書評データベース(2008年度10月分)

 

■2008年10月に紹介した本■

 弥勒世(上下巻)            馳 星周     小学館
 やつらを高く吊せ           馳 星周     講談社
 まだ殺してやらない          蒼井上鷹     講談社
 もう誘拐なんてしない         東川篤哉     文藝春秋
 マネーロード             二郎遊真     講談社
 「猛毒大国」中国を行く        鈴木譲仁     新潮新書
 チューバはうたう           瀬川 深     筑摩書房
 体育座りで、空を見上げて       椰月美智子    幻冬舎
 治験                 仙川 環     双葉社
 たまげた録              原田宗典     講談社
 鉄子の旅写真日記          矢野直美 阪急コミュニケーションズ
 ツバメ記念日 季節風・春       重松 清     文藝春秋
 戸村飯店 青春100連発       瀬尾まいこ    理論社
 堂島物語               富樫倫太郎    毎日新聞社
 知識ゼロからのクレーム処理入門    弘兼憲史/援川聡 幻冬舎
 ヴァン・ショーをあなたに       近藤史恵     東京創元社
 居酒屋ほろ酔い考現学         橋本健二     毎日新聞社
 映画×東京とっておき雑学ノート    小林信彦     文藝春秋
 流星の絆               東野圭吾     講談社
 リセット               垣谷美雨     双葉社
 不連続の世界             恩田 陸     幻冬舎
 人が壊れてゆく職場          笹山尚人     光文社新書
 プロトコル              平山瑞穂     実業之日本社
 非属の才能              山田玲司     光文社新書
 疾走                 東 直己     角川春樹事務所
 逝年(せいねん)            石田衣良     集英社
 ステップ               香納諒一     双葉社

【あ行】

<本紹介>
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【ジャンル】連作ミステリ
【著書名】 ヴァン・ショーをあなたに
【著者名】 近藤史恵
【出版社】 東京創元社
【初 刊】 2008年6月30日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】下町のフレンチレストラン、ビストロ・パ・マル。気取らない料
      理で客の舌と心をつかむ変わり者のシェフは、客たちの持ち込む
      不可解な謎をあざやかに解く名探偵。絶品料理の数々と極上のミ
      ステリをどうぞ!
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、『タルト・タタンの夢』に続くシリーズ第2弾で、下町の小さなフ
レンチレストラン「ビストロ・パ・マル」の三舟シェフが、絶品料理を提供し
ながら謎解きまでする連作ミステリ。7つの作品が収録されていますが、いず
れも短い作品でもあるため、非常に読みやすかったですが、その分ややアッサ
リしていた印象を受けました。その舞台となっている下町のフレンチレストラ
ン「ビストロ・パ・マル」ですが、こじんまりとした親しみやすさを感じます
し、こんなフレンチレストランがあったらいいなァ……と思わせる描写で、フ
レンチとミステリをうまくミックスしています。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】エッセイ
【著書名】 居酒屋ほろ酔い考現学
【著者名】 橋本健二
【出版社】 毎日新聞社
【初 刊】 2008年6月30日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】縄のれんの向こうに日本のいまが見える…。社会学者が、杯を重
      ねながら東京の町を歩く。酒好き必読、ウンチク満載の居酒屋学。
      著者厳選30店のデータを収録。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、居酒屋を通して格差社会を探った考現学。一人で居酒屋を楽しむの
が普通の暮らしで、行けない状態が貧困だと書き、居酒屋を通しての経済格差
から始まり、この他にも、戦後の混乱期に誕生したヤミ市との関連、下町居酒
屋体験、日本の酒文化など、雑学も交え、面白い分析をしています。また、数
多くの居酒屋が本書の中にも出ており、居酒屋の魅力も満載です。

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 映画×東京とっておき雑学ノート
【著者名】 小林信彦
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2008年4月25日
【金 額】 1667円+税
【カバー文】自分の目で見たことしか信じない「時代観察者」の面目躍如! 
      「映画」と「東京」の現在とうつろいを克明に記す。『週刊文春』
      連載のクロニクル(年代記)的時評を単行本化。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、週刊文春の連載エッセイ「本音を申せば」シリーズの1年分をまと
めたもの。社会問題、映画、書評、東京の時代の変化ともいえる移り変わり…
…などが書かれていますが、様々な話題が多く、読み応えのあるエッセイです。

【か行】

 

【さ行】

<本紹介>
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【ジャンル】ハードボイルド
【著書名】 疾走
【著者名】 東 直己
【出版社】 角川春樹事務所
【初 刊】 2008年4月8日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】完成した低レベル廃棄物処理研究施設「えびす」の見学ツアーに
      参加した恵太は、そこでライフル銃のようなものを持った男たち
      に襲われ…。榊原健三をはじめとする、著者のオールキャストで
      贈る「残光」の続編。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 低レベル廃棄物処理研究施設「えびす」を見学に訪れた中学生の高見沢恵太
は、その警備の厳重さに驚きを隠せなかった。異様な雰囲気を醸し出す職員や
警備員たち。そんな中、事件は起こった。外国人らしき労働者が、施設から逃
走を図り、警備員たちが所持していた武器で発砲をしたのだ。この施設で何が
起きているのか。恵太たち見学者は、軟禁され、自由を奪われることに。一方、
かつて恵太の命を救った榊原健三は、恵太が「えびす」に向かう姿を目撃する。
やがて施設でただならぬ騒ぎが起きたのを察知した彼は、恵太の身を案じ、行
動を開始する……恵太は、かつて健三が愛した多恵子の息子なのだから。だが、
「えびす」側は、見学者に対し恐るべき計画を企んでいた・・・・・・。
 本書は、榊原健三シリーズの第3弾で、探偵・畝原、便利屋、ヤクザの桐原
など、著者のそれぞれのシリーズに登場する主人公達が揃って登場と、豪華キ
ャストで描かれるハードボイルド。舞台は北海道日高地方の田村町という架空
の町ではありますが、舞台は平取町をモデルとしているようで、二風谷ダム問
題でアイヌ民族差別をも巻き込んだ問題の場所に、低レベル処理施設が建設さ
れ、そこに絡む利権と暴力を、壮大なスケールとして描いています。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 逝年(せいねん)
【著者名】 石田衣良
【出版社】 集英社
【初 刊】 2008年3月30日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】20歳の夏から1年後。娼夫のリョウは、仲間の咲良、アズマと
      共にボーイズクラブを再開する…。この指が、肌が、唇が。一瞬
      を永遠にかえていく。小説「娼年」のその後を描き、性の深淵を
      清澄に謳いあげる恋愛小説。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、著者の『娼年』の続編で、コールボーイを描いた作品ですが、前作
では主人公の成長を描き、今回は主人公の仕事の再開と、クラブオーナーの死
についてが描かれています。性描写が多いのは前作同様ですが、前作からの更
なる主人公の成長期を期待していたので、多少期待ハズレとなりましたし、展
開が綺麗に収まりすぎているのもイマイチでした。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 ステップ
【著者名】 香納諒一
【出版社】 双葉社
【初 刊】 2008年3月25日
【金 額】 2000円+税
【カバー文】盗みのプロである斉木のもとへ、弟分の悟が転がり込んできた。
      女をめぐるトラブルで清瀧会の幹部を刺したという。事態の収拾
      をはかった斉木だが、捕えられ命を落とす。しかし、気がつくと
      昨日に戻っていて…。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 バーのマスター斉木章の裏の顔は、盗みのプロ。一年前のヤマで相棒と恋人
を失い、いまは傷心の日々を送っている。ある朝、弟分の悟が転がり込んでき
た。女をめぐるトラブルで清瀧会の幹部を刺したという。事態の収拾をはかっ
た斉木だが、捕えられ命を落とす。だが、気がつくと昨日に戻っていた。悟を
救うため、そして、“今日”を取り戻すため、斉木は横浜の夜を疾走する…。
盗みのプロが落ちた生と死のループ。繰り返される“今日”に“明日”は訪れ
るのか?
 物語は、死ぬと過去へ戻り、もう一度同じ日を繰り返す主人公を描いた作品
で、香納諒一にしては、この手のSF作品は非常に珍しいですが、結構面白く
読むことができました。多少主人公の魅力不足とは思いますが、生と死のルー
プをハードボイルドタッチで面白く描いています。

【た行】

<本紹介>
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【ジャンル】小説集
【著書名】 チューバはうたう
【著者名】 瀬川 深
【出版社】 筑摩書房
【初 刊】 2008年3月20日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】私はチューバ吹きだ。私が何者であろうとも、地の上のどこにい
      ようとも、私はチューバを吹く…。チューバの音の響きに魅せら
      れた若い女性の生き方を描く表題作のほか、書き下ろし作品「飛
      天の瞳」「百万の星の孤独」を収録。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 表題作を含む3つの作品が収録された作品集ですが、表題作である「チュー
バはうたう」が存在感ある作品です。チューバを吹く喜びが前面に描かれる作
品でもありますが、26歳の主人公が中学時代のブラスバンド部でチューバに
出会い、その音の魅力と共に主人公の成長が描かれます。トランペットやクラ
リネットのようにスポットライトが当たる楽器ではありませんが、チューバが
音楽の中で極めて重要な役割を果たし、音の重さや低音の魅力など、音楽の奥
深さを上手く文章としています。テンポもよく、スラスラと読め、非常に爽快
感ある作品集です。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 体育座りで、空を見上げて
【著者名】 椰月美智子
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2008年5月25日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】私は、自分をたっぷりと持て余していた。理不尽に怒り、親に当
      たり散らし、自分で自分をコントロールできない…。5分だって
      同じ気持ちでいられなかった、あの頃。読者を瞬時に思春期へと
      引き戻す、おかしくも美しい感動作。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は、中学生の普通の女の子の中学3年間の生活を通して友人との付き合
い、教師や親への反発、そして部活や授業や試験などを通しての喜びと、思春
期の心のバランスを描いた作品。80年代を背景に、尾崎豊などが物語に出て
きて、非常に懐かしい思いはしましたが、主人公が女子であるためか、細かな
出来事が描かれているものの、感情移入ができないというか、作品自体の面白
さというものは中々掴めませんでした。

<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 治験
【著者名】 仙川 環
【出版社】 双葉社
【初 刊】 2008年7月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】無職の青年に突然持ちかけられた年収1000万円のおいしい仕
      事。だが、その仕事は…。予測不能の事態、見えない敵の魔手が
      次々と彼に襲いかかる。著者待望の、新ジェットコースター・ク
      ライムサスペンス。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 ハローワークで声をかけてきたアメリカ人から、健康食品の日本市場開拓を
持ちかけられ、通販事業を始めた宮野だったが、顧客の不審死が続いている事
実を知り、宮野は真相究明のためにアメリカに向かうが、そこには別の陰謀が
隠されていた……。
 物語のテーマとしては、非常に面白い治験を舞台として描いていますが、主
人公のキャラクターがお気楽すぎて、緊張感があまり感じられず、折角のテー
マがサスペンスとして活かされていない印象を受けました。もう少し、真面目
な主人公であれば展開も幅広くなったとは思いますし、軽さがあって読みやす
かったものの、何か物足りなさを感じる作品でした。

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 たまげた録
【著者名】 原田宗典
【出版社】 講談社
【初 刊】 2008年7月30日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】現代人はビックリしなくなった。みんなもっと積極的に驚こうで
      はありませんか! 6年間したことのなかった書斎の模様替えや、
      ユニークな偏食傾向を持つ演劇青年など、「驚き」について語る、
      原田式・抱腹絶倒エッセイ。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 久々に原田宗典の新刊エッセイが出たので読んでみましたが、本書は、最近
の日本人はビックリしなくなったが、もっと積極的に驚こうと、日々の驚きを
綴ったエッセイ。ちょっとした日常の出来事も面白く解釈し、それを驚く著者
のエッセイは、気軽に読めて、楽しいエッセイ集です。

<本紹介>
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【ジャンル】フォトエッセイ
【著書名】 鉄子の旅写真日記
【著者名】 矢野直美
【出版社】 阪急コミュニケーションズ
【初 刊】 2008年8月11日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】恋する鉄道。乗り鉄・撮り鉄・旅鉄、みんな大好き! 近畿、中
      部、四国、東北、九州、北海道、沖縄そして海外リゾートまで、
      「鉄子」が綴る旅写真日記。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は鉄道フォトライターである著者が全国そして海外まで旅をしての旅写
真日記で、写真が多く使われているだけに、各地を旅した気持ちにさせてくれ
ますし、女性ならではの旅の感想は勿論のこと、各地での出会いや旅の思い出
を上手くファインダーに収めて表現しています。また、著者が現在の鉄道フォ
トライターに至った経緯も少し触れられており、鉄道ファンも興味深く読める
一冊だと思います。

<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 ツバメ記念日 季節風・春
【著者名】 重松 清
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2008年3月15日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】記憶に刻まれた“春”は、何度でも人生をあたためる。憧れ、旅
      立ち、別れ、幼い日の母の面影…。温かい涙あふれる春の物語。
      表題作のほか、「めぐりびな」「拝復、ポンカンにて」「お兄ち
      ゃんの帰郷」など全12編収録。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、春をテーマとした12編の短編集。春の季節の家族の物語でもあり
ますが、重松清らしさが全面に出ていて、全てが心温まる作品集となっていま
す。春は旅立ちの季節でもありますが、その別れと旅立ちも、伝えられない思
いや、遠く離れて暮らすことになる家族との深い絆を日常の出来事と共に描い
ていますが、涙腺が緩む作品ばかりで、読後も温かい感動を覚えます。今後は
3ヵ月ごとに、夏、秋、冬と刊行されていくようですが、いずれも必ず読みた
いと思いますし、短編ながら文章の巧さというものを感じました。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 戸村飯店 青春100連発
【著者名】 瀬尾まいこ
【出版社】 理論社
【初 刊】 2008年3月
【金 額】 1500円+税
【カバー文】大阪、住ノ江にある中華料理店、戸村飯店の2人の息子は、見た
      目も性格もまるで正反対。アホで不器用だけどまっすぐな兄弟を
      追いかける、さわやか爆笑コメディー。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、大阪の下町にある中華料理店・戸村飯店の性格が全く違う2人の息
子「ヘイスケ」と「コウスケ」の物語。大阪が舞台ということもあって、テン
ポが非常に良く、大人になる一歩手前の、揺れ動く心をさわやかに、そして人
情味溢れる作品として描かれています。更にドラマを見ているような感覚で読
むことができ、家族や故郷に対する兄弟の思いと、それぞれの成長が実に清々
しい作品です。

<本紹介>
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【ジャンル】時代経済小説
【著書名】 堂島物語
【著者名】 富樫倫太郎
【出版社】 毎日新聞社
【初 刊】 2008年1月5日
【金 額】 2000円+税
【カバー文】コメがゼニを産む大坂・堂島。遅れて商家に入った貧農の倅・吉
      左には、奉公人が夢見る出世の道は閉ざされていた。しかし持ち
      前の度胸と才覚によって、盛衰の激しいコメ問屋の世界で、自ら
      の運命を切り開いてゆく…。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 物語は、江戸時代、堂島、米商いを舞台にしたサクセスストーリーで、大坂
堂島の米問屋へ奉公にあがった貧農の倅である吉左が、持ち前の才覚・性格で
自らの運命を切り開いていく物語。江戸時代の米相場は幕府未公認のお米の先
物取引で、その当時の経済を時代小説として描いていることに興味を持って読
みましたが、当時の米相場を現代に置き換えれば、ディーリングや先物取引や
株式運用委託といったものと変わらず、それにサクセスストーリーと恋愛も絡
めており、普段は時代小説は滅多に読みませんが、面白さを堪能できた作品で
す。

<本紹介>
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【ジャンル】ビジネス
【著書名】 知識ゼロからのクレーム処理入門
【著者名】 弘兼憲史/援川聡
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2008年6月25日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】担当者を悩ます困ったクレームへの対応をはじめ、クレーム対応
      の基本である顧客満足対応、クレームに強い組織づくり、悪質な
      クレームへの対応法を、イラストとチャートで徹底解説。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は「島耕作」の作品イラストと共にチャートも交えてのクレーム処理の
解説をまとめたもの。クレーム対応は勿論のこと、クレーム対応の基本でもあ
る顧客対応も紹介し、様々な事例と対応が分かりやすく書かれています。島耕
作を始めとして、弘兼憲史の作品にも様々なクレーム対応についてが書かれて
いますが、そのイラストが一緒に載っていることで、より分かりやすくなって
います。

【な行】

 

【は行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】連作ミステリ集
【著書名】 不連続の世界
【著者名】 恩田 陸
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2008年7月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】音楽ディレクター塚崎多聞のフランス人の妻ジャンヌが突然里帰
      りし、そのまま音信不通になって、そろそろ1年になろうとして
      いた。多聞はジャンヌの実家を訪ねたが…。「夜明けのガスパー
      ル」ほか中編5編を収録。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は、『月の裏側』の塚崎多聞を主人公にした連作短編集。ホラー要素の
あるミステリで、ゾクゾク感もあるのですが、どうも主人公のキャラクタを活
かしきれていない印象を受けましたし、謎解き部分もどうもスッキリこなかっ
たです。ただ時代の流れをうまく使った作品集であり、恩田陸らしい短編では
あったと思います。

<本紹介>
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【ジャンル】新書
【著書名】 人が壊れてゆく職場
【著者名】 笹山尚人
【出版社】 光文社新書
【初 刊】 2008年7月20日
【金 額】 760円+税
【カバー文】賃金カット、いじめ、パワハラ、解雇…。理不尽をもう許すな! 
      実際に起きた事件から「法令を守らない使用者」と「立場の弱い
      労働者」にスポットを当て、格差、ワーキング・プア、貧困問題
      に風穴をあける取り組みを紹介する。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、実際に起きた事件から、「法令を守らない使用者」と「立場の弱い
労働者」にスポットを当て、格差、ワーキング・プア、貧困問題に風穴をあけ
る取り組みを紹介したもの。名ばかり管理職と残業代、サービス残業、パワハ
ラ、職場いじめ、解雇、賃金カット、労働組合の闘いなど、会社における労使
間、労働者間の人間関係の軋轢や人格権を無視した使用者側のふるまいを、実
例と共に挙げて、今後どのようにすればいいのかを模索しています。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 プロトコル
【著者名】 平山瑞穂
【出版社】 実業之日本社
【初 刊】 2008年3月25日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】類い稀な能力を持つ反面、人並みの恋愛には縁遠い、大手ネット
      通販会社勤務の有村ちさと。社内の派閥争いに利用され、個人情
      報漏洩事件に翻弄されながら、彼女が手に入れたものは…? 新
      感覚オフィスクライシスノベル。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 ネット通販会社に勤める26歳の有村ちさとは母親と妹・ももかと暮らして
いる。父親は、ちさとが幼い頃に精神のバランスを崩し、世界各地を放浪中で
たまにしか家に帰って来ない。その、ちさとは膨大な文字列をひとめで記憶で
きるという特殊な能力を持ち、この特異な能力はネット上で発揮される。そし
てその能力は社内の派閥争いに利用され、解雇された上司の理不尽な恨みを買
うことに。個人情報漏洩事件に翻弄されながら、彼女が手にいれたものは……?
 本書は、ビジネス小説をミステリ仕立てとした作品で、以前に読んだ著者の
『株式会社ハピネス計画』も面白かったですが、こちらもテンポが良く、登場
人物もしっかりと描かれています。ラストが多少物足りなかったですが、全体
を通すと、面白い内容です。

<本紹介>
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【ジャンル】新書
【著書名】 非属の才能
【著者名】 山田玲司
【出版社】 光文社新書
【初 刊】 2007年12月20日
【金 額】 700円+税
【カバー文】「みんなと同じ」が求められるこの国で、「みんなと違う」自分
      らしい人生を送る方法はあるのか? さまざまな分野で活躍する
      「非属の才能」の持ち主たちが教えてくれた、群れなくても幸せ
      に生きることのできる方法を紹介する。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、横並びが重視される社会に対し、どこにも属さず、自分というブラ
ンドでいる生き方の中にこそ才能があるとして、自らもハミダシ者だったとい
う著者が、多数の才能豊かな著名人たちのインタビューから得た実感、示唆に
富んだ内容を書いたもの。マンガ家である著者の新書ということで読んでみま
したが、確かに個々の才能を伸ばし、どこにも属さないで成長するというのは
素晴らしいとは思うものの、社会生活する以上は協調性も大事ではありますし、
内容のバランスの悪さが目に付きました。

【ま行】

<本紹介>
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【ジャンル】暗黒小説
【著書名】 弥勒世(上下巻)
【著者名】 馳 星周
【出版社】 小学館
【初 刊】 2008年2月25日
【金 額】 1800円+税(上下共)
【カバー文】タカ派御用達の英字新聞で記者をしている伊波尚友は、CIAの
      局員から反米反基地運動家たちへのスパイ活動を迫られる…。
      (上巻)
      尚友は、同じ施設出身の比嘉政信がヤクザのマルコウと準備を進
      めている基地襲撃計画に賛同し、テロ行為に走る…。返還前夜の
      沖縄の現実を抉り出す暗黒小説。『週刊ポスト』連載をもとに単
      行本化。(下巻)
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
 英字新聞記者の伊波尚友は、反米運動を監視するCIA局員でもあるが、あ
る時、幼なじみの比嘉政信の米軍基地襲撃計画を知り、荷担することになった。
ヤマトンチュとウチナンチュ、日本人と米国人、黒人兵と白人などの対立の中
で、基地襲撃計画が進められていく。そして彼らの「琉球共和国軍」は地元ヤ
クザの手を借り、日米支配からの脱却を目指すのだが……。
 物語は、沖縄返還前夜、虐げられてきた沖縄人の恨みの怒りが、コザ騒動な
ど沖縄史を絡めて展開し、その思いが基地襲撃の形として米軍基地と日本政府
に炸裂していきます。北海道出身の馳星周が返還前の沖縄問題を取り上げると
いうのも意外でしたが、上下巻合わせて約1200ページを一気に読まされま
したし、その重さも中身の重さに比例しています。沖縄の歴史については、表
面的な部分は知っていたものの、当時の差別問題なども展開に盛り込んでいて、
作品としての厚みもありました。近年の馳星周の作品は、やや物足りないと思
っていたものの、本書を読んで、初めて「不夜城」を読んだ時のようにズシン
ときた感覚がありました。

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 まだ殺してやらない
【著者名】 蒼井上鷹
【出版社】 講談社(KODANSHA NOVELS)
【初 刊】 2008年6月5日
【金 額】 880円+税
【カバー文】最愛の妻を殺されたノンフィクション作家・瀧野和一は、その悲
      しみと怒りから自ら調査に乗り出す。やがて有力容疑者が逮捕さ
      れるが、安堵したのもつかの間、同じような手口の残忍な事件が
      発生。真犯人は一体誰なのか?
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
 物語は5部構成からなる長編となっているのですが、これまでの著者のミス
テリと比べると異質の作品でもあり、出だしの第1部こそ面白かったものの、
ページを進むにつれてテンポも悪くなり、ラストもイマイチ。著者のミステリ
は短編の方が冴えてるようにも思いましたし、物語の設定は面白いものの、そ
の展開の過程が物足りなかったです。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ミステリ
【著書名】 もう誘拐なんてしない
【著者名】 東川篤哉
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2008年1月30日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】ひょんなことからヤクザの組長の娘を狂言誘拐する羽目になった
      翔太郎。そうとは知らず、姉の皐月は妹を助けようと本気で動き
      出す。関門海峡を挟んで、脱力感あふれる青春が、小気味よい九
      州弁が炸裂するミステリー。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 下関の大学生・翔太郎がひょんなことから知り合ったのは、門司を拠点とす
る暴力団花園組組長の娘・絵里香。彼女がお金を必要としていることを知り、
冗談で狂言誘拐を提案したところ絵里香は大はりきり。こうしてひと夏の狂言
誘拐がはじまった。一方、そんなこととはつゆ知らない組の面々。身代金を要
求する電話を受け、「組長よりもヤクザらしく、組長よりも恐ろしい」絵里香
の姉・皐月が妹を救うべく立ち上がる……。
 物語は、ヤクザの組長の娘を誘拐してしまった大学生が巻き込まれたドタバ
タ劇をミステリとして描いた作品で、笑えるユーモアミステリともいえるでし
ょう。登場人物も、キュートな姉妹、トボけた翔太郎、個性豊かなヤクザ……
など個性派揃いで、楽しみながら読める痛快ミステリです。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 マネーロード
【著者名】 二郎遊真
【出版社】 講談社
【初 刊】 2008年5月15日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】株式市場の値動きを予見し、富を築いた「ヒィ」に送られてきた
      1枚の旧札。それは捨て子だった「ヒィ」の唯一の宝物だった。
      送り主はかつて「ヒィ」に大敗を喫した投資ファンドの代表、沢
      谷。巻き返しを図る彼は…。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 物語は、金の声を聞くと噂される、引きこもりの敏腕ネットトレーダーのも
とに、20年以上前に手放してしまった旧1000円札が舞い戻り、人から人
へと渡ってきた紙幣の足跡を遡る旅を描いたロードノベル。本書は第39回メ
フィスト賞受賞作品で、著者は映画「着信アリFinal」で脚本家デビュー
しているようですが、本書もドラマを見ているような感覚の作品です。内容的
には、もう少しビジネスやミステリ要素を取り入れた方が良かったようにも思
いますし、ラストも中途半端な終わり方になっているのは気になりましたが、
ロードノベルとしては面白かったです。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】新書
【著書名】 「猛毒大国」中国を行く
【著者名】 鈴木譲仁
【出版社】 新潮新書
【初 刊】 2008年6月20日
【金 額】 680円+税
【カバー文】化学物質まみれの偽食品工場、劇薬すれすれの漢方薬、各地に点
      在する「癌村」…。日本では考えられない杜撰な食の安全基準と
      環境汚染。10年以上にわたって取材を続けてきた著者が、猛毒
      大国・中国の驚くべき内情を暴く。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 化学物質まみれの偽食品工場、劇薬すれすれの漢方薬、各地に点在する「癌
村」……日本では考えられない杜撰な食の安全基準と環境汚染。「冷凍ギョー
ザ事件」は起こるべくして起きたのだ。十年以上にわたって現場に足を運び取
材を続けてきた著者が、発がん性薬品で漂白する春雨、本物そっくりに作り上
げる人造卵、冬瓜に合成着色料を入れて作られた月餅など、猛毒大国の驚くべ
き内情を徹底的に暴く……。
 以前にも中国の食の実態を書いたものを幾つか読みましたが、本書はその中
国の食の内情を新書としてまとめたもの。現地レポートでもある、本書の内容
は正に想像を絶する中身でもあり、毒入り餃子事件や段ボール肉まんのその後
もルポとして紹介しています。

【や行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】暗黒小説
【著書名】 やつらを高く吊せ
【著者名】 馳 星周
【出版社】 講談社
【初 刊】 2008年5月25日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】スキャンダルこそ我が命。スキャンダルハンターのおれは、非情
      な金貸しとセックス中毒の女子高生に振り回されて、愛車の85
      年型ポルシェ・カレラと度胸を武器に、政界財界、巨大な敵の裏
      情報を探った末に…。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 スキャンダル専門のカメラマン・栃尾は、タレコミ屋からタレントの佐竹と
麗子の密会情報を得て出動。落ち目の2人にはあまり食指が動かないが、なに
やら2人は険悪な雰囲気だという。佐竹の部屋から出てきた麗子のただならぬ
様子に不審を抱き、部屋に忍び込むと、佐竹が死んでいた。調べると2人は同
郷だった。2人の間に何があったのか知りたい栃尾は、麗子の愛人で金融屋の
吉井の周辺をかぎ回る……。
 本書は、人の秘密を暴くことだけが生きがいの男を主人公にした連作短編集。
馳星周らしいノワール作品でもありますが、短編というだけあって、読みやす
いものの、やや迫力不足に感じました。馳星周のノワール作品としては、ラス
トが珍しく絶望で終わりませんでしたが、スピード感あるバブル期を舞台とし
た作品です。

【ら行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 流星の絆
【著者名】 東野圭吾
【出版社】 講談社
【初 刊】 2008年3月5日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】「兄貴、あいつは本気だよ。俺たちの仇の息子に惚れてるよ」 
      惨殺された両親の仇討ちを流星に誓いあった功一、泰輔、静奈の
      3兄妹。14年後、彼らが仕掛けた復讐計画の最大の誤算は、妹・
      静奈の恋心だった。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 横須賀市の洋食屋「アリアケ」の3人兄妹の功一、泰輔、静奈は、ある夜中、
流星群を見に行った時に、両親が何者かに刃物で殺害された。その後3兄妹は
養護施設で幼少期を過ごし、相次いで詐欺にあったことから、生きるために自
らも詐欺を働くようになり、金を持っている男達を騙していた。そして事件か
ら14年が経過し、時効を迎えようとしていたが、洋食チェーンの御曹司であ
る行成が、両親が惨殺された時間に家から出てきた人物に似ていることに気付
いた。店の名物であるハヤシライスの味から、行成が犯人であると確信した3
人は、行成に接近して罠を張っていき、作戦は順調にいっていたかに見えたが
……。
 物語は、両親を惨殺された3人兄妹のきずなと愛情、そして14年後の犯人
への復讐を描いた作品。東野圭吾らしく、幾つもの伏線が張り巡らされ、事件
の真相と意外な結末も見事な出来です。3兄妹の視点だけでなく、捜査を攪乱
される警察や3兄妹それぞれの背景など、読ませるポイントも実に多く、犯人
を追う者と、追われる者をしっかりと描き、ややアッサリした場面もありまし
たが、テンポも非常に良かったです。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 リセット
【著者名】 垣谷美雨
【出版社】 双葉社
【初 刊】 2008年2月20日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】ぼんやりした不安と不満を抱え、それでも平凡に暮らしていた3
      人が、突然、高校時代にタイムスリップ。「未来の思い出」がリ
      プレイされる毎日は、彼女たちの意識を少しずつ変えていく。そ
      していま、再び新しい人生へ!
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 物語は、今の生活に不満を抱える47歳の同級生3人が、偶然再会をし、3
0年前にタイムスリップしてしまう……という作品ですが、人生をリセットし、
やり直すことにした3人がとった行動など、リセットするのが17歳という多
感期でもあるためか、理想の人生をやり直すという展開は面白く、時代背景な
ども非常に懐かしかったです。

【わ行】

 

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