書評データベース(2007年度9月分)

 

■2007年9月に掲示板にて紹介された本■

 裁判長!これで執行猶予は甘くないすか 北尾トロ     文藝春秋
 きみが最後に出会ったひとは なぎさの媚薬4 重松 清  小学館
 鴨川ホルモー             万城目学   産業編集センター
 午前零時               鈴木光司ほか   新潮社
 クロスカウンター           井上尚登     光文社
 環境問題はなぜウソがまかり通るのか  武田邦彦     洋泉社
 ガンちゃんの人に話したくなるプロ野球の面白ネタ本
                    岩本 勉     青春出版社
 これでもかーちゃんやってます     上大岡トメ    筑摩書房
 ワーキング・ホリデー         坂木 司     文藝春秋
 若者を喰い物にし続ける社会      立木 信     洋泉社
 ワーキングプア 日本を蝕む病
      NHKスペシャル『ワーキングプア』取材班・編 ポプラ社
 割り箸はもったいない? 食卓からみた森林問題 田中淳夫 ちくま新書
 独断流「読書」必勝法         清水義範     講談社
 D列車でいこう            阿川大樹     徳間書店
 デジタルキッズ ネット社会の子育て  坂本 旬     旬報社
 中年前夜               甘糟りり子    小学館
 当確への布石             高山聖史     宝島社
 大延長                堂場瞬一     実業之日本社
 天上の白い笑み            桐生典子     光文社
 マジカル・ドロップス         風野 潮     光文社
 ママの友達              新津きよみ    光文社
 シャーロック・ホームズと賢者の石   五十嵐貴久    光文社
 裁判官の爆笑お言葉集         長嶺超輝     幻冬舎
 年金問題の正しい考え方        盛山和夫     中公新書
 にっぽん入門             柴門ふみ     文藝春秋

【あ行】

 

【か行】

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 きみが最後に出会ったひとは なぎさの媚薬4
【著者名】 重松 清
【出版社】 小学館
【初 刊】 2007年6月4日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】無垢な少女・なぎさの姿に自分の夢を重ねた女、レイコ。キャリ
      アを積んで生きるレイコを実の姉のように慕ったなぎさ。ふたり
      が出会ったときその伝説は始まった−。多くの男たちを救ってき
      た、娼婦・なぎさ自身の救いの道は?
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 伝説の娼婦、なぎさの正体を追う52歳のフリーライター、アキラ。ようや
くなぎさにたどりついた彼に彼女が突きつけたのは、離婚以来一度も会わずに
きた娘の死だった。娘の命を救うため、なぎさが持つ「過去に戻れる媚薬」の
力を借りるアキラ。一方のなぎさも、彼こそ最後の客、そして自分自身を救っ
てくれる相手だという予感を持つ。やがてふたりが再会した時、なぎさは自ら
媚薬を服み、アキラに身を委ねる。なぎさはなぜ、娼婦として渋谷に立つこと
になったのか、なぜ寂しい男たちを救う媚薬を手にしたのか……。
 本書は“なぎさ”シリーズの完結編で、シリーズは全て読んできましたが、
シリーズの締めくくりに相応しい作品でもあります。物語は、これまでのシリ
ーズ同様に2つの作品が収録されていますが、他人を救ってきたなぎさ自身が
救われるのかは最後となる「なぎさの媚薬」で描かれています。シリーズを通
して激しい性描写も描かれますが、媚薬を通しての男性の悲哀がうまく表現さ
れていたと思います。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 鴨川ホルモー
【著者名】 万城目学
【出版社】 産業編集センター
【初 刊】 2007年4月20日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】謎のサークル京大青竜会に入った安倍を待ち構えていた「ホルモ
      ー」とは? 恋に、戦に、チョンマゲに、若者たちは闊歩して、
      魑魅魍魎は跋扈する。京都の街に巻き起こる、疾風怒涛の狂乱絵
      巻。前代未聞の娯楽大作、ここにあり!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 かつての王城の地、ここ京都で脈々と受け継がれてきた「ホルモー」とはな
んぞや。主人公・安倍は大学に入学して間もなく、京都青竜会と名乗る謎のサ
ークルから勧誘を受ける。その新歓コンパで、安倍は同じ新入生の女子に一目
ぼれ。一方で徐々に明らかになるサークルの隠された目的とは……。壮大なる
歴史的スケールで冴えない大学生の悲喜こもごもの日常を描く、伸びやかで爽
やかな青春小説。
 鬼や式神を操る「ホルモー」という競技を行う大学の謎のサークルに入って
しまった主人公の大学生活が描かれる作品ですが、物語で描かれる「ホルモー」
のインパクトは強烈でした。「ホルモー」については、そのおかしなルールも
含めて、本書を読むのが一番ですし、説明するのも大変ですが、面白い痛快小
説でした。京都を舞台に、四条河原町で「ホルモー!」って絶叫する姿は考え
ただけでも面白かったですし、アイデアは優れています。

<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 午前零時
【著者名】 鈴木光司ほか
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2007年6月30日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】「今日」という日を迎えることは、「昨日」を永遠に失うことだ
      −午前零時、それは1秒前とは別世界。さまざまな24時、13
      夜のアンソロジー。電子書籍配信サイト『TimebookTo
      wn』連載をもとに単行本化。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、午前零時をモチーフにしたアンソロジーで、作家は鈴木光司、坂東
眞砂子、朱川湊人、恩田陸、貫井徳郎、高野和明、岩井志麻子、近藤史恵、馳
星周、浅暮三文、桜庭一樹、仁木英之、石田衣良と豪華な13人によるもの。
作品によって、面白さはマチマチではありましたが、中でも、馳星周の「午前
零時のサラ」、恩田陸の「卒業」、仁木英之の「ラッキーストリング」は面白
かったです。

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 クロスカウンター
【著者名】 井上尚登
【出版社】 光文社
【初 刊】 2007年6月25日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】元大手外資系証券会社アナリストの七森恵子は、ある事件をきっ
      かけにフリーの金融探偵に転身した。数々の潜入調査のなかで、
      ひとりの天才詐欺師の存在に気づいた恵子は…。『小説宝石』掲
      載に書下ろしを加え単行本化。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 元大手外資系証券会社アナリストの七森恵子は、ある事件をきっかけに会社
を辞めざるをえなくなり、金融探偵に転身する。派遣社員やアルバイトとして
潜入、会社の内情を調べるのが仕事で、そんな中、あるクライアントからの依
頼調査全てに自分の過去に影を落とした人物が絡んでいることが分かり、仕事
の域を越えて踏み込んでいく。そして、中国出版ビジネス、奇跡の水を作り出
す製水器代理店募集、株式公開詐欺など様々な手法で人を騙し、金儲けを続け
ていた天才詐欺師の存在が……。
 物語は、主人公・七森桂子と相棒の如月浩二郎、そして詐欺師との頭脳戦を
描いたミステリー。展開も面白く、最初からグイグイと展開に引きこまれてい
き、大きな詐欺事件に挑む主人公達の推理も面白かったですが、ラストが強引
すぎたのは欠点でもありました。詐欺師との頭脳の攻防戦が良かっただけに、
特に後半違う展開であれば、より作品が引き立ったようには思います。

<本紹介>
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【ジャンル】環境問題
【著書名】 環境問題はなぜウソがまかり通るのか
【著者名】 武田邦彦
【出版社】 洋泉社
【初 刊】 2007年3月12日
【金 額】 952円+税
【カバー文】資源7倍、ごみ7倍になるリサイクル、猛毒に仕立て上げられた
      ダイオキシン、地球温暖化を防げない京都議定書。環境問題は人
      をだましやすい! 「故意の誤報」を明らかにする、安易なリサ
      イクル推進運動に警鐘を鳴らす書。
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
 京都議定書ぐらいでは地球温暖化は食い止められない。ダイオキシンはいか
にして史上最悪の猛毒に仕立て上げられたか、官製リサイクル運動が隠してき
た非効率性と利益誘導の実態とは? 錦の御旗と化した「地球にやさしい」環
境活動が、往々にして科学的な議論を斥け、人々を欺き、むしろ環境を悪化さ
せている!
 本書は、欺瞞に満ちたエコの現状に、別の角度から突きつける不都合な真実
を暴き、逆に環境を汚す無意味な活動の実態や、利権構造を鋭く指摘。世にま
かり通るエコの嘘を暴いています。本書の中では、科学的に具体例として明ら
かにしており、ペットボトルのリサイクルには、ペットボトルの量の3.5倍
の石油を必要とし、リサイクルが増えたため、資源の消費量とゴミの量は7倍
になり、資源の浪費であること。ダイオキシンは猛毒と言われているが、人間
に対する毒性はきわめて弱く、ゴミ焼却炉からは大量のダイオキシンが出たが、
焼却炉で中毒症状が起きた事例は一つもなく、全国で1兆円以上の税金を投じ
て行なわれた焼却炉の改造は浪費であるということ。地球温暖化で北極と南極
の氷が溶け、海面が上昇するというのは誤りで、北極の氷は海面に浮いている
ので、溶けても海面は上昇しないということ……など、一般的に知られる環境
問題のウソを科学的に解き明かしており、正に目からウロコが落ちる内容です。
また、利権問題や、その利権による情報操作など、知られざる裏側を取り上げ
たことも拍手喝采したいです。

<本紹介>
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【ジャンル】プロ野球
【著書名】 ガンちゃんの人に話したくなるプロ野球の面白ネタ本
【著者名】 岩本 勉
【出版社】 青春出版社
【初 刊】 2007年5月10日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】球界きっての人間観察の鋭い男が明かすプロ野球界の裏側。プロ
      野球がもっと面白くなる、プロ野球選手の見方が大きく変わる超
      マル秘の裏話を満載。また、なるほどと驚く選手たちの道具の話
      や思わず泣ける苦労話も紹介。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は、「ガンちゃんの世界一おもしろいプロ野球の本」、「ガンちゃんの
日本一泣けるファイターズの本」に続く、著者のプロ野球本で、知られざるプ
ロ野球の裏側の話が面白く書かれています。前2作も読んできていることもあ
り、本書は多少インパクトには欠けているようにも感じましたが、選手と道具
のこだわりや、選手達の普段の素顔など、意外な話もあり、面白く読むことが
できました。

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 これでもかーちゃんやってます
【著者名】 上大岡トメ
【出版社】 筑摩書房
【初 刊】 2007年6月15日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】ちょっとくらい家が散らかってても、キーってつい怒っちゃって
      も、晩ごはんが少々手抜きになっても、いいんじゃない? 完璧
      な母を目指すより、等身大で子育てしよう! 頑張り過ぎない子
      育てのススメ。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、イラストレーターでもある著者が日々の子育てを綴った等身大の子
育てエッセイ集。晩ごはんが多少手抜きになろうと、家がちょっとくらい散ら
かってようと、無理して完璧な母親を目指すのではなく、等身大で子育てしよ
うという子育てのススメが書かれていますが、各ページ毎にイラストもあって
気軽で読みやすく、子育て中の方にはお勧めのエッセイ集です。特に仕事をし
ながら子育てをして悩んでいる人だと、育児を明るく前向きに捉えることがで
きるとも思いますし、小さいお子さんのいる男性にもお勧めです。

【さ行】

<本紹介>
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【ジャンル】司法
【著書名】 裁判長!これで執行猶予は甘くないすか
【著者名】 北尾トロ
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2007年4月15日
【金 額】 1048円+税
【カバー文】笑いあり、怒りあり、涙あり…。法廷は、映画や小説、ワイドシ
      ョーもぶっ飛ぶ人生劇場。これさえ読めば、もう裁判員制度もこ
      わくない! 「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」に続く、裁
      判傍聴記第2弾。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』に続く、裁判傍聴記の第2弾。
笑いあり、怒りあり、涙ありの法廷劇場での細部をイラスト付きで書いていま
す。取りあげられる事件は様々ですが、自分の興味だけに従って裁判を傍聴し、
その法定でのやり取りがリアルさを出しています。

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ集
【著書名】 シャーロック・ホームズと賢者の石
【著者名】 五十嵐貴久
【出版社】 光文社(KAPPA NOVELS)
【初 刊】 2007年6月25日
【金 額】 819円+税
【カバー文】諮問探偵業を引退後、ワトスンとともに、ニューヨークで静養中
      のホームズに、大事件が降りかかった! 高名な歴史学者が「賢
      者の石」を発見し、ドイツ軍がその強奪を目論んでいるというの
      だ。表題作ほか3編を収録。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、シャーロック・ホームズのパスティーシュ作品集で、4つの作品が
収録されていますが、パロディにもなっていて、それぞれの作品の仕掛けも本
格的な推理として楽しめました。以前に著者の「パパとムスメの7日間」の書
評を書きましたが、その際にブログのコメントに著者の五十嵐貴久さんから書
き込みがあり、本書も教えていただき読みましたが、本書も作品それぞれに楽
しめました。

<本紹介>
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【ジャンル】新書
【著書名】 裁判官の爆笑お言葉集
【著者名】 長嶺超輝
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2007年3月30日
【金 額】 720円+税
【カバー文】「死刑はやむを得ないが、私としては、君に出来るだけ長く生き
      てもらいたい」 裁判官は無味乾燥な判決文を読み上げるだけ、
      と思っていたら大間違い。法廷での個性あふれる肉声を集めた本
      邦初の語録集。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、法廷での個性溢れる肉声を集めた裁判官の語録集で、ダジャレあり、
ツッコミあり、説教ありと、実に個性的な語録集にもなっています。爆笑とま
ではいきませんが、これまでは裁判官は淡々と判決文を読みあげるだけと思っ
ていましたが、裁判官によっての個性、そして名言もあるのだと改めて知りま
した。裁判官もやはり人間なんですね。

【た行】

<本紹介>
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【ジャンル】読書
【著書名】 独断流「読書」必勝法
【著者名】 清水義範
【出版社】 講談社
【初 刊】 2007年4月27日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】面白くって、ためになる、最強の読書案内。「坊ちゃん」「ロビ
      ンソン・クルーソー」「伊豆の踊子」など、古今東西の名作を、
      清水義範と西原理恵子が独断的読書バトル。名作を読んでなくて
      も面白い、必笑の一冊。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
 清水義範と西原理恵子のコンビ本も多く出されていますが、2人のウンチク
とサイバラの言いたい放題の挿絵に期待していたのですが、サイバラのイラス
トは面白かったものの、清水義範の読書解説は正直詰まらなかったです。文学
名作の解説というのも退屈な話にもなりがちですが、そのものズバリ退屈な解
説になっているのが残念。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 D列車でいこう
【著者名】 阿川大樹
【出版社】 徳間書店
【初 刊】 2007年5月31日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】MBA取得の才色兼備銀行ウーマン。町工場相手に良心的融資を
      実践する銀行支店長。鉄道マニアのリタイア官僚。廃線が決定し
      たローカル鉄道を救うため、3人が株式会社ドリームトレインを
      興した。ロマンチックビジネス小説。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 ロッケンローで才色兼備のMBAウーマン、町工場相手に良心的融資を実践
する銀行支店長、鉄道マニアのリタイア官僚。廃線が決定したローカル鉄道を
救うため、3人が株式会社ドリームトレインを興した。そして、奇想天外、破
天荒な方法で田舎町に旋風を巻き起こす……。
 物語は、廃止が決定したローカル線を3人の民間人が建て直す話で、次々に
新しいアイディアを出し合い、幾多の困難を乗り越えてローカル線の再建に取
り組んでいきます。それぞれアイディアが展開をうまく支えており、起業ビジ
ネスとしての成長も面白い。そして、才色兼備の32歳の由希、リタイア官僚
で58歳のの田中、銀行支店長で55歳の河原崎の3人のコンビが、会社をや
めて会社設立にかける思いも夢が溢れていて、読んでいて正に元気が出て、読
後も爽快感があります。映画化しても面白そうな内容ですし、年代を問わず楽
しめる作品です。

<本紹介>
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【ジャンル】インターネット
【著書名】 デジタルキッズ ネット社会の子育て
【著者名】 坂本 旬
【出版社】 旬報社
【初 刊】 2007年5月28日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】わが子がときどき見えなくなる…。そんな心配ありませんか?
      テレビゲーム創生期の時代からメディア文化の中で生きてきた著
      者の経験をふまえながら、ネット社会の子育てのあり方を考えま
      す。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 著者は、パソコンや携帯電話などのデジタルメディアに囲まれながら成長す
る今の子供達は、家族や世代間のコミュニケーションに亀裂をもたらしている
と本書で指摘しています。ただし、ネットメディアを否定するのではなく、良
い部分と悪い部分を見極めながら、対処することが必要となるとも説き、会話
や身体、そしてデジタルとバランスの取れたコミュニケーション環境を心がけ
ることなどを提案し、育児のポイントも紹介しています。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 中年前夜
【著者名】 甘糟りり子
【出版社】 小学館
【初 刊】 2007年5月27日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】いい年をして、いったい私は何を期待しているのだろう−。何歳
      からが中年なのか? いつまで女でいればいいのか? うまく枯
      れていくことができない中年モラトリアム世代の心情を綴ったア
      ンチエイジング小説。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 物語は、37歳の週刊誌編集者、39歳の専業主婦、42歳の美容整形医院
事務長の3人の女性を主人公に、セックスレス、美容整形、ホストクラブ、出
会い系サイトなど世相を反映したシリアスなテーマを散りばめながら、現代を
生きる女性たちの悩みや葛藤をリアルに描いた作品。「中年とはいつからなの
か?」「いつまで女でいられるのか?」をテーマに、忍び寄る“老い”におの
のきつつも、うまく枯れていくことができない“中年モラトリアム世代”の心
情が描かれます。
 30代後半から40代の女性の心情が描かれる作品でしたが、女性誌連載の
作品でもあってか、非常に読みやすかったですが、読み手によっては評価が分
かれる作品だとも思います。

<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 当確への布石
【著者名】 高山聖史
【出版社】 宝島社
【初 刊】 2007年6月22日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】選挙とその周辺に渦巻く数々の策謀。様々な人物の思惑が交錯し、
      それぞれの企みが絡み合う中、開票日が近づく。衆議院補欠選挙
      をめぐる陰謀と暴露を描いた、サスペンスあふれる本格的な推理
      小説。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 私立大学で教鞭をとり、犯罪被害者救済活動を続けてきた大原奈津子は、衆
議院統一補欠選挙東京6区への出馬を決めた。前議員の田所孝夫がセクハラ事
件を起こし、その失職に伴う補選だった。そんな折、奈津子宛てに、元犯罪者
の顔写真や所在等を記したビラを撒いて騒ぎを起こしていた「凶悪犯罪抑止連
合会」という実体不明の団体から推薦状が届く。不審な団体からの支持は選挙
を不利にするため、奈津子は、教え子の夫で元刑事の平澤栄治に相談。栄治は
抑止連の正体を突き止めるべく、捜査を開始した。選挙を知り尽くした策略家・
森崎啓子や、抑止連との関係を書きたてる雑誌記者、井端純平のキナ臭い動き
に翻弄されながらも、栄治の捜査によって補選のカラクリが見えてくる……。
 本書は、第5回このミステリーがすごい!」大賞優秀賞受賞作で、衆議院補
欠選挙をめぐる陰謀と暴露を描いた選挙小説。選挙に渦巻く数々の策謀や、様
々な人物の思惑が交錯し、選挙の舞台裏をサスペンスとして面白く描かれてい
ましたが、後半でやや緊迫感が感じられず、登場人物達の過去の闇部分に重点
が置かれ、肝心の選挙部分がやや薄く感じたのは欠点だったようにも思います。

<本紹介>
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【ジャンル】野球小説
【著書名】 大延長
【著者名】 堂場瞬一
【出版社】 実業之日本社
【初 刊】 2007年7月25日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】最後に勝つのはあいつか、俺か−。夏の甲子園。決勝戦の延長引
      き分け再試合。予期せぬ事態に翻弄されながら“終わらない夏”
      に決着をつけるため、死闘を続ける男たちの真摯な姿、「甲子園
      優勝」をとりまく欲望の行方を描く。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 夏の甲子園の決勝戦、初出場の新潟海浜と5年連続出場の名門校・恒正学園
の試合は延長15回引き分けとなり、勝負は翌日の再試合に持ち越された。全
国から有望な選手を集めた甲子園常連校の私立恒正学園と初出場ながら好投手
の活躍で勝ち上がった公立の新潟海浜高校。対照的な両チームだが、両校の監
督は大学時代のバッテリーで、更に海浜のエースと恒正の4番はリトルリーグ
時代のチームメート。互いに手の内を知り尽くした両校の選手、監督が甲子園
を舞台に火花を散らす……。
 物語は、高校野球の頂点を争う夏の甲子園の決勝を甲子園を舞台に、交錯す
るライバル達の青春を描いた高校野球小説。再試合直前に発覚する部員の不祥
事や怪我によるエースの欠場など、思わぬトラブルが起き、試合の行方は勿論
のこと、プレーの描写も細かく、実際に試合を見ているかのような気分になり
ます。高校野球の裏的な後援会や地元問題や監督の人事なども詳細に描かれて
います。決勝で戦う新潟海浜と恒正学園が、善の悪のような描かれ方をされて
いたのは、小説として仕方ないのかなとも思いますが、もう少し名門校である
恒正学園については違った描き方があったのではないかとも思いました。それ
でも高校野球の魅力がうまく表現された作品です。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 天上の白い笑み
【著者名】 桐生典子
【出版社】 光文社
【初 刊】 2007年7月25日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】愛せない女と、迷わない女。性格のずいぶん違う、おかしな女友
      だちふたり。歳月の流れの中、それぞれの恋のゆくえは−。『小
      説宝石』連作短編を大幅に改稿・再構成して単行本化。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 恋をしたときは夢中になって相手を追いかけるのに、相手が自分に夢中にな
ると気持ちが冷めてしまう……そんな恋愛を大学生のときに経験した羊子は、
自分は人を愛せないのではないかと疑っている。対照的に、羊子の幼なじみの
瑠璃は、学生時代からモデルをし、人に愛されることに慣れているし、いつも
自分の思うとおりに行動しているが、他人を思いやるのには配慮に欠けるとこ
ろがある。そんな2人の対照的な女友達交互の視点から、出逢いによって成熟
していく女性を描く……。
 物語は、求める愛のかたちも性格も違う幼馴染みの羊子と瑠璃の恋の行方を
描いた作品ですが、それぞれに励まし、慰めあう自然な友人関係が描かれ、性
格も対象的な2人だからこその友情と恋愛が描かれます。

【な行】

<本紹介>
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【ジャンル】新書
【著書名】 年金問題の正しい考え方
【著者名】 盛山和夫
【出版社】 中公新書
【初 刊】 2007年6月25日
【金 額】 860円+税
【カバー文】人々に安心をもたらすはずの年金制度が、逆に大きな不安材料と
      なっている。少子高齢化が進む中、安心して信頼できる制度を作
      るにはどうすべきか。基礎年金の消費税化や一元化を検討し、本
      当の公平さと福祉国家の将来像を提示。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 社保庁の杜撰さ何度もメディアでも報道されていますが、本書は年金制度そ
のものの問題点を指摘した新書。読み手によっては著者の年金問題に対する考
え方と反対の意見もあるとは思いますが、著者は基礎年金の消費税化や一元化
を検討し、福祉国家としての明確な将来像も提示していますが、年金制度の制
度上の問題点は複数指摘しており、新書としても中身の濃い内容になっていま
す。

<本紹介>
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【ジャンル】紀行エッセイ
【著書名】 にっぽん入門
【著者名】 柴門ふみ
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2007年3月25日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】日本人はなぜ裸祭りを好むのか。失恋女はなぜ京都に行くのか−。
      北海道から九州まで厳選17の旅を紹介。知ってるようで知らな
      かった「にっぽん」発見の旅。マンガ付き。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 思い立ったら1泊2日で、北海道から九州まで、知ってるようで知らなかっ
た「にっぽん」を再発見する旅をマンガ付きで書いたエッセイ集。柴門ふみの
エッセイを読むのは随分久しぶりですが、一緒に行った同行者達との楽しいエ
ピソードも交えて、全国各地の日本文化に触れています。

【は行】

 

【ま行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 マジカル・ドロップス
【著者名】 風野 潮
【出版社】 光文社
【初 刊】 2007年6月25日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】タイム・カプセルにあったのは、中学時代の親友が遺した40粒
      のドロップ。それは、見失った想い出を2時間17分だけ、よみ
      がえらせる不思議なドロップ。42歳の主婦、菜穂子は奇跡に何
      を願う…?
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 中学時代にクラスで埋めたタイムカプセルが発掘され、42歳の主婦・菜穂
子は当時の親友で今は亡き真由美が埋めたドロップ缶を手にする。中に入って
いた40粒のドロップは、当時真由美が命名した通り「15歳に戻れる魔法の
薬」になっていた。口にほうり込んで噛むと、過ぎ去った青春を2時間17分
だけ蘇らせる……。
 物語は、2時間17分だけ15歳に戻れる「マジカル・ドロップス」を手に
した主婦の物語ですが、手塚治虫の「ふしぎなメルモ」を思い出すような作品
でした。主人公の菜穂子の息子は高校生で、バンドでドラムを叩いており、娘
の茜は中学生ですが、親に内証でライブハウスに足を運んでおり、親と子の交
流、そして「マジカル・ドロップス」を使っての同世代としての交流は読みご
たえもあり、実に楽しかったです。現実には絶対ありえないドロップですが、
ついあったら、自分ならどうするか?を考えてしまう……そんなファンタジー
でもあります。

<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 ママの友達
【著者名】 新津きよみ
【出版社】 光文社
【初 刊】 2007年3月25日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】主婦の典子は、娘との関係がうまくいかず悩んでいた。そんな典
      子のもとに突然届いた中学時代の交換日記。メンバーだった4人
      はいま、全く違う人生を送っていた。主婦、シングルマザー、お
      ばあちゃん、そして殺人の被害者…。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 40代の主婦・野島典子は、反抗的になってきた中学2年の娘・美咲との関
係に悩んでいた。そんな典子のもとに、ある日差出人不明で届いた中学時代の
交換日記。送り主は、メンバー4人の中でリーダー格だった長谷川淳子かと思
われたが、淳子は1週間ほど前に殺されていた。そのことをニュースで知り、
驚く典子。音信不通だった残りの2人は、すでに孫がいる等々力久美子と、幼
い娘を持つシングルマザーの藍川明美。それぞれの人生も、日記をきっかけに
大きく動き出す……。
 同級生の殺人事件を通した心理サスペンスでもありましたが、存在感ある作
品でもありました。典子と久美子と明美のそれぞれの話も併行して描かれます
が、典子の娘から見た中年女性の物語でもあり、ラストがやや呆気なかったも
のの、日常の家庭問題も絡めて、中々読みごたえある作品です。

【や行】

 

【ら行】

 

【わ行】

<本紹介>
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【ジャンル】連作小説
【著書名】 ワーキング・ホリデー
【著者名】 坂木 司
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2007年6月30日
【金 額】 1476円+税
【カバー文】「初めまして、お父さん」親子の夏が始まった−。息子と過ごす
      ために、ホストから「ハチさん便」ドライバーへ。正義感の強い
      元ヤンキー父と、おばちゃん臭い少年のハートフルな物語。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 物語は5つの作品からなる連作小説。元ホストの宅急便のドライバーと、か
つて交際していた女性との間にできた子供との親子の物語。展開よりも、登場
人物のキャラがかなり際立っており、また、主人公の父親・ヤマトと子供との
対象的な性格も、中々読ませます。もう少し展開も込み入った展開にすると良
かったのではないかと思いましたが、登場人物達の温かさも感じた一冊です。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】新書
【著書名】 若者を喰い物にし続ける社会
【著者名】 立木 信
【出版社】 洋泉社
【初 刊】 2007年6月21日
【金 額】 780円+税
【カバー文】虐げられている本当の弱者は、老人でなくて若者である。「年長
      者ひとり勝ちモデル」を築きあげてきた年長者たちの罠にそろそ
      ろ気付かなくてはいけない。若者にとって真に必要な政策は何か
      を明らかにする。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 カバーに書かれている紹介文を引用させてもらいますが、『この国にはマト
モな若者政策がない! 若年層の負担で年長者を支える再配分システムはもは
や機能不全に陥っている。雇用悪化の痛手を受け、経済難から結婚や出産の先
送りをやむなく選ぶ若者たち。「がんばれば、きみたち若者世代もやがてよく
なるよ」という大人の決めゼリフが一定の真実味を持っていた時代は、もう終
わった。気が付けば、なぜか若者ばかりが苦労や無理を強いられる社会に変貌
してしまった。60年後の将来世代の資源を先食いする「年長者ひとり勝ちモデ
ル」を築きあげてきた年長者たちの罠にそろそろ気付かなくてはいけない。日
本における子どもや若者向けの社会保障は、先進国でも最低水準にある。未来
会計の視点から、若者にとって真に必要な政策は何かを明らかする!』と書か
れており、若者についての政策が全くといっていいほど取られていないこと、
年長者の優先システムについての疑問や年長者の罠など、全てに共感できると
いうわけではありませんが、共感できる部分は多かったです。ただし、具体案
が書かれているということは少なく、解説についても少ないため、物足りなさ
も感じましたが、問題提議にはなっている新書です。

<本紹介>
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【ジャンル】ドキュメント
【著書名】 ワーキングプア 日本を蝕む病
【著者名】 NHKスペシャル『ワーキングプア』取材班・編
【出版社】 ポプラ社
【初 刊】 2007年6月11日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】マンガ喫茶を住処とする若者、衰退する地方都市、死ぬまで働か
      ざるをえない老人、貧しさを受け継ぐ子どもたち…。明日は我が
      身の“ワーキングプア”とは? 今の日本の現状を伝えるドキュ
      メント。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 NHKで放送された「NHKスペシャル」の単行本化ですが、この番組は見
逃して見ることができなかっただけに、興味深く読みましたが、正に厳しい現
実の世界が書かれていおり、こうした問題も社会の構造上の問題ともいえるで
しょう。ネットカフェ難民やフリーター問題などニュースで耳にすることも多
いですが、それよりも本書で書かれる、予期せぬ事故や病気にあった家族や、
老後も働き続けなければ生活できない実態など、決して他人事ではなく、自分
にも降り掛かる問題となるかもしれないですし、問題提起として意義いる一冊
といえます。

<本紹介>
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【ジャンル】新書
【著書名】 割り箸はもったいない? 食卓からみた森林問題
【著者名】 田中淳夫
【出版社】 ちくま新書
【初 刊】 2007年5月10日
【金 額】 680円+税
【カバー文】本当に割り箸は環境破壊の元凶なのだろうか? 森を守る割り箸
      の役割に光を当て、自称エコロジストの独善的な論理を検証。最
      も身近な木材から、中国の森林問題やヨーロッパの木材生産、日
      本の森と林業の未来について考える。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 外食の際には欠かせないアイテムともいえる割り箸。それが、「もったいな
い」「森林破壊を助長する」と批判を受ける。しかし一方で、「割り箸は廃材
利用。使わないともったいない」の声もある。いったいどちらが正しいのか。
本書はその割り箸の世界を緊急レポートしたもの。割り箸はどのように作られ、
材料は何で、どこから調達しているか、そして自分の手元に届くまでどんな流
通ルートを通ったのかを調べ、木材事情、更にはその背後に世界の森林と加工
に関わる数多くの人々の生活も取り上げ、データに基づかない議論を展開する
環境保護論者を批判しています。本書自体に賛否両論あるようですが、割り箸
の歴史、そして加工の過程など、知らなかった現実が書かれており、これは読
んで良かった一冊でもあります。

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