書評データベース(2008年度8月分)
■2008年8月に紹介した本■
競馬裏ちゃんねる 別冊宝島編集部編 宝島SUGOI文庫
完全恋愛 牧 薩次 マガジンハウス
九つの、物語 橋本 紡 集英社
壁抜け男の謎 有栖川有栖 角川書店
風の牧場 有吉玉青 講談社
聖域 大倉崇裕 東京創元社
先生と僕 坂本 司 双葉社
シグナル 関口 尚 幻冬舎
サイレント・キラー 結城五郎 角川春樹事務所
シンメトリー 誉田哲也 光文社
さらば財務省! 高橋洋一 講談社
司法書士がズバリ解決!ドラマでわかる身近なお金のトラブル
川上徹也 インデックス・コミュニケーションズ
スメラギの国 朱川湊人 文藝春秋
スタンド・バイ・ミー 小路幸也 集英社
最後のハリー・ポッター 藤城真澄 万来舎
電話を切った後で必ず「ムカツク」という人 本郷陽二 経済界
電車屋赤城 山田深夜 角川書店
通販な生活 日垣 隆 講談社
田村はまだか 朝倉かすみ 光文社
TOKAGE 特殊遊撃捜査隊 今野 敏 朝日新聞社
田中将大 ヒーローのすべて 黒田 伸 北海道新聞社
どうして僕はきょうも競馬場に 亀和田武 本の雑誌社
つぶせ!裁判員制度 井上 薫 新潮新書
我、弁明せず。 江上 剛 PHP研究所
母が重くてたまらない 墓守娘の嘆き 信田さよ子 春秋社
Χωρα(ホーラ) 死都 篠田節子 文藝春秋
【あ行】
【か行】
<本紹介>
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【ジャンル】競馬
【著書名】 競馬裏ちゃんねる
【著者名】 別冊宝島編集部編
【出版社】 宝島SUGOI文庫
【初 刊】 2008年6月3日
【金 額】 438円+税
【カバー文】調教師“勇退”の裏に隠された真実、ターフの外に出た騎手たち
の懲りない面々、マスコミに出回ったJRA告発の怪文書、地方
競馬が消される舞台裏…。トレセン関係者や記者から聞いた、競
馬サークル内のあやしい裏話、ウワサ話の数々。ファンから見え
ない、スポーツ紙や専門誌が決して書けない裏ネタが満載。別冊
宝島『競馬「裏」事件簿』に書き下ろし原稿を加えて文庫化。
【満足度】 ★★★
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本書は、別冊宝島『競馬「裏」事件簿』に書き下ろし原稿を加えて文庫化さ
れたものですが、その別冊宝島『競馬「裏」事件簿』を以前に読んだだけに、
目新しい内容は感じられませんでしたが、ジョッキーの合コン好きやキャバク
ラ通いの話は、思わず笑ってしまいました。競馬ファンの暇潰しの文庫という
感じです。
<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 完全恋愛
【著者名】 牧 薩次
【出版社】 マガジンハウス
【初 刊】 2008年1月31日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】他者にその存在さえ知られない罪を完全犯罪と呼ぶ。では、他者
にその存在さえ知られない恋は、完全恋愛と呼ばれるべきか?
推理作家協会賞受賞の「トリックの名手」があえて別名義で書き
下した究極の恋愛小説+本格ミステリ。
【満足度】 ★★★★☆
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帯に『推理作家協会賞受賞の「トリックの名手」T・Mがあえて別名義で書
き下した究極の恋愛小説+本格ミステリ1000枚』とありますが、大御所作家が
ペンネームを変えて上梓した作品が本書です。物語は、主人公である洋画家の
柳楽糺の生涯を描いた作品ですが、終戦直後に主人公が進駐軍の将校の刺殺事
件に関わり、永遠の憧れとなる女性との因縁ができ、愛していながら彼女とは
結ばれることがないままに、激動の戦後を洋画家としての地位を築いていきま
す。しかし、この2人の運命が交錯するときには必ず大掛かりな不犯罪が置き、
その犯罪が時空列として描かれます。
作品としては、かなり凝ったミステリでもあり、誰にも知られざる恋愛と完
全犯罪がうまくミックスされています。ちなみに「牧 薩次」というペンネー
ムですが、著者のかつての作品を読んでいる人なら、いかなる人物かというの
はすぐに分かりますが、アニメ脚本家で推理作家で漫画原作者でエッセイスト
でもあり、「鉄腕アトム」「デビルマン」「巨人の星」「サザエさん」「ドラ
えもん」などの脚本も書いた愛知県名古屋市出身と書けば、分かる人にはピー
ンとくるんじゃないでしょうか。久々のミステリも十分堪能できました。
<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 九つの、物語
【著者名】 橋本 紡
【出版社】 集英社
【初 刊】 2008年3月10日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】ある日突然、「いないはずの」お兄ちゃんが帰ってきた。温かな
時間は、ゆきなが失っていた「ある記憶」によって崩壊していく
…。繊細で壊れやすい心に響く、生きることの愛しさに溢れた9
つの物語。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、大学生・ゆきなを主人公にした9編からなる物語。それぞれの章に、
泉鏡花、太宰治、田山花袋、永井荷風、内田百聞、井伏鱒二、樋口一葉、サリ
ンジャーの文学作品が登場し、社交的な兄に比べて、内省的なゆきなが、読書
家だった兄の蔵書を読みながらその時の自分に重ね合わせたり考えたりしなが
ら物語は進んでいき、更に物語では、毎回とても美味しそうな食事シーンが出
てきます。兄妹の家族愛と優しさが温かい作品です。
<本紹介>
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【ジャンル】短編ミステリ
【著書名】 壁抜け男の謎
【著者名】 有栖川有栖
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2008年4月30日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】縦横無尽に張り巡らされた罠、目眩くアリス・ワールドのカオス!
犯人当て小説から近未来小説、敬愛する作家へのオマージュ、本
格パズラー、そして官能的な物語まで、全16作品を収録。
【満足度】 ★★★☆
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本書は、16作品が収録された短編ミステリ集ですが、ファンタジー、SF、
官能、パロディ……など、他の作品にも収録されているものが編纂し直されて
いたりと、寄せ集め的な作品集でもありました。有栖川有栖らしい読みやすさ
というのは相変わらずですが、短編ということもあってか展開が非常に早く、
もう少し中身を詰めてほしかったという作品もありました。
<本紹介>
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【ジャンル】連作短編小説集
【著書名】 風の牧場
【著者名】 有吉玉青
【出版社】 講談社
【初 刊】 2008年3月31日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】美名子と母のあいだにある、ふれられない空白。そこには、いつ
も「不在の父」がいた…。現代を生きるひとりの女性の姿を、思
春期から40代までの心の軌跡をとおして語る6篇の物語。
【満足度】 ★★☆
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物語は、母子家庭で育った主人公の中学生からの30年間を6つの連作とし
て描かれた作品。40代にもなって、今の自分の未熟さは両親が離婚したせい
だと母親に問い詰める主人公の姿には、全く共感できませんし、最後に主人公
が心が開放されることにも繋がりますが、どうも主人公のワガママぶりが気に
かかり、作品としてはそれなりに良いとは思いますが、個人的にはイマイチで
した。
【さ行】
<本紹介>
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【ジャンル】山岳ミステリ
【著書名】 聖域
【著者名】 大倉崇裕
【出版社】 東京創元社
【初 刊】 2008年4月30日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】マッキンリーを極めたほどの男が、なぜ難易度の低い塩尻岳で滑
落したのか。3年前のある事故以来、山に背を向けて生きていた
草庭は、好敵手であり親友だった安西の死の謎を解き明かすため、
再び山と向き合うことを決意する。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
安西おまえはなぜ死んだ? マッキンリーを極めたほどの男が、なぜ難易度
の低い塩尻岳で滑落したのか。事故か、自殺か、それとも……。3年前のある
事故以来、山に背を向けて生きていた草庭は、好敵手であり親友だった安西の
死の謎を解き明かすため、再び山と向き合うことを決意する。すべてが山へと
繋がる、悲劇の鎖を断ち切るために……。
物語は、調査行を軸としたサスペンスでもあり、逆転劇を備えたミステリー
でもありますが、山の怖さと自然の美しさもしっかりと捉えた山岳ミステリで
自然の猛威に晒された悲劇を見事に描いています。山の臨場感もたっぷりで、
できることなら映画化されても面白いのではないかとも思いました。次作にも
大いに注目したいです。
<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ集
【著書名】 先生と僕
【著者名】 坂本 司
【出版社】 双葉社
【初 刊】 2007年12月25日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】都会の猫は、推理好き。そして田舎のネズミは…? あなたのま
わりのちょっとした事件、家庭教師の先生とボクが解決します!
こわがりな大学生とミステリ大好きの中学生がさまざまな謎に挑
むライトミステリ。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は表題作を含めた5つの作品が収録されている連作ミステリ。物語は、
中学生で大のミステリ好きの隼人と、怖がりな大学生で記憶力抜群の二葉との
コンビが事件を解決していくミステリですが、ライト感覚の短編でもあるだけ
に、非常に読みやすく、2人のコンビでの推理も読みごたえがありました。
<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 シグナル
【著者名】 関口 尚
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2008年2月25日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】地方都市の映画館でアルバイトを始めた恵介。そこで出会った映
写技師の杉本ルカは、外へ一歩も出ることなく映写室で生活して
いるらしい。バイト採用の条件は、不可解な3つの約束を守るこ
と…。切なく胸を打つ青春ミステリー。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
地方都市の映画館でアルバイトを始めた恵介。そこで出会った映写技師の杉
本ルカは、外へ一歩も出ることなく生活しているらしい。バイト採用の条件は、
不可解な三つの約束を守ることだった。1、ルカの過去については質問しては
いけない。2、ルカは月曜日になると神経質になるから、そっとしておくこと。
3、ルカとの恋愛は禁止。散らばったジグソーパズルのピースを拾い集めなが
ら、恵介は固く閉ざされた扉を押し開いていくが…。
映画館でアルバイトを始めた主人公が、映写技師の仕事に厳しく、仕事を愛
しているルカという女性と一緒に仕事をするにつれて、彼女のことが気になり、
外に出られない彼女の事情を探ろうとする物語ではありますが、青春小説と恋
愛小説とミステリが合わせられた作品ともいえるでしょう。舞台が映画館なだ
けに、映画の話も多く、その映画の話題も中々興味深かったです。ただ、ルカ
の過去の謎の部分に関しては、中途半端なところがあり、それがミステリとし
て評価を下げざるをえません。素材的には、いい作品ではあるものの、物足り
なさも幾つか感じた作品でもありました。
<本紹介>
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【ジャンル】医療ミステリ
【著書名】 サイレント・キラー
【著者名】 結城五郎
【出版社】 角川春樹事務所
【初 刊】 2008年5月8日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】医師そして看護師が次々と失踪した。義兄の残した「サイレント・
キラー」という唯一のメッセージを手がかりに、若き医師の闘い
が始まった。書き下ろし長篇医療ミステリー。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
都内の私立病院に勤める医師・楠木真史が謎の失踪をしてから1週間が過ぎ
た頃、妻の志乃の許へ怪しげな電話がかかってきた。真史が拉致されたと怯え
ながら話す女性は、志乃との面会を求めてきたのだ。だが翌日、電話の女性と
会うはずだった志乃は忽然と姿を消してしまった。大学病院に勤める福本耕平
は、姉の志乃の行方を追うが、手がかりは何もつかめなかった。義兄の真史の
失踪と必ず繋がりがある……そう確信した耕平は、真史が勤めていた病院へ転
職を試みるのだった。この病院に何があるのか? 次々と明らかになる患者の
不審死、看護師の失踪。耕平は真史が遺した手帳に記された「Silent
Killer」
の文字を発見するのだが……。サイレント・キラーとは、いったい何か? 病
気なのか、患者や医師を差すのか? 耕平は、元刑事の協力を得て、真相を探
りはじめる。
著者は現役の医師でもあり、これまでにも医療ミステリを幾つか出していま
すが、現役医師が描く作品だけに、医療についてを深く掘り下げて描いており、
個人的にはミステリ部分で多少物足りなさも感じましたが、読みごたえある作
品でした。
<本紹介>
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【ジャンル】警察小説
【著書名】 シンメトリー
【著者名】 誉田哲也
【出版社】 光文社
【初 刊】 2008年2月25日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】三度の飯より捜査活動が好き、できれば派手な事件に挑みたい。
警視庁捜査一課殺人犯捜査係に所属する刑事、姫川玲子はそんな
女だ。しかし、事件の真相と司法との間には、割り切れぬ闇も存
在して…。姫川玲子シリーズ第3弾。
【満足度】 ★★★★
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本書は、「ストロベリーナイト」「ソウルケイジ」に続く姫川玲子シリーズ
の第3弾で、前2作とは違って、7編からなる連作短編集。短編の分、前2作
とは違って、多少展開が浅かったようには思いますが、主人公・姫川玲子の魅
力は短編ながらタップリと描かれていますし、短編のいずれもが現実的な事件
を取り扱っていて、読みごたえがありました。
<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 さらば財務省!
【著者名】 高橋洋一
【出版社】 講談社
【初 刊】 2008年3月18日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】日本一のエリート集団は、かくも腐り果てていた! 「小泉・竹
中改革」の司令塔として、「郵政民営化」「道路公団民営化」
「公務員制度改革」などを実現した異能キャリアが財務省と訣別、
改革つぶしのすべてを暴露する。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
著者は、小泉・安倍両政権で一連の改革政策を立案した特命官僚の元内閣参
事官。安倍政権の退陣とともに霞が関を去り、それを機に本書を書かれたよう
で、政権の舞台裏や、霞が関の既得権益の実態が明らかになっています。それ
らの中で、郵貯の将来予測、道路公団の資産査定、特別会計の埋蔵金発掘など、
マスコミの話題にもなった事例が詳しく紹介されており、改革案を出すことで、
現役官僚やOBの既得権益に切り込むことで、身内から潰されそうになりなが
らも、改革を推し進める様子が書かれています。また、単に内部の暴露本とは
しておらず、経済学を分かりやすく解説しているほか、抵抗勢力との戦いの内
幕や霞ヶ関の内情など、非常に興味深い中身となっていますし、また数兆円を
ドンブリ勘定している呆れた実態には怒りを感じます。
<本紹介>
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【ジャンル】法律
【著書名】 司法書士がズバリ解決!ドラマでわかる身近なお金のトラブル
【著者名】 川上徹也
【出版社】 インデックス・コミュニケーションズ
【初 刊】 2008年6月30日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】認知症、訪問販売、多重債務、離婚、相続、不当解雇…。四谷家
に起こる嵐のような1日! 家庭での身近なお金のトラブルをド
ラマ形式で描き、法律による解決策をわかりやすく指南する。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、身近なお金のトラブルについて、金銭トラブルに関する疑問、対処
方法をわかりやすく解説し、司法書士の役割、相談機関と相談方法などについ
てを司法書士である著者と東京司法書士会が編著という形で、ドラマ形式で紹
介しています。一般的な法律本とは違って、ドラマ形式であるため、内容がす
んなりと頭に入ってきますし、事例が複数書かれていますから、興味深かった
です。なお、巻末には全国の司法書士会一覧、全国の司法書士会相談センター、
無料相談開催所なども収録されています。
<本紹介>
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【ジャンル】ホラー
【著書名】 スメラギの国
【著者名】 朱川湊人
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2008年3月15日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】恋人との結婚を見据え、洒落た新築アパートに引っ越した志郎。
新居の前には、猫が不思議と多く集まる空き地があったのだが、
そこには隠された秘密が…。不幸な事故をきっかけに、猫と人間
の凄絶な闘いがはじまる。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
結婚を決意し、幸せいっぱいの志郎と麗子。新居となるアパートの前には、
猫が多く集まる不思議な空き地があった。大家からは何の説明もなく、その付
近の猫には構うなと言われるが、そのときには、ひょっこりと部屋に現れた猫
を飼っていたのだった。ある日車を安く手に入れられた志郎は、目の前の空き
地を車庫がわりにする。しかしそれが薔薇色の生活を一変させる、可愛かった
猫たちとの戦いの始まりになろうとは思いもしなかった……。
物語は、結婚後の新居にと郊外のアパートを借りた会社員が、知能を得たネ
コたちに襲われ、ふとした不注意で犯した事故が泥沼の惨劇へと至るというホ
ラー作品。ホラーとしてのゾクゾク感は味わえますし、作品としては悪くはな
いとは思うものの、動物の残虐描写がかなり激しく、この残虐描写は正直読ん
でいて辛かったです。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 スタンド・バイ・ミー
【著者名】 小路幸也
【出版社】 集英社
【初 刊】 2008年4月30日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】大切な人はきっと、そばにいる…。4世代ワケあり大家族が営む
古書店に、古本と共に舞い込む謎の数々。その答えから見えてく
る、秘められた思いや絆とは? 「東京バンドワゴン」第3弾。
【満足度】 ★★★★
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本書は、『東京バンドワゴン』『シー・ラブズ・ユー』に続く、4世代が同
居する堀田家の日常を描いたシリーズのシリーズ第3弾。登場人物達がとにか
く魅力的で、人情が溢れる堀田家に持ちこまれる数々の問題や出来事を、笑い
を交えて描かれています。8人で始まった同居人が12人に増え、更にパワー
アップしたシリーズですが、この「東京バンドワゴン」シリーズの第4弾から
今から待ち遠しいですし、これはドラマ化してほしいなァ。。。
<本紹介>
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【ジャンル】文学評論
【著書名】 最後のハリー・ポッター ファンタジーの破壊者
【著者名】 藤城真澄
【出版社】 万来舎
【初 刊】 2008年8月1日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】「ハリー・ポッター」が生み出した、誰も見たことのない魔法世
界。その裏側には、ファンタジー小説の「不文律」をとことん打
ち破る、新たな物語が隠されていた! シリーズ全7巻のあらす
じ付き。
【満足度】 ★★★★☆
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本書は、世界的ベストセラーでもある「ハリー・ポッター」シリーズの評論
本ですが、一般的な固いイメージの評論本ではなく、「ハリー・ポッター」シ
リーズの面白さが再認識でき、シリーズ全体の奥深さが味わえます。大きく4
つの章に分かれており、第1章では世界的なファンタジー作品でもある『指輪
物語』『ナルニア国物語』『ゲド戦記』などとの違いや日本の翻訳問題などに
も触れ、シリーズの斬新さを分かりやすく解説。第2章は、「ハリー・ポッタ
ー」のキャラクター分析。第3章では、作者のJ・K・ローリングを考察し、
その半生についても触れています。そしてラストの第4章は、各「ハリー・ポ
ッター」シリーズについての“あらすじ”を紹介しており、再びその魅力を思
い出させてくれます。文章が固くなりがちな評論本ではなく、著者が分かりや
すく「ハリー・ポッター」シリーズの良さを前面に引き出していますから、
「ハリー・ポッター」ファンにはお勧めできる一冊ですし、ファンタジー作品
の素晴らしさを改めて認識させてくれます。
【た行】
<本紹介>
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【ジャンル】新書
【著書名】 電話を切った後で必ず「ムカツク」という人
【著者名】 本郷陽二
【出版社】 経済界
【初 刊】 2008年3月7日
【金 額】 800円+税
【カバー文】怒りっぽい人、自分勝手な人、礼儀やマナーをわきまえない人…。
そんな困った人たちとのさまざまなトラブルを紹介し、理解不能
に見える彼らの言動を解明。上手な距離のとり方やつき合い方の
コツを指南する。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
本書は、分かりやすくいうと、ビジネス上の困ったチャンとの対処法をまと
めたもの。自分勝手で問題行動を起こすような困ったチャンでも、仕事上付き
合いはどうしても避けられませんから、そんな困ったチャンと共存していくた
めに、様々なトラブルを紹介し、その困ったチャンの行動・言動パターンから、
どう対処していけばいいのかを、それぞれのケースごとにまとめています。ま
た、困ったチャン対策だけではなく、ビジネスマナーも書かれていますから、
人付き合いのコツや、円滑な人間関係を築くためのヒントが載っており、日常
生活としても役立つ新書です。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 電車屋赤城
【著者名】 山田深夜
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2007年4月30日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】こんな僕にも、生きる意味はあるんでしょうか…。引きこもりの
青年が出会った、無骨な電車整備士。消えゆく旧型車両と運命を
ともにしようとする男の背中を通して、仕事への愛と誇りを描き
切る感動物語。
【満足度】 ★★★★
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20歳の田宮純一は引きこもりを克服すべく、伯父・三郎の経営する「スカ
コウ」の下請け会社エース工業でアルバイトを始めた。その純一の前に現れた
のは、無口で無愛想で敵の多い赤城、仕事に厳しい佐島、赤城の唯一の理解者
である元マグロ漁船の漁師原口ら、一筋縄ではいかない個性的な面々だった。
それぞれ色んな過去を背負った男達に触れるうちに、純一は少しずつ自分の殻
を剥がしていく。折しも、神奈電は旧型車両1000型を廃止し、新型の30
00型の導入を目指して旧型の整備に特化していたスカコウの古株をどんどん
解雇していく。そんな中、地震のため大規模な脱線事故が発生した…。
物語は、神奈川県を川崎から三浦三崎へ向けて走る私鉄、神奈川電鉄の車両
整備を受け持つ神奈川電鉄横須賀工場、通称「スカコウ」を舞台に繰り広げら
れる、仕事に誇りと意地を抱き、電車に人生のすべてをかけた、不器用で一本
気な男達の生き様を描いた作品。職人さんが色々と登場しますが、その職人さ
ん達の仕事への情熱が上手く表現されていて、それぞれのエピソードも読みご
たえがあります。できるなら映画化してほしいとも思う作品で、電車の魅力も
満載です。
<本紹介>
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【ジャンル】通販エッセイ
【著書名】 通販な生活
【著者名】 日垣 隆
【出版社】 講談社
【初 刊】 2008年4月17日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】買い物とは、モノではなくプロセスを楽しむものらしい…。メー
ルマガジン『ガッキィファイター』配信中の著者が、テレビショ
ッピング、ネット通販などを通して世の中を斬る。『週刊現代』
連載を加筆・修正して単行本化。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
ノンフィクション作家で通販好きでもある著者が、自身の通販生活を大公開
したのが本書。健康器具、日用品、蚕やカジノテーブルと、必要なものから好
奇心で買ったものまで、実に多岐にわたっていて、その買い物の失敗談も実に
ユニーク。単なる通販紹介本とはなっておらず、その商品の長所と短所をしっ
かりと書いており、買うプロセスと失敗のエピソードが満載で、正統派のコラ
ムとは違い、著者の気さくに一面が見られて面白かったです。
<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 田村はまだか
【著者名】 朝倉かすみ
【出版社】 光文社
【初 刊】 2008年2月25日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】深夜のバー。小学校クラス会の三次会。40歳になる男女5人が、
大雪で列車が遅れ、クラス会に間に合わなかった「田村」を待つ。
人生にあきらめを覚え始めた世代のある一夜を、軽快な文体で描
く。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
物語は田村を待つ5人のドラマで、小学校を卒業して28年が経ち、共に満
40歳となった男女5人がそれぞれの悩みや問題を抱えながら、田村を待ち、
田村の思い出を語りながら、自分の時間を巻き戻していきます。ススキノの飲
み屋で「田村」を待つだけの物語ではありますが、待つ5人とマスターとの語
らいや、それぞれの過去は読ませます。そしてラストには意外なドンデン返し
も待ち受けますが、これは結構面白かったです。
<本紹介>
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【ジャンル】警察小説
【著書名】 TOKAGE 特殊遊撃捜査隊
【著者名】 今野 敏
【出版社】 朝日新聞社
【初 刊】 2008年1月30日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】大手都市銀行の行員3名がさらわれた。身代金の要求額は10億
円。警視庁捜査一課の若手、上野数馬は覆面捜査専門のバイクチ
ーム「TOKAGE」の一員として初めての誘拐事件に挑むが…。
『小説トリッパー』連載を単行本化。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
今野敏の警察小説はこれまでにも色々と読んできましたが、この特殊遊撃捜
査隊というのは、これまでのシリーズには登場しない組織で、バイク移動の覆
面捜査部隊・通称「トカゲ」が物語の主役でもありますが、他の作品と比べる
と本書はアッサリした作品で、企業誘拐事件が描かれる作品ではあるものの、
犯人グループとの戦いもそれほど迫力を感じず、物語の設定は魅力的でしたが、
不自然な展開もあったりと、やや物足りなさを感じました。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】野球
【著書名】 田中将大 ヒーローのすべて
【著者名】 黒田 伸
【出版社】 北海道新聞社
【初 刊】 2008年2月1日
【金 額】 1333円+税
【カバー文】プロ野球パ・リーグの新人王に輝いた東北楽天ゴールデンイーグ
ルスの田中将大投手。少年時代の秘話、駒大苫小牧高校時代のエ
ピソード、昨シーズンの軌跡などをまとめた。巻末には本人のイ
ンタビュー、公式戦全記録も掲載。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
本書は、夏の甲子園を連覇した駒大苫小牧高のエースとして活躍し、プロ野
球の東北楽天に入団、昨年のパ・リーグ新人王に輝いた田中将大投手のこれま
での歩みを、北海道新聞の記者である著者が徹底取材してまとめたもの。少年
時代の話や駒大苫小牧高校時代のエピソードは、こちら北海道でも当時の北海
道新聞を始めとして、テレビなどでも取り上げていただけに知っている話が多
かったですが、田中選手がドラフト前に入団したかった球団の話は知らなかっ
ただけに、新鮮さもありました。また、少年野球の頃から現在に至るまで、指
導者に本当に恵まれてきたエピソードも満載で、そうした境遇の元なんだとも
改めて感じました。
<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】競馬エッセイ
【著書名】 どうして僕はきょうも競馬場に
【著者名】 亀和田武
【出版社】 本の雑誌社
【初 刊】 2008年5月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】全国全競馬場制覇をめざし、金沢経由で名古屋から三条へ。北見、
岩見沢、そして益田。いまはなき競馬場の記憶を胸に、そこでし
か味わえないロマンを求めて、競馬の旅は続く。旅と競馬を愛す
るすべての人に捧げる草競馬探訪記。
【満足度】 ★★★★
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本書は、著者が99年から01年にかけて、日本全国の公営競馬場全30場
と、ロサンゼルス、香港、シンガボール、フランスなどの海外の競馬場を回り、
そこで出会った人々や、そこでしか味わえないエピソードを綴った競馬エッセ
イ。どの競馬場への探訪も、その競馬場の空気というか雰囲気が文章からも伝
わり、一緒に旅をしている気分にさせてくれます。
<本紹介>
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【ジャンル】新書
【著書名】 つぶせ!裁判員制度
【著者名】 井上 薫
【出版社】 新潮新書
【初 刊】 2008年3月20日
【金 額】 680円+税
【カバー文】ある日突然やってくる「裁判員を命ず」という恐怖の召集令状。
一般市民が凄惨な現場写真を見せられ、被告人に睨まれ、死刑判
決にまで関与する。国が進める世紀の愚行を元判事が完膚なきま
でに批判し、その廃止を訴える。
【満足度】 ★★★★☆
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本書は、裁判員制度の問題点を取り上げた新書ですが、その問題点を多く指
摘しており、著者は廃止も訴えています。その裁判員制度ですが、死刑、無期
懲役、無期禁錮といった重大な刑事事件の一審においてのみ適用され、この制
度下で裁かれることを被告は拒否できず、裁判員は有権者の間から抽選という
無作為方式で選ばれ、特別な事情をもつ人でなければ免除されず、いつ指名さ
れるかわからないことを、現代の召集令状とも批判します。更に、殺人事件を
担当しようものなら、見たくもない、血みどろの現場写真を見せられ、耳をふ
さぎたくなるような凄惨な話を延々と聞かされ、裁判員として関わった事件の
評決内容を一言でも口外しようものなら、懲役刑に処せられるということなど、
数多くの欠陥と違憲性を取り上げています。
個人的には、裁判員制度は全てが反対ではありませんし、刑の執行を早める
ことや民意を裁判に反映させることは賛成ではありますが、ある程度の法令を
知っている人ならともかく、法の概念を持たない人が裁判の判断を下すことに
も無理があります。他にも本書では多くの問題点を指摘していますが、裁判員
制度についてを新書として非常によくまとめているもので、裁判員制度は決し
て他人事ではない制度なだけに、読んでおいて損のない一冊だとも思います。
【な行】
【は行】
<本紹介>
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【ジャンル】家庭問題
【著書名】 母が重くてたまらない 墓守娘の嘆き
【著者名】 信田さよ子
【出版社】 春秋社
【初 刊】 2008年4月10日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】親の期待に苦しみながら必死にいい娘を演じる女性達。それが
「墓守娘」だ。進学、就職、結婚、介護…。どこまでもついてく
る母から、どう逃げおおせるか。臨床心理士が悩める全ての女性
に贈る、究極の「傾向と対策」。
【満足度】 ★★★★
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「そんな結婚、許さない」「ママの介護をするのは当然。娘なんだから」
「私が死んだら墓守は頼んだよ」…。そんな期待に押しつぶされそうになりな
がら、必死にいい娘を演じる女性たちがいる。それが「墓守娘」だ。なぜ母は
娘を縛るのか。なぜ娘はNOと言えないのか。膠着した関係から脱出するには。
当事者の証言を元に具体的な解決を見出す、かつてないほど希望に満ちた書。
著者は豊富なカウンセリング経験をもとに、娘の進学、就職、結婚、そして
自分の介護、墓守まで、娘を支配し干渉せずにはいられない母親のタイプを分
類し、問題解決の方法を示していますが、これは決して女性だけの問題ではな
く、子供へ依存する親も多いでしょうし、家庭問題として、これから少子高齢
化が進むにつれて、更に問題化するのではないかとも思います。老後や介護問
題も含めて、結構重い内容でもありますが、高齢化問題を真正面から捉えた一
冊ともいえます。
<本紹介>
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【ジャンル】ホラー
【著書名】 Χωρα(ホーラ) 死都
【著者名】 篠田節子
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2008年4月10日
【金 額】 1476円+税
【カバー文】不倫の関係を続ける亜紀と聡史は、エーゲ海の小島の教会で、掌
から血が流れ出すという体験をする。さらにたび重なる不可思議
な出来事。それらは神の起こす奇蹟なのか、それとも…。妖しく
も美しいゴシック・ホラー。
【満足度】 ★★★
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互いに家庭がありながら不倫の関係を続ける亜紀と聡史は、エーゲ海の小島
にやってきた。その島の廃墟の教会で、亜紀は聖母マリアのような幻を見た上、
手のひらから急に血が流れ出すという体験をする。だが島の人々は、廃墟は
「ホーラ」と呼ばれる不吉な場所で、そこに教会など存在しないという。さら
に重なる不可思議な出来事。それらはホーラの持つ妖しい力によるものなのか
……。
物語は、幻想的ホラーともいえる作品で、篠田節子としてはやや異質な作品
で、凝った作品ではあると思うものの、エンターティメントとしてはイマイチ
でした。
【ま行】
【や行】
【ら行】
【わ行】
<本紹介>
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【ジャンル】経済小説
【著書名】 我、弁明せず。
【著者名】 江上 剛
【出版社】 PHP研究所
【初 刊】 2008年3月19日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】すごい人物がいた…。明治・大正・昭和の激動の中、三井財閥ト
ップ、日本銀行総裁、大蔵兼商工大臣として「信念」を貫き通し
た「サムライ」池田成彬の波乱・怒涛の人生を描く。
【満足度】 ★★★★
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本書は、明治から大正にかけて「三井の大番頭」と呼ばれ、昭和期に三井財
閥トップ、日銀総裁、大蔵兼商工大臣を務めた池田成彬の生涯を描いた作品。
日露戦争、第一次世界大戦、昭和金融恐慌、血盟団事件、二・二六事件、太平
洋戦争……と、歴史が大きく動く中で、自分の正義を貫き通す姿には感銘を受
けます。明治・大正・昭和と日本経済に大きく関わった様子も描かれていまし
たが、池田成彬についてを更に知りたいと思う内容でもありました。私利私欲
のためだけに走る政治家や経済界の人物が多い今の世に、こういう人こそ救世
主として現れてほしいものです。
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