書評データベース(2008年度3月分)

 

■2008年3月に紹介した本■

 ホームシックシアター         春口裕子     実業之日本社
 HEARTBLUE          小路幸也     東京創元社
 ブラック・ジャック・キッド      久保寺健彦    新潮社
 ブラックペアン1988        海堂 尊     講談社
 不祥事はなぜ繰り返されるのか     武井 勲     扶桑社新書
 ロンド・カプリチオーソ        中野順一     東京創元社
 ルピナス探偵団の憂愁         津原泰水     東京創元社
 湘南ランナーズ・ハイ         倉阪鬼一郎    出版芸術社
 小説 会計監査            細野康弘    東洋経済新報社
 新世界より(上・下巻)         貴志祐介     講談社
 女王国の城              有栖川有栖    東京創元社
 災厄                 永嶋恵美     講談社
 三幕の殺意              中町 信     東京創元社
 小説 防衛省             大下英治     徳間書店
 真犯人 グリコ・森永事件「最終報告」 森下香枝     朝日新聞社
 寿司屋のかみさん はじめての寿司教室 佐川芳枝     青春出版社
 スタバではグランデを買え!      吉本佳生    ダイヤモンド社
 魔女の盟約              大沢在昌     文藝春秋
 道具屋殺人事件            愛川 晶     原書房
 ダンシング・ヴァニティ        筒井康隆     新潮社
 ダイイング・アイ           東野圭吾     光文社
 亜玖夢博士の経済入門         橘 玲      文藝春秋
 インシテミル             米澤穂信     文藝春秋
 エクサバイト             服部真澄     角川書店
 五つの鍵の物語            太田忠司     講談社
 いんでないかい!!北海道       千石涼太郎    グラフ社

【あ行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】経済小説
【著書名】 亜玖夢博士の経済入門
【著者名】 橘 玲
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2007年11月30日
【金 額】 1571円+税
【カバー文】新宿・歌舞伎町裏の亜玖夢研究所。異形の博士が学識のすべてを
      傾け、社会の底辺を這う人の相談にのります。経済のオモテもウ
      ラも知り尽くした著者がおくる、読んで笑える、楽しく学べる、
      怖くて身につく経済入門。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 異様な風体の老人、亜玖夢三太郎博士は、弛まぬ学究生活の末、己の学識の
全てを傾けて、新宿・歌舞伎町裏にて民衆救済事業に乗り出した。「相談無料。
地獄を見たら亜玖夢へ」のチラシを片手に、社会の底辺に沈む人々が博士のも
とを訪れる。多重債務、利権争い、いじめ、マルチ商法、自分探し。実際の哲
学、社会経済学・心理学を基にした博士の処方箋から、美形中国人姉弟である
秘書と助手が、相談者を解決へと導くのだが……。
 物語は5つの連作短編集となっているのですが、「笑ゥせぇるすまん」の経
済編という感じで、経済についてをブラックジョークを交えて小説仕立てとし
ています。描かれているのは、経済の基礎的なことでもあるので、著者のこれ
までの経済本と比べると読みやすいものの、アッサリしているとは思いますが、
高校生や若い社会人の人には経済入門書としてお勧めだと思います。

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 インシテミル
【著者名】 米澤穂信
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2007年8月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】車がほしかった結城理久彦。「滞って」いた須和名祥子。オカネ
      が欲しいふたりは、高給の怪しげな実験モニターに応募した。こ
      うして12人が集まり、館の地階に7日間、閉じ込められること
      に。究極の殺人ゲームが始まる…。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 時給1120百円。意図的なものか、もしくは誤植か? 11万2000円
という時給に引き寄せられるようにして暗鬼館に集まった12人の男女。そこ
で彼らは一週間だけ生活することを望まれる。ただ、一定の条件を満たした際
に参加者はボーナスを受け取ることができる、すなわち「人を殺した場合」
「人に殺された場合」「人を殺した者を指摘した場合」……。
 物語は、クローズトサークルミステリで、展開も中々面白かったものの、登
場人物の背景がやや薄く、物足りなさがありました。また、決められたエリア
の中での殺人ゲームというと、「バトル・ロワイヤル」をつい思い出してしま
いますが、その「バトル・ロワイヤル」のような狂気へのインパクトも少なく、
もう少し手を加えれば、更に展開も面白くなったようには思います。

<本紹介>
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【ジャンル】SF
【著書名】 エクサバイト
【著者名】 服部真澄
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2008年1月31日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】次世代メディア「ユニット」によって、一躍、時代の寵児となっ
      た映像プロデューサー。彼に持ちかけられた新ビジネスは、歴史
      を一変させてしまうような壮大なプロジェクトだった。だがそこ
      には、恐るべき罠が待ち受けていた…。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 2025年。記録媒体の小型化が飛躍的に進み、“ユニット”を身につける
人々も増えてきている。“ユニット”とは超小型のカメラにメモリを搭載した
ツールで、それによって人間は一生のうちに見聞きするすべての情報を小さな
ディスクに収められてしまう、そんな時代になっていた。ナカジは、時代の潮
流に真っ先に乗り、飛ぶ鳥を落とす勢いの成功を収めている映像プロデューサ
ー。美術評論家・鹿島と組んで製作した美術番組シリーズは、日本のみならず
世界中で放映されるドル箱コンテンツだった。そんなナカジに『エクサバイト
商會』のローレン・リナ・バーグ会長から事業提携話がもちかけられる。『エ
クサバイト商會』は、人々が装着していたユニットを死後に買い上げ、それら
のデータを大量に集めて再構成することで、いわば動画の「世界史事典」の制
作を目指すという。まさに「記録」を巡る壮大なビジネスだ。だが、この世界
的ビジネスが順調な滑り出しを見せた途端、ユニットの独占メーカーである米
「グラフィコム」社から待ったがかかってしまう……。
 物語は、2033年の近未来の世界が描かれる作品で、人が小型の大容量記
憶媒体を体内に埋め込み、自分の体験することをすべて記憶できる時代での政
治的陰謀を描いたサスペンスでもあります。正に情報革命ともいえる、近未来
の話ですが、前半はかなりグイグイと引きつける魅力があるものの、中盤から
ややトーンダウン。前半部分だけで大体のあらすじも読めてしまうため、後半
は正直物足りなさが残りましたが、個人だけでなく、社会や国家の欲というも
のをうまく展開に入れた作品だとは思います。

<本紹介>
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【ジャンル】短編ミステリ集
【著書名】 五つの鍵の物語
【著者名】 太田忠司
【出版社】 講談社(KODANSHA NOVELS)
【初 刊】 2007年12月6日
【金 額】 950円+税
【カバー文】とある場所にひっそりと佇む“5つの鍵の博物館”。収蔵されて
      いるのは、曰くありげな鍵が描かれた5枚の絵。見るものを選ぶ
      その不思議な絵が語り始める…。「17世の鍵」「眠りの鍵」ほ
      か全5編の鍵をめぐる物語を収録。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、5つの作品が収録された短編ミステリで、いずれも鍵にまつわる幻
想的なミステリとなっています。多少ホラー要素もあり、どことなく「世にも
奇妙な物語」的な感じながら、それぞれの作品で違う異なりで、短編として楽
しめました。幻想的な作品ながら、ミステリ部分もしっかりしています。

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 いんでないかい!!北海道
【著者名】 千石涼太郎
【出版社】 グラフ社
【初 刊】 2007年12月5日
【金 額】 952円+税
【カバー文】札幌の三大がっかりとは? B級グルメの宝庫は根室! 道産子
      はたんぱら起こす? ぼっこ手袋あったかい! 「なんも、なん
      も」と道産子は2度繰り返す。おもしーぃ大地の、なんちゃって
      考現学。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、小樽出身の著者が北海道を様々な角度からユニークに考察したもの。
改めて北海道弁というものを実感しましたし、てっきり全国的なものだと思っ
ていた“ぼっこ手袋”が北海道地方のものだったという意外な発見もありまし
た。ちなみに“ぼっこ手袋”とは5本の手袋ではなく、親指と人差し指から小
指までの2本(という表現で分かりますかね?)の手袋のこと。他にも北海道ら
しいユニークなエピソードも含まれていますが、「なまら」「だべさ」「した
っけ」…あたりの表現が多いですから、道民以外だと違和感を感じるかもしれ
ませんが、道民は気軽に笑って読める一冊です。

【か行】

 

【さ行】

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 湘南ランナーズ・ハイ
【著者名】 倉阪鬼一郎
【出版社】 出版芸術社
【初 刊】 2007年12月10日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】完走を目指す主婦・綱島幸子、母と併走する海人、沿道から応援
      する夫・大造と娘のなぎさ。4人は一丸となって「湘南国際マラ
      ソン」に挑むが…。家族の思いが交錯する、涙と笑い、そして驚
      きのマラソン・ミステリー。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 物語は、湘南国際マラソンを舞台に2組の家族を描いた作品。ミステリとい
うよりも、家族ドラマとして描かれますが、そこは倉阪鬼一郎らしくミステリ
の要素も兼ね備えており、フルマラソンを走る人達の思いや理由が、作品に込
められています。伏線が引かれ、読み進むうちに、それらが繋がるラストは感
動を与えてくれます。これまでの倉阪作品とは異質の作品ではあるものの、良
い意味での新境地の作品だとも思います。

<本紹介>
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【ジャンル】経済小説
【著書名】 小説 会計監査
【著者名】 細野康弘
【出版社】 東洋経済新報社
【初 刊】 2007年12月20日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】巨大監査法人は、なぜ崩壊したのか?当局のあまりにも恣意的な
      検査・指導。リーク情報に踊らされ、世論を煽ったマスコミ。背
      後にうごめく超大国の思惑…。渦中の監査法人に身をおいた著者
      が贈る、長編書き下ろし。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、元中央青山監査法人のパートナー会計士による内幕を書いたドキュ
メンタリーノベルで、小説なので社名は変えられていますが、この物語の中で
は、カネボウ、日本郵政公社、UFJ銀行、日興証券などの事件が取り上げら
れており、当事者でしか分かり得ない内幕も明らかにされています。またアメ
リカからの政治的圧力の実態も、非常に興味深く、小説という形をとっていま
すが、書かれている内容は限りなく事実に基づかれたものであるだろうから、
迫力あるリアルさが伝わってきます。読み手によっては評価が分かれるかもし
れませんが、本書を公開したことの意味は大きいでしょう。

<本紹介>
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【ジャンル】SF
【著書名】 新世界より(上・下巻)
【著者名】 貴志祐介
【出版社】 講談社
【初 刊】 2008年1月23日
【金 額】 1900円+税(上下共)
【カバー文】1000年後の日本。一見のどかに見える学校で、徹底的に管理
      されている子供たち。何も知らずに育った彼らに、悪夢が襲いか
      かる! いつわりの共同体が隠しているものとは。3年半ぶり書
      下ろし長編小説。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 物語の舞台は1000年後の日本で、上下巻合わせて1071ページという
SF超大作。その1000年後は、特殊能力を使えるようになった人間と、人
間の言葉を喋るバケネズミや、奇妙な動物たちが共存するという世界で、ファ
ンタジー要素の強いSF作品という表現が相応しいのかもしれません。ただ、
これまでのホラー要素の強い作品とは違うため(ホラー要素はありますが)、
読み始めてから多少の違和感もあり、個人的にはイマイチでした。RPGが好
きな人や、ハリーポッターなどの呪力冒険モノが好きな方なら、すんなりと浸
れる作品だとは思うものの、1000ページを超えるだけに、読後はどっぷり
と疲れが残りましたし、個人的には可もなく不可もなくという印象でした。

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 女王国の城
【著者名】 有栖川 有栖
【出版社】 東京創元社
【初 刊】 2007年9月28日
【金 額】 2200円+税
【カバー文】大学に姿を見せない江神を追って信州入りした英都大学推理研の
      面々。「城」と呼ばれる新興宗教の総本部で江神の安否は確認し
      たものの、思いがけず連続殺人事件に遭遇し…。江神シリーズ第
      4弾。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 舞台は、急成長の途上にある宗教団体の聖地、神倉。大学に顔を見せない部
長を案じて、推理小説研究会の後輩アリスは江神二郎の下宿を訪れる。室内に
は神倉へ向かったと思しき痕跡。様子を見に行こうと考えたアリスにマリアが、
そして就職活動中の望月、織田も同調、4人はレンタカーを駆って木曾路をひ
た走る。〈城〉と呼ばれる総本部で江神の安否は確認したものの、思いがけず
殺人事件に直面。外界との接触を阻まれ囚われの身となった一行は決死の脱出
と真相究明を試みるが、その間にも事件は続発し……。
 本書は、学生アリス・シリーズの第4弾で、500ページ強という本格的な
ミステリ。シリーズとしての面白さはしっかりと継承し、シリーズお馴染みの
メンバーの活躍も良かったのですが、肝心のミステリ部分がシリーズを通して
みるとやや弱かったのが残念ですが、読みやすいミステリです。でも前作から
すでに15年が経過しているのだから、随分と待たされたました。

<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 災厄
【著者名】 永嶋恵美
【出版社】 講談社
【初 刊】 2007年11月1日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】妊婦ばかりが次々と狙われる連続殺人事件の容疑者は、男子高校
      生だった。しかも夫がその弁護を…。妊娠5ヶ月めの美紗緒の周
      囲がめまぐるしく変化する。驚愕の事件と人間模様を巧妙に描く
      書下ろしサスペンス。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 妊婦ばかりを狙った連続殺人事件の容疑者は、都内進学校に通う16歳の男
子高校生。産婦人科外来で妊婦を殺した少年はその場で取り押さえられ、一連
の犯行を自供した。妊娠5カ月目の美沙緒は、夫が少年の弁護を引き受けたと
聞き、ショックを受ける。最後の犯行場所は美沙緒が転院予定の病院で、自分
が狙われていたかもしれなかったのだ。さらに、夫が少年の弁護をすることが
マスコミを通じて世間に知られるようになると、生活は一変。ネットには美沙
緒の個人情報も流出し、自宅郵便受けは誹謗中傷の手紙やカミソリの刃、ゴミ
で溢れかえり、脅迫電話やスパムメール、悪意ある噂に追いつめられていく。
そして、夫に対する疑惑も…。
 個人的には設定はよくできた設定だとは思いますし、連続殺人事件の犯人の
少年、そして少年の弁護士、その弁護士の妻の事件との関わりが主であればい
いとは思うものの、物語はあくまでも弁護士の妻である美紗緒の災厄が中心で、
友人の裏切り、隣人や見知らぬ人々からの嫌がらせ、インターネット上で繰り
広げられる匿名性の暴力、夫への不信……など、悪意が次々描かれますが、リ
アリティはあるものの、肝心の犯人についてはあまりにも薄すぎて、それが後
味の悪さに繋がっています。

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 三幕の殺意
【著者名】 中町 信
【出版社】 東京創元社
【初 刊】 2008年1月30日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】昭和40年、尾瀬沼の湖畔にある朝日小屋、その離れで、そこに
      住む日田原聖太が殺された。朝日小屋には被害者に恨みを持つ男
      女が何人か泊まっていた。神奈川県警のベテラン刑事、津村武彦
      によるアリバイ崩しが始まる…。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 昭和40年……東京オリンピックが開催された翌年の、厳しい雪の訪れを間
近にひかえた12月初旬のこと。水芭蕉の花で有名な尾瀬沼の湖畔にある朝日
小屋、その離れで、そこに住む男・日田原聖太が、その年初めての雪の降り積
もる夜、何者かの手で殺された。朝日小屋にはその晩、被害者に恨みを持つ男
女が何人か泊まっていた。誰もが犯行は可能、と思われて、しかし犯人絞り込
みの決め手はない。容疑者の一人に数えられると同時に神奈川県警のベテラン
刑事、津村武彦によるアリバイ崩しが始まる……。
 本書は、今から約40年前の昭和43年に双葉社の雑誌「推理ストーリー」
に掲載された作品を、大幅に加筆、改稿し、長編化したものですが、古さを感
じないミステリです。ただ、叙述トリックは驚くというほどでなかったですし、
もう少し仕掛けを凝ってほしかったです。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 小説 防衛省
【著者名】 大下英治
【出版社】 徳間書店
【初 刊】 2008年1月31日
【金 額】 2000円+税
【カバー文】悲願だった「省」への昇格を果たした防衛庁。国防を担う者たち
      の熱き胸のうちは? 歴代大臣、事務次官、幹部クラスらへの取
      材を通じて、知られざる防衛省の実態を明らかにする。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 防衛省とは何か? 国防とは何か? 歴代大臣、事務次官、幹部クラスらへ
の取材を通じて明らかにする知られざる防衛省の実態。悲願だった「省」への
昇格を果たした防衛省。国防を担う者たちの熱き胸のうちは??
 本書は700ページ以上という大ボリュームのノンフィクション小説で、防
衛省の歴史と共に、歴史の中での裏事情や、自衛隊の苦悩が書かれています。
また、地下鉄サリン事件や阪神大震災などの大災害時の防衛省の動きなどは、
非常に興味深かったですし、正に「防衛省とは何か?」を真正面から取り上げ
た作品であるとも思います。

<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 真犯人 グリコ・森永事件「最終報告」
【著者名】 森下香枝
【出版社】 朝日新聞社
【初 刊】 2007年9月30日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】著者のもとに届いた一通の手紙。史上最大の銀行強盗からグリコ・
      森永事件につながる謎が解き明かされていく…。昭和史最大の謎
      に迫る驚愕のノンフィクション。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 グリコ・森永事件の真犯人はいったい誰だったのか? 名古屋で起きたある
強盗事件をきっかけに、一人のジャーナリストが、独自の人脈を駆使してグリ
コ・森永事件の真相に迫る。犯人は何度も現場に姿を現し、しかも犯行を告白
していたのだ! 捜査陣もマスコミも投げ出し、闇に葬られた事件に光をあて
最終回答を突きつける驚愕の書き下ろしルポルタージュ。
 これまでにもグリコ・森永事件については、宮崎学の「突破者」など、数多
くの書籍が出ていますが、本書は衝撃的なインパクトがありました。仮説とし
てではあるものの、グリコ・森永事件の犯人は、福徳銀行5億4千万円強奪事
件の犯人と同一人物であるという説に基づいて書かれ、決して著者の荒唐無稽
な推理ではなく、丹念な取材内容からは説得力十分な記述にもなっています。
未解決事件でもあり、事件の真相解明とまではいきませんが、正に驚愕のノン
フィクションでした。読む価値ありましたよ。

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 寿司屋のかみさん はじめての寿司教室
【著者名】 佐川芳枝
【出版社】 青春出版社
【初 刊】 2007年12月10日
【金 額】 1429円+税
【カバー文】シャリ切り、巻物、握り、稲荷寿司、ヅケ丼、手巻き、吸い物、
      箸休めの一品…。著者が「江戸前寿司教室」で教えてはじめてわ
      かったこと、本当に伝えたかったことを綴る。思わず食べたくな
      る、作りたくなる料理のコツが満載。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 著者の寿司エッセイは殆ど読んでいますが、本書は料理教室での経験の結果
を踏まえ、簡単なお寿司の作り方が載っており、家庭でお寿司を作ってみたい
という人にはお勧めです。また、お寿司のイラストも楽しく、お寿司について
のエッセイも、つい寿司が食べたくなります。

<本紹介>
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【ジャンル】経済学
【著書名】 スタバではグランデを買え!
【著者名】 吉本佳生
【出版社】 ダイヤモンド社
【初 刊】 2007年9月13日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】有名コーヒー店の値段のしくみ、携帯電話の超複雑な料金体系、
      100円ショップの安さの秘密…。あのモノやサービスの値段は、
      どうやって決まっているのか? 「コスト」という観点から社会
      のしくみを分析する。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、スタバを始めとして、モノの値段の仕組みを解き明かした経済入門
書。有名メーカーの同じ製品の価格が、コンビニ、スーパー、100円ショッ
プなどでそれぞれに違っているのはなぜか?など、素朴な価格差の疑問を取引
コストとして分かりやすく解説しています。タイトルは非常に上手い付け方だ
と思いましたが、取引コストについて消費者側と企業側とそれぞれに分かりや
すく書かれているので、経済学入門としては生活に密着しており分かりやすい
内容となっています。

【た行】

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 道具屋殺人事件
【著者名】 愛川 晶
【出版社】 原書房
【初 刊】 2007年9月4日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】高座の最中に血染めのナイフがあらわれる、後輩は殺人の疑いを
      かけられる、妻の知り合いは詐欺容疑…。次から次へと起こる騒
      動に、二つ目、寿笑亭福の助が巻き込まれながらも大活躍する、
      本格落語ミステリー。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は3つの作品が収録され、主人公の落語家寿笑亭福の助と妻の亮子、そ
して脳溢血の酷い後遺症で引退した馬春師匠が、それぞれの謎を解いていく落
語ミステリ。各作品に落語の演題があり、落語とミステリ好きなら楽しめる作
品だとは思いますが、落語に重点が置かれているせいか、ミステリとしては正
直イマイチで、そのミステリの弱さが逆に目について物足りなさがありました。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 ダンシング・ヴァニティ
【著者名】 筒井康隆
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2008年1月30日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】おれの家のまわりでは喧嘩がたえまなく繰り返されている。母と
      妻、娘たちを騒ぎから守ろうと、おれは繰り返し対応に四苦八苦
      …。あらゆる場面で執拗に繰り返される「反復記述」が奏でるの
      は、錯乱の世界か、文学のダンスか?
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 美術評論家のおれが住む家のまわりでは喧嘩がたえまなく繰り返されている。
一緒に暮らす老いた母と妻、娘たちを騒ぎから守ろうと、おれは繰り返し対応
に四苦八苦。そこに死んだはずの父親が繰り返しあらわれ、3歳で死んだ息子
も成長したパイロットの姿になって繰り返し訪ねてくる……。あらゆる場面で
執拗に繰り返される「反復記述」が奏でるのは、錯乱の世界か、文学のダンス
か?
 主人公は浮世絵を専門とする美術評論家で、息子を事故で亡くし、精神的に
病んだ妻と出戻りの妹、一人娘をかかえ執筆を続けている。書いた評論がたま
たま売れて、やがてマスコミにも注目されるようになるが、主人公の体験は様
々に形を変えて、何度も何度もリフレインされる。娘はクラブ歌手から流行歌
手に、死んだはずの息子は影のように現れ、主人公は戦争から殺人までも多重
に演じることに……。物語は、筒井ワールドの狂乱世界ともいえ、筒井康隆の
パワーを改めて感じました。非常に説明するのも難しい作品で、展開がズレな
がら進行していくため、読み手としても戸惑うところがありましたが、場面を
反復させて物語を進める手法はお見事でした。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 ダイイング・アイ
【著者名】 東野圭吾
【出版社】 光文社
【初 刊】 2007年11月25日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】記憶を一部喪失した雨村慎介は、自分が死亡事故を起こした過去
      を知らされる。なぜ、忘れてしまったのだろう。事故の状況を調
      べる慎介だが、関係者が徐々に怪しい動きを見せ始める…。『小
      説宝石』連載。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
  見ず知らずの男に襲われて頭の骨を折る重傷を負った慎介は、刑事から犯
人の素性を知らされる。相手は、1年半前に自分が車で轢き殺してしまった女
の夫で、すでに自殺したという。だが、慎介は事故の記憶を失っていた。なぜ、
そんな重要なことを忘れてしまったのか。記憶を取り戻すため、当時働いてい
た店のオーナーや同棲中の恋人などに事故の状況を聞こうとするが、誰もが詳
細を語ろうとはしない。そればかりか、慎介が調べることを止めようとする。
周りの人間の行動に不信感を募らせる慎介は、ある日、自分を見つめる目に気
づく。それは、自分が殺したはずの女のものと酷似していた。一体、何を信じ
ればいいのか……。
 流石は東野圭吾だけあって、実に読ませる作品でした。交通事故を背景にし
て、ホラーとミステリーをうまく混ぜ合わせた作品でもあり、複雑な展開では
あるものの、ラストでうまく一つの線に結びつけるあたりは上手さを感じます。
謎解きの面白さに久々に圧倒された……そんな作品でした。

【な行】

 

【は行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】短編小説集
【著書名】 ホームシックシアター
【著者名】 春口裕子
【出版社】 実業之日本社
【初 刊】 2007年11月25日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】「世の中には物好きがいるのよ」 だって私はこの家を気にいっ
      ている。まわりで何が起きようと、誰が死のうと、ここを出てい
      く理由にはなりえない…。生きることに不器用な女たちを変えた
      6つの出来事を描いた戦慄の短篇集。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 私の胸に、生まれて初めて芽生えた殺意という感情。私が住むマンションの
部屋の隣室で、去年ある事件が起き、人が死んだ。その後、多くの住人が退去
したが、私はまったく引っ越すつもりはなかった。しかし、その隣室に新たな
住人が入ったらしい。どんな人間がきたのか、興味を抱いた私は……(「ホー
ムシックシアター」)。小夜子の夫婦には子どもがいない。不妊の悩みを友人
にも打ち明けることもできない。そんなある日、友人の子どものピアノ発表会
で、ある事件が起きて……(「蝉しぐれの夜に」)――日本推理作家協会賞候
補(第60回・短編部門)となった表題作をはじめ、生きることに不器用な女
たちを変えた6つの出来事を描く、戦慄の傑作短篇集。
 生きることに不器用な女性達を主人公にしたサスペンス6編が収録される短
編集ですが、いずれも日常の延長線上の恐怖が描かれ、思わずゾクリとする作
品集といえ、人間の欲の狂気が、短編として上手く表現されていました。

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 HEARTBLUE
【著者名】 小路幸也
【出版社】 東京創元社
【初 刊】 2007年11月30日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】NYの失踪人課の男を少年が訪ねてきた。1年程前から変だった
      という彼の捜す少女は、なぜ姿を消したのか? 映像クリエイタ
      ーの青年も加わり、探り出した哀しい真実とは。強く生きようと
      する者たちの、逞しくも切ない物語。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 ある虹の朝、ニューヨーク市警の失踪人課の男のもとへ、一人の少年が訪ね
てきて言った。「ペギーがいなくなったんだ」と。彼の捜す少女は、一年ほど
前から様子がおかしかったというのだが…。一方、男の知り合いであるCGデ
ザイナーの日本人の青年も、ふとしたきっかけからある少女の行方を追い始め
る。二人がそれぞれ動いた末に明らかになった真実とは…。
 本書は、著者の『HEARTBEAT』の続編で、前作を読んだことは覚え
ていますが、記憶がうろ覚えにもなっていることもあって、本書を読んでも、
今一つピンときませんでした。舞台がニューヨークなだけに、解決しきれない
やるせない事件が相次いで描かれ、読後も切なさは残るものの、作品としての
インパクトはそれほどありませんでした。今後もシリーズ化になりそうな終わ
り方でもあり、続きは読んでみたいとは思いますが、ややイマイチという印象
です。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 ブラック・ジャック・キッド
【著者名】 久保寺健彦
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2007年11月20日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】「ブラック・ジャック」をこよなく愛する小学生の和也に、現実
      が影を落とす。両親の離別、転校、いじめ…。そんな和也に少女
      マンガ好きの宮内君と、眼鏡を外すと超綺麗な泉さんという親友
      ができて…。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 ブラック・ジャックになりたいおれと、『ガラスの仮面』を教えてくれた内
気な宮内君。そして、眼鏡を外すと超綺麗な泉さん。イブの晩、駅の向こう側
の見知らぬ街に姿を消した泉さんの弟・健太を捜して、三人の大冒険が始まっ
た……。
 本書は、第19回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。以前に読んだ
著者の『みなさん、さようなら』が印象深かったので、本書を読んでみました
が、つい自分の子供の頃を思い出す……そんな作品でした。子供の頃にアニメ
や特撮の主人公に憧れたものですが、主人公は手塚治虫の「ブラック・ジャッ
ク」をこよなく愛し、黒いレインコートを羽織り、ポケットにはメスを忍ばせ
て、患者を探して団地を駆け回ります。そんな主人公の引き起こす些細な出来
事と、親の都合に振り回されるものの、ブラック・ジャックを心の支えとして
の親友との交流が描かれています。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 ブラックペアン1988
【著者名】 海堂 尊
【出版社】 講談社
【初 刊】 2007年9月20日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】外科研修医・世良が飛び込んだのは、君臨する“神の手”教授に
      新兵器導入の講師、技術偏重の医局員ら、策謀渦巻く大学病院。
      大出血の手術現場で世良が見た医師たちの凄絶で高貴な覚悟。驚
      愕手術の結末とは!
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 物語は、映画化もされた「チームバチスタの栄光」と同様に東城大学医学部
付属病院が舞台ですが、時代設定は昭和63年で、シリーズからおよそ20年
前に遡っています。外科の研修医・世良は入局早々に手術にかり出され、佐伯
教授の技術を目の当たりにする。一方で、新しく赴任した高階は、外科医個人
の技術ではなく、誰もが失敗なくできる手術を目指し、スナイプという新しい
器具の導入を進めるも、そこへ天性の技術を持つ渡海が横やりを入れ対立。高
階、渡海両者に見込まれた世良は、病院という組織やしがらみといった現実に
直面していく……という物語となっていますが、手術におけるプロセスや、術
者の体と心の動きの細やかさなどは圧巻です。専門用語が多いだけに、やや難
解な感じる部分も多いですが、人間模様や迫力ある描写は読みごたえがありま
した。

<本紹介>
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【ジャンル】新書
【著書名】 不祥事はなぜ繰り返されるのか
【著者名】 武井 勲
【出版社】 扶桑社新書
【初 刊】 2007年12月1日
【金 額】 680円+税
【カバー文】安倍首相、柏崎刈羽原発、白い恋人、ミートホープ、赤福、比内
      鶏…。これら失態には共通の原因があった! 挫折、失敗など、
      人生にリスクはつきもの。リスクだらけの世界に生きる日本人の
      ためのリスク・マネジメント入門書。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、不祥事による失態で、取り返しのつかないところまで追い込まれた
原因、悪化する前に何をすべきだったか、不祥事が起きてしまった段階で、ど
うすればよかったかを提言したもの。様々な不祥事は、リスク・マネジメント
が機能していないがゆえに深刻な状態に陥ってしまっていますが、特に企業は
不祥事対策として、リスク・マネジメントについてをしっかり認識すべきだと
思います。

【ま行】

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 魔女の盟約
【著者名】 大沢在昌
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2008年1月10日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】忌まわしい事件に決着をつけた水原は、実は巨大な陰謀に利用さ
      れていたことを知る。韓国で知り合った女性捜査官・白理ととも
      に日本に戻った水原は、真実を暴く戦いに挑む…。『週刊文春』
      掲載を単行本化。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、『魔女の笑窪』の続編となるシリーズ第2弾。水原冬子は、14歳
の時に、祖母に島からの脱出は不可能と言われる九州の通称地獄島と呼ばれる
売春島へ売られるが、24歳で脱出に成功。そして12年後に、その地獄島の
壊滅に関わることとなったが、その結果、警察とヤクザの双方に狙われること
になり、釜山に身を潜めている。その潜伏先に現れたのは中国の女性捜査官・
白理で、彼女は水原が地獄島で遭遇した殺し屋の金とその雇い主・黄に夫と子
供を殺され、彼らにつながる水原に接近。そして白理の復讐の片棒を担ぐこと
になった水原は、黄を追って白理と日本に戻るのだが、そこで新たに分かった
ことは、水原自身、東アジアの裏社会地図を塗り替えようとする陰謀の駒とし
て使われていたこと。その陰謀を暴くため、水原は巨大裏組織を相手に戦いを
挑んだ……。
 物語は、民族マフィアとの戦いを描いたハードボイルドで、大沢在昌らしい
作品でもあります。ラストでやや物足りなさを感じたものの、前半から後半に
かけては息を付かせぬ展開が続き、近年の作品の中でも昔の大沢作品に近い面
白さがありました。

【や行】

 

【ら行】

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 ロンド・カプリチオーソ
【著者名】 中野順一
【出版社】 東京創元社
【初 刊】 2007年11月30日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】「新宿西口に近づかないで」という恋人の忠告に逆らった結果、
      ピアノ弾きのタクトは厄介な事件に巻き込まれる。新宿に群がる
      さまざまな人間と出会いながら、タクトは真相を追いかける! 
      躍動感あふれる青春ミステリ。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 「しばらくのあいだ、新宿西口には近寄らないで」バー・CLOUDのピア
ノ弾き・タクトは、特殊な予知能力を持つ恋人の花梨からそう忠告を受ける。
だが、意地っ張りな性格から敢えて西口に向かったタクトは、そこで一人の女
性と出会い、次々と厄介な事件に巻き込まれ始めた。世界的指揮者の父にかか
ってきた脅迫電話、友人の不審な行動、突然の襲撃、そして全ての背景に存在
するものとは何なのか?
 本書は、著者の『セカンド・サイト』の続編にあたるもので、新宿を舞台と
した作品ですが、前作と直接的な繋がりはないものの、エピソードの紹介が描
かれ、そこに矛盾点があったのは大きなマイナスです。また作中の計画も今ひ
とつで、展開が活かしきれていなかったのは残念です。

<本紹介>
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【ジャンル】連作ミステリ
【著書名】 ルピナス探偵団の憂愁
【著者名】 津原泰水
【出版社】 東京創元社
【初 刊】 2007年12月25日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】高校時代から様々な事件に遭遇してきた「ルピナス探偵団」のひ
      とりが世を去った。残されたのは、彼女が死を前に造らせた、奇
      妙な小路の謎…。逆回しの時間が紡ぐ、少女たちの「探偵」物語。
      4編を収録した連作ミステリ。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 高校時代「ルピナス探偵団」として様々な事件に遭遇してきた少女3人と少
年1人。卒業後、それぞれの道を歩んでいた4人のうち、1人が不治の病で世
を去った。久々に顔を合わせた3人に残されたのは、彼女が死を前にして百合
の樹の林に造らせた、奇妙な小路の謎だった……。
 物語は4つの作品が収録された少年少女達の過去へさかのぼっていく構成の
探偵物語。登場人物も非常に個性的で、4つのエピソードはそれぞれに印象的
でもありました。

【わ行】

 

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