスト被害の体験を元に、アスベスト被害者を救済
する病院の医師、それに従事する労働者への取材などを含めたルポルタージュ
となっています。アスベスト被害についてはニュースで知る程度でしたが、ア
スベスト被害で苦しむ患者、国の隠蔽体質、身近に氾濫しているアスベストの
現実など、知られざるアスベスト被害の実態は衝撃的でもあり、怒りを感じる
ところです。中々現実問題として、広い認知に至っていないこともありますが、
体内に一度入れば、代謝もされず、そして毒性を発揮し続ける不滅の物質が、
日常生活にもありふれている現実も踏まえて、自ら被害に遭わないためにも、
多くの人にその実態を知ってほしいとも思います。
<本紹介>
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【ジャンル】経済
【著書名】 お金と仲良く暮らすための50の知恵
【著者名】 AIG kk ウェルスマネジメント編著
【出版社】 日経BP出版センター
【初 刊】 2007年2月19日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】人生を賢く豊かに生きる「お金」にまつわる50の豆知識を収録。
『日経金融新聞』のシリーズ広告記事「賢く生きるためのAIG
金融豆知識」より、2005年12月から2006年12月まで
に掲載されたものを加筆・修正。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、日経金融新聞の「賢く生きるためのAIG金融豆知識」に掲載され
た50のコラムを加筆・修正して収録したもので、お金に関する国内外の話題・
トリビアをまとめたコラム集。難しい経済の話をQ&A方式で、やさしく、そ
して面白く解説しています。
【か行】
<本紹介>
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【ジャンル】教育問題
【著書名】 下流志向
【著者名】 内田 樹
【出版社】 講談社
【初 刊】 2007年1月30日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】子どもや若者が積極的に「学び」「労働」から逃走し始めた。
「知の格闘家」が、リスク社会に生み出される大量の弱者たちを
鮮やかに斬る。2005年6月の「トップマネジメント・カフェ」
における講演をもとに書籍化。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書はサブタイトルに「学ばない子どもたち 働かない若者たち」ともあり
ますが、単なるニート論ではなく、学校は「店」、教師は「店員」、授業は
「サービス」に見たて、今の子供達の学習姿勢が経済活動と同じ価値観で評価
されることに、教育問題の根本原因があるのではとも指摘しています。つまり、
商品を買うとき、「この商品はどんな効果があるのか?」と思うことが、教育
を商品とする視点から見ると「なぜ勉強するの?」という問いに相当するとい
うこと。この視点は中々面白かったです。ただし一方ではデータ不足の面も否
めませんし、机上の論理的な部分も多く、偏屈さも感じましたが、全体の視点
としては面白かったです。
<本紹介>
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【ジャンル】会計学
【著書名】 食い逃げされてもバイトは雇うな
【著者名】 山田真哉
【出版社】 光文社
【初 刊】 2007年4月20日
【金 額】 700円+税
【カバー文】「正しい訓練」をすれば、数字は誰でも「うまく」なれる。イン
パクトや説得力のある文章が書けるようになるだけではなく、ビ
ジネスにも強くなる数字の見方、使い方から会計の基礎までを紹
介。効果が続く数字&会計の入門書。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」の著者の最新作で、ビジネスに
おける数字のマジックといえる使い方、そして会計・株式投資・決算書の簡単
な解説をしています。タイトルの付け方も非常にうまいですし、最初に書かれ
る「なぜWeb2.0なのか」も思わず納得です。数字がうまくなるための技
法は、ビジネスにも応用できますし、こういう使い方は個人でもネットオーク
ションをする人には参考になるでしょう。難しい会計学を初心者向けに分かり
やすく書かれているだけに、下巻も楽しみです。
<本紹介>
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【ジャンル】法律
【著書名】 近隣トラブル解決の法律 しくみと手続き
【著者名】 高橋裕次郎監修
【出版社】 三修社
【初 刊】 2007年4月10日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】道路・境界・違法建築・住環境・プライバシー侵害・対人トラブ
ルなど、隣近所でおこるトラブル事例をピックアップし、解決方
法をケース別に実践アドバイス。法改正をふまえ、内容を大幅に
見直した改訂新版。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、境界をめぐるトラブル、道路をめぐるトラブル、建築・増改築をめ
ぐるトラブル、アパート・マンションのトラブル、住環境のトラブル、近所付
き合いのトラブルなど、身近な近隣トラブルを解決知識と共に紹介。更に法律
知識として、それぞれのトラブルに対しても適切なアドバイスが書かれています。
<本紹介>
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【ジャンル】社会
【著書名】 首長(くびちょう) 知事・市区町長は日本を変えたか
【著者名】 塩田 潮
【出版社】 講談社
【初 刊】 2007年1月31日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】地方自治を取り巻く状況と環境が大きく変化するなか出現した、
独自の哲学と着想に基づき、新しい自治の姿や自治体経営、行政
システムなどを追求する首長たち。地方から日本を変えようとす
る彼らの挑戦と実験の軌跡を追う。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、全国の「改革派首長」たちと、地方分権の「今」を捉えたルポルタ
ージュ。近年の「改革派」と称される知事達の躍進と改革の内幕、ならびに地
方自治体そのものに潜むさまざまな病巣の存在を明らかにしています。
【さ行】
<本紹介>
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【ジャンル】占い
【著書名】 世界一受けたい占い師になる授業
【著者名】 ルカ池田博明
【出版社】 三楽舎プロダクション
【初 刊】 2007年7月3日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】占い師は、特殊な能力や霊感がなくてもなれます。前半は占い起
業のノウハウ、後半はノウハウをもとにした物語という構成で、
普通の人がプロの占い師になってビジネスをする方法について説
明。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
基本的に占いは殆ど信じることはありませんが、本書は占い師になるための
占い手法についてを学ぶという内容ではなく、占いという独立したビジネスジ
ャンルでの起業についてが書かれたもので、起業してからの仕事内容、集客力
をアップするためのブログやメルマガでの集客方法、相手とのコミュニケーシ
ョンの取り方など、一般ビジネスやインターネット活用法としても役立つ中身
になっています。
これまでの占い本では、主に手法が書かれ、ビジネスという側面から書かれ
たものは少ないだけに、新鮮な内容ではありましたし、特にブログやメルマガ、
そしてホームページの活用について、そして利用者とのコミュニケーションの
諮り方などは、ブログ開設者としても参考になりました。
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 ジュリエットXプレス
【著者名】 上甲宣之
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2006年9月30日
【金 額】 1100円+税
【カバー文】大晦日の深夜23:45。寝台特急での誘拐事件、学生寮で噂の
フィルム、自宅に侵入してきた殺人鬼。接点がない3つの物語は
少しずつ絡み合い、45分後にはあらゆる想像を超えた結末へ!
衝撃のリアルタイムノベル。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
高校の寮で平和に年明けを過ごすはずだった佐倉遥。だが大晦日の深夜、予
期せぬ訪問者は彼女に「これから殺人フィルムの噂を語ろう」と告げる。しか
しそこに血まみれになっている少年が飛び込んできた。一方同じ頃、遥のルー
ムメイトである真夕子はある事情から誘拐された子供を寝台特急で探し、更に
寮から数百メートルを隔てた家では、智美が残忍な強盗に襲われていた。大晦
日の23:45に始まった接点がない3つの物語が少しずつ絡み合いひとつに
なって、45分後に衝撃の結末を迎える……。
物語は、3つの事件の大晦日から新年にかけての45分間の出来事を描いた
サスペンスで、全く接点の無い事件が除々に点と点で結び、驚きの結末へと向
かいます。スピード感も良く、最後まで目が離せない展開も続きました。やや
強引すぎる部分も目に付きましたが、面白かったです。
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 J
【著者名】 五條 瑛
【出版社】 徳間書店
【初 刊】 2007年3月31日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】J。彼女は誘惑者、テロリスト。Jと出会ったとき、少年の野性
は目覚めた。闘え、虚栄の街と。闘え、無為な己の人生と−。サ
スペンスと青春小説が美しく融合した一冊。『問題小説』連載に
加筆訂正して単行本化。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
東京ではテロが続いていた。そんな中、秋生は浪人中の身のはずが、勉強に
は身が入らず、渋谷で同じように目的のない奴らとつるんで、遊び歩く毎日。
しかし、ある日「ジェイ」に出会い、「強くなりたい」と思った秋生。初めて
生きる目的を持った彼は、ジェイがいつもテロの事件現場近くにいることに気
づくが……。
物語では、主人公・秋生の成長が描かれるのですが、テロリストである「ジ
ェイ」の個性が弱く、折角のテーマが活かしきれていない印象を受けました。
また、最終決戦も盛り上がりに欠けていて、物足りなさの残る作品でした。
<本紹介>
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【ジャンル】ハードボイルド
【著書名】 総理を撃て
【著者名】 鳴海 章
【出版社】 光文社(KAPPA NOVELS)
【初 刊】 2007年3月25日
【金 額】 1143円+税
【カバー文】仕事を、愛する者を失ったとき、怒りの銃口の先には何があるの
だろうか。二流の私大を卒業後、飛び込み営業を25年。胃に穴
のあくような毎日を送る47歳のサラリーマン・明智に舞い込ん
だ幸運は「悪夢」の始まりだった…。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
二流の私大を卒業後、就職した会社で、25年間オフィス用機器の飛び込み
セールスで、胃に穴のあくような毎日を送る47歳のサラリーマン・明智。部
下には軽んじられ、上司にはいびられ、もう夢を見ることもない明智の人生に、
思わぬ幸運が舞い込んだ。ほのかな恋の予感。そして、永年の地道な努力が認
められ、経営陣の一角に登用されるというのだ。しかし、それは「悪夢」の始
まりでしかなかった……。
物語では、格差社会に生きる人々の不満や、それに応える事のできない政府
など、社会の不満がハードボイルドとして随所に書かれています。鳴海章らし
い作品でもありますが、会社の計画倒産によって悲劇に巻き込まれる主人公の
苦闘ぶりは読みごたえがありました。
<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 桜川ピクニック
【著者名】 川端裕人
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2007年3月15日
【金 額】 1238円+税
【カバー文】パートナーが多忙の場合、余裕のある方が育児をするのが合理的。
でも世間では男性の育児は少数派で…。悩むパパたちを描く育児
小説。「青のウルトラマン」「前線」「うんてんしんとだっこひ
め」ほか、全6編を収録。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、同じ保育園に子どもを預ける父親たちの、仕事に育児に奮闘する日
々を描いた短編集で、舞台の保育園が同じで登場人物も共通のため、連作小説
のようにもなっています。いずれも父親が主人公として、育児ぶりが描かれて
いるのですが、父親を主役としたせいなのか、理解できない母親が出てくるた
め、やや現実感に乏しい気もしましたが、それでも父親同士の交流や、仕事と
家庭との葛藤など、今時の父親が物語となっています。
<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 新聞の時代錯誤
【著者名】 大塚将司
【出版社】 東洋経済新報社
【初 刊】 2007年3月1日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】「言論の自由」の名の下に、いかに事実が隠蔽され歪められてき
たか。インサイダー取引、捏造記事等不祥事の続く「聖域」はい
かに形成され、そして今、いかに崩れつつあるのか。大新聞の病
巣を抉る。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
著者は日本経済新聞の元記者で、当時の社長の経営責任を追及して解雇され、
裁判闘争を経て復職した方で、本書は「企業としての新聞社」の問題点を浮き
彫りにしたものです。新聞社自身、コーポレート・ガバナンスを説き、ジャー
ナリスト宣言を掲げるも、前近代的な経営の私物化が横行し、普通の会社です
らないと指摘。また、組織としての構造的欠陥が、誤報を生む要因になってい
るとも告発しています。また日経だけの問題ではなく、朝日や他の新聞、更に
はNHKの病巣も指摘しています。再販制度問題や宅配制度の維持についてな
ども、新聞社の嘘の説明が非常に良く分かりますし、新聞の誤報で謝罪しない
現状も分かりました。こうしたメディアの真の姿を書いたものは少ないですが、
これは本当にいい勉強になりました。
<本紹介>
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【ジャンル】新書
【著書名】 その死に方は、迷惑です
【著者名】 本田桂子
【出版社】 集英社
【初 刊】 2007年5月22日
【金 額】 700円+税
【カバー文】読まずに死ねば家族が困る。知らずにボケればあなたが困る。
「遺言書」「財産管理等の委任契約書」「任意後見契約書」「尊
厳死の宣言書」で、死後と老後に備えよう! 「遺言書+生前3
点セット」の書き方を紹介。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、遺言書に対して一般に思われている多くの誤解を解消すべく、相続
手続きの費用、二次相続問題を考慮して専業主婦でも遺言書をつくっていたほ
うが遺産争いを回避できる可能性が高いことなど、死後残された親族間で起こ
りうるトラブルの実例が取り上げ、公証制度をはじめとする相続に関わる実情
も詳細に解説しています。
<本紹介>
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【ジャンル】新書
【著書名】 接待の一流 おもてなしは技術です
【著者名】 田崎真也
【出版社】 光文社新書
【初 刊】 2007年1月20日
【金 額】 700円+税
【カバー文】酔っ払って盛り上げるのが接待だと、勘違いしていませんか?
世界一ソムリエが、もてなし上手になるための心遣いと技の数々
を明かします。「大人の男のたしなみ」が身につけられる一冊。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は食事での設定に限定して、おもてなしを掘り下げた内容となっていま
す。フレンチ・和食・中華・寿司とそれぞれのシチュエーションごとに陥りや
すい親切や、相手に気を遣わしてしまうことになる振る舞いについてを、著者
が培った経験から記しています。主に男性向きの内容となっていますが、サー
ビスとしてのもてなし方など、ビジネス的にも参考となるところは多かったで
す。
<本紹介>
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【ジャンル】社会
【著書名】 消費社会から格差社会へ
【著者名】 三浦展/上野千鶴子
【出版社】 河出書房新社
【初 刊】 2007年4月30日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】トレンド化した「下流社会」から、男が嫌いなスカートの下のパ
ンツ、自己実現のタコツボ化、マイホームからホームレスへ、お
うち系「負け犬女」対「下流男」まで、消費から格差へ移行する
社会の歪みを語り下ろす。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、ベストセラーとなった『下流社会』の著者である三浦展氏と、フェ
ミニスト兼社会学者である上野千鶴子氏との対談本。第一部は消費社会・格差
社会論、第二部は団塊世代・団塊ジュニア・ポスト団塊ジュニア論、第三部は
企業・個人史と、それぞれ章別に分けて対談され、幅広い内容が語られていま
す。サブタイトルには「中流団塊と下流ジュニアの未来」ともありますが、団
塊世代の問題から少子化問題、男女格差など、両者らしい社会学が論じられて
います。
<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 再婚生活
【著者名】 山本文緒
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2007年5月31日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】直木賞受賞、山手線円内にマンションを買い、再婚までした。恵
まれすぎだと人はいう。人にはそう見えるんだろうな−。夫婦と
いう葛藤。涙する心と孤独の病、鬱。病んだ心が静かに恢復して
ゆく。著者3年の沈黙を破る告白日記。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
直木賞受賞作家でもある著者が、2003年春にうつ病で入院し、退院まも
ない同年夏から昨年末まで、断片的な綴られた日記をまとめたのが本書。山本
文緒の作品ファンとして、以前から病気で作品が書かれていないということは
知っていましたが、直木賞受賞後に心身のバランスを失い、その後の様子など
も知ることはなかったのですが、こうして復活の一歩を遂げてくれたことは、
一ファンとしても非常に嬉しく思います。闘病生活エッセイというよりは、日
常の様子、そして再婚相手である王子との葛藤や夫婦の成長が描かれ、一歩ず
つ前進していく著者の姿勢は勇気も与えてくれます。
【た行】
<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 逃亡日記
【著者名】 吾妻ひでお
【出版社】 日本文芸社
【初 刊】 2007年1月30日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】生い立ち・漫画家デビューから、失踪・アル中体験、そして大ブ
レイクと今日までの周囲の変化。誰も知らなかった吾妻ひでおが
ここにいる。口絵・失踪の地を行く&受賞フィーバーの顛末を描
いた書き下ろしマンガも特別収録。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、「失踪日記」「うつうつひでお日記」に続くシリーズ3作目。「失
踪日記」では書かれなかった失踪当時のエピソードや、漫画賞受賞のエピソー
ドなどがインタビューと共にまとめられています。著者自身が便乗本とも書い
ていましたが、マンガの「失踪日記」では書けなかった部分が結構あり、自身
の半生も振り返っているだけに、読みごたえはありました。
<本紹介>
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【ジャンル】歴史
【著書名】 盗聴 二・二六事件
【著者名】 中田整一
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2007年2月10日
【金 額】 1667円+税
【カバー文】青年将校の叫び、名もなき兵士たちの苦悩、うごめく陸軍中枢…。
反乱者たちの肉声を傍受、録音したのは誰だ? 元NHKプロデ
ューサーの30年におよぶ探求を集大成。昭和史最大の謎を載せ
た録音盤が、いま回り始める!
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
2・26事件で、反乱軍が占拠した首相官邸や要人宅の電話が戒厳司令部に
よって傍受・録音された事実は、79年に「NHK特集」で放送され、翌年に
『戒厳指令「交信ヲ傍受セヨ」』も刊行されましたが、本書は元NHKプロデ
ューサーがその後の調査結果を追加し、改めて事件を追ったもの。盗聴は、事
件の1か月以上前に始まり、北一輝を首謀者に仕立て、ニセ電話をかけた事実
も浮かび上がっています。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 テムズのあぶく
【著者名】 武谷牧子
【出版社】 日本経済新聞出版社
【初 刊】 2007年2月20日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】成熟という言葉が似合う街ロンドンで、日本企業の男性駐在員と
女性舞台演出家が恋におちる。お互い離婚歴があり、分別も備え
た者同士、気後れやためらいを感じながら不器用なつきあいが始
まる…。極上のラブストーリー。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
ロンドンで働く舞台演出家で46歳の聡美と、電機会社のイギリス支社駐在
員で50歳の高岡は、ある日、高岡の連れた犬を通じて出会い、その後、大学
の同窓会で再会し、同じ学校の出身であったことに驚く。お互い結婚に失敗し
た過去を持つ者同士、気後れやためらいを感じながらも、不器用な付き合いが
はじまる……。
ともに離婚暦のある日本企業の男性駐在員と女性舞台演出家が偶然に出会い、
互いに慈しみ育んでいける1年間の恋愛が描かれる作品でしたが、節度のある
大人の恋愛として描かれ、それぞれの異国の地での思いや過去の感情など、も
どかしさも重ねて、非常に上手くそれぞれの心境も表現されています。あまり
にも出来すぎているという印象も受けますが、ラストが表題を非常によく表し
ています。
<本紹介>
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【ジャンル】連作小説
【著書名】 ティッシュペーパー・ボーイ
【著者名】 有吉玉青
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2007年2月20日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】赤い帽子に白いつなぎの彼が、手渡してくれたのは−。誰にも百
発百中でティッシュを受けとらせてしまう、敏腕ティッシュペー
パー・ボーイ。きまじめな人々と彼の不思議な行きずりを描いた、
5つの偶然の物語。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は5つの連作小説集で、いずれの作品にも「赤いキャップに白いつなぎ
のティッシュペーパー・ボーイ」が登場。渋谷を舞台に、日常なにげなく配ら
れているティッシュペーパーを配る少年と、腐れ縁の恋人と別れたいOL、出
会い系サイトで知り合った孤独な女子中学生と窓際中年、年下のイケメンの恋
人に本気になってしまったバツ一女性など、生真面目な受け手とを多面的に描
いています。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 ドラマデイズ
【著者名】 吉野万理子
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2007年3月31日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】退屈なOL生活に耐えかねて、シナリオコンクールに応募し、佳
作を受賞した茉由子。プロデューサーのセクハラや会社の上司の
イヤミにも負けず、脚本家としても成長していく彼女だったが、
情報スパイの濡れ衣を着せられ…。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
シナリオコンクールで佳作を受賞した茉由子。プロデューサーのセクハラや
上司のイヤミにも負けず、脚本家としても成長していく彼女だったが、気がつ
けば社内で情報スパイの濡れ衣を着せられ……。
物語は、シナリオライターを目指しながらOLを続けている20代後半の茉
由子が主人公で、テレビ局が主催するシナリオコンクールに念願かなって入賞
したものの、すぐにプロとして一本立ちできるわけではなく、辞める決意でい
た会社も、経済的な理由から辞められないでいる葛藤の日々を描いたもの。同
世代の女性には共感できるところも多いのではないかとも思いましたが、アッ
サリとしていて、スイスイ読めた作品です。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】エッセイ
【著書名】 たぶん最後の御挨拶
【著者名】 東野圭吾
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2007年1月30日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】打たれ弱かったら作家になんかなってない。文学賞落選記録15
回! 「押し続けていれば壁はいつか動く」と信じ続けた20年。
年譜、自作解説、映画化、思い出、好きなもの、スポーツ、作家
の日々を綴る。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
著者のエッセイ集としては本書が5作目になりますが、あとがきで本書が最
後のエッセイ集になるであろうと書かれていました。自らの作品全てを自らで
解説し、文学賞での連敗、学生時代のこと、老人ホームに入っている父親につ
いて、母の死、離婚……など、他のエッセイでは知ることのなかった著者の素
顔が見られるエッセイにもなっています。また、自らの家族体験が作品を通し
て描かれていた事実なども、改めて気付きましたし、ファンの一人として印象
に残ったエッセイ集でした。でもできることなら再びエッセイ集を書いてほし
くは思います。ファン必見のエッセイ集でもあります。
【な行】
<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 二重誘拐
【著者名】 井上一馬
【出版社】 マガジンハウス
【初 刊】 2006年10月19日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】突然失踪した若い女性たち。しかし、なぜか彼女たちは2、3年
後には戻ってくる。そして、帰還した失踪者たちはみな口を閉ざ
す。謎の誘拐犯はいかにして今なお彼女たちを支配しているのか。
名訳者初の書き下ろし長篇ミステリ。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
各地で若い女性達が相次いで失踪するも、不思議なことに彼女達は2、3年
後には戻ってくる。しかし皆心身共に深く傷つき、事件のことを語ろうとしな
い。なぜ彼女たちは口を閉ざすのか。そしてなぜ帰ってきたのか。そこから思
いもかけない「二重誘拐」の意味が……。
物語での、誘拐犯の手口は独創的で、ドラマとしては読ませる内容ではある
のですが、ミステリ的には謎解きがあまりにもアッサリとすぎていて、登場人
物の心情が読み取れないなど欠点も多かったです。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】会計学
【著書名】 女房を質に入れるといくらになるのか?
【著者名】 永野良佑
【出版社】 扶桑社
【初 刊】 2007年4月1日
【金 額】 700円+税
【カバー文】結婚・家族・子育てを会計学しちゃうと見えてくる衝撃の真実!
あなたの幸せのお値段は? 気鋭の金融アナリストが「家族」を
ネタに最先端の投資理論・会計学・経営学を徹底解説。難しそう
な経済学の理屈がみるみるわかる!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、結婚や家族の概念を投資理論や会計学として取り上げたもので、配
偶者選びは株式投資と同じであるといい、会計学や経済学の見地から女房・亭
主のお値段を算出。結婚という「資産」と引き換えに負っている「負債」や
「純資産=幸福」、子育ては資産運用、それとも債務返済か?……など、決し
てお金で買うことのできない家族の幸せのウラに潜むお金を分析したもの。ま
た、バランスシートの在庫の解説なども分かりやすく、タイトルは結構過激で
はありますが、会計学を家族という表現で分かりやすく書かれています。
<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 ノーフォールト
【著者名】 岡井 崇
【出版社】 早川書房
【初 刊】 2007年4月25日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】深夜の当直で容態の急変した胎児を救うために緊急帝王切開を行
う。だがそこから悪夢が始まった。過酷な勤務の中、次々と女性
医師を襲う事件。そして医療における最大の悲劇…。現役の医師
が圧倒的な迫力で描く医療サスペンス。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
城南大学病院に勤める女性産科医・柊奈智は、深夜の当直で容態の急変した
胎児を救うために緊急帝王切開を行なう。それは、生死を分けるギリギリの判
断だった。だが、それから悪夢が始まった。過酷な勤務の中、次々と奈智を襲
う試練。そして、ついに迎えた医療における最大の悲劇にショックを受けた奈
智は……。
本書は現役医師が医療の危機を描いた医療サスペンス。日本では医療事故の
場合、医師・病院に過失を認めさせない限り補償はなく、そのノーフォールト
(無過失)の補償制度についてを取り上げています。つまり、物語では、医療
ミスは無かったものの、母体死亡に至ったケースが訴訟になった様子と共に、
医師の劣悪な労働環境や訴訟のリスク等がリアルに描かれます。正に現場の医
師が描いただけに臨場感があり、物語で描かれる無過失補償制度が実現される
ことを願わずにはいられない……そんな良質のサスペンスでした。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 日本一不運な男
【著者名】 新堂冬樹
【出版社】 中央公論新社
【初 刊】 2007年5月25日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】平凡な会社員・三沢は突然拉致され、驚愕の「あるミッション」
を命じられる。さらに最愛の恋人・まどかが人質として監禁され、
絶体絶命の境地に。逃げ足の速さだけが取り柄の三沢は、苛酷な
「任務」をクリアできるか−!?
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
初めて迎える婚約者の誕生日。この佳き日に、男は日本中の不運を背負い込
んだ。平凡な会社員・三沢は突然何者かに拉致され、驚愕の“あるミッション”
を命じられる。さらに最愛の恋人・まどかが人質として監禁され、絶体絶命の
境地に!逃げ足の速さだけが取り柄の三沢は、苛酷な“任務”をクリアできる
か……。
コミカルな新堂冬樹の作品で、代表的な闇社会を描いた作品ではなく、事件
に巻き込まれた主人公の悲劇が描かれる作品です。アッサリしていてサクサク
と読めるものの、やはり新堂作品にもズシンとした重さを期待しているだけに、
正直物足りなさは感じました。
【は行】
【ま行】
【や行】
【ら行】
【わ行】
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