書評データベース(2009年度6月分)

 

■2009年6月に紹介した本■

 北の球人               岡崎 敏  日刊スポーツ出版社
 カンブリア宮殿 村上龍×経済人 社長の金言    日本経済新聞出版社
 激流中国            NHKスペシャル取材班 講談社
 ガンを切らずに10年延命!      関根 進    ダイヤモンド社
 怖い話                福澤徹三     幻冬舎
 希望ヶ丘の人びと           重松 清     小学館
 この悩みにこのヒーラー・占い師・気功師72人 Part2
「心とからだの悩み解消プロジェクト」特別取材班編 三楽舎プロダクション
 雉猫心中               井上荒野    マガジンハウス
 この胸に深々と突き刺さる矢を抜け(上・下巻) 白石一文  講談社
 傍聞き                長岡弘樹     双葉社
 ガール・ミーツ・ガール        誉田哲也     光文社
 空想科学読本7            柳田理科雄 メディアファクトリー
 マイ・ブルー・ヘブン         小路幸也     集英社
 モニタールーム            山田悠介     角川書店
 マーキングブルース          室井 滋 メディアファクトリー
 名将の品格              火坂雅志     NHK出版
 森博嗣の半熟セミナ 博士、質問があります! 森 博嗣  講談社
 マンボウ 最後の大バクチ       北 杜夫     新潮社
 思考停止社会             郷原信郎     講談社
 世襲議員のからくり          上杉 隆     文藝春秋
 最上階ペンタグラム          南園 律     東京創元社
 空に唄う               白岩 玄     河出書房新社
 女優仕掛人              新堂冬樹     角川書店
 スノーフレーク            大崎 梢     角川書店
 最後の冒険家             石川直樹     集英社
 わたしとトムおじさん         小路幸也     朝日新聞出版

【あ行】

 

【か行】

<本紹介>
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【ジャンル】野球
【著書名】 北の球人
【著者名】 岡崎 敏
【出版社】 日刊スポーツ出版社
【初 刊】 2009年4月6日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】「立派に負ける高校野球があっても良いと思っている」 夢を見
      続け、夢を実現した男、佐藤茂富。北海道むかわ町から甲子園出
      場をはたした名物監督の、高校野球とともに歩んだ人生を振り返
      る。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 サブタイトルに「元氣、本氣、一氣 佐藤茂富の高校野球」ともありますが、
本書は、46年の指導歴を持ち、鵡川高校に赴任し、弱小野球部を甲子園出場
校にまで育て上げた佐藤茂富監督の指導ぶり、また、野球を通じた人間教育な
どを紹介したもの。単に野球についての話だけではなく、鵡川高校野球部員は
携帯電話を持つことを禁じていますが、その理由を始めとして、負けることの
指導など、高校野球を通しての人間教育の大切さも随所に書かれています。

<本紹介>
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【ジャンル】ビジネス
【著書名】 カンブリア宮殿 村上龍×経済人 社長の金言
【著者名】 村上龍/テレビ東京報道局編
【出版社】 日本経済新聞出版社
【初 刊】 2009年2月1日
【金 額】 762円+税
【カバー文】「一流の条件は“しつけ”や“掃除”にあり」(日本電産・永守
      社長)、「何が正しいかが先、損得はその後」(ドトールコーヒ
      ー・鳥羽会長)。テレビ東京の人気番組『カンブリア宮殿』から
      68人の社長の「金言」を一冊に。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
 本書は、テレビ東京系で放送されている「カンブリア宮殿」に出演した68
人の経営者へのインタビューから「金言」をまとめたもの。確かに68人の社
長達の金言集ではありますが、番組とは違い、言葉の一節のみ取り上げた感じ
で、番組での金言についてのニュアンスが伝わってこず、学ぶべき金言は多い
ものの、一部分だけを取り上げているので、番組の特長が活かされていないの
は、とても残念です。

<本紹介>
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【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 激流中国
【著者名】 NHKスペシャル取材班
【出版社】 講談社
【初 刊】 2008年10月22日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】NHKスペシャルが捉えた、誰も見たことのなかった中国とは?
      「大国」と「途上国」が同居する複雑なる国・中国の深層と、激
      流の中で生きる人々の希望と苦悩を描く。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は、NHKのドキュメンタリー番組として、2007年4月から、北京
オリンピック直前の2008年7月まで放送したドキュメントの内容を、制作
したジャーナリスト達が、4年間の取材をもとに書籍化したもの。NHKの番
組は全ては見られなかったので、こちらに期待して読みましたが、放送された
内容を短く詰め込んでいるため、問題も曖昧なままで終わっており、番組を見
たものとしては不満の残る内容ではありますが、様々な中国の問題を取り上げ
ており、番組を見ていなかった人達には情報源にはなるでしょう。

<本紹介>
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【ジャンル】医学
【著書名】 ガンを切らずに10年延命!
【著者名】 関根 進
【出版社】 ダイヤモンド社
【初 刊】 2009年2月26日
【金 額】 1429円+税
【カバー文】いかにしたら漢方の持つパワーを自分のものにしてガンを克服で
      きるのか。元『週刊ポスト』編集長のジャーナリストが、「薬食
      同源」=漢方の複合力20の知恵を見直し、自分の10年の体験
      と仲間たちの症例をもとに説き明かす。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、食道ガンに侵された著者が10年の闘病生活を振り返ったもので、
当初は主治医に手術をすすめられるも、8割は助からないという論文を読み愕
然とし、香港の漢方薬「天仙液」との出合いを皮切りに、東洋医学による治療
を実践し、再発もなく回復を果たした内容が書かれており、実体験を基に、新
刊では患者の側から発信する「元気で延命を掴みとるための患者学」を紹介し
ています。

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 怖い話
【著者名】 福澤徹三
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2009年2月10日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】信じるか信じないかは、あなた次第…。怪談、都市伝説、虫、病
      院、食べものなど、ホラー・怪談小説の鬼才が震える、身のまわ
      りの怖い物事あれこれを書いた傑作エッセイ。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書はWebマガジン幻冬舎で連載された「まんじゅう怖い!」を大幅に加
筆・修正・改題したエッセイ集で、著者の体験も踏まえた怖い話のエッセイと
いうこともあって読んでみましたが、読後の感想としては「それほど怖くない」
という感じ。確かに日常の出来事の恐怖が書かれていますが、もう少しゾクゾ
クとした怖さを期待していただけに、やや拍子抜けした感はありましたが、確
かに身の回りには怖さが色々と転がっているなァ……と感じた一冊でした。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 希望ヶ丘の人びと
【著者名】 重松 清
【出版社】 小学館
【初 刊】 2009年1月20日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】70年代初めに開発された街・希望ケ丘。そこは、2年前にガン
      で逝った妻のふるさとだった…。そこに引っ越してきた父と子の、
      かけがえのない日常を描く感動長編。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 物語は、2年前に亡くなった母親が、小・中学校時代を過ごした団地に、主
人公である父親と、中学の娘、小学生の息子が移り住んで再出発をしていく話。
しかし、移り住むことになった団地でイジメやモンスターペアレントの問題も
あり、更には家族の確執もある中、家族とは何か、教育とは何かを問う作品と
なっています。重松清らしい物語でもあり、不器用ながら家族に愛情を注ぐ父
親の姿には感動を覚えますし、何より家族の優しさと温かさがここにはありま
す。510ページの2段組で、非常にボリュームある物語でもありますが、登
場人物もそれぞれに個性的で、優しさに満ちており、家族愛の大切さを改めて
教えられる、そんな作品です。

<本紹介>
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【ジャンル】占い
【著書名】 この悩みにこのヒーラー・占い師・気功師72人 Part2
【著者名】 「心とからだの悩み解消プロジェクト」特別取材班編
【出版社】 三楽舎プロダクション
【初 刊】 2009年5月30日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】まさか自分がこんな思いもかけない悩みに直面するとは思っても
      みなかった! まさか、まさか・・・。こんなとき世の中はやさ
      しくないことがある。どこにも相談できるところがなくなったと
      きの【相談先】を紹介すべく前回に引き続き、日本中の超越した
      力で解決してくれる先生を探し出し、本書では72人の実力のある
      先生を紹介している。第一弾では、多くの読者より感謝の電話を
      いただき、役にたっていることを実感し、さらに、読者からのも
      っと多くの先生を紹介してほしいという声をいただき本書が生ま
      れたのである。第一弾同様、読者の悩み解消をメインに編集をし、
      【得意とする相談内容】を明記してあるので自分の悩みに照らし
      合わせて先生を探せるようになっている。不安の多い時代に、あ
      なたの人生の迷いを照らす一灯、苦しみをなくす一助になる一冊!
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 前作でもある『この悩みにこの占い師・ヒーラー・気功師55人』の続編で
もありますが、本書はヒーラー・占い師・気功師などの人々が、何を得意とし、
どのような相談を受けているのか、実際の料金など、悩みや相談を受ける側が
気になる部分をまとめられた一冊。占い師やヒーラーや気功師など、一般的に
怪しいと思っている人も多いでしょうし、実際に怪しげな商売をしている人も
いるためか、誤解されやすい部分もありますが、外国ではヒーリングの認知度
も高く、本書で紹介されているヒーラー・占い師・気功師は、まじめに相談を
受け、様々な問題や悩みを解決してきている方々で、その相談の様子なども本
書では紹介されており、心身の悩みから苦しんでいる方の手助けにもなってい
る様子は本書から伺えます。単なる紹介本というだけでなく、連絡先として住
所や電話番号は勿論のこと、メールアドレスやURLやブログについて、料金
や定休日までも記載されているため、事前調査もできますし、メールやHPか
らも気軽に相談できる内容になっていますから、悩みを相談したい人にとって
は、事前リサーチできる参考書ともいえます。本書の中に、前書『この悩みに
この占い師・ヒーラー・気功師55人』の反響の大きさ、読者からの感謝の電
話や手紙も一部紹介されており、その反響の大きさから続編である本書が出さ
れたようで、知りたくても中々自分で調べることができない情報が記載されて
いるため、悩める人々の手助けともなる内容です。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 雉猫心中
【著者名】 井上荒野
【出版社】 マガジンハウス
【初 刊】 2009年1月22日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】迷い込んできた雉猫に導かれるように「女」が「男」に出会った
      時、ありふれた住宅街に不穏な空気が立ち込める…。女の視点と
      男の視点が交錯する、破滅的な恋と官能の物語。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
 物語は、妻子があり、古書店を営む晩鳥睦朗と、専業主婦の大貫知子が雉猫
を通して出会い、互いに貪るに情事を重ねる愛欲の一年間を描いた不倫物語。
描写が曖昧で、背景や状況説明も曖昧すぎているため、どうせならもう少し細
かく双方の背景や心理状況を描いてほしかったですし、ラストもイマイチでし
た。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 この胸に深々と突き刺さる矢を抜け(上・下巻)
【著者名】 白石一文
【出版社】 講談社
【初 刊】 2009年1月26日
【金 額】 1600円+税(上下共)
【カバー文】週刊誌の編集長カワバタは、仕事をエサにグラビアアイドルのリ
      サを抱いた。政権党の大スキャンダルを報じる最新号の発売前日、
      その場限りの情事のはずだった…。世俗の極みで生き続けた男が、
      本来の軌道を外れて漂い始める…。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 物語は、「週刊時代」のエリート編集長・カワバタを主人公に、出版社とカ
ワバタを取り巻く女性達を舞台に進むというもので、主人公の独白が大半を占
めていますが、その中で、貧困・経済・結婚・不倫・セックス・死・現代社会
の問題について語られています。上下巻で何とも密度の濃い作品でもありまし
たが、社会というものが、欺瞞や偽善、保身と背信で満ちているということを
小説で表現しており、インパクトのある作品でした。

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ集
【著書名】 傍聞き(かたえぎき)
【著者名】 長岡弘樹
【出版社】 双葉社
【初 刊】 2008年10月12日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】高齢者の家を狙った空き巣が頻発。犯行のあった時間帯、目の下
      に大きな傷のある男が目撃されていたことを知った刑事・啓子は、
      かつて自分が手錠をかけた男を思い出すが…。表題作を含む全4
      話を収録した短編集。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、日本推理作家協会賞短編部門を受賞した表題作を含む4つの作品が
収録された短編集。窃盗容疑者の不可解な行動、火事現場から消えた赤ん坊な
ど、女性刑事や消防士らが遭遇する意外な謎が、家庭の絆をも浮かび上がらせ
る作品ですが、派手さはないものの、横山秀夫に似た感じの巧さが光る作品集
です。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 ガール・ミーツ・ガール
【著者名】 誉田哲也
【出版社】 光文社
【初 刊】 2009年4月25日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】柏木夏美は、デビューを目前に控えたミュージシャン。本格的な
      ロックミュージシャンを志向する彼女に、ある人気女性ミュージ
      シャンとのコラボレーションの話が舞い込んで…。「疾風ガール」
      の続編。
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 誰のものでもない。けして、ひとりでもない。柏木夏美は、デビューを目前
に控えたミュージシャン。フェイスプロモーション期待の新人だ。けれど、本
格的なロックミュージシャンを志向する夏美と、事務所の思惑は微妙にずれて
いる気配。直情径行で妥協を知らない夏美に、マネージャーの宮原祐司は振り
回されっぱなし。そんな中、夏美にある人気女性ミュージシャンとのコラボレ
ーションの話が舞い込んで……。
 本書は、『疾風ガール』の続編で、ライト感覚の軽いタッチのバンドもので
すが、どうにも中途半端。女の子が主人公なだけに、音楽好きの中高生が読め
ば、それなりの面白さを感じるでしょうが、個人的には物足りなかったです。

<本紹介>
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【ジャンル】サブカルチャー
【著書名】 空想科学読本 7
【著者名】 柳田理科雄
【出版社】 メディアファクトリー
【初 刊】 2009年3月29日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】デスノートを使えば、世界中の人間を裁けますか? 「聖闘士星
      矢」の廬山昇龍覇は可能ですか? 漫画・アニメ、特撮、昔話・
      童話などに関する38の質問に対して、科学と想像力を武器に、
      感動と爆笑の結論を導き出す!
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、「空想科学読本」シリーズの最新作ですが、前作でも読者の質問に
答える内容となっていましたが、今回も読者の38の質問に答えています。無
理やり科学に結びつけているのは毎度のことですが、読者の質問なだけに、そ
こそこ面白い質問が続いています。

【さ行】

<本紹介>
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【ジャンル】新書
【著書名】 思考停止社会
【著者名】 郷原信郎
【出版社】 講談社
【初 刊】 2009年2月20日
【金 額】 740円+税
【カバー文】相次ぐ食品企業の「不祥事」、メディアスクラム、年金記録「改
      ざん」問題、裁判員制度…。日本停滞の背景には「遵守」があっ
      た! コンプライアンスの第一人者があらゆる分野の問題に鋭く
      斬り込み、再生への処方箋を提示する。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 著者は、東京地検特捜部の検事などを歴任した元検察官の弁護士で、本書は、
企業が経済活動の中で不祥事を起こさないよう、法令や社会的規範などを守る
という考えが、逆に世の中に弊害をもたらしているとして、実例を挙げて、事
実や背景、原因は無視される構図としての「思考停止」についてを書いていま
す。本書の中で著者は、「思考停止状態」から脱却し、法を中心に市民が理解
し合う「真の法治社会」を目指すべきと書いていますが、この考えには賛成で、
法令に親しんでいないがために、コンプライアンスを自己目的化するのではな
く、法に柔軟な対応するべきとも思います。

<本紹介>
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【ジャンル】新書
【著書名】 世襲議員のからくり
【著者名】 上杉 隆
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2009年5月20日
【金 額】 710円+税
【カバー文】1990年代半ば、世襲政治家が永田町の中枢を占めて以来、日
      本の政治は劣化した。国民には見えにくい、世襲を守る政治シス
      テムのからくりを、深層レポートで明らかにする。
【満足度】 ★★★★
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 ハローワークの視察に行き、職を探す人に「いままで何をしてきたんだ?」
と説教した麻生首相。自らは進学に合わせて小学校まで作ってもらう「オーダ
ーメードの人生」を歩む。安倍、福田内閣とも、閣僚ポストの半数前後、麻生
内閣では実に18人中12人を占めた二世議員。彼らを大量生産するのは永田
町式相続作法だ。カネと地盤を無税で継承するからくりを徹底取材で明らかに
する。
 本書は、世襲議員の問題点を取り上げ、「地盤(後援会)、カバン(政治資
金)、看板(知名度)」を無税で受け継ぐカラクリ政治システムについてを指
摘しています。なぜ政治家では世襲が多いのかということが、新書として分か
りやすく解説しており、この世襲議員の問題点については、多くの国民がもっ
と知る必要があるでしょう。

<本紹介>
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【ジャンル】連作ミステリ
【著書名】 最上階ペンタグラム
【著者名】 南園 律
【出版社】 東京創元社
【初 刊】 2009年2月25日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】企業犯罪の潜入捜査を得意とする海坂理歌は、優良コンサルティ
      ング会社の自称・ホープ。そんな彼女が潜入先で殺人事件に巻き
      込まれた。着せ替え探偵・海坂が遭遇した事件の顛末とは?
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 企業犯罪の潜入捜査を得意とする海坂理歌は、優良コンサルティング会社の
自称・ホープ。クライアントから高評価をもらって、ボーナスではあれとあれ
を買って…そんな彼女が、潜入先で殺人事件に巻き込まれた。無謀な推理を働
かせる海坂を尻目に、とある男が真相をあぶりだす。大学病院の医局で、大企
業の社長秘書室で、はたまたストーカー調査の最中に、そして社員旅行中のハ
ワイで、着せ替え探偵・海坂が遭遇した事件の顛末。
 本書は、4つの作品が収録された連作ミステリ。非常にテンポの良いミステ
リで、主人公の海坂を始めとして、登場人物がしっかりと個性的に描かれてお
り、独特のユーモアも交え、トリックもしっかりしていて面白かったです。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 空に唄う
【著者名】 白岩 玄
【出版社】 河出書房新社
【初 刊】 2009年2月28日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】「私って、死んじゃったんですか?」 通夜の最中、新米の坊主・
      海生の前に現れた、死んだはずの女子大生・碕沢さん。海生のほ
      かには誰にも見えないらしい。ふたりは同居することになったが
      …。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は、ドラマ化された『野ブタ。をプロデュース』から丸4年ぶりの作品。
女子大生の葬儀で、お勤めをすることになった新米の僧侶に、通夜の席で、そ
の亡くなった女子大生が現れ、自分の死を悲しむ家族に言葉をかけたいと、手
紙を書きたがり、それを僧侶は放っておけず、女子大生と寺で同居を始める…
…という物語ですが、展開が淡々としすぎていて、もう少し展開に幅を持たせ
てほしかったです。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 女優仕掛人
【著者名】 新堂冬樹
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2009年1月31日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】16歳の少女をNo.1女優に…。瞬時の駆け引き、スキャンダ
      ル捏造、そして大手芸能プロ壊滅のシナリオ。敏腕マネージャー
      による究極のパワーゲームが欲望渦巻く業界を震撼させる。芸能
      界の暗部に踏み込んだ禁断の物語。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 大手芸能プロダクション「サンライズプロダクション」のチーフマネージャ
ーとして辣腕をふるっていた上杉貴裕は、社長の高村の逆鱗にふれ、「サンラ
イズプロダクション」を追われる。上杉は再起をかけて、弱小プロ「マックス
プロダクション」に籍を置くことに。そこで、上杉はまだ、16歳の佐倉千紗
という新人タレントに秘められた素質を見いだす。千紗をトップ女優にのしあ
げるために、営業活動だけでなく、テレビ局のプロデューサーの弱みを握り、
脅しや強引なやり口で、次々と仕事を獲得していく上杉。だが、彼の活躍を
「サンライズプロダクション」の高村が黙っているわけはなかった。上杉と千
紗を阻もうとする数々の妨害。上杉もまた高村に対し、法ギリギリのラインで
彼が手塩にかけたタレントをスキャンダルで葬る。一方、千紗もトップ女優に
なるために、上杉にわからぬよう躰を売ってドラマスタッフを籠絡してゆく。
勝つか、負けるか。食うか食われるか……。
 どうも、このところの新堂冬樹は、芸能モノの軽いタッチの作品ばかりを出
してきていますが、かつての暗黒小説としての重さが影を薄めてしまい、読み
やすい作品ではあるものの、先の読める展開の作品で物足りなさを多いに感じ
ます。本書も先が読める展開が続き、芸能プロダクションの話としては現実的
なのかどうかは分かりませんが、かつての新堂冬樹らしさが無くなっていくの
は、非常に残念であり、作品としても安手のドラマを見ているような感じでし
た。

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 スノーフレーク
【著者名】 大崎 梢
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2009年2月28日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】「溶けない雪の欠片を見にいこう」 その約束を果たせないまま
      死んでしまった大切な幼なじみ。彼が再びあらわれたら…。6年
      の時を超えて、少女は真実と向かい合う。函館の街を舞台に描い
      た青春ミステリー。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 著者の書店員シリーズが好きなので、函館が舞台の青春もののミステリとし
て、読む前には期待していたものの、ミステリは至ってシンプルで、著者らし
い作品だとは思うものの、もう一つインパクトが足りない物語でした。ちょっ
ぴり切ないながらも心温まる物語ではありますが、どちらかというと若い人向
きの作品だとも思います。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ノンフィクション
【著書名】 最後の冒険家
【著者名】 石川直樹
【出版社】 集英社
【初 刊】 2008年11月26日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】熱気球による冒険で様々な世界記録を樹立し、2008年2月、
      単独太平洋横断中に行方を絶った神田道夫。彼と生死を共にした
      著者が、その出会いと別れを通して不屈の魂の軌跡を追う。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、第6回開高健ノンフィクション賞受賞作で、昨年2月に熱気球によ
る単独太平洋横断中に行方を絶ったアマチュ冒険家・神田道夫と著者との出会
いから別れまでを書いた体験的ノンフィクションで、2004年の1回目の太
平洋横断遠征で同行するも墜落し、太平洋を貯水タンクで漂い、九死に一生を
得た仲間だからこそ書ける圧巻の情熱溢れる作品です。町役場の職員である神
田道夫は、気球による様々な世界記録を達成し、植村直己賞も受賞。そして著
者自身も世界七大陸最高峰登頂の最年少記録をもっており、北極点から南極点
を人力踏破する冒険家で、その2人が死と共に向き合った仲間だからこそ、冒
険の意味を問い、単独太平洋横断中に行方を絶ち、未だ帰ってこない神田道夫
に対して、何が起きたのか推理していきますが、数々の写真と共に、文筆の力
強さを痛切に感じましたし、気球にかけた半生の軌跡を丹念に描いています。

【た行】

 

【な行】

 

【は行】

 

【ま行】

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】小説
【著書名】 マイ・ブルー・ヘブン
【著者名】 小路幸也
【出版社】 集英社
【初 刊】 2009年4月30日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】国家の未来に関わる重要文書が入った「箱」を父親から託され、
      GHQを始め大きな敵に身を追われるはめになった、子爵の娘・
      咲智子。だが、がらっぱちだけれど優しい青年にかくまわれ…。
      「東京バンドワゴン」シリーズ番外編。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、著者の「東京バンドワゴン」シリーズの番外編で、戦後間もない頃
の勘一とサチの物語。シリーズを通して出てくる幽霊おばあちゃんことサチの
娘時代の物語でもありますが、時代背景を交えて、ミステリっぽく描かれた作
品で、シリーズを通して読んできている人には、嬉しい番外編といえるでしょ
うし、東京バンドワゴンの原点が見事に描かれる感動作でもあります。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】ホラー
【著書名】 モニタールーム
【著者名】 山田悠介
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2008年10月31日
【金 額】 1100円+税
【カバー文】「月給100万円」という高給の就職先を見つけた徳井。しかも
      刑務所地下の部屋でモニターを見るだけだという。徳井が見たも
      のとは無数の地雷が埋められた村に住む少年少女だった! 山田
      悠介が放つ、究極の絶対不可能ゲーム!
【満足度】 ★★☆
End------------------------------------------------
 特殊な設定での作品でしたが、その設定が活かされていない作品でもあり、
『バトル・ロワイヤル』に似ているものの、強引すぎる展開でラストもイマイ
チ。非常に読みやすかったですし、『リアル鬼ごっこ』のように映画化されれ
ば、見てみたいとは思うものの、残酷さだけが際立っていて、中身が伴ってい
ない感じを受けました。

<本紹介>
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【ジャンル】小説&エッセイ
【著書名】 マーキングブルース
【著者名】 室井 滋
【出版社】 メディアファクトリー
【初 刊】 2009年3月19日
【金 額】 1200円+税
【カバー文】ノラだって何だって生きていくのよ! 夫の不倫相手の名前をつ
      けられた猫が見た、妻とタクシー運転手のひとときの交感…。猫
      と女を描いた7つの物語と、テーマを共有する7つのエッセイ。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、猫の視点での「猫と女」の物語と、同じテーマのエッセイとのカッ
プリング。著者が撮影した猫写真も付いているので、猫好きにはお勧めの書と
いってもいいでしょう。これまでのエッセイ同様に、非常に読みやすい内容で
もありますし、気軽に読みたい時にアッサリと読める一冊です。

<本紹介>
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【ジャンル】新書
【著書名】 名将の品格
【著者名】 火坂雅志
【出版社】 NHK出版
【初 刊】 2009年2月10日
【金 額】 660円+税
【カバー文】戦国乱世は、人々が利によって動いた時代。そんななか義という
      思想を唱えた上杉謙信、その一番弟子・直江兼続の生き方とは。
      NHK大河ドラマ「天地人」の原作者が上杉家にみる義と愛の精
      神を語る。
【満足度】 ★★★☆
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 本書は、NHK大河ドラマ「天地人」の原作者である著者のエッセイで、自
身が歴史小説を志すようになった理由から始まり、直江兼続、上杉謙信、織田
信長、豊臣秀吉、徳川家康など歴史上の人物の生き方をわかりやすく考察して
います。大河ドラマ「天地人」は全く見ていませんが、謙信から受け継いだ義
の心を、しなやかに発展させた兼続についての考察は読みごたえがありました。

<本紹介>
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【ジャンル】科学
【著書名】 森博嗣の半熟セミナ 博士、質問があります!
【著者名】 森 博嗣
【出版社】 講談社
【初 刊】 2008年12月18日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】自転車が倒れないのはどうしてなの? コンクリートとセメント
      は何が違う? 鏡って何故、左右だけが逆になるの? 科学に関
      する素朴な疑問に、会話形式でわかりやすく答える。『日経パソ
      コン』連載をまとめたもの。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、科学の素朴な疑問を、博士と助手の対話で問答していくもので、高
層ビルを建設するのに使った屋上のクレーンはどうやって下ろす? 月を写真
に撮ったら小さく写るのはなぜ? 宇宙人はいるの? マカロニはどうやって
作る?など科学問答60題として、楽しみながら分かりやすく回答されており、
特に宇宙人に遭遇する確率の例え話は面白かったです。

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 マンボウ 最後の大バクチ
【著者名】 北 杜夫
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2009年3月25日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】ギャンブル行脚は、競馬、競艇、カジノに及び、一喜一憂の日々
      が続く。しかし、それもつかの間の狂乱バブル。再び腰痛と鬱の
      後期高齢者に逆戻り…。杖にすがっての珍道中を綴ったエッセイ。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、雑誌や新聞でのエッセイをまとめたもので、著者が躁鬱状態になっ
たときの行動や、躁状態での競馬やカジノのエピソード、交友録なども書かれ
る、マンボウシリーズの最新刊。北杜夫が健在で何よりだとも安心しましたし、
僕が最初にハマって、活字中毒となったきっかけが、北杜夫の『船乗りクプク
プの冒険』で、以降はマンボウシリーズも読んできていますが、ユーモアのセ
ンスも相変わらずで、まだまだ現役作家として頑張ってほしいです。

【や行】

 

【ら行】

 

【わ行】

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 わたしとトムおじさん
【著者名】 小路幸也
【出版社】 朝日新聞出版
【初 刊】 2009年1月30日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】日本の学校になじめない帰国子女の帆奈、13歳。元・引きこも
      りの斗六、28歳。叔父と姪、それぞれの「問題」を抱えたふた
      りは一緒に暮らすことに。帆奈はおじさんを立派な大人にするた
      めに、恋をさせようと奔走するが…。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 物語は、懐かしい建物が集まる「明治たてもの村」で祖父母と元ひきこもり
のトムおじさんと暮らす主人公の帰国子女・帆奈の話。「人と接すること」が
苦手なおじさんとの日々を通して見えてくる人のつながりの温かさと、不器用
だけれど懸命に生きる人達を描いた作品。『東京バンドワゴン』に近い内容と
もいえ、小路幸也らしい登場人物達の温かさを感じますし、できればシリーズ
化してほしい作品でもあります。

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