書評データベース(2009年度10月分)

 

■2009年10月に紹介した本■

 夜来香海峡              船戸与一     講談社
 赤い月                森福 都     徳間書店
 アンダードッグ            海野 碧     実業之日本社
 赤い月、廃駅の上に          有栖川有栖 メディアファクトリー
 いつまでも白い羽根          藤岡陽子     光文社
 アミダサマ              沼田まほかる   新潮社
 高速道路の謎             清水草一     扶桑社
 郷土LOVE             みうらじゅん  スコラマガジン
 ここに死体を捨てないでください!   東川篤哉     光文社
 元気でいてよ、R2−D2。      北村 薫     集英社
 きのうの神さま            西川美和     ポプラ社
 かみつく二人           三谷幸喜/清水ミチコ 幻冬舎
 神去なあなあ日常           三浦しをん    徳間書店
 ステップ               重松 清     中央公論新社
 静子の日常              井上荒野     中央公論新社
 雪冤                 大門剛明     角川書店
 贖罪                 湊かなえ     東京創元社
 弱者の兵法              野村克也     アスペクト
 スーパーの裏側            河岸宏和    東洋経済新報社
 世界一受けたいお金の授業       和仁達也     三笠書房
 世界は分けてもわからない       福岡伸一     講談社
 食ショック        読売新聞「食ショック」取材班 中央公論新社
 夜になっても走り続けろ        倉阪鬼一郎    実業之日本社
 宵山万華鏡              森見登美彦    集英社
 廃墟に乞う              佐々木譲     文藝春秋
 パパママムスメの10日間       五十嵐貴久    朝日新聞出版
 ポトスライムの舟           津村記久子    講談社

【あ行】

<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 夜来香(イエライシャン)海峡
【著者名】 船戸与一
【出版社】 講談社
【初 刊】 2009年5月28日
【金 額】 1800円+税
【カバー文】日本の暴力団から中国の黒社会への資金を持って遁走した女とそ
      れを追う男。東北から、北海道へ…。中国から花嫁として「輸入」
      された女の、最後の行き先はどこか? 夢を追う花嫁と蒼然と死
      にゆく男たちの哀愁のバイオレンス。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 寒村の嫁不足を解消する花嫁斡旋は、いまや東アジア一円に広がる国際ビジ
ネスとなった。花嫁斡旋をなりわいとする国際友好促進協会の蔵田雄介は、旧
満州の中国黒龍江省から仕入れた輸入花嫁・青鈴を山形に嫁がせた。ところが、
彼女は日本の暴力団から中国の黒社会へ渡るはずの資金2億円を持って逃げた。
やくざに脅され、蔵田は花嫁を捜し、北へ北へと向かう。怪死事件が相次ぎ、
ロシア・マフィアもうごめく世界に引きずり込まれ、困惑する蔵田。それでも、
女は青函海峡を渡り、日本最北端の稚内へと逃げるのだが…。
 物語は、東北・北海道を舞台に、中国、ロシアの闇社会、そして北朝鮮やモ
ンゴル事情も絡んだ東アジアの闇ビジネスの暗部を描いたバイオレンス作品で、
スケールの大きな久々の船戸作品。船戸与一らしい、救いようのないラストで
評価は分かれるかもしれないが、久々の船戸節には見事に酔いしれましたし、
東アジアの闇ビジネスを見事に描いています。

<本紹介>
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【ジャンル】連作ミステリ
【著書名】 赤い月 マヒナ・ウラ
【著者名】 森福 都
【出版社】 徳間書店
【初 刊】 2009年6月30日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】大正4年、ホノルル。日系人御用達のホテルに宿泊した大富豪の
      若妻が謎の死を遂げ、エメラルドの指輪が消える。平成20年、
      横浜。大学生の慶一は、曾祖父の遺品であるガラス玉そっくりの
      指輪を、ネット・ショップで見つける。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、ホノルルに実在したホテル・小松屋をモチーフに、ハワイ移民の知
られざる悲話と指輪をめぐる謎を、現代と過去を行き来して探るグランド・ロ
マン・ミステリー。6つの事件の回想で、真相に迫る内容にもなっており、短
編パートとしても楽しめ、更に長編としても伏線が幾つもあるため、楽しむこ
とができました。また、日系移民の悲劇も、うまく展開に織り込んでおり、歴
史的背景も交えた読みごたえあるミステリとなっています。

<本紹介>
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【ジャンル】サスペンス
【著書名】 アンダードッグ
【著者名】 海野 碧
【出版社】 実業之日本社
【初 刊】 2009年3月25日
【金 額】 1700円+税
【カバー文】旅仲間の間で起きた不可解な事故死。17年後、仲間が再会した
      直後に発生した新たな事件が、元刑事を灼熱のタイへと駆り立て
      る…。書き下ろし長編サスペンス。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 元刑事で、今は気楽に軽食喫茶を営む井手亮二は、日タイ混血の貿易商・日
本名を妹尾春雄という人物と再会した。春雄と私は、17年前の20代前半、
数人の旅仲間とともにタイの安宿に集っていたのだ。レジーナという女性秘書
に車椅子を押される状態になっていた春雄は私に、17年ぶりに昔の仲間たち
と会いたいと言い出す。それはただ久闊を叙すだけではなく、当時夜行列車で
旅行中、仲間の就寝時に転落死した川上という男を偲ぶ目的もあった。だが仲
間が再会後に発生した新たな事件が、私を再び灼熱のタイへと駆り立てること
になった…。
 物語は、スリリングな展開で、テンポの良いサスペンス。著者の「大道寺シ
リーズ」と少し似た感もありましたが、日本とタイを舞台に、面白い物語でも
ありました。独特の文体でもあるため、好みは分かれるかもしれませんが、で
きることなら、こちらもシリーズ化してほしいものです。

<本紹介>
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【ジャンル】短編ホラー
【著書名】 赤い月、廃駅の上に
【著者名】 有栖川有栖
【出版社】 メディアファクトリー
【初 刊】 2009年2月17日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】廃線跡、捨てられた駅舎。赤い満月の夜、異形のものたちが動き
      出す…。戦慄の表題作ほか、恐ろしくも、どこかやさしくせつな
      い全10編のテツ怪談を収録。『幽』連載を中心に単行本化。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 赤い月の光。それは邪気を招く不吉な月。鬼月が出た夜は、異界への扉が口
をあける…。17歳の引きこもりの青年が、クロスバイクで旅に出た。四日目
にある町の廃線跡の駅舎に辿り着き、野宿をする。そこに現れた鉄道忌避伝説
を追う30代の鉄ちゃんライターの佐光。空に赤い月が出ているのを見た青年
は不気味さを振り払おうとダベり始める。深夜に差しかかるころ、佐光はトイ
レに行くため駅舎を出る。それを見計らったかのように、赤い月はますますそ
の光を増し…。
 本書は、怪談専門誌『幽』に連載された8編に加え、他誌に発表された2編
を加えた、著者初の怪談集。鉄道とホラーとをうまくミックスさせており、鉄
道にまつわる怖い怪談話が10作品収録されています。有栖川有栖らしいミス
テリという作品ではありませんが、読みやすく、有栖川有栖の別の魅力が描か
れた怪談集です。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 いつまでも白い羽根
【著者名】 藤岡陽子
【出版社】 光文社
【初 刊】 2009年6月25日
【金 額】 1900円+税
【カバー文】大学受験に失敗し、家庭の事情から看護学校に入学した瑠美。彼
      女は年齢、境遇の異なる3人と学校生活を送ることになった。4
      割はやめていくという別名「カンゴクガッコウ」で彼女が辿る道
      とは?
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 物語は、家庭の事情で大学進学が叶わず、望まぬままに看護学校へ入学した
主人公の、自我との葛藤や訳ありな友人達との友情を通して、看護師として成
長していく姿が描かれ、現実問題の悩みや友人達との様々なエピソードなども
交えて、非常にリアル感のある作品に仕上がっています。途中で、やや粗さも
目に付きますが、著者のデビュー作のようですから、その粗さも新鮮で、次の
作品にも期待したいです。

<本紹介>
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【ジャンル】ホラー
【著書名】 アミダサマ
【著者名】 沼田まほかる
【出版社】 新潮社
【初 刊】 2009年7月20日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】幼な児の名はミハル。廃棄された冷蔵庫から生れた物言わぬ美貌
      の子。ミハルが寺に引き取られてから集落はじわじわと変わって
      ゆく。猫、そして母の死。ミハルは死者を引き止めるように、阿
      弥陀仏に念じるが…。ホラー小説。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 その名はミハル。廃棄された冷蔵庫から発見された。愛くるしい彼女がその
寺に来た日から、集落は変わってゆく。そして猫の死、母の死。冥界に旅立っ
てゆく者を引き止めようと、ミハルは阿弥陀様に全身全霊でぶつかっていった。
その夜、愛し愛された者たちが彼女に導かれて激しく交錯する。冷蔵庫から生
まれたミハル、一体おまえは……!?
 心の叫びの恐怖を描いた作品ですが、緊張感の中にジワジワと恐怖を感じる
作品で、廃棄された冷蔵庫から発見された少女と、その少女を救出したサラリ
ーマンと住職がそれぞれ別のパートで描かれていますが、そのパートがやがて
一つになり、一気にラストに流れる展開も良かったですし、恐怖の中にも切な
さを感じたホラー作品でした。

【か行】

<本紹介>
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【ジャンル】新書
【著書名】 高速道路の謎
【著者名】 清水草一
【出版社】 扶桑社
【初 刊】 2009年9月1日
【金 額】 740円+税
【カバー文】事故渋滞の高速と下道、速いのはどっち? 日本一ひどい渋滞は
      どこ? 高速道路にまつわるさまざまな事象を、交通ジャーナリ
      ストが多彩なデータと現地取材から解き明かす。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、高速道路のあらゆる雑学から無料化の是非まで、分かりやすく網羅
したもの。渋滞のできる仕組み、高速道路の抱える問題、これからできる高速
道路、海外の高速道路事情、そして1000円乗り放題の影響、高速道路無料
化の是非……など、新書として高速道路についてを詰め込んだ中身にもなって
おり、特に海外の高速道路事情などは非常に参考にもなりました。また、民主
党の馬淵議員へのインタビューも収録されているのですが、高速道路無料化に
ついて、質問する著者の知識の方が馬淵議員を上回り、著者も指摘しているこ
とですが、結局民主党の高速道路無料化は、民主党の道路族による国交省の権
益復活ではないかという不安が見えてきており、インタビューの中身から、民
主党のやりたかったことは政権交代ではなく利権交代なのではないかという疑
念を感じてしまいました。

<本紹介>
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【ジャンル】旅行記
【著書名】 郷土LOVE
【著者名】 みうらじゅん
【出版社】 スコラマガジン
【初 刊】 2009年7月25日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】こんなにすてきな日本だから、47都道府県をひとつずつ語り旅
      してみました…。北海道から沖縄県まで、日本のローカルをテー
      マにみうらじゅんが語る、たのしい県民論。『ほぼ日刊イトイ新
      聞』連載に加筆再編集し単行本化。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、47都道府県それぞれを、民俗学、県民論、ご当地文化、観光文化
なども交えて、著者独自の面白い視点で紹介していた旅行記。特に県民論は中
々面白く、みうらじゅんらしさが全面に出ており、つい思わずローカルネタに
笑ってしまう、そんな旅行エッセイでした。

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 ここに死体を捨てないでください!
【著者名】 東川篤哉
【出版社】 光文社
【初 刊】 2009年8月25日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】有坂香織は、妹の部屋で見知らぬ女性の死体に遭遇する。動揺の
      あまり逃亡してしまった妹から連絡があったのだ。彼女のかわり
      に、事件を隠蔽しようとする香織。死体をどこかに捨てなきゃ…。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、著者の「烏賊川市シリーズ」としてのユーモアミステリで、死体を
遺棄することになった男女の逃避行と、そこに偶然現れた、死体の女性が生前
に調査を依頼した鵜飼探偵とのラインを絡めた作品ですが、シリーズの持ち味
でもあるバカバカしいユーモアを交えた面白いミステリです。

<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 元気でいてよ、R2−D2。
【著者名】 北村 薫
【出版社】 集英社
【初 刊】 2009年8月30日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】取り返しのつかない、色んなこと。今までもいっぱいあったし、
      これからもいっぱいあるんだろう…。忘れられない苦い記憶や、
      知ってしまった笑顔の裏側を描く。表題作を含む全8編を収録。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は8つの作品が収録された短編集で、日常生活の中での、取り返しの付
かない恐怖を描いたホラー短編集。表題作の「元気でいてよ、R2−D2。」
は、しんみりとする展開でもありましたが、全体的に北村薫らしい文章の上手
さを感じましたし、表題作を読んで、スターウォーズシリーズを再び見てみた
くなりました。

<本紹介>
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【ジャンル】短編小説集
【著書名】 きのうの神さま
【著者名】 西川美和
【出版社】 ポプラ社
【初 刊】 2009年4月15日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】「ゆれる」で世界的な評価を獲得し、今、最も注目を集める映画
      監督が、日常に潜む人間の本性を渾身の筆致で炙りだした短編集。
      2009年公開映画「ディア・ドクター」に寄り添うアナザー・
      ストーリーズ。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、映画「ディア・ドクター」のアナザー・ストリーズで、僻地医療を
題材とした「ディア・ドクター」の登場人物の、過去や未来のドラマを綴った
5編の作品からなる連作短編集。それぞれの作品で、臓外科医の夫をもつ元看
護師の心情や、港町の診療所を去る医師の1日など、丹念な取材の様子も伺え
る作品集で、映画「ディア・ドクター」は見ていませんが、これはDVD化さ
れた時にぜひとも見てみたいと思います。

<本紹介>
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【ジャンル】エッセイ
【著書名】 かみつく二人
【著者名】 三谷幸喜/清水ミチコ
【出版社】 幻冬舎
【初 刊】 2009年6月10日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】J−WAVEラジオの「DOCOMO MAKING SENSE」
      の2006年7月〜12月放送分を加筆再構成したもの。すべら
      ない英語ジョークから、もんじゃの焼き方、猫の探し方まで、抱
      腹絶倒、会話のバトル第3弾。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、ラジオ番組での会話のバトルを単行本とした第3弾。楽しい会話の
様子が文字からも伝わってきていて、ラジオ番組は聴いたことがないものの、
間合いのテンポが分かるような感じで、楽しい会話エッセイとなっています。
このラジオ番組の単行本は、第1弾が「むかつく二人」で、第2弾が「いらつ
く二人」ですが、この前の2作品は読んでいないものの、前2作も読んでみよ
うと思います。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 神去なあなあ日常
【著者名】 三浦しをん
【出版社】 徳間書店
【初 刊】 2009年5月31日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】高校卒業と同時に平野勇気が放り込まれたのは三重県の山奥にあ
      る神去村。チェーンソー片手に山仕事を始めるが、先輩の鉄拳、
      ダニやヒルの襲来、さらに村には秘密があって…。林業にゆる〜
      くかける青春の物語。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 神去村の人たちはおっとりしている。彼らの口癖は「なあなあ」で、「ゆっ
くり行こう」「まあ落ち着け」など、いろんな意味に使われているが、語尾に
も「な」がつくので、のんびりした感じになる。神去村には林業従事者が多く、
百年単位んの作業をしているので、あくせくしてもしようがないと思っている
みたいだ。俺は平野勇気。高校卒業式の後、俺の行き先は、担任の先生と母親
に決められていた。この神去村で、林業の研修生として働くことになっていた
のだ。ローカル線の終点の駅に出迎えに来てくれたのは、髪を金髪に染めたヨ
キというガタイのいい男だった。チェーンソーの使い方など教えられたところ
で、俺は「高フ雇用」というシステムの応募者にされたのだと知った。しかし、
「やっと神去村に若者が来た」と涙ぐんでいるおじいさんを前に帰るとは言え
なかった。俺の山の生活が始まった……。
 物語は、主人公が高校卒業と同時に、深い森に囲まれて林業を営む人達が暮
らし、過疎化と高齢化が進む神去村で林業見習いとして働く1年間を描いた作
品。都会の生活とは全く違い、何十年もかけて育つ木を手入れし、切り倒し、
新たに植えてゆく仕事を通して、村での生活や空気が描かれる作品ですが、集
落の田舎ならではの、のんびり感やゆったり感が上手く表現されており、個性
豊かな登場人物も、自然相手ののんびりした展開の中で引き立っています。

【さ行】

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 ステップ
【著者名】 重松 清
【出版社】 中央公論新社
【初 刊】 2009年3月25日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】結婚3年目、妻が逝った。のこされた僕らの、新しい生活…。泣
      いて笑って、少しずつ前へ。一緒に成長する「パパと娘」を、季
      節のうつろいとともに描く。『中央公論』連載「恋まで、あと三
      歩。」を改題し書籍化。
【満足度】 ★★★★★(文句なし!)
End------------------------------------------------
 物語は、結婚3年目で1歳半になる娘を残して妻を病気で失った主人公と娘
の物語で、その娘を保育園に入れるところから始まります。仕事をしながら家
事をこなし、そして妻の両親にも心配りをしながら、家事をし、仕事をし、妻
の両親にも心を配り、決して楽ではないけれど、娘の成長を見守りながら、自
らもまた親として成長する日々を、保育園入園から小学校卒業まで、9つの物
語として、その歳月が細かく綴られています。妻を亡くした悲しみと、娘がマ
マを亡くした悲しみを背負い、周りの人々に支えられながら生活する主人公の
様子は、読んでいて何度も目頭が熱くなり、家族の絆が非常に強く感じられる
良書です。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 静子の日常
【著者名】 井上荒野
【出版社】 中央公論新社
【初 刊】 2009年7月25日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】何かが過剰で、何かが足りないこの世の中。今日も出くわす“ば
      かげた”事象を、宇陀川静子・75歳は見過ごさない! チャー
      ミングで痛快な長篇小説。『yorimo』連載を書籍化。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 長年連れ添った夫に先立たれた静子は、75歳にして初めて水泳を習い、新
聞配達青年にパソコンの手ほどきを受け、孫娘の恋を陰ながら応援しつつ、息
子の婚外デートはものの見事に阻止したり、先に逝った夫に「失礼しちゃうわ。
死んでるなんて」とつぶやき、町内会の旅行では「女たらし」のじいさんを撃
退してしまう、傍目には心静かに日々を送る恵まれた境遇の老婦人。しかし、
その実態は現代のいじわるばあさんであり、そのスピリットは、嫁と孫娘に間
違いなく受け継がれていく……という家族小説。設定の割には展開が淡々とし
ていましたが、主人公一家のささやかな日常が、それぞれの視点で描かれてお
り、どことなくリアル感を感じた作品です。

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 雪冤
【著者名】 大門剛明
【出版社】 角川書店
【初 刊】 2009年5月31日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】時効直前、死刑が確定した男の父親にかかってきた1本の電話。
      それは、真犯人を名乗る人物からだった。15年前の殺人事件は
      冤罪だったのか、それとも…? 死刑制度と冤罪に真正面から挑
      んだ社会派ミステリ。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 平成5年、京都で残虐な事件が発生した。被害者はホームレスを支援する大
学生のボランティア団体「あおぞら合唱団」に所属する長尾靖之と沢井恵美。
二人は刃物で刺され、恵美には百箇所以上もの傷が…。容疑者として逮捕され
たのは合唱団の指揮者・八木沼慎一だった。慎一は一貫して容疑を否認するも
死刑が確定。だが事件発生から15年後、慎一の手記が公開された直後に事態
が急展開する。息子の無実を訴える父、八木沼悦史のもとに、「メロス」と名
乗る人物から自首したいと連絡が入り、自分は共犯で真犯人は「ディオニス」
だと告白される。果たして「メロス」の目的は、そして「ディオニス」とは?
 本書は、第29回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞受賞作で、被害者遺
族と加害者家族の視点をちりばめ、死刑制度と冤罪という問題に深く踏み込ん
だ衝撃の社会派ミステリ。冤罪を晴らすために、15年前に遡っての捜査、伏
線となる小さな謎など、ミステリとしての犯人探しは勿論のこと、死刑制度と
法の解釈という司法問題の重いテーマをうまくエンターテインメント小説とし
ているのは評価できます。ただ、ミステリ部分でやや弱さがあったのと、後半
でやや中弛みがあったのが少々残念でしたが、重いテーマの割にはよく描かれ
た作品です。

<本紹介>
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【ジャンル】連作ミステリ
【著書名】 贖罪
【著者名】 湊かなえ
【出版社】 東京創元社
【初 刊】 2009年6月15日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】穏やかな田舎町で起きた、惨たらしい美少女殺害事件。犯人と目
      される男の顔をどうしても思い出せない4人の少女たちに投げつ
      けられた激情の言葉が、彼女たちの運命を大きく狂わせることに
      …。
【満足度】 ★★★☆
End------------------------------------------------
 15年前、とある田舎町で小学校4年生の少女が殺害されるという事件が起
きた。殺されたのは東京から転校してきたエミリ。同級生の紗英、真紀、由佳、
晶子と校庭でバレーボールをしていたときに起きた事件で、4人は犯人を目撃
していたが誰もその顔を覚えていなかった。4人もいて誰一人犯人の顔を覚え
ていないとはどういうことか、とエミリの母・麻子は少女たちに激越な言葉を
投げつける。そして、事件が時効を迎えようとしていた時、紗英から麻子あて
に一通の手紙が届く。そこには事件と麻子の言葉がいかに紗英の心を深く傷つ
けていたかが書かれていた。それを機に、紗英と同様、他の3人も大きく人生
を狂わされていたことが明かされていき、最後には意想外な事件の真相が明ら
かとなる……。
 物語は、田舎で起きた美少女殺害事件を背景に、少女達と母親の心に落とし
た影と、それぞれの人生の悲劇の連鎖を描いた連作ミステリ。読ませる作品で
はあるものの、読後にスッキリしないというか、負の連鎖が残る内容でもあり
ました。

<本紹介>
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【ジャンル】野球
【著書名】 弱者の兵法
【著者名】 野村克也
【出版社】 アスペクト
【初 刊】 2009年8月6日
【金 額】 1429円+税
【カバー文】人間的成長なくして技術的進歩なし。人間の最大の罪は鈍感であ
      る。中心なき組織は機能しない…。野球界の名伯楽が、プロの人
      材育成・組織作りの奥義を具体的に明かす。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 サブタイトルに「野村流 必勝の人材育成論・組織論」とありますが、この
ところ著書は相次いで出していることもあって、最近の野村監督の書籍の中身
は同じことが繰り返し書かれているだけに、本書でも真っ先にマンネリ感を感
じました。比較的目新しかったことに、第2回WBC優勝についてが書かれて
おり、城島のリードについて解説していましたが、試合の最中に確かサンスポ
のコラムで、城島のリードを思いきり酷評しており、本書では、そのリードの
失敗面と城島に対するフォローのコメントが書かれていましたが、フォローの
コメントを書くなら、WBC中にもすべきだったと思いますし、野村氏の書籍
は読みごたえもあり、好きではあるものの、試合の最中であればこそ、もう少
し気配すべきだったのではと、本書を読んで改めて思いました。

<本紹介>
Start----------------------------------------------
【ジャンル】食の安全
【著書名】 スーパーの裏側 安全でおいしい食品を選ぶために
【著者名】 河岸宏和
【出版社】 東洋経済新報社
【初 刊】 2009年4月30日
【金 額】 1400円+税
【カバー文】とんかつはカツ丼、マグロのサクは刺身で復活? 卵は毎日産ま
      れるのに、なぜ特売日に10倍並ぶ? 食品業界を知り尽くした
      男が、バックヤード&食品流通の舞台裏を暴露する。「食品の裏
      側」に続く「裏側」シリーズ第2弾。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、法律上、問題がないという理由のもとに、スーパーの裏側では何が
行われているのか、法律に触れない、日付偽装、再加工、使い回しなどの違法
すれすれの実態に迫ったレポート。著者は、ハム・ソーセージ、総菜、卵の工
場やスーパーの現場を永年、経験した品質管理の専門家で、スーパーがお客を
手玉に取るノウハウや、不潔で乱雑な調理現場やバックヤードの実態、使い回
し商品の見分け方などが紹介されています。著者の本では『“食の安全”はど
こまで信用できるのか』も読みましたが、消費者側からは知りえない裏事情が
克明に書かれており、売れ残ったマグロのサクを翌日、刺し身に再加工して売
り出す「使い回し」、ハムや精肉のラベルを張り替える「巻き直し」、解凍し
た日やパックした日が製造日になり店頭に並ぶ数年前に釣られたアジの干物、
そして業界全体で行われている卵の日付の偽装など驚きの事実を報告していま
す。また、本書で著者は『よいスーパーを育てるのは「安さ」にごまかされな
い賢い消費者だ』とも指摘していますが、そのような賢い消費者になりたいも
のですし、スーパーの実態告発の一方で、賢い買い物の仕方も指南しています。

<本紹介>
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【ジャンル】経済
【著書名】 世界一受けたいお金の授業
【著者名】 和仁達也
【出版社】 三笠書房
【初 刊】 2009年3月5日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】お金を「稼ぐ・使う・貯める・活かす」仕組みを図(ブロックパ
      ズル)を書いて視覚的にわかりやすく解説。経済のことがよくわ
      からないまま大人になってしまった人へおくる“マネーの教科書”。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、著者が品川女子学院で行った授業を元に、お金の「稼ぐ・使う・貯
める・活かす」の仕組みを「図」(ブロックパズル)として、わかりやすく解
説しており、お金についての仕組みを分かりやすくまとめたもので、経済の入
門書的な一冊といえるでしょう。

<本紹介>
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【ジャンル】新書
【著書名】 世界は分けてもわからない
【著者名】 福岡伸一
【出版社】 講談社
【初 刊】 2009年7月20日
【金 額】 780円+税
【カバー文】生命に「部分」はあるか? なぜ存在しないはずの境界線を見て
      しまうのか? 脳が持つ認識の癖に切り込み、生命の本質をとら
      え直すスリリングな科学ミステリー。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 本書は、『生物と無生物のあいだ』『できそこないの男たち』に続く、著者
の科学エッセイの第3弾。今回も分子生物学についてを分かりやすく解説し、
特に生物分野で、前作から更に追及しており、「命に境界線は引けるのか?」
という考察を様々な角度から提示しており、奥深い科学の追及だとも思います。

<本紹介>
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【ジャンル】食の安全
【著書名】 食ショック
【著者名】 読売新聞「食ショック」取材班
【出版社】 中央公論新社
【初 刊】 2009年7月10日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】食料自給率の低下や飽食、大量廃棄の現状、揺らぐ食品の安全性
      などの問題を多角的に検証し、日本が直面している危うい食料事
      情に警鐘を鳴らす。ムダを出さない保存・調理のコツ40も収録。
      『読売新聞』連載を書籍化。
【満足度】 ★★★★☆
End------------------------------------------------
 本書は、読売新聞で1年間連載され、第24回農業ジャーナリスト賞受賞に
もなった、食の問題を取り上げた「食ショック」を単行本化したもの。新聞連
載記事でもあったためか、非常に分かりやすく、食問題を幅広く取り上げてお
り、ギョーザ事件の背景としての中国現場ルポや、食卓の変化を通じて様変わ
りする日本の食文化など、現場主義で食事情を掘り起こしています。中でも、
記者による人体実験企画は、必見ともいえる内容で、日本の食料自給率の低さ
を実感しようと、「完全自給食」で4日間しのいだり、賞味期限の謎に挑戦す
るため、製造後25年も経っている期限切れ缶詰を試食したりと、体当たりの
取材内容も興味深く、非常に印象深い内容です。

【た行】

 

【な行】

 

【は行】

<本紹介>
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【ジャンル】連作小説集
【著書名】 廃墟に乞う
【著者名】 佐々木譲
【出版社】 文藝春秋
【初 刊】 2009年7月15日
【金 額】 1600円+税
【カバー文】ニセコの貸し別荘で見つかった女性の絞殺死体。仙道孝司はオー
      ストラリア人と日本人不動産会社との確執に事件解決の鍵を見出
      す。「オージー好みの村」など、休職中の道警刑事、仙道が北海
      道の全域を駆け回る連作小説集。
【満足度】 ★★★★
End------------------------------------------------
 物語は、ある事件をきっかけに自宅療養をしている道警刑事の仙道が、休職
中という自由な立場を生かして、ニセコ・札幌・帯広・日高・オホーツク海・
夕張を舞台に、持ち込まれた事件の捜査をし、北海道が抱える社会的問題を鋭
いた、6つの作品が収録される連作警察小説で、それぞれの土地柄を活かした
事件が描かれます。佐々木譲の警察小説としては、短編での連作ということも
あって、ややアッサリしていましたが、北海道が抱える社会的問題をうまく作
品に活かしています。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 パパママムスメの10日間
【著者名】 五十嵐貴久
【出版社】 朝日新聞出版
【初 刊】 2009年2月28日
【金 額】 1500円+税
【カバー文】入れ替わったパパと小梅の心が無事もとに戻ってから2年が過ぎ
      た。小梅が大学の入学式を迎えた日、落雷に遭い、今回はパパが
      ママに、ママが小梅に、小梅がパパに! 一体、3人はどうなる
      ? 「パパとムスメの7日間」の続編。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 本書は、テレビドラマ化もされた前作『パパとムスメの7日間 』の続編。
そのテレビドラマは見ていませんが、前作と比べると、3人の入れ替わりと展
開が更に広がっているものの、それぞれの心の変化などが今一つで、それなり
に面白かったものの、ドタバタ劇になっていたのが少々残念です。

<本紹介>
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【ジャンル】小説
【著書名】 ポトスライムの舟
【著者名】 津村記久子
【出版社】 講談社
【初 刊】 2009年2月2日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】お金がなくても、思いっきり無理をしなくても、夢は毎日育てて
      ゆける。契約社員ナガセの目標は、自分の年収と同じ世界一周旅
      行の費用を貯めること。その総額、163万円。執拗なまでに節
      約を試みるナガセだったが…。
【満足度】 ★★
End------------------------------------------------
 本書は、第140回芥川賞受賞作で、大学を卒業して正社員として4年間勤
めた後、上司や同僚から嫌がらせを受けて会社を辞めた後、契約社員になった
30歳間近の主人公の女性の日常を描いた作品ですが、あまりにも淡々としす
ぎていて、正直作品の良さというのは分かりませんし、展開にもっと起伏を持
たせてほしかった作品です。

【ま行】

 

【や行】

<本紹介>
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【ジャンル】ミステリ
【著書名】 夜になっても走り続けろ
【著者名】 倉阪鬼一郎
【出版社】 実業之日本社
【初 刊】 2009年6月25日
【金 額】 857円+税
【カバー文】“宇宙人”とあだ名されるマイペースな女子大生・月岡麻友が2
      4時間耐久レースに出場することに。レースが進むにつれ明らか
      になる各選手やチームの真実の姿、そして夜のコースに現れる謎
      の影に麻友は…。青春マラソンホラー。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 失恋した女子大生の麻友は、自暴自棄になって24時間耐久マラソン大会に
エントリー。当日、迷いながらもスタートラインに立った麻友は、シマウマの
コスプレで走る仮装ランナーらと共に走り始めるが、マラソン初心者の麻友は
すぐにバテてしまう。リレー部門に出場していた同じ大学のジョギング愛好家
のマックスがそんな麻友を見かねて声をかけてきた。愛好会のにわかメンバー
になった麻友は、夜が近づくにつれ不安が募る。麻友は夜に怪しいものを見て
しまう体質だったのだ……。
 物語は、それぞれの思いを秘めて走る選手達の24時間を描く青春マラソン
ホラー。ホラーといっても、幽霊物語とでもいえばいいのか、ゾクゾクする恐
怖感のあるホラーという意味ではなく、青春小説っぽい作品です。倉阪鬼一郎
ならではのミステリ要素が盛り込まれているなら良かったですが、ミステリ要
素も少なく、作品としては悪くはないのですが、多少期待ハズレの物語でした。

<本紹介>
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【ジャンル】幻想小説
【著書名】 宵山万華鏡
【著者名】 森見登美彦
【出版社】 集英社
【初 刊】 2009年7月10日
【金 額】 1300円+税
【カバー文】祇園祭宵山の京都。熱気あふれる祭りの夜には現実と妖しの世界
      が入り乱れ、気をつけないと「大切な人」を失ってしまう。幼い
      姉妹、ヘタレ大学生、怪しげな骨董屋。様々な事情と思惑を抱え、
      人々は宵山へと迷い込んでいくが…。
【満足度】 ★★★
End------------------------------------------------
 物語は、祇園祭宵山を舞台として、6編の連作短編となっている幻想作品。
幻想世界と現実とが入り乱れる京都の町で、次々に不思議な出来事が起きるの
ですが、京都をうまく表現しているとは思うものの、独特の世界観がどうも物
足りない感じで、連作としてうまくまとめているのですが、インパクトがあま
り感じられず、森見作品としてはイマイチ的な感じでもありました。

【ら行】

 

【わ行】

 

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